JPH0670945A - ソフト眼内レンズ - Google Patents

ソフト眼内レンズ

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JPH0670945A
JPH0670945A JP4228705A JP22870592A JPH0670945A JP H0670945 A JPH0670945 A JP H0670945A JP 4228705 A JP4228705 A JP 4228705A JP 22870592 A JP22870592 A JP 22870592A JP H0670945 A JPH0670945 A JP H0670945A
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JP
Japan
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intraocular lens
weight
group
lens
hydrocarbon group
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4228705A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Hogi
恒夫 保木
Naoki Morita
直喜 森田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 親水性に優れ、機械的性質が良好である上
に、耐汚れ付着性がPMMA系レンズに匹敵し、硬度の
調整が容易で装着性の優れた眼内レンズを提供する。 【構成】 特定の構造をもつ二官能性有機シロキサンオ
リゴマーを含む共重合体からなる眼内レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な眼内レンズ材料
に関するものである。更に詳しくいえば、本発明は酸素
透過性及び光学的、機械的特性に優れる、実質的に非含
水なソフト眼内レンズの材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソフト眼内レンズは含水性ソフト眼内レ
ンズと非含水性ソフト眼内レンズに分けられる。含水性
ソフト眼内レンズは、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、N−ビニルピロリドンなどの親水性モノマーを主成
分として重合した共重合体からなり、切削あるいはキャ
スト法によりレンズを作成しこれを生理食塩水中で膨潤
処理した含水率約40〜70重量%のレンズである。
【0003】非含水性ソフト眼内レンズとしては、例え
ば、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され
たポリジメチルシロキサンとメチルハイドロジエンポリ
シロキサンとの混合物に、白金系の触媒を加え、モール
ディング法で加熱硬化させる方法で得られるシリコーン
ラバーレンズが知られている(特公平3−71898号
公報)。
【0004】またアクリル酸エステルとメタクリル酸エ
ステルとを共重合させた含水性ソフト眼内レンズも製造
されている(特開平1−158949号公報)。含水性
ソフト眼内レンズは、房水中の成分によって膨潤状態が
変わり、レンズのパワー設定が難しく、取扱い上不便な
ことが多い。非含水性眼内レンズにも、それぞれ次のよ
うな問題点が見られる。
【0005】まず、シリコーンラバーレンズについて
は、レンズを2つ折りにして装着しようとするときに、
弾力性が大きすぎるために戻り時間が速すぎ、水晶体嚢
への装着が難しく、熟練した人でないと出来ないという
欠点があって、広く実用化されるまでには到っていな
い。またアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを
主体としたソフトレンズは、レンズを2つ折りにした時
にレンズが粘着しやすく、又ピンセットにつきやすい欠
点があり、レンズ表面に粘着防止用の液体をコートする
必要があり、取り扱いが難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状のもとで、酸素透過性を表わす酸素透過係数(DK
値)が非常に高く、光学的、機械的特性に優れ、耐タン
パク付着性を有し、弾性率が低く2つ折りがしやすく、
レンズの戻り時間もゆるやかで、実質的に非含水なソフ
ト眼内レンズ材料を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の好ま
しい性質を有する、非含水性ソフト眼内レンズ材料を開
発すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の構造と分子量
を有する二官能性有機シロキサンオリゴマーを主成分と
して重合して得られる共重合体から成る材料により、そ
の目的を達成しうることを見い出し、この知見に基づい
て本発明を完成することができた。
【0008】すなわち、本発明は下記のとおりである。 (1)一般式(I)で表わされる二官能性有機シロキサ
ンオリゴマーの1種又は2種以上を、該二官能性有機シ
