JPH055861A - コンタクトレンズ材料 - Google Patents

コンタクトレンズ材料

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JPH055861A
JPH055861A JP15897391A JP15897391A JPH055861A JP H055861 A JPH055861 A JP H055861A JP 15897391 A JP15897391 A JP 15897391A JP 15897391 A JP15897391 A JP 15897391A JP H055861 A JPH055861 A JP H055861A
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JP
Japan
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molecular weight
acrylate
denotes
contact lens
group
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JP15897391A
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English (en)
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Naoki Morita
直喜 森田
Tsuneo Hogi
恒夫 保木
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトレンズ材料の表面粘着性の改善と
キャスト成形時の成形性を安定化する。 【構成】 特定の構造と分子量分布をもつ、2官能性有
機シロキサンと(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエ
ステル及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからな
る共重合体。 【効果】 このコンタクトレンズ材料は表面粘着性が小
さく、キャスト重合時の成形安定性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なコンタクトレン
ズ材料に関するものである。更に詳しく言えば、本発明
は酸素透過性及び光学的、機械的特性に優れ、且つ表面
の粘着性が小さく、キャスト重合時の成形安定性に優れ
る実質的に非含水なソフトコンタクトレンズの材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ソフトコンタクトレンズは、含水性ソフ
トコンタクトレンズと非含水性ソフトコンタクトレンズ
に分けられる。含水性ソフトコンタクトレンズは、ヒド
ロキシエチルメタクリレ−ト、N−ビニルピロリドンな
どの親水性モノマ−を主成分として重合した共重合体か
らなり、切削あるいはキャスト法によりレンズを作成
し、これを生理食塩水中で膨潤処理した約40〜70%
の含水率のレンズである。
【0003】非含水性ソフトコンタクトレンズは、例え
ば分子鎖両末端がビニルメチルシリル基で封鎖されたポ
リジメチルシロキサンとメチルハイドロジエンポリシロ
キサンとの混合物に白金系の触媒を加え、モ−ルディン
グ法で加熱硬化させる方法で得られるシリコ−ンラバ−
レンズと両末端にメタクリロキシ基のような重合性基を
付加したポリパ−フルオロエ−テルを主成分とした重合
体からなるものが知られている(特開昭54−8136
3号公報、特開昭58−127914号公報)。
【0004】また(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリ
ル酸エステルを共重合させたハ−ドな基体より、切削し
てレンズを作成し、これをエステル化及び/又はエステ
ル交換処理を行い、装用感の良好な非含水性ソフトコン
タクトレンズも製造されている(特開昭48−7504
7号公報)。多官能ポリシロキサンを主体とした酸素透
過性の高いコンタクトレンズ材料も特開昭54−240
47号公報、特開昭56−51715号公報、特開昭5
9−229524号公報、特開平2−188717号公
報等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】含水性ソフトコンタク
トレンズは、柔らかく装用感が良好で、高含水型になる
と酸素透過性が高くなる等の長所をもっているが、破損
しやすく、耐久性が劣ること、及び涙液中の成分によっ
て汚染されやすく細菌の繁殖の恐れがあるため、定期的
に煮沸消毒をしなければならない等、取扱い上、不便な
ことが多い。
【0006】非含水性ソフトコンタクトレンズにも次の
ような問題点が見られる。まずシリコ−ンラバ−レンズ
については、開発当初はレンズ表面の疏水性を改善する
ために施した親水化処理層が剥離したり、弾力性が大き
すぎるために角膜への固着が起こるなどの欠点があっ
て、広く実用化されるまでには到らなかった。最近では
表面親水化処理技術の進歩、レンズデザインの変更、及
び機械的性質の改良などにより、前記シリコ−ンラバ−
レンズの欠点はかなり改善されてはいるものの、まだ必
ずしも十分に満足しうるものではなく、広く一般に用い
られるに到っていないのが実状である。
【0007】次に、パ−フルオロポリエ−テルを主成分
とした非含水性レンズは、ソフトコンタクトレンズとい
うよりも、弾性率が高くセミハ−ドタイプに近いため、
とてもソフトコンタクトレンズのような装用感が得られ
ず、角膜上でのレンズの動きも満足できるものでない。
また(メタ)アクリル酸エステルを主体としたソフトコ
ンタクトレンズは、酸素透過性に劣るため、長時間の装
用には適していない。
【0008】多官能ポリシロキサンを主体とする材料は
酸素透過性が高く、柔軟性も持ち合わせており、コンタ
クトレンズに適する材料の1つと考えられる。しかしな
がら、重合後のレンズ表面に粘着性が残るために安全性
上問題があり、またキャスト重合時成形安定性に欠ける
ため、現状では実用化に到っていない。本発明はこのよ
