JPH067184A - マルトビオン酸の製法 - Google Patents

マルトビオン酸の製法

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JPH067184A
JPH067184A JP19328692A JP19328692A JPH067184A JP H067184 A JPH067184 A JP H067184A JP 19328692 A JP19328692 A JP 19328692A JP 19328692 A JP19328692 A JP 19328692A JP H067184 A JPH067184 A JP H067184A
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JP
Japan
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acid
mixture
maltobionic acid
maltobionic
oligoglucosyl
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JP19328692A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Maruo
重昭 丸尾
Yoji Ezure
洋治 江連
Hiroshi Yamashita
博司 山下
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Nippon Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shinyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、マルトビオン酸を安価にしかも高
純度で取得しようとすることを目的とする。 【構成】 本発明は、マルトビオン酸製造の原料として
種々のマルトオリゴ糖を酸化して得られるオリゴグルコ
シルグルコン酸及びその混合物を用い、当該オリゴグル
コシルグルコン酸及びその混合物を加水分解する際にグ
ルコアミラーゼを使用し、マルトビオン酸とグルコース
を生成させ、マルトビオン酸を分離精製することを構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清涼な味覚を生じる酸
味剤として有用なマルトビオン酸(マルトン酸ともい
う)の収率がよくしかも高純度取得が可能の製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マルトビオン酸は、清涼な味覚を生じる
ことからクエン酸、リンゴ酸等と同等に使用され、食
物、飲料等に添加することにより風味を増すことから、
食品分野においては汎用されている物質である(特公昭
48-20314号他)。マルトビオン酸は、マルトースを酸化
することにより容易に取得することができるが、マルト
ースは一般に高価であり、そのことよりマルトビオン酸
を安価に取得する方法の開発が望まれていた。食品に混
合すべき食品添加物は、その性質上不純物が混合されて
いることを嫌うから、より高純度の食品添加物を提供す
ることが望まれているが、不純物を除去するためには更
に処理が必要となり安価な提供が困難であった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、マルトビ
オン酸を安価にしかも高純度で取得しようとすることを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、マルト
ビオン酸製造の原料としてオリゴグルコシルグルコン酸
を用いること、及び、当該オリゴグルコシルグルコン酸
を加水分解する際にグルコアミラーゼを使用すること、
の2点にある。本発明の要部は種々のグルコン酸を加水
分解するところにあるが、その際に使用する本発明に係
るグルコアミラーゼは、グルコシルグルコン酸を加水分
解することがない。この事実は、本発明者らによって今
回初めて見出された新知見であり、本発明はこの新知見
に基づいて完成されたものである。
【0005】本発明の構成について詳述する。本発明に
おいては、種々のオリゴグルコシルグルコン酸及びその
混合物を使用することができる。これらのオリゴグルコ
シルグルコン酸は、種々のオリゴ糖及びこれらの混合物
を酸化することにより取得することができる。本発明の
製法の原料をこれらのオリゴ糖にするとすれば、この酸
化反応は本発明に含まれるものである。
【0006】このような本発明に係るオリゴ糖として
は、例えば、マルトース、マルトトリオース、マルトテ
トラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオー
ス、及びこれらの混合物等を挙げることができる。ま
た、市販の食品用オリゴ糖製品も用いることができる。
【0007】本発明に係るオリゴグルコシルゴルコン酸
としては、例えば、マルトビオン酸、マルトトリオン
酸、マルトテトラオン酸、マルトペンタオン酸、マルト
ヘキサオン酸、マルトヘプタオン酸、及びこれらの混合
物等を挙げることができる。
【0008】本発明に係るこれらのオリゴグルコシルグ
ルコン酸は、極めて容易に取得することができる。例え
ば、マルトオリゴ糖を還元末端修飾法で製造するときに
マルトオリゴ糖生成アミラーゼの切断残渣として取得す
ることができる(特願平4−32569)。また、臭素
酸化、電解酸化等の従来法、パラジウム触媒を用いる電
気酸化(特開平3−76299)、微生物酸化(特公昭
55−33862)等いづれの酸化法で得られたオリゴ
グルコシルグルコン酸でも本発明に使用することができ
る。
【0009】本発明に係るグルコアミラーゼとしては、
例えば、アスペルギラス属、リゾプス属由来のグルコア
ミラーゼを挙げることができる。本発明に係るグルコア
ミラーゼはこれに限定されるものではない。
【0010】本発明によりオリゴグルコシルグルコン酸
の混合物にグルコアミラーゼを作用させることにより、
マルトビオン酸及びグルコースの混合物を取得すること
ができる。この加水分解によりマルトビオン酸及びグル
コース以外の生成物が生成することがないことが本発明
の最大の特徴点である。本発明においては、従って、上
記加水分解反応後の反応液中から、グルコースのみを取
り除くことにより、高純度で目的とするマルトビオン酸