ロキサンオリゴマーのみで又は共重合可能なモノマーの
1種又は2種以上と共に重合させて得られる橋かけ重合
体から成る眼内レンズ。
【0009】
【化3】
【0010】(2)上記一般式(I)で表わされる二官
能性有機シロキサンオリゴマー15〜80重量%、アク
リル酸フルオロアルキルエステル又はメタクリル酸フル
オロアルキルエステル10〜60重量%、アルキル基の
炭素数が1〜20であるアクリル酸アルキルエステル又
はアルキル基の炭素数が6〜15であるメタクリル酸ア
ルキルエステルから選ばれた1種以上のモノマー5〜5
0重量%、親水性モノマー5〜20重量%の範囲で混合
して重合させて得られる橋かけ重合体からなる眼内レン
ズ。
【0011】前記一般式(I)で表わされる二官能性有
機シロキサンオリゴマーは、その分子量が増大する程、
官能基間鎖が長くなる為、酸素透過性が向上し、また凝
集エネルギーを低下させると共にガラス転移点も低くな
る為、ソフト眼内レンズとしたとき、柔らかさ、並びに
ゴム弾性で示される形状保持性、及び戻り性等の物性に
大きな効果をもたらす。しかしながら、二官能性有機シ
ロキサンオリゴマー(I)のシロキサニル単位の繰り返
し数m及びnが100を越えると二官能性有機シロキサ
ンオリゴマー(I)と共重合可能なモノマーとの相溶性
が悪化し、白濁したり相分離したりする。また酸素透過
性もそれ程大きな差は見られないばかりか、シリコーン
ラバーレンズの性質が強くなり、房水中の成分による汚
染性が増す原因となる。ソフト眼内レンズに必要な柔ら
かさや屈曲性の面から繰り返し数m及びnの値は10〜
100好ましくは20〜80の範囲が最もバランスのと
れた材料を提供することができる。
【0012】一般式(I)でR1 及びR2 は水素又はメ
チル基であり、R3 及びR′3 は直鎖若しくは分枝の炭
素原子数2〜7の2価の炭化水素基又はpが1〜20で
ある−(CH2 CH2 O)p −基である。耐加水分解
性、眼内レンズの寸法安定性などから炭素数3〜4の2
価の直鎖状炭化水素基が好ましい。R4 ,R5 ,R′4
及びR′5 はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基又は
トリメチルシロキシ基であり眼内レンズの柔らかさ、弾
力性、強度、及び汚れ付着性などから炭素数1〜3の炭
化水素基又はトリメチルシロキシ基が好ましい。R6
7 ,R′6 及びR′7 はそれぞれ炭素数1〜12の炭
化水素基又はハロゲン置換された炭化水素基であり、メ
チル基又はトリフルオロプロピル基が好ましい。
【0013】R4 〜R7 を有するポリシロキサン部分
と、R′4 〜R′7 を有するポリシロキサン部分の構造
は同じでも、異なっていても良い。R8 は炭素数4〜1
3の炭化水素基であって脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素又は芳香族炭化水素基で、それぞれの二官能カルボン
酸、あるいは二官能イソシアネートの残基である。
【0014】その具体的例としては、例えばヘキサメチ
レンジカルボン酸、ヘキサメチレンジイソシアネート、
テトラメチレンジカルボン酸、テトラメチレンジイソシ
アネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメ
チルカプロエート、3−イソシアネートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートなどの残基がある。
【0015】XはR8 に結合した−COO−基又は−N
HCOO−基である。l及びl′は0〜20の整数であ
り、20を越えて大きくなると、モノマーとの相溶性が
悪くなり白濁しやすくなるので好ましくない。本発明の
一般式(I)で表わされる二官能性有機シロキサンオリ
ゴマーは、約2当量のポリシロキサン構造を有するジオ
ールとR8 に結合したジカルボン酸又はジイソシアネー
ト約1当量を反応させて得られる両末端に−OH基を有
する有機シロキサンオリゴマーに、−OH基と反応しう
る活性基をもつアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、グリシジルアクリル酸
エステル、グリシジルメタクリル酸エステルなどを反応
させて製造される。
【0016】その具体例は、ヘキサメチレンジイソシア
ネートに約2当量のα,ω−ビス(3−ヒドロキシプロ
ピル)−ポリジメチルシロキサン(m≒n≒40)を反
応させ、次に、グリシジルメタクリレートを反応させた
もの、イソホロンジイソシアネートに約2当量のα,ω
−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−ポリジメチルシロ
キサン(m≒n≒30)を反応させ、次にグリシジルメ
タクリレートを反応させたもの、水添キシリレンジイソ
シアネートに約2当量のα,ω−ビス(3−ヒドロキシ
プロピル)−ポリメチル(トリフルオロプロピル)シロ
キサン(m≒n≒40)を反応させ、次にグリシジルメ
タクリレートを反応させたものなどがある。
【0017】またR8 に結合したジイソシアネートと2
当量のアリルアルコールとの反応生成物に約2当量の
α,ω−ビス(ハイドロジエン)ポリシロキサンを反応
させ、次にメタクリル酸アリルエステルを反応させて製
