JPH067179A - 光学活性マンデル酸の製造方法 - Google Patents
光学活性マンデル酸の製造方法Info
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- JPH067179A JPH067179A JP16740492A JP16740492A JPH067179A JP H067179 A JPH067179 A JP H067179A JP 16740492 A JP16740492 A JP 16740492A JP 16740492 A JP16740492 A JP 16740492A JP H067179 A JPH067179 A JP H067179A
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- acid
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ベンゾイルギ酸を光学活性マンデル酸へ変換
する能力を有し、アピオトリカム属、キャンディダ属、
トルロプシス属、ロドトルラ属、トリコスポロン属、ロ
ドスポリディウム属、ピキア属、クロエッケラ属、ハン
ゼヌラ属、サッカロマイセス属、クレブシエラ属、ロド
コッカス属、ミクロバクテリウム属、ブレビバクテリウ
ム属、コリネバクテリウム属、アースロバクター属、エ
ンテロバクター属、ミクロコッカス属、アルカリゲネス
属、アミコラトプシス属、ストレプトマイセス属および
ノカルディオアイデス属に属する微生物より選ばれた少
なくとも一種の微生物の培養物、菌体またはその処理物
を、ベンゾイルギ酸に作用させて、光学活性マンデル酸
を生成蓄積せしめ、反応液から光学活性マンデル酸を単
離採取することを特徴とする光学活性マンデル酸の製造
方法。 【効果】 ベンゾイルギ酸から光学活性マンデル酸を微
生物を用いた不斉還元により直接取得でき、工業的に有
利な光学活性マンデル酸の生成が可能となる。
する能力を有し、アピオトリカム属、キャンディダ属、
トルロプシス属、ロドトルラ属、トリコスポロン属、ロ
ドスポリディウム属、ピキア属、クロエッケラ属、ハン
ゼヌラ属、サッカロマイセス属、クレブシエラ属、ロド
コッカス属、ミクロバクテリウム属、ブレビバクテリウ
ム属、コリネバクテリウム属、アースロバクター属、エ
ンテロバクター属、ミクロコッカス属、アルカリゲネス
属、アミコラトプシス属、ストレプトマイセス属および
ノカルディオアイデス属に属する微生物より選ばれた少
なくとも一種の微生物の培養物、菌体またはその処理物
を、ベンゾイルギ酸に作用させて、光学活性マンデル酸
を生成蓄積せしめ、反応液から光学活性マンデル酸を単
離採取することを特徴とする光学活性マンデル酸の製造
方法。 【効果】 ベンゾイルギ酸から光学活性マンデル酸を微
生物を用いた不斉還元により直接取得でき、工業的に有
利な光学活性マンデル酸の生成が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性マンデル酸の
製造方法に関する。
製造方法に関する。
【0002】光学活性マンデル酸は、ペニシリン系やセ
ファロースポリン系抗生物質などの医療原料、さらには
光学分割剤として有用な化合物である。
ファロースポリン系抗生物質などの医療原料、さらには
光学分割剤として有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】光学活性マンデル酸を製造する方法とし
ては、ラセミ体の分別結晶による光学分割法、クロマト
グラフィによる光学分割法、有機化学的な不斉合成法な
どが知られている。また、微生物を用いる方法として
は、還元酵素を用いる方法(特公平62393号公
報)、ニトリラーゼを用いる方法(特開平3−2772
92号公報)などが知られている。また、微生物の還元
力を利用する方法(特公平3−57752号公報)も提
案されている。
ては、ラセミ体の分別結晶による光学分割法、クロマト
グラフィによる光学分割法、有機化学的な不斉合成法な
どが知られている。また、微生物を用いる方法として
は、還元酵素を用いる方法(特公平62393号公
報)、ニトリラーゼを用いる方法(特開平3−2772
92号公報)などが知られている。また、微生物の還元
力を利用する方法(特公平3−57752号公報)も提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学分
割法や不斉合成法などによる場合は、操作が煩雑で光学
純度も低いなどの欠点があり、また微生物を用いる方法
は、収率・収量の点で満足がいく方法ではなかった。
割法や不斉合成法などによる場合は、操作が煩雑で光学
純度も低いなどの欠点があり、また微生物を用いる方法
は、収率・収量の点で満足がいく方法ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学活性
マンデル酸の製造方法を種々検討した結果、微生物の有
する還元力を利用してベンゾイルギ酸を光学活性マンデ
ル酸に有利に導き得ることを見出し、本発明に至った。
マンデル酸の製造方法を種々検討した結果、微生物の有
する還元力を利用してベンゾイルギ酸を光学活性マンデ
ル酸に有利に導き得ることを見出し、本発明に至った。
【0006】本発明は、ベンゾイルギ酸を光学活性マン
デル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム(Apiotri
chum) 属、キャンディダ(Candida) 属、トルロプシス(T
orulopsis)属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、トリコス
ポロン(Trichosporon)属、ロドスポリディウム(Rhodosp
soridium) 属、ピキア(Pichia)属、クロエッケラ(Kloec
kera) 属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、サッカロマイセ
ス(Saccharomyces) 属、クレブシエラ(Klebsiella)属、
ロドコッカス(Rhodococcus) 属、ミクロバクテリウム(M
icrobacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacteri
um) 属、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)属、ア
ースロバクター(Arthrobacter)属、エンテロバクター(E
nterobacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus) 属、ア
ルカリゲネス(Alcaligenes) 属、アミコラトプシス(Amy
colatopsis) 属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属
およびノカルディオアイデス(Nocardioides)属に属する
微生物より選ばれた少なくとも一種の微生物の培養物、
菌体またはその処理物を、ベンゾイルギ酸に作用させ
て、光学活性マンデル酸を生成蓄積せしめ、反応液から
光学活性マンデル酸を単離採取することを特徴とする光
学活性マンデル酸の製造方法である。
デル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム(Apiotri
chum) 属、キャンディダ(Candida) 属、トルロプシス(T