を取得することができる。この精製反応は、例えば、イ
オン交換樹脂、電気透析器等により極めて容易にするこ
とができる。
【0011】
【効果】本発明を実施することにより、食品添加物等と
して有用なマルトビオン酸を極めて安価にしかも高純度
で提供することができる。従って、食品工業の発展と国
民の食生活向上に資するところが極めて大きい。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて、本発明を更
に詳しく説明する。
【0013】実施例1 マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、
マルトペンタオース、各々1gを蒸留水10mlに溶解し、各
溶液にそれぞれ臭素0.5ml を加える。各溶液を100ml ナ
ス型コルベンに入れ遮光し、室温攪拌で48hr反応させ
た。次いで、窒素ガスをバブリングさせ臭素を除去した
後、0.2N NaOH で中和し、マイクロアシライザーS−1
(アシプレックスカートリッジ:AC-110-10) で脱塩後凍
結乾燥して、マルトビオン酸、マルトトリオン酸、マル
トテトラオン酸、マルトペンタオン酸をそれぞれ得た。
収量は各々、マルトビオン酸 1.49g 純度 79.3%、マル
トトリオン酸 1.18g純度 80.5%、マルトテトラオン酸
1.03g 純度 94.6%、マルトペンタオン酸 0.95g 純
度88.3% であった。
【0014】実施例2 基質としてマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マ
ルトペンタオン酸の10mg/ml 水溶液を各々0.5ml 用い、
これらにグルコアミラーゼ (生化学工業社製)を10mg/10
ml の濃度に調製したものを各々0.5ml 加え、40°C で1
9hr反応した。反応液を1 、3 、19hrに各々HPLC分析し
た。HPLC分析の条件は、カラムにはAsahipak NH2 P-5
0 4.6Φ×250mm を用い、溶媒はアセトニトリル:50mM
酢酸ナトリウム(pH10.5)=68:32を使用した。温度は35°
C で行い、RIを用いて検出した。以下、HPLC分析の条件
は同じである。その結果を表1に示した。
【表1】 また、TLC を図1に示した。各々からマルトビオン酸だ
けが生成されていることがわかる。
【0015】実施例3 サンオリゴ5,6(酸松工業社製)10gを蒸留水100ml に溶解
し、臭素を2ml 加える。この溶液を500ml ナス型コルベ
ンにて遮光し、室温攪拌で48hr反応させ、窒素ガスをバ
ブリングして脱臭素化をした後、2N NaOH で中和し、マ
イクロアシライザー S-1( アシプレックスカートリッ
ジ:AC-220-10) で脱塩後、凍結乾燥しオリゴグルコシル
グルコン酸の混合物11.7g を得た。
【0016】実施例4 基質として、オリゴグルコシルグルコン酸の混合物 100
mgを蒸留水10mlに溶解し、これにグルコアミラーゼ (生
化学工業社製) を10mg/10ml 及び、10mg/100mlの濃度に
蒸留水で調製したものを0.5ml 加え、40°C で20hr反応
した。反応液を1 、3 、20hrに各々マルトビオン酸をHP
LC分析した。結果を表2 に示した。
【表2】
【0017】実施例5 基質としてマルトテトラオン酸 100mgを蒸留水10mlに溶
解し、これにグルコアミラーゼ (生化学工業社製) を10
mg/10ml の濃度に蒸留水で調製したものを10ml加え、40
°C で 2hr反応した。反応液を 100°C で5min加熱後、
3000rpm ×20min 遠心し、上清をアシラーザー S-1( 旭
化成社製) を用いて電気透析した。すなわち、膜は、ア
シプレックスカートリッジ AC-230-10 (旭化成) を用
い、試料液( 内液) 側に上清液( マルトビオン酸 1.71m
g/ml、グルコース 2.22mg/ml含有) を5ml 入れ、外液側
に蒸留水5ml を入れて20min 電気透析し、外液にマルト
ビオン酸 2.06mg/mlを5.1ml 得た。TLC では単一スポッ
トであった。TLC を図2 に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2のTLCの結果を示す。各ス
ポットは1.グルコース、2.マルトビオン酸、3.マ
ルトトリオン酸、4.マルトトリオン酸反応物(3h
r)、5.マルトテトラオン酸、6.マルトテトラオン
酸反応物(3hr)7.マルトペンタオン酸、8.マル
トペンタオン酸反応物(3hr)をそれぞれ示す。展開
溶媒はブタノール:エタノール:水=5:3:2を使用
した。発色は 10%硫酸メタノール溶液を噴霧・加熱し
た。
【図2】図2は、実施例5のTLCの結果を示す。各ス
ポットは1.グルコース、2.マルトビオン酸、3.透
析前、4.透析後の内液、5.透析後の外液をそれぞれ
示す。展開溶媒はブタノール:エタノール:水=5:
3:2を使用した。発色は 10%硫酸メタノール溶液を噴
霧・加熱した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のグルコシル基が結合したオリゴグ
    ルコシルグルコン酸の混合物にグルコアミラーゼを作用
    させることを特徴とするマルトビオン酸の製法。
  2. 【請求項2】 複数のグルコシル基が結合したマルトオ
    リゴ糖の混合物を酸化して複数のグルコシル基が結合し
    たオリゴグルコシルグルコン酸の混合物を取得し、これ
    にグルコアミラーゼを作用させてマルトビオン酸及びグ
    ルコースの混合物を取得し、これを精製することを特徴
    とするマルトビオン酸の製法。
  3. 【請求項3】 複数のグルコシル基が結合したマルトオ
    リゴ糖の混合物を酸化して複数のグルコシル基が結合し
    たオリゴグルコシルグルコン酸の混合物を取得し、これ
    を分解してマルトビオン酸及びグルコースの混合物を取
    得し、これを精製してマルトビオン酸を製造する工程に
    おいて、オリゴグルコシルグルコン酸の分解がグルコア
    ミラーゼによるマルトビオン酸とグルコースの生成反応
    であることを特徴とするマルトビオン酸の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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