造することも可能である。本発明の眼内レンズは、前記
の一般式(I)で表わされる二官能性有機シロキサンオ
リゴマー1種又は2種以上を該二官能性有機シロキサン
オリゴマーのみで又は共重合可能なモノマーの1種又は
2種以上と共に重合させて得られる橋かけ重合体からな
る。
【0018】眼内レンズの目標性能、例えば柔らかさと
汚れの付着しにくさ、酸素透過性、強度などに応じ、一
般式(I)の中で特にR6 ,R7 とR′6 ,R′7 の種
類、mとnの値、R8 の種類が選択される。本発明の眼
内レンズは、前記二官能性有機シロキサンオリゴマー
(I)と、共重合可能なモノマー1種以上とを重合させ
ても良い。二官能性有機シロキサンオリゴマーと共重合
可能なモノマーとしては、下記の例が挙げられる。
【0019】例えば、トリフルオロエチルアクリレー
ト、テトラフルオロエチルアクリレート、テトラフルオ
ロプロピルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアク
リレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、ヘキサ
フルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタフルオロブ
チルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレー
ト、パーフルオロデカンアクリレートなどのアクリル酸
フルオロアルキルエステル及び対応するメタクリル酸フ
ルオロアルキルエステルから選ばれた1種以上のフッ素
含有モノマー。
【0020】例えばメチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレートなどのメタクリレート類、及びこれら
に対応するアクリレート類、スチレン、t−ブチルスチ
レン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物な
どから選ばれた1種以上のモノマー。
【0021】例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコ
ン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコール
メタクリレート、N,N′−ジメチルアクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ダ
イアセトンアクリルアミドなどから選ばれた1種以上の
親水性モノマー。
【0022】例えばエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタ
クリレート、アクリルメタクリレート及びこれらのメタ
クリレート類に対応するアクリレート類、ジビニルベン
ゼン、トリアクリルイソシアヌレートなどから選ばれた
1種以上の架橋性モノマーなどがある。
【0023】眼内レンズの光学特性、酸素透過性、機械
的強さ、変形回復性、耐タンパク付着性、房水中での寸
法安定性とその経時変化などの特性バランスを良くする
ためこれら共重合可能なモノマーを組み合わせた混合モ
ノマーを使用することができる。本発明の二官能性有機
シロキサンオリゴマーと共重合可能な混合モノマーの例
としては、トリフルオロエチルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、メタクリル酸及びエチレングリコール
ジメタクリレートの組み合わせ、ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メタク
リル酸及びジエチレングリコールジメタクリレートの組
み合わせなどがある。
【0024】これら組み合わせについては、眼内レンズ
の目標性能を考慮し特に柔らかさについてはトリフルオ
ロエチルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどの
ガラス転移点を低下させるものを配合することにより、
シリコーンラバーレンズよりも低硬度のものも作成する
ことができる。またレンズを2つ折りにした後の戻り時
間が遅いので装着が行いやすい。
【0025】眼内レンズを製造する方法は、公知の方法
が使用できる。例えば二官能性有機シロキサンオリゴマ
ー(I)と、共重合可能なモノマーとの混合物に、 (1)ベンゾフエノン、ベンゾイン、ベンジルジメチル
ケタールなどの光重合開始剤を混合し、レンズの鋳型に
充填して紫外線を照射して重合成形する方法。 (2)アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの重合開始剤
を混合して、レンズの鋳型に充填して熱重合して成形す
る方法。
【0026】(3)円盤状、丸棒状などの形に重合した
後、常温又は低温下で切削研磨して成形する方法などが
使用できる。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。なお、各物性及び分子量は次のようにして
求めた。 (1)酸素透過係数 理化精機工業株式会社製の気体透過率測定装置K−31
5−Nを用いた。試料片は直径30mm、厚さ0.3m
mの円盤状のものを測定に供し、得られたチャート上の
