JPH0671108A - ビル給水系における脱気装置の運転制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 受水槽内で脱気水を過剰循環することにより
発生する残留塩素等に対する悪影響を防止し、脱気装置
の適性運転を行い省力化することを目的とする。 【構成】 受水槽３に原水を供給する原水供給ライン６
と、この受水槽３に負荷２へ水を供給する給水ライン４
を接続するとともに、脱気装置８を挿入して前記受水槽
３内の原水を循環脱気する脱気ライン９を接続してなる
ビル給水系配管構造において、前記脱気装置８の運転制
御を負荷発生に対応して稼動すべく、前記給水ライン４
中又は原水供給ライン６中のいずれか一方に流水センサ
１０を設け、この流水センサ１０を脱気装置８に連通す
るタイマーを備えた制御器１１に回線１２を介して接続
した構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ビル給水系における
脱気装置の運転を負荷に対応して稼動させる制御装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ビル等の給水配管における赤水の発生
は、配管系統の腐食による赤錆に起因するが、その赤水
防止対策として近年では安全性が高く低コストの真空式
脱気装置を用いた配管腐食防止装置が採用されている。
例えば、図３に示すような配管腐食防止装置が採用され
ているが、同図において、３１は高架水槽、３２は負
荷、３３は給水ライン、３４は脱気装置、３５は脱気ラ
インを示す。これらの構成において、脱気装置３４の作
用により、高架水槽３１内の水を脱気ライン３５を循環
させながら脱気操作を行い、必要に応じ、給水ライン３
３を通して負荷３２へ水を供給するようになっている。
従って、給水ライン３３内は常時、脱気水で満たされる
ことになり、赤水の発生を防止することができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の真空式脱気装置
による場合、脱気処置をした水を受水槽３１内に蓄えて
おき、負荷３２（カラン、シャワー等）からの要求があ
るとその脱気水を適宜、供給するようにしているが、そ
の際、流出した水量分だけ原水が受水槽３１内に流入す
るようになっている。しかしながら、使用水量すなわち
負荷３２が減少、又は停止した場合にも前記脱気装置は
稼動するので、受水槽３１内の脱気水は過循環となり残
留塩素等に悪影響がでるとともに省力化の面でも問題が
ある。そこで、この発明は、負荷の状態に応じて稼動、
停止するビル給水系における脱気装置の運転制御装置を
提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、受水
槽に原水を供給する原水供給ラインと、この受水槽に負
荷へ水を供給する給水ラインを接続するとともに、脱気
装置を挿入して前記受水槽内の原水を循環脱気する脱気
ラインを接続してなるビル給水系配管構造において、前
記脱気装置の運転制御を負荷発生に対応して稼動すべ
く、前記給水ライン中又は原水供給ライン中のいずれか
一方に流水センサを設け、この流水センサを脱気装置に
連通するタイマーを備えた制御器に回線を介して接続し
たことを特徴としている。

【０００５】

【作用】上述の構成によれば、負荷が発生し、受水槽よ
り給水ラインを介し脱気水を供給すると、給水ラインに
設けた流水センサは、回線を介して制御器に通報し脱気
装置を運転させるとともに、脱気水を供給した時間をタ
イマに積算する。一方、受水槽への原水の補給は、受水
槽に備えたレベルセンサの信号により、ポンプを駆動し
原水タンクより原水供給ラインを通して受水槽内の所定
レベルまで原水を供給する。負荷が停止すると脱気装置
は、タイマが積算した脱気水通水時間まで受水槽内の原
水を脱気処理して停止する。

【０００６】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図１は、ビル給水系配管構造を示す系統
図であって、１はビル等の建物で、この建物内に配置し
たシャワー、カラン等の負荷２へ受水槽３から給水ライ
ン４を通して水を送るようにしている。前記受水槽３に
はレベルセンサ（図示省略）が設けてあって、このレベ
ルセンサよりの信号により原水タンク５内の原水をポン
プ７を駆動し原水供給ライン６を介して受水槽３へ供給
するようにしている。

【０００７】９は、脱気装置８を挿入してなる脱気ライ
ンで、その上流側端部を前記受水槽３の上部に、下流側
端部を同じく受水槽３の下部に接続し、受水槽３内の原
水を循環脱気する。前記脱気装置８は、真空式のものを
用いるのが望ましく、気体透過膜を利用したものの他に
脱気塔のような所謂機械的なものを適用することもでき
る。