orulopsis)属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、トリコス
ポロン(Trichosporon)属、ロドスポリディウム(Rhodosp
soridium) 属、ピキア(Pichia)属、クロエッケラ(Kloec
kera) 属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、サッカロマイセ
ス(Saccharomyces) 属、クレブシエラ(Klebsiella)属、
ロドコッカス(Rhodococcus) 属、ミクロバクテリウム(M
icrobacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacteri
um) 属、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)属、ア
ースロバクター(Arthrobacter)属、エンテロバクター(E
nterobacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus) 属、ア
ルカリゲネス(Alcaligenes) 属、アミコラトプシス(Amy
colatopsis) 属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属
およびノカルディオアイデス(Nocardioides)属に属する
微生物より選ばれた少なくとも一種の微生物の培養物、
菌体またはその処理物を、ベンゾイルギ酸に作用させ
て、光学活性マンデル酸を生成蓄積せしめ、反応液から
光学活性マンデル酸を単離採取することを特徴とする光
学活性マンデル酸の製造方法である。
【0007】以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】本発明においては、ベンゾイルギ酸を光学
活性マンデル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム
属、キャンデイダ属、トルロプシス属、ロドトルラ属、
トリコポロン属、ロドスポリディウム属、ピキア属、ク
ロエッケラ属、ハンゼヌラ属、サッカロマイセス属、ク
レブシエラ属、ロドコッカス属、ミクロコッカス属、コ
リネバクテリウム属、アースロバクター属、ブレビバク
テリウム属、エンテロバクター属、ミクロッコッカス
属、アルカリゲネス属、アミコラトプシス属、ストレプ
トマイセス属およびノカルディオアイデス属に属する微
生物より選ばれた少なくとも一種の微生物を用いる。
活性マンデル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム
属、キャンデイダ属、トルロプシス属、ロドトルラ属、
トリコポロン属、ロドスポリディウム属、ピキア属、ク
ロエッケラ属、ハンゼヌラ属、サッカロマイセス属、ク
レブシエラ属、ロドコッカス属、ミクロコッカス属、コ
リネバクテリウム属、アースロバクター属、ブレビバク
テリウム属、エンテロバクター属、ミクロッコッカス
属、アルカリゲネス属、アミコラトプシス属、ストレプ
トマイセス属およびノカルディオアイデス属に属する微
生物より選ばれた少なくとも一種の微生物を用いる。
【0009】かかる微生物の具体例としては、たとえ
ば、アピオトリカム・フミコーラATCC36992、
キャンディダ・ファマータIFO0856、キャンディ
ダ・パラプシロシスATCC7330、トルロプシス・
キャンディダIFO0380、ロドトルラ・ミヌタAT
CC10658、トリコスポロン・クタネウムATCC
36993、ロドスポリディウム・トルロイデスATC
C10788、ピキア・ハロフィアATCC2424
0、クロエッケラ・マグナIFO0868、ハンゼヌラ
・グルコザイマATCC18938、サッカロマイセス
・ダイアスタティカスIFO1439、クレブシエラ・
オキシトカFERM P10097、ロドコッカス・エ
リスロポリスATCC21035、ミクロバクテリウム
・アンモニアフィラムATCC15354、ブレビバク
テリウム・ラクトファーメンタムATCC13869、
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC1303
2、アースロバクター・シトレウムATCC1162
4、エンテロバクター・アエロゲネスIFO1201
0、ミクロコッカス・ルテウムIFO12708、アル
カリゲネス・ファエカリスIAM1473、アミコラト
プシス・サルフュレアATCC27624、ストレプト
マイセス・ビナセウスIFO13425、ノカルディオ
・アルバスATCC27980などが挙げられる。
ば、アピオトリカム・フミコーラATCC36992、
キャンディダ・ファマータIFO0856、キャンディ
ダ・パラプシロシスATCC7330、トルロプシス・
キャンディダIFO0380、ロドトルラ・ミヌタAT
CC10658、トリコスポロン・クタネウムATCC
36993、ロドスポリディウム・トルロイデスATC
C10788、ピキア・ハロフィアATCC2424
0、クロエッケラ・マグナIFO0868、ハンゼヌラ
・グルコザイマATCC18938、サッカロマイセス
・ダイアスタティカスIFO1439、クレブシエラ・
オキシトカFERM P10097、ロドコッカス・エ
リスロポリスATCC21035、ミクロバクテリウム
・アンモニアフィラムATCC15354、ブレビバク
テリウム・ラクトファーメンタムATCC13869、
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC1303
2、アースロバクター・シトレウムATCC1162
4、エンテロバクター・アエロゲネスIFO1201
0、ミクロコッカス・ルテウムIFO12708、アル
カリゲネス・ファエカリスIAM1473、アミコラト
プシス・サルフュレアATCC27624、ストレプト
マイセス・ビナセウスIFO13425、ノカルディオ
・アルバスATCC27980などが挙げられる。
【0010】これらの微生物の培養には、通常これらの
菌が資化しうる有機および無機の炭素源、窒素源および
ビタミン、ミネラルなどを適宜配合した培地を用いる。
培地のpHは、菌体により多少異なり、酵母では通常p
H2〜8、細菌では通常pH3〜9が好ましい。温度は
通常20〜40℃で、菌は通常4〜20日間、好気的ま
たは嫌気的に培養すればよい。
菌が資化しうる有機および無機の炭素源、窒素源および
ビタミン、ミネラルなどを適宜配合した培地を用いる。
培地のpHは、菌体により多少異なり、酵母では通常p
H2〜8、細菌では通常pH3〜9が好ましい。温度は
通常20〜40℃で、菌は通常4〜20日間、好気的ま
たは嫌気的に培養すればよい。
【0011】本発明の反応においては、これらの微生物
の培養物、菌体またはその処理物を用いる。好ましくは
菌体懸濁液または菌体処理物を用いる。ここでいう菌体
懸濁液とは、培養して得られた菌体を遠心分離取得した
もので、菌体処理物とは、培養して得られた菌体を超音
波処理したものや、たとえば公知の方法によりアクリル
アミドゲル担体などに固定化したものが挙げられる。
の培養物、菌体またはその処理物を用いる。好ましくは
菌体懸濁液または菌体処理物を用いる。ここでいう菌体
懸濁液とは、培養して得られた菌体を遠心分離取得した
もので、菌体処理物とは、培養して得られた菌体を超音
波処理したものや、たとえば公知の方法によりアクリル