うな実状のもとで、酸素透過性及び光学的、機械的特性
に優れ、且つ表面の粘着性が少なく、キャスト重合時の
成形安定性に優れる実質的に非含水なソフトコンタクト
レンズ材料を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記の好ま
しい性質を有する、非含水性ソフトコンタクトレンズ材
料を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造と分
子量及び分子量分布を有する2官能性有機シロキサンマ
クロマ−のみ又は共重合可能なモノマ−と共重合させて
得られる材料により、その目的を達成しうることを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成することができ
た。
【0010】すなわち本発明は、 1.分子量分布Mw/Mn(Mw;重量平均分子量、M
n;数平均分子量)が2以下である下記化5又は化6で
表わされる2官能有機シロキサンマクロマ−の1種又は
2種以上を該2官能性有機シロキサンマクロマ−のみで
又は共重合可能なモノマ−の1種又は2種以上と共に重
合させて得られる重合体からなるコンタクトレンズ材
料。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】2.分子量分布Mw/Mn(Mw;重量平
均分子量、Mn;数平均分子量)が2以下である上記化
5又は化6で表わされる2官能性有機シロキサンマクロ
マ−の1種又は2種以上と、アクリル酸フルオロアルキ
ルエステル又はメタクリル酸フルオロアルキルエステ
ル、及びアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸
アルキルエステルとを重合して得られる共重合体からな
るコンタクトレンズ材料。
【0014】以下本発明を詳細に説明する。化5、化6
で表わされる2官能性有機シロキサンマクロマ−は、そ
の分子量が増大する程、官能基間鎖が長くなるため、酸
素透過性が向上し、また凝集エネルギ−を低下させると
共にガラス転移点も低くなるためソフトコンタクトレン
ズとしたとき、柔らかさ、並びにゴム弾性で示される形
状保持性、及び戻り性等の物性に大きな効果をもたら
す。
【0015】しかしながら該マクロマ−のジメチルシロ
キサニル単位の繰り返し数mが、100を越えると共重
合可能なモノマ−との相溶性が悪化し、白濁したり相分
離したりする。酸素透過性も繰り返し数mが増大すれば
する程、顕著な差が無くなり、mを100以上にしても
大差は見られないばかりか、シリコ−ンラバ−レンズの
性質が強くなり、涙液中の成分による汚染性が増す原因
となる。また繰り返し数mが10以下になると酸素透過
性がかなり低下するばかりでなく、ソフトコンタクトレ
ンズに必要な柔らかさや屈曲性が劣る原因となる。以上
の理由で分子量を決定する繰り返し数mの値は10〜1
00が好ましく、さらに20〜80の範囲が最もバラン
スのとれた材料を提供する。
【0016】次に分子量分布Mw/Mn(Mw;重量平
均分子量、Mn;数平均分子量)は2以下であることが
必要である。これは重合後のポリマ−表面の粘着性及び
キャスト重合時の成形性に大きく関与する。つまり、分
子量分布Mw/Mnが2より大きい場合、2官能性有機
シロキサン単量体の低分子量成分が増加し、重合後にも
ポリマ−内部、あるいは表面に残存する。そしてこれが
粘着性を増す原因となったり、ポリマ−から徐々にしみ
出してくるため、安全性に欠ける原因となる。また重合
時の小さな条件変化等に影響されやすく、低分子量成分
が架橋したりしなかったりして成形性(特にサイズ)を
一定に保てない原因にもなる。
【0017】以上の理由より分子量分布Mw/Mnは2
以下であることが必要であり、好ましくは1.8以下に
抑えることがよい。特開昭54−24047号公報、特
開昭56−51715号公報、特開昭59−22952
4号公報、特開平2−188717号公報には分子構造
等を規定しているが、分子量分布に関する記述は一切さ
れていない。
【0018】該マクロマ−中R1 は水素又はメチル基で
あり、R2 、R3 、R4 及びR5 はそれぞれメチル基又
はトリメチルシロキシ基であり、コンタクトレンズの柔
らかさ、弾力性、強度及び汚れ性等を考慮して、単独あ
るいは混合して使用できる。化5中のXは下記化7で示
される単官能イソシアネ−トの残基又は、下記化8で示
される2官能イソシアネ−トの残基を表わす。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】これらウレタン結合を分子構造中に含むこ
とにより、コンタクトレンズの強度や水漏れ性を改善す
ることができる。2官能性イソシアネ−トの残基として
例えばヘキサメチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレ
ンジイソシアネ−ト、2,4,4−トリメチル−1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,6−ジイソシ
アネ−トメチルカプロエ−ト、3−イソシアネ−トメチ
ル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ
−ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシア
ネ−ト、水添キシリレンジイソシアネ−ト、水添トリレ
ンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トなど
の残基がある。
【0022】化5、化6で表わされる2官能性有機シロ
キサンマクロマ−は、例えば、分子量分布Mw/Mnが
2以下である約2当量のポリシロキサン構造を有するジ
オ−ルに、化5の場合、塩化または無水アクリロイルま
たはメタクリロイルとのエステル化反応やメタクリル酸
メチルとのエステル交換反応による方法で得ることがで
きる。化6で表わされる2官能性有機シロキサンマクロ
マ−の場合は例えば、ポリシロキサンジオ−ルと当量の
イソシアネ−トエチルメタクリレ−トを反応させること
により得られる。
【0023】ポリシロキサン構造を有するジオ−ルