JPH0671744A - カルボキシメチルセルロースフィルムの延伸方法 - Google Patents

カルボキシメチルセルロースフィルムの延伸方法

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JPH0671744A
JPH0671744A JP19908092A JP19908092A JPH0671744A JP H0671744 A JPH0671744 A JP H0671744A JP 19908092 A JP19908092 A JP 19908092A JP 19908092 A JP19908092 A JP 19908092A JP H0671744 A JPH0671744 A JP H0671744A
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JP
Japan
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film
stretching
cmc
cellulose film
carboxymethyl cellulose
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Pending
Application number
JP19908092A
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English (en)
Inventor
Kiyoichi Matsumoto
松本喜代一
Eiji Asano
浅野英治
Kazuhiko Ishihara
石原一彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カルボキシメチルセルロースフィルムの機械
的強度を向上するために、カルボキシメチルセルロース
フィルムを延伸する方法を提供する。 【構成】 カルボキシメチルセルロースフィルムを、親
水性有機溶媒と水を重量比率で50〜90:50〜10
の割合で含む水性媒体中で膨潤させ、少なくとも一方向
に延伸する。水性媒体は60℃以下で使用し、該水性媒
体中におけるカルボキシメチルセルロースフィルムの膨
潤率は、10〜150%程度とするのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボキシメチルセル
ロースフィルムを延伸する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボキシメチルセルロース(以
下CMCと述べる)は、水溶液にして捺染糊剤、経糸サ
イジング剤、あるいは各種増粘安定剤等に使用されてき
たが、そのフィルムとしての利用は、強度等フィルム物
性の不足から進んでいない。例えば、従来のCMCフィ
ルムは、CMCの水溶液に可塑剤を添加し、熱ロール等
により乾燥凝固させる方法で製造されていたため、可塑
剤が残留しており、十分な機械的強度を有するフィルム
を得ることは困難であった。一方、従来より、フィルム
の物性向上のために、フィルムを延伸することが知られ
ているが、CMCは、明確なガラス転移点を持たず、分
子間力が強いので、CMCフィルムを通常の乾燥法で延
伸することは困難であり、CMCを用いて実用性ある延
伸フィルムを得られるとは考えられなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、このよう
なCMCフィルムの機械的強度を向上するために、CM
Cフィルムを延伸する方法を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、CMCの水
溶液をキャスティング法等で、乾燥凝固して、フィルム
に形成し、このフィルムを、親水性有機溶媒と水を重量
比率で50〜90:50〜10の割合で含む水性媒体中
で膨潤させ、少なくとも一方向に延伸することにより、
上記課題を解決した。
【0005】すなわち、本発明では、CMCフィルムを
溶解する水(良溶媒)と、溶解しない親水性有機溶媒
(貧溶媒)を一定濃度で含む水性媒体中で、CMCフィ
ルムを膨潤させ、CMCの分子間力を弱め、分子運動を
容易にすることで、CMCの見かけのガラス転移点を低
下させ、低温度での延伸を可能とするのである。
【0006】本発明で使用するCMCは、水溶性で、そ
の水溶液を乾燥凝固した時に均一なフィルムを形成しう
るものであればよく、重合度や置換度は特に限定されな
い。なお、ここにCMCとは、カルボキシメチルセルロ
ースだけでなく、そのアルカリ塩(ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム又はアミン塩等)又は酸性物であって
もよい。
【0007】本発明で使用する水性媒体に含まれる親水
性有機溶媒としては、炭素数1〜4の低級アルコール
類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール
等:炭素数1〜4の低級ケトン類、例えばアセトン、メ
チルエチルケトン等:低級グリコール類、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール等:多価アルコール類、例えばグリセリン:低級
アルコキシエーテル類、例えばメチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が使用でき、特に低
級アルコール類の使用が好ましい。なお、これらの有機
溶媒は単独で使用されても二種以上混合使用されてもよ
い。
【0008】また、水性媒体中の親水性有機溶媒の割合
は、50〜90重量%でよいが、60〜80重量%であ
るのが好ましい。なお、親水性有機溶媒の割合が90重
量%を越すとCMCの膨潤度が低くなり、十分な延伸が
不可能となり、また、50重量%より少なくなると、C
MCが溶解され易く、扱い難い。
【0009】膨潤時の水性媒体の温度は、60℃以下、
特に50℃以下であるのが好ましく、また水性媒体中に
おけるCMCの膨潤率は10〜150%、特に20〜7
0%であるのが好ましい。水性媒体の温度が、60℃を
越えると、延伸は可能であるが、CMCの溶解が起こり
易く、フィルムとして安定した製品を得難く、また、延
伸フィルムの物性の改良も不充分となる。
【0010】なお、CMCフィルムの延伸倍率は任意で
あるが、フィルムの物性の改良の面から、通常1.25倍
以上に延伸するのが好ましい。
【0011】
【実施例】
実施例1 CMCフィルムの調製:平均重合度1600、置換度0.