アミドゲル担体などに固定化したものが挙げられる。
【0012】本発明の反応系には、通常エネルギー源を
添加する。
添加する。
【0013】エネルギー源としては、使用する菌株によ
り異なるが、一般的にはグルコース、フラクトース、シ
ュークロース、グリセロール、ソルビトールなどの糖質
が用いられる。
り異なるが、一般的にはグルコース、フラクトース、シ
ュークロース、グリセロール、ソルビトールなどの糖質
が用いられる。
【0014】反応基質であるベンゾイルギ酸の反応液中
での濃度は、通常0.1〜5%程度用いることができ
る。添加方法に関しては、一括あるいは分割添加のどち
らでもよい。
での濃度は、通常0.1〜5%程度用いることができ
る。添加方法に関しては、一括あるいは分割添加のどち
らでもよい。
【0015】反応温度は、通常20〜40℃、好ましく
は2〜35℃である。反応液のpHは、通常4.0〜
8.5、好ましくは6.0〜8.0に保たれる。反応時
間は反応温度によって異なるが、通常30℃〜90時間
である。
は2〜35℃である。反応液のpHは、通常4.0〜
8.5、好ましくは6.0〜8.0に保たれる。反応時
間は反応温度によって異なるが、通常30℃〜90時間
である。
【0016】反応方法としては、培養終了液に基質を添
加し、好気的に振とうする方法と、菌体懸濁液あるいは
菌体処理物にエネルギー源として糖質を加え、次に基質
を添加し、好気的に振とうする方法があり、どちらも採
用可能であるが後者の方が良好な結果を与える。
加し、好気的に振とうする方法と、菌体懸濁液あるいは
菌体処理物にエネルギー源として糖質を加え、次に基質
を添加し、好気的に振とうする方法があり、どちらも採
用可能であるが後者の方が良好な結果を与える。
【0017】かくして、本発明の反応により、ベンゾイ
ルギ酸は不斉還元され光学活性マンデル酸が生成する。
ルギ酸は不斉還元され光学活性マンデル酸が生成する。
【0018】かくして生成した光学活性マンデル酸を反
応液から単離するには、一般的な分離精製方法を用いれ
ばよい。たとえば、反応液から遠心分離によって菌体な
どの不溶性物質を除去したのち、反応液のpHを酸性に
調整し、酢酸エチルなどで抽出し、脱水後、減圧乾固あ
るいは再結晶を行うことにより目的物を単離採取でき
る。
応液から単離するには、一般的な分離精製方法を用いれ
ばよい。たとえば、反応液から遠心分離によって菌体な
どの不溶性物質を除去したのち、反応液のpHを酸性に
調整し、酢酸エチルなどで抽出し、脱水後、減圧乾固あ
るいは再結晶を行うことにより目的物を単離採取でき
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0020】なお、実施例中、マンデル酸の生成量およ
びR体、S体の比率は高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)で分析した。生成量分析はODSカラムを用
い、R体、S体の比率は住化カラムSUMIPAK O
A−3000(住友化学工業株式会社)を用いた。
びR体、S体の比率は高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)で分析した。生成量分析はODSカラムを用
い、R体、S体の比率は住化カラムSUMIPAK O
A−3000(住友化学工業株式会社)を用いた。
【0021】また、実施例中、MAはマンデル酸を表わ
し、収率は減少基質に対する生成した光学活性マンデル
酸のモル%で表わし、R%は生成したマンデル酸中の
(R)体の割合を表わす。
し、収率は減少基質に対する生成した光学活性マンデル
酸のモル%で表わし、R%は生成したマンデル酸中の
(R)体の割合を表わす。
【0022】実施例1 シュークロース4%、ポリペプトン2%、酵母エキス
0.5%、リン酸二水素カリウム0.5%よりなる液体
倍地を苛性ソーダ水溶液でpH7.0とし、18mmφ試
験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で、
20分間加熱滅菌した。ここに、斜面倍地から表1に示
す各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で48時
間振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離に
より菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、1
8mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%と
なるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となるよ
うに、ベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で40時間、pH7.0で好気的に振とうした。
0.5%、リン酸二水素カリウム0.5%よりなる液体
倍地を苛性ソーダ水溶液でpH7.0とし、18mmφ試
験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で、
20分間加熱滅菌した。ここに、斜面倍地から表1に示
す各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で48時
間振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離に
より菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、1
8mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%と
なるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となるよ
うに、ベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で40時間、pH7.0で好気的に振とうした。
【0023】このようにして得られた反応液をHPLC
で分析した結果を表1に示す。
で分析した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 実施例1と同様の液体倍地を、500mlの坂口フラスコ
10本へ100mlずつ分注し、オートクレーブ中120
℃で、20分間加熱滅菌した。ここに斜面倍地からアー
スロバクター・シトレウスATCC11624を1白金
耳接種し、28℃で48時間振どう機上で好気的に培養
した。その後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分
離し、水で一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤ
ーフラスコへこの菌体を添加し、さらに濃度が5%とな
るようにグルコースを添加し、濃度0.5wt%となう
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量500ml、80時
間、pH7.0で好気的に振とうした。次に、反応液か
ら遠心分離によって菌体を除去し、500ml分の反応液
を約100mlに濃縮したのちpHを2.0に調整し、酢
酸エチル100mlで3回抽出操作を行い、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水後、減圧乾固し、トルエンで再結晶する