直線の傾きから、酸素透過係数を計算によって求めた。
測定は25℃の恒温室内、試料片セット場所35℃で実
施した。 (2)接触角 協和界面科学株式会社製、Contact Angle
Meter CA−Aを用いた。試料片は測定の前に
鏡面研磨を施し、界面活性剤を使って表面の汚れを落と
したのち、生理食塩水中に24時間浸せきしてから測定
に供した。測定は試料片を純水中に静置し、シリンジに
より直径1.5〜2.0mmの気泡を試料片下面に接触
させ、その気泡と試料片が形成する角度を読み取り、計
算によって接触角を求めた。 (3)引張り強度 株式会社今田製作所製の万能引張圧縮試験機SV−50
を用いた。試料片は厚さ0.3mm、巾5.0mm、長
さ30mmのものを測定に供した。引張り速度は10m
m/minであった。測定は同一試料片について3回行
い、得られた値からJIS−K−6301記載の計算方
法に従って引張り強度を求めた。 (4)タンパク付着性 日本コンタクトレンズ学会誌、第24巻、第277〜2
83ページ(1982年)記載の方法により、タンパク
付着試験を行った。試料片は厚さ2mm、巾5mm、長
さ30mmのものを用いた。判定は対照としてPMMA
の試料片を同様に操作したときのタンパク付着を基準と
して、肉眼観察でそれよりタンパク付着の程度が少ない
場合を「少」、多い場合を「多」、同等の場合を「同
等」とした。なお、汚れ物質のモデルとしてリゾチーム
(卵白)、レシチン(卵黄)の2種類を使用した。 (5)硬 度 JIS−K−6301記載の方法に準じ、硬度(Sho
re A)測定した。 (6)二官能性有機シロキサンオリゴマー(I)の分子
量Mnの測定 液体クロマトグラフ:LC−3A型(島津製作所(株)
製) カ ラ ム :Shodex 802+803+
805(昭和電工(株)製) 検 出 器 :ERC−7510S(エルマ光学
(株)製) インテグレーター :7000A(システムインスツル
メンツ社製) 展 開 溶 液 :トルエン 温 度 :25℃ 分子量検量線用標準ポリマー:単分散ポリスチレン各種
(東洋曹逹(株)製) (Mw/Mn=1.2(max) ) Mn,m及びnは上記分析結果より計算で求める。
【0028】
【合成例1】 二官能性有機シロキサンオリゴマーの合成 α,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチル
シロキサン(n及びm≒30)100重量部(0.04
28モル)1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
3.6重量部(0.0214モル及びトリエチルアミン
0.2重量部を冷却器、温度計、攪拌器を備えたフラス
コに入れ、窒素ガスを通じながら40℃に保って、24
時間反応させる。赤外吸収スペクトルによりイソシアネ
ート基に基づく吸収の消失を確認した後、グリシジルメ
タクリレート6重量部を加え徐々に加熱して85℃に
し、その状態で約6時間反応させた。反応終了後、放冷
し、多量のジクロルメタンに溶解させ、分液ロートを用
いて該反応液を0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液で数
回洗浄し、そののち飽和食塩水で中性になるまで数回洗
浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで一昼夜
脱水し、ろ過後減圧下でジクロルメタンを除去した。
【0029】得られた反応物はやや粘稠な黄色をおびた
透明液で、液体クロマトグラフィーにより純度93%以
上のものであった。(オリゴマーAと略す)
【0030】
【合成例2】 二官能性有機シロキサンオリゴマーの合成 アリルアルコール25重量部と1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネート36重量部及びジブチルスズジラウレ
ート0.2重量部を冷却器、温度計、攪拌器を備えたフ
ラスコに入れ、窒素ガスを通じながら40℃に保って、
24時間反応させる。赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基に基づく吸収の消失を確認した後、多量のジ
クロルメタンに溶解させて分液ロートを用いて該反応液
を0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液で数回洗浄し、そ
ののち飽和食塩水で中性になるまで数回洗浄した。洗浄
後の有機層を無水硫酸ナトリウムで一昼夜脱水し、ろ過
後、減圧下でジクロメタンを除去した。得られた反応物
6.1重量部、トルエン60重量部、塩化白金酸のイソ
プロピルアルコール溶液0.05g(Pt含有量2.0
wt%)、メトキシハイドロキノン0.05gを反応フ
ラスコに入れ、窒素ガスを通じながら60℃に加熱し
て、α,ω−ビス(ハイドロジエン)ポリジメチルシロ
キサン(n及びm≒30)100重量部を約30分かけ
て滴下し、滴下終了後80℃で2時間付加反応を行っ
た。ついで減圧下で溶媒を除去し、やや粘稠な黄色をお
びた透明液を得た。(オリゴマーBと略す)
【0031】
【合成例3】 二官能性有機シロキサンオリゴマーの合成 合成例1において、α,ω−ビス(3−ヒドロキシプロ