70のCMCナトリウム塩粉末1%水溶液を、高さ2cm
の枠をつけたガラス板上にキャストし、50℃で2日
間、乾燥凝固して、未延伸CMCフィルムとした。この
CMCフィルムをイソプロピルアルコールの70重量%
水溶液中に、30℃で1時間浸漬し、膨潤させ(膨潤率
35%)、該水溶液中、125%/分の延伸速度で、自
由幅一軸、一定幅一軸、同時二軸の各方式で延伸した。
延伸後、乾燥したフィルムの機械的特性を測定した。そ
の結果を、未延伸CMCフィルムの結果と比較して表1
に示す。
【0012】〔フィルムの引張強度、ヤング率及び破断
伸び率の測定〕室温20℃、湿度65%の恒温恒湿室中
で、米倉製作所(株)の電子式万能試験機CATY−5
00BHを使用して実施した。試験片としては、長さ2
0mm、幅5mmで、予め恒湿デシケータ中に保存し、試験
前に測定室中で調湿させものを使用し、引張速度は12
5%/分とした。
【0013】〔膨潤率〕寸法約20mm×30mmの試験フ
ィルムの重量woを電子天秤で秤量し、該フィルムを水
性媒体中に所定時間浸漬した後、すばやく表面に付着し
た水性媒体を濾紙で拭き取り、該フィルムの重量wtを
秤量し、下記式により膨潤率を算出した。 膨潤率=(wt−wo)×100/wo (%)
【0014】
【表1】
【0015】次に、各フィルムの結晶配向状態を、X線
回折写真によって、比較した。 〔X線回折写真撮影〕東芝電気X線回折装置ADG−3
01を使用して測定した。X線としては、ニッケルフィ
ルターを通したCuKα線を使用し、電圧35KV、電
流16mA、標準露光時間2時間という条件で測定し
た。
【0016】〔X線回折写真の判定〕 自由幅一軸延伸フィルム:3方向からのX線回折写真か
ら、このフィルムでは、結晶分子鎖が延伸方向に円筒対
称型分布をした一軸配向しており、延伸倍率により、縦
方向の配向度が向上していることが推察される。 一定幅一軸延伸フィルム:3方向からのX線回折写真か
ら、このフィルムでは、結晶が一面一軸配向しており、
延伸倍率と共に縦及び横方向の配向度が向上しているこ
とが推察される。 二軸延伸フィルム:3方向からのX線回折写真から、こ
のフィルムでは、結晶がフィルムの面内ではランダム配
向で、ピラノース環がフィルム面に平行な一面配向をと
っており、延伸倍率と共にフィルム面全方向の配向度が
向上していることが推察される。
【0017】実施例2 実施例1と同様の方法を延伸倍率を変化させて実施し
た。得られた製品の機械的特性を表2〜4に示す。な
お、自由幅一軸延伸については、横方向の試料の調製が
困難であったので、縦方向の試験結果のみを示してい
る。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】表2の結果から、CMCフィルムは、自由
幅一軸延伸することにより、延伸倍率と共に縦方向の引
張強度とヤング率の向上及び破断伸度の減少がみらてお
り、延伸することによりフィルムが強化されることが分
かる。表3の結果から、CMCフィルムは、一定幅一軸
延伸においても、非延伸方向(横方向)では、1.75倍
以上延伸すると、却って強度、ヤング率の低下がみられ
るが、延伸方向(縦方向)では、延伸倍率と共に強度、
ヤング率の向上がみられ、フィルムとしての強化がなさ
れていることが分かる。表4の結果から、CMCフィル
ムを二軸延伸することにより、縦横方向共に、延伸倍率
と共に強度、ヤング率の向上、及び伸度の減少がみら
れ、フィルムとしての強化がなされていること分かる。
【0022】実施例3 実施例1で得た未延伸フィルムをエタノール70%水溶
液に、30℃で1時間浸漬し、膨潤させ(膨潤率40
%)、実施例1と同様の方法で延伸した。得られた延伸
フィルムの物性試験の結果を表5〜7に示す。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】表5〜7の結果から、水性媒体としてエタ
ノール70%水溶液を使用した場合にも、CMCフィル
ムは湿潤延伸により、フィルムの物性が著しく向上する
こと分かる。
【0027】
【発明の効果】本発明では、CMCフィルムを、膨潤湿
潤法で、安定して延伸可能とする。本発明では、延伸に
より、CMCフィルムに、分子配向やこれに伴う配向結
晶化が生じ、引張強度、ヤング率等の物性が著しく改良
された延伸フィルムを得ることができる。本発明の製品
は、そのままで、使い捨ての包装材料や医薬・衛生材料
等として使用したり、またCMC酸型フィルムとして、
水・アルコール類の分離膜等として使用することができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】表5〜7の結果から、水性媒体としてエタ
ノール70%水溶液を使用した場合にも、CMCフィル
ムは膨潤延伸により、フィルムの物性が著しく向上する
こと分かる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【発明の効果】本発明では、CMCフィルムを、膨潤法
で、安定して延伸可能とする。本発明では、延伸によ
り、CMCフィルムに、分子配向やこれに伴う配向結晶
化が生じ、引張強度、ヤング率等の物性が著しく改良さ
れた延伸フィルムを得ることができる。本発明の製品
は、そのままで、使い捨ての包装材料や医薬・衛生材料
等として使用したり、またCMC酸型フィルムとして、
水・アルコール類の分離膜等として使用することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 1:28 7415−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシメチルセルロースフィルム
    を、親水性有機溶媒と水を重量比率で50〜90:50
    〜10の割合で含む水性媒体中で膨潤させ、少なくとも
    一方向に延伸することを特徴とするカルボキシメチルセ
    ルロースフィルムの延伸方法。
  2. 【請求項2】 上記水性媒体の液温が60℃以下であ
    り、かつ上記水性媒体中におけるカルボキシメチルセル
    ロースフィルムの膨潤率が10〜150%であることを
    特徴とする請求項1の方法。
JP19908092A 1992-07-01 1992-07-01 カルボキシメチルセルロースフィルムの延伸方法 Pending JPH0671744A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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