このにより比旋光度
10本へ100mlずつ分注し、オートクレーブ中120
℃で、20分間加熱滅菌した。ここに斜面倍地からアー
スロバクター・シトレウスATCC11624を1白金
耳接種し、28℃で48時間振どう機上で好気的に培養
した。その後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分
離し、水で一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤ
ーフラスコへこの菌体を添加し、さらに濃度が5%とな
るようにグルコースを添加し、濃度0.5wt%となう
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量500ml、80時
間、pH7.0で好気的に振とうした。次に、反応液か
ら遠心分離によって菌体を除去し、500ml分の反応液
を約100mlに濃縮したのちpHを2.0に調整し、酢
酸エチル100mlで3回抽出操作を行い、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水後、減圧乾固し、トルエンで再結晶する
このにより比旋光度
【数1】 を有する(R)−マンデル酸を1.77g得た。
【0026】実施例3 グルコース5%、コーンスチープリカー5%からなる液
体倍地を苛性ソーダ水溶液でpH6.0とし、18mmφ
試験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で
20分間加熱滅菌した。ここに斜面倍地から表1に示す
各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で63時
間、振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離
により菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、
18mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%
となるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となる
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で17時間pH7.0で好気的に振とうした。
体倍地を苛性ソーダ水溶液でpH6.0とし、18mmφ
試験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で
20分間加熱滅菌した。ここに斜面倍地から表1に示す
各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で63時
間、振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離
により菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、
18mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%
となるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となる
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で17時間pH7.0で好気的に振とうした。
【0027】このようにして得られた反応液をHPLC
で分析した結果を表2に示す。
で分析した結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例4 実施例3と同様の液体培地を、坂口フラスコ10本へ1
00mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で20分
間加熱滅菌した。ここに斜面倍地からキャンディダ・パ
ラプシロシス(ATCC7330)を1白金耳接種し、
28℃で63時間振とうし、好気的に培養した。その
後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分離し、水で
一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤーフラスコ
へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%となるようにグ
ルコースを添加し、濃度1wt%となうようにベンゾイ
ルギ酸を添加し、総量500ml、28℃で30時間、p
H7.0で好気的に振とうした。次に、実施例2と同様
にして単離を行い、比旋光度
00mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で20分
間加熱滅菌した。ここに斜面倍地からキャンディダ・パ
ラプシロシス(ATCC7330)を1白金耳接種し、
28℃で63時間振とうし、好気的に培養した。その
後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分離し、水で
一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤーフラスコ
へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%となるようにグ
ルコースを添加し、濃度1wt%となうようにベンゾイ
ルギ酸を添加し、総量500ml、28℃で30時間、p
H7.0で好気的に振とうした。次に、実施例2と同様
にして単離を行い、比旋光度
【数2】 を有する(R)−マンデル酸を1.02g得た。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ベンゾイルギ酸から光
学活性マンデル酸を、微生物を用いた不斉還元反応によ
って直接に取得でき、煩雑な操作を要することなく、工
業的に有利に製造することができる。
学活性マンデル酸を、微生物を用いた不斉還元反応によ
って直接に取得でき、煩雑な操作を要することなく、工
業的に有利に製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光学活性マンデル酸の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性マンデル酸の
製造方法に関する。
製造方法に関する。
【0002】光学活性マンデル酸は、ペニシリン系やセ
ファロースポリン系抗生物質などの医薬原料、さらには
光学分割剤として有用な化合物である。
ファロースポリン系抗生物質などの医薬原料、さらには
光学分割剤として有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】光学活性マンデル酸を製造する方法とし
ては、ラセミ体の分別結晶による光学分割法、クロマト
グラフィによる光学分割法、有機化学的な不斉合成法な
どが知られている。また、微生物を用いる方法として
は、還元酵素を用いる方法(特公平3−62393号公
報)、ニトリラーゼを用いる方法(特開平3−2772
92号公報)などが知られている。また、微生物の還元
力を利用する方法(特公平3−57752号公報)も提
案されている。
ては、ラセミ体の分別結晶による光学分割法、クロマト
グラフィによる光学分割法、有機化学的な不斉合成法な