ピル)ポリジメチルシロキサン(n及びm≒30)の代
わりにα,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリメ
チル(トリフルオロプロピル)シロキサン(n及びm≒
30)を205重量部(0.0428モル)使用した他
は同様の方法で反応させて、生成物を得た。(オリゴマ
ーCと略す)
【0032】
【実施例1】オリゴマーA 50重量部と、ヘキサフル
オロイソプロピルアクリレート(以下AA−FIPと略
す)40重量部、n−ブチルアクリレート(以下n−B
Aと略す)10重量部、メタクリル酸(以下MAAと略
す)5重量部、ジエチレングリコールジメタクリレート
(以下2EDと略す)5重量部、及びベンジルジメチル
ケタノール(チバガイギー社製I−651)0.5重量
部を均一に混合した。該混合物を、シリコーンゴム製の
ガスケットを間に入れた2枚のガラス板で組んだ重合セ
ルの中に注入し、50〜60℃の温度において、紫外線
を2時間照射して共重合体を得た。得られた共重合体を
セルから外して、酸素透過係数、接触角、引張り強度、
タンパク付着性、硬度を測定した。その結果を表1に示
した。
【0033】
【実施例2】実施例1で使用したオリゴマーとモノマー
の混合物を、射出成形によって作成したポリプロピレン
製のレンズ製造用凹凸鋳型に充填し、紫外線を2時間照
射した。照射後、鋳型からとり出したレンズは、透明で
柔らかく、強度、戻り性も良好であった。
【0034】このレンズは2つに折り曲げることが容易
で、かつレンズの元の形状への戻り性もゆるやかで又、
レンズを2つ折りにした時にレンズ表面の粘着現象も認
められず眼内レンズとして優れた性能を示した。
【0035】
【実施例3及び4】実施例1で使用したオリゴマーAの
代りに、それぞれオリゴマーBと、オリゴマーCを使用
した以外は、実施例1と同様にして共重合体を得て、そ
の物性を測定した。結果を表1に示した。
【0036】
【実施例5】実施例1において使用したAA−FIPを
トリフルオロエチルアクリレート(以下3FAと略す)
にした以外は、実施例1と同様にして共重合体を得た。
その物性を測定し、結果を表1に示した。
【0037】
【実施例6〜11】オリゴマー、AA−FIP、3F
A、n−BA、MAA、2EDをそれぞれ表1に示した
割合で混合し、実施例1と同様の方法で共重合体シート
を得た。その物性を測定した結果を表1に示した。
【0038】
【実施例12】オリゴマーA 100重量部と、ラウロ
イルパーオキサイド0.05重量部を均一に混合し、実
施例2で使用したレンズ鋳型に充填し、50℃で8時
間、次いで60℃で5時間加熱した後、90℃で5時間
加熱して重合させた。鋳型からとり出したレンズは透明
で、柔らかく、折り曲げた時の戻り性も良好で、強度に
優れたものであった。
【0039】又、実施例1で使用した平板重合セルに充
填して熱重合させて得た重合シートの物性を測定した結
果を表2に示した。
【0040】
【比較例1】ビス(3−メタクリロキシプロピル)ポリ
ジメチルシロキサン(分子量約2500)単量体100
重量部に、ラウロイルパーオキサイド0.05重量部を
加え、実施例12と同じ方法で重合させた。得られたレ
ンズは、透明であったが、もろく、折り曲げるとさけて
切れてしまった。
【0041】又、実施例1で使用した平板重合セルに充
填して、熱重合させて得た重合シートの物性を測定し
た。結果を表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の眼内レンズは酸素透過性が高
く、親水性に優れ、機械的性質が良好である上、耐汚れ
付着性がPMMA系眼内レンズに匹敵するものである。
特に硬度の調整が容易で、低硬度のものを得ることがで
き、また、2つ折りにしたレンズの元の形状への戻り性
をゆっくりにすることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】
【化2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【化3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表わされる二官能性有機シロ
    キサンオリゴマー1種又は2種以上を、該二官能性有機
    シロキサンオリゴマーのみで又は共重合可能なモノマー
    の1種又は2種以上と共に重合させて得られる橋かけ重
    合体からなる眼内レンズ。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記化2で表わされる二官能性有機シロ
    キサンオリゴマー15〜80重量%、アクリル酸フルオ
    ロアルキルエステル又はメタクリル酸フルオロアルキル
    エステル10〜60重量%、アルキル基の炭素数が1〜
    20であるアクリル酸アルキルエステル又はアルキル基
    の炭素数が6〜15であるメタクリル酸アルキルエステ
    ル5〜50重量%、親水性モノマー5〜20重量%の範
    囲で混合、重合させて得られる橋かけ重合体からなる眼
    内レンズ。 【化2】
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