【０００８】この発明に係る脱気装置８の運転制御装置
は、前記受水槽３に接続した給水ライン４の負荷２の上
流側に挿設した流水センサ１０と、タイマを備えた制御
器１１を回線１２を介して前記脱気装置８に連通した構
成としている。

【０００９】流水センサ１０は、負荷２が発生し、前記
受水槽３より脱気水を給水ライン４に供給すると、通水
を検知し信号線１２を介して制御器１１に通報する。通
報を受けた制御器１１は、脱気装置８を駆動するととも
にタイマ（図示省略）に通水時間を積算し、負荷２が停
止するとタイマに積算した通水時間だけ脱気装置８を連
続運転して停止するようになっている。

【００１０】つぎに作用について説明する。上述の構成
によれば、負荷２が発生し受水槽３より給水ライン４を
通して脱気水を供給するが、給水ライン４に挿設した流
水センサ１０が通水を検知し、信号線１２を介して制御
器１１へ通報する。制御器１１は脱気装置８を駆動する
とともにタイマに通水時間を積算する。一方、受水槽３
への原水の補給は、受水槽３に備えたレベルセンサ（図
示省略）の信号により原水を、前記ポンプ７を駆動し原
水タンク５より原水供給ライン６を介して受水槽３に供
給する。そして、負荷２が停止すると脱気装置８は、制
御器１１のタイマに積算した脱気水通水時間まで受水槽
３内の原水を脱気処理して停止する。尚、受水槽３内へ
の原水の供給は、前記レベルセンサの所定水位に達する
と給水を停止するよになっている。尚、前記タイマを流
水センサ１０が通水を検知するごとに所定時間を設定
し、負荷２が停止すると、所定時間脱気装置８を運転後
に停止するように構成することもできる。

【００１１】上記実施例にかわる実施例としては、前記
流水センサ１０を給水ライン４に挿設したが、これを図
２に示すように前記原水供給ライン６に流水センサ１
０′を挿設するとともに、回線１２′を介して制御器１
１に接続する構成とする。作用は、負荷２が発生し受水
槽３より脱気水が給水され、前記受水槽３に備えたレベ
ルセンサ（図示省略）が原水の補給信号を発信してポン
プ７を駆動し原水タンク５より原水供給ライン６を介し
て原水を受水槽３へ供給する。流水センサ１０′は、こ
の受水槽３への原水の給水を検知し回線１２′を介して
制御器１１へ通報する。以下の作用は前記実施例と同様
であるので説明を省略する。

【００１１】

【発明の効果】この発明は、以上のような構成であるの
で、負荷が発生し給水ライン又は原水供給ラインに挿設
した流水センサが、通水を検知し制御器を介して脱気装
置を稼動させるとともに通水時間を積算し、負荷が停止
すると積算した通水時間まで脱気装置を運転した後停止
するので、従来のように、受水槽内での脱気水が過循環
による残留塩素等の悪影響もなくなり、又、電力消費量
等の省力化にも貢献することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を実施したビル給水系における脱気装
置の運転制御装置の系統図である。

【図２】図１の実施例にかわる実施例を示す系統図であ
る。

【図３】従来の実施例を示す系統図である。

【符号の説明】

２ 負荷 ３ 受水槽 ４ 給水ライン ６ 原水供給ライン ８ 脱気装置 ９ 脱気ライン １０ 流水センサ １１ 制御器 １２ 回線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 受水槽３に原水を供給する原水供給ライ
   ン６と、この受水槽３に負荷２へ水を供給する給水ライ
   ン４を接続するとともに、脱気装置８を挿入して前記受
   水槽３内の原水を循環脱気する脱気ライン９を接続して
   なるビル給水系配管構造において、前記脱気装置８の運
   転制御を負荷発生に対応して稼動すべく、前記給水ライ
   ン４中又は原水供給ライン６中のいずれか一方に流水セ
   ンサ１０を設け、この流水センサ１０を脱気装置８に連
   通するタイマーを備えた制御器１１に回線１２を介して
   接続したことを特徴とするビル給水系における脱気装置
   の運転制御装置。