どが知られている。また、微生物を用いる方法として
は、還元酵素を用いる方法(特公平3−62393号公
報)、ニトリラーゼを用いる方法(特開平3−2772
92号公報)などが知られている。また、微生物の還元
力を利用する方法(特公平3−57752号公報)も提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学分
割法や不斉合成法などによる場合は、操作が煩雑で光学
純度も低いなどの欠点があり、また微生物を用いる方法
は、収率・収量の点で満足がいく方法ではなかった。
割法や不斉合成法などによる場合は、操作が煩雑で光学
純度も低いなどの欠点があり、また微生物を用いる方法
は、収率・収量の点で満足がいく方法ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学活性
マンデル酸の製造方法を種々検討した結果、微生物の有
する還元力を利用してベンゾイルギ酸を光学活性マンデ
ル酸に有利に導き得ることを見出し、本発明に至った。
マンデル酸の製造方法を種々検討した結果、微生物の有
する還元力を利用してベンゾイルギ酸を光学活性マンデ
ル酸に有利に導き得ることを見出し、本発明に至った。
【0006】本発明は、ベンゾイルギ酸を光学活性マン
デル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム(Apiotri
chum) 属、キャンディダ(Candida) 属、トルロプシス(T
orulopsis)属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、トリコス
ポロン(Trichosporon)属、ロドスポリディウム(Rhodosp
soridium) 属、ピキア(Pichia)属、クロエッケラ(Kloec
kera) 属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、サッカロマイセ
ス(Saccharomyces) 属、クレブシエラ(Klebsiella)属、
ロドコッカス(Rhodococcus) 属、ミクロバクテリウム(M
icrobacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacteri
um) 属、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)属、ア
ースロバクター(Arthrobacter)属、エンテロバクター(E
nterobacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus) 属、ア
ルカリゲネス(Alcaligenes) 属、アミコラトプシス(Amy
colatopsis) 属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属
およびノカルディオアイデス(Nocardioides)属に属する
微生物より選ばれた少なくとも一種の微生物の培養物、
菌体またはその処理物を、ベンゾイルギ酸に作用させ
て、光学活性マンデル酸を生成蓄積せしめ、反応液から
光学活性マンデル酸を単離採取することを特徴とする光
学活性マンデル酸の製造方法である。
デル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム(Apiotri
chum) 属、キャンディダ(Candida) 属、トルロプシス(T
orulopsis)属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、トリコス
ポロン(Trichosporon)属、ロドスポリディウム(Rhodosp
soridium) 属、ピキア(Pichia)属、クロエッケラ(Kloec
kera) 属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、サッカロマイセ
ス(Saccharomyces) 属、クレブシエラ(Klebsiella)属、
ロドコッカス(Rhodococcus) 属、ミクロバクテリウム(M
icrobacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacteri
um) 属、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)属、ア
ースロバクター(Arthrobacter)属、エンテロバクター(E
nterobacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus) 属、ア
ルカリゲネス(Alcaligenes) 属、アミコラトプシス(Amy
colatopsis) 属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属
およびノカルディオアイデス(Nocardioides)属に属する
微生物より選ばれた少なくとも一種の微生物の培養物、
菌体またはその処理物を、ベンゾイルギ酸に作用させ
て、光学活性マンデル酸を生成蓄積せしめ、反応液から
光学活性マンデル酸を単離採取することを特徴とする光
学活性マンデル酸の製造方法である。
【0007】以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】本発明においては、ベンゾイルギ酸を光学
活性マンデル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム
属、キャンデイダ属、トルロプシス属、ロドトルラ属、
トリコポロン属、ロドスポリディウム属、ピキア属、ク
ロエッケラ属、ハンゼヌラ属、サッカロマイセス属、ク
レブシエラ属、ロドコッカス属、ミクロコッカス属、コ
リネバクテリウム属、アースロバクター属、ブレビバク
テリウム属、エンテロバクター属、ミクロコッカス属、
アルカリゲネス属、アミコラトプシス属、ストレプトマ
イセス属およびノカルディオアイデス属に属する微生物
より選ばれた少なくとも一種の微生物を用いる。
活性マンデル酸へ変換する能力を有し、アピオトリカム
属、キャンデイダ属、トルロプシス属、ロドトルラ属、
トリコポロン属、ロドスポリディウム属、ピキア属、ク
ロエッケラ属、ハンゼヌラ属、サッカロマイセス属、ク
レブシエラ属、ロドコッカス属、ミクロコッカス属、コ
リネバクテリウム属、アースロバクター属、ブレビバク
テリウム属、エンテロバクター属、ミクロコッカス属、
アルカリゲネス属、アミコラトプシス属、ストレプトマ
イセス属およびノカルディオアイデス属に属する微生物
より選ばれた少なくとも一種の微生物を用いる。
【0009】かかる微生物の具体例としては、たとえ
ば、アピオトリカム・フミコーラATCC36992、
キャンディダ・ファマータIFO0856、キャンディ
ダ・パラプシロシスATCC7330、トルロプシス・
キャンディダIFO0380、ロドトルラ・ミヌタAT
CC10658、トリコスポロン・クタネウムATCC
36993、ロドスポリディウム・トルロイデスATC
C10788、ピキア・ハロフィアATCC2424
0、クロエッケラ・マグナIFO0868、ハンゼヌラ
・グルコザイマATCC18938、サッカロマイセス
・ダイアスタティカスIFO1439、クレブシエラ・
オキシトカFERM P10097、ロドコッカス・エ
リスロポリスATCC21035、ミクロバクテリウム
・アンモニアフィラムATCC15354、ブレビバク
テリウム・ラクトファーメンタムATCC13869、
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC1303
2、アースロバクター・シトレウムATCC1162
4、エンテロバクター・アエロゲネスIFO1201
0、ミクロコッカス・ルテウムIFO12708、アル
カリゲネス・ファエカリスIAM1473、アミコラト
プシス・サルフュレアATCC27624、ストレプト
マイセス・ビナセウスIFO13425、ノカルディオ
・アルバスATCC27980などが挙げられる。
ば、アピオトリカム・フミコーラATCC36992、
キャンディダ・ファマータIFO0856、キャンディ
ダ・パラプシロシスATCC7330、トルロプシス・
キャンディダIFO0380、ロドトルラ・ミヌタAT
CC10658、トリコスポロン・クタネウムATCC
36993、ロドスポリディウム・トルロイデスATC
C10788、ピキア・ハロフィアATCC2424
0、クロエッケラ・マグナIFO0868、ハンゼヌラ
・グルコザイマATCC18938、サッカロマイセス
・ダイアスタティカスIFO1439、クレブシエラ・
オキシトカFERM P10097、ロドコッカス・エ
リスロポリスATCC21035、ミクロバクテリウム
・アンモニアフィラムATCC15354、ブレビバク
テリウム・ラクトファーメンタムATCC13869、
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC1303
2、アースロバクター・シトレウムATCC1162
4、エンテロバクター・アエロゲネスIFO1201
0、ミクロコッカス・ルテウムIFO12708、アル
カリゲネス・ファエカリスIAM1473、アミコラト
プシス・サルフュレアATCC27624、ストレプト
マイセス・ビナセウスIFO13425、ノカルディオ
・アルバスATCC27980などが挙げられる。
【0010】これらの微生物の培養には、通常これらの
菌が資化しうる有機および無機の炭素源、窒素源および
ビタミン、ミネラルなどを適宜配合した培地を用いる。
培地のpHは、菌体により多少異なり、酵母では通常p
H2〜8、細菌では通常pH3〜9が好ましい。温度は
通常20〜40℃で、菌は通常4〜20日間、好気的ま
たは嫌気的に培養すればよい。
菌が資化しうる有機および無機の炭素源、窒素源および
ビタミン、ミネラルなどを適宜配合した培地を用いる。
培地のpHは、菌体により多少異なり、酵母では通常p
H2〜8、細菌では通常pH3〜9が好ましい。温度は
通常20〜40℃で、菌は通常4〜20日間、好気的ま
たは嫌気的に培養すればよい。
【0011】本発明の反応においては、これらの微生物
の培養物、菌体またはその処理物を用いる。好ましくは
菌体懸濁液または菌体処理物を用いる。ここでいう菌体
懸濁液とは、培養して得られた菌体を遠心分離取得した
もので、菌体処理物とは、培養して得られた菌体を超音
波処理したものや、たとえば公知の方法によりアクリル
アミドゲル担体などに固定化したものが挙げられる。
の培養物、菌体またはその処理物を用いる。好ましくは
菌体懸濁液または菌体処理物を用いる。ここでいう菌体
懸濁液とは、培養して得られた菌体を遠心分離取得した
もので、菌体処理物とは、培養して得られた菌体を超音
波処理したものや、たとえば公知の方法によりアクリル
アミドゲル担体などに固定化したものが挙げられる。
【0012】本発明の反応系には、通常エネルギー源を
添加する。
添加する。
【0013】エネルギー源としては、使用する菌株によ
り異なるが、一般的にはグルコース、フラクトース、シ
ュークロース、グリセロール、ソルビトールなどの糖質
が用いられる。
り異なるが、一般的にはグルコース、フラクトース、シ
ュークロース、グリセロール、ソルビトールなどの糖質
が用いられる。
【0014】反応基質であるベンゾイルギ酸の反応液中
での濃度は、通常0.1〜5%程度用いることができ
る。添加方法に関しては、一括あるいは分割添加のどち
らでもよい。
での濃度は、通常0.1〜5%程度用いることができ
る。添加方法に関しては、一括あるいは分割添加のどち
らでもよい。
【0015】反応温度は、通常20〜40℃、好ましく
は2〜35℃である。反応液のpHは、通常4.0〜
8.5、好ましくは6.0〜8.0に保たれる。反応時
間は反応温度によって異なるが、通常30℃で30〜9
0時間である。
は2〜35℃である。反応液のpHは、通常4.0〜
8.5、好ましくは6.0〜8.0に保たれる。反応時
間は反応温度によって異なるが、通常30℃で30〜9
0時間である。
【0016】反応方法としては、培養終了液に基質を添
加し、好気的に振とうする方法と、菌体懸濁液あるいは
菌体処理物にエネルギー源として糖質を加え、次に基質
を添加し、好気的に振とうする方法があり、どちらも採
用可能であるが後者の方が良好な結果を与える。
加し、好気的に振とうする方法と、菌体懸濁液あるいは
菌体処理物にエネルギー源として糖質を加え、次に基質
を添加し、好気的に振とうする方法があり、どちらも採
用可能であるが後者の方が良好な結果を与える。
【0017】かくして、本発明の反応により、ベンゾイ
ルギ酸は不斉還元され光学活性マンデル酸が生成する。
ルギ酸は不斉還元され光学活性マンデル酸が生成する。
【0018】かくして生成した光学活性マンデル酸を反
応液から単離するには、一般的な分離精製方法を用いれ
ばよい。たとえば、反応液から遠心分離によって菌体な
どの不溶性物質を除去したのち、反応液のpHを酸性に
調整し、酢酸エチルなどで抽出し、脱水後、減圧乾固あ
るいは再結晶を行うことにより目的物を単離採取でき
る。
応液から単離するには、一般的な分離精製方法を用いれ
ばよい。たとえば、反応液から遠心分離によって菌体な
どの不溶性物質を除去したのち、反応液のpHを酸性に
調整し、酢酸エチルなどで抽出し、脱水後、減圧乾固あ
るいは再結晶を行うことにより目的物を単離採取でき
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0020】なお、実施例中、マンデル酸の生成量およ
びR体、S体の比率は高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)で分析した。生成量分析はODSカラムを用
い、R体、S体の比率は住化カラムSUMIPAK O
A−3000(住友化学工業株式会社)を用いた。
びR体、S体の比率は高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)で分析した。生成量分析はODSカラムを用
い、R体、S体の比率は住化カラムSUMIPAK O
A−3000(住友化学工業株式会社)を用いた。
【0021】また、実施例中、MAはマンデル酸を表わ
し、収率は減少基質に対する生成した光学活性マンデル
酸のモル%で表わし、R%は生成したマンデル酸中の
(R)体の割合を表わす。
し、収率は減少基質に対する生成した光学活性マンデル
酸のモル%で表わし、R%は生成したマンデル酸中の
(R)体の割合を表わす。
【0022】実施例1 シュークロース4%、ポリペプトン2%、酵母エキス
0.5%、リン酸二水素カリウム0.5%よりなる液体
培地を苛性ソーダ水溶液でpH7.0とし、18mmφ試
験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で、
20分間加熱滅菌した。ここに、斜面培地から表1に示
す各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で48時
間振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離に
より菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、1
8mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%と
なるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となるよ
うに、ベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で40時間、pH7.0で好気的に振とうした。
0.5%、リン酸二水素カリウム0.5%よりなる液体
培地を苛性ソーダ水溶液でpH7.0とし、18mmφ試
験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で、
20分間加熱滅菌した。ここに、斜面培地から表1に示
す各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で48時
間振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離に
より菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、1
8mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%と
なるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となるよ
うに、ベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で40時間、pH7.0で好気的に振とうした。
【0023】このようにして得られた反応液をHPLC
で分析した結果を表1に示す。
で分析した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 実施例1と同様の液体培地を、500mlの坂口フラスコ
10本へ100mlずつ分注し、オートクレーブ中120
℃で、20分間加熱滅菌した。ここに斜面培地からアー
スロバクター・シトレウスATCC11624を1白金
耳接種し、28℃で48時間振とう機上で好気的に培養
した。その後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分
離し、水で一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤ
ーフラスコへこの菌体を添加し、さらに濃度が5%とな
るようにグルコースを添加し、濃度0.5wt%となう
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量500ml、80時
間、pH7.0で好気的に振とうした。次に、反応液か
ら遠心分離によって菌体を除去し、500ml分の反応液
を約100mlに濃縮したのちpHを2.0に調整し、酢
酸エチル100mlで3回抽出操作を行い、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水後、減圧乾固し、トルエンで再結晶する
このにより比旋光度
10本へ100mlずつ分注し、オートクレーブ中120
℃で、20分間加熱滅菌した。ここに斜面培地からアー
スロバクター・シトレウスATCC11624を1白金
耳接種し、28℃で48時間振とう機上で好気的に培養
した。その後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分
離し、水で一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤ
ーフラスコへこの菌体を添加し、さらに濃度が5%とな
るようにグルコースを添加し、濃度0.5wt%となう
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量500ml、80時
間、pH7.0で好気的に振とうした。次に、反応液か
ら遠心分離によって菌体を除去し、500ml分の反応液
を約100mlに濃縮したのちpHを2.0に調整し、酢
酸エチル100mlで3回抽出操作を行い、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水後、減圧乾固し、トルエンで再結晶する
このにより比旋光度
【数1】 を有する(R)−マンデル酸を1.77g得た。
【0026】実施例3 グルコース5%、コーンスチープリカー5%からなる液
体培地を苛性ソーダ水溶液でpH6.0とし、18mmφ
試験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で
20分間加熱滅菌した。ここに斜面培地から表1に示す
各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で63時
間、振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離
により菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、
18mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%
となるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となる
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で17時間pH7.0で好気的に振とうした。
体培地を苛性ソーダ水溶液でpH6.0とし、18mmφ
試験管に5mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で
20分間加熱滅菌した。ここに斜面培地から表1に示す
各種の菌株を、1白金耳ずつ接種し、28℃で63時
間、振とう機上で好気的に培養した。その後、遠心分離
により菌体を分離し、水で一度洗浄して菌体を調整し、
18mmφ試験管へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%
となるようにグリコースを添加し、濃度1wt%となる
ようにベンゾイルギ酸を添加し、総量2mlにして28℃
で17時間pH7.0で好気的に振とうした。
【0027】このようにして得られた反応液をHPLC
で分析した結果を表2に示す。
で分析した結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例4 実施例3と同様の液体培地を、坂口フラスコ10本へ1
00mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で20分
間加熱滅菌した。ここに斜面培地からキャンディダ・パ
ラプシロシス(ATCC7330)を1白金耳接種し、
28℃で63時間振とうし、好気的に培養した。その
後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分離し、水で
一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤーフラスコ
へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%となるようにグ
ルコースを添加し、濃度1wt%となうようにベンゾイ
ルギ酸を添加し、総量500ml、28℃で30時間、p
H7.0で好気的に振とうした。次に、実施例2と同様
にして単離を行い、比旋光度
00mlずつ分注し、オートクレーブ中120℃で20分
間加熱滅菌した。ここに斜面培地からキャンディダ・パ
ラプシロシス(ATCC7330)を1白金耳接種し、
28℃で63時間振とうし、好気的に培養した。その
後、遠心分離により培養液1l分の菌体を分離し、水で
一度洗浄して調整し、5lのエーレンマイヤーフラスコ
へこの菌体を添加し、さらに濃度が5%となるようにグ
ルコースを添加し、濃度1wt%となうようにベンゾイ
ルギ酸を添加し、総量500ml、28℃で30時間、p
H7.0で好気的に振とうした。次に、実施例2と同様
にして単離を行い、比旋光度
【数2】 を有する(R)−マンデル酸を1.02g得た。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ベンゾイルギ酸から光
学活性マンデル酸を、微生物を用いた不斉還元反応によ
って直接に取得でき、煩雑な操作を要することなく、工
業的に有利に製造することができる。
学活性マンデル酸を、微生物を用いた不斉還元反応によ
って直接に取得でき、煩雑な操作を要することなく、工
業的に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 7/42 C12R 1:88) (C12P 7/42 C12R 1:84) (C12P 7/42 C12R 1:78) (C12P 7/42 C12R 1:85) (C12P 7/42 C12R 1:01) (C12P 7/42 C12R 1:13) (C12P 7/42 C12R 1:15) (C12P 7/42 C12R 1:06) (C12P 7/42 C12R 1:265) (C12P 7/42 C12R 1:05) (C12P 7/42 C12R 1:465) (C12P 7/42 C12R 1:365)
Claims (1)
- 【請求項1】 ベンゾイルギ酸を光学活性マンデル酸へ
変換する能力を有し、アピオトリカム(Apiotrichum)
属、キャンディダ(Candida) 属、トルロプシス(Torulop
sis)属、ロドトルラ(Rhodotorula) 属、トリコスポロン
(Trichosporon)属、ロドスポリディウム(Rhodosporidiu
m)属、ピキア(Pichia)属、クロエッケラ(Kloeckera)
属、ハンゼヌラ(Hansenula)d属、サッカロマイセス(Sac
charomyces)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、ロドコ
ッカス(Rhodococcus) 属、ミクロバカクテリウム(Micro
bacterium)属、ブレビバイテリウム(Brevibacterium)
属、コリネバクテリウム(Corynebacterium) 属、アース
ロバクター(Arthrobacter)属、エンテロバクター(Enter
obacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus) 属、アルカ
リゲネス(Alcaligenes) 属、アミコラトプシス(Amycola
topsis) 属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属およ
びノカルディオアイデス(Nocardioides)属に属する微生
物より選ばれた少なくとも一種の微生物の培養物、菌体
またはその処理物を、ベンゾイルギ酸に作用させて、光
学活性マンデル酸を生成蓄積せしめ、反応液から光学活
性マンデル酸を単離採取することを特徴とする光学活性
マンデル酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16740492A JP3146641B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 光学活性マンデル酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16740492A JP3146641B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 光学活性マンデル酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH067179A true JPH067179A (ja) | 1994-01-18 |
JP3146641B2 JP3146641B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=15849075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16740492A Expired - Fee Related JP3146641B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 光学活性マンデル酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3146641B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5906498A (en) * | 1997-01-24 | 1999-05-25 | Nec Corporation | Electrical connector having joint structure to connect electrical connecting element to circuit board |
WO2003000911A1 (en) * | 2001-06-25 | 2003-01-03 | Kaneka Corporation | Process for producing optically active (r)-2-chloro-1-(3'-chlorophenyl)ethanol |
EP1316613A3 (en) * | 2001-10-24 | 2003-08-20 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Method for producing optically active mandelic acid derivatives |
US7250278B2 (en) | 2002-07-16 | 2007-07-31 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | α-keto acid reductase, method for producing the same, and method for producing optically active α-hydroxy acids using the same |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP16740492A patent/JP3146641B2/ja not_active Expired - Fee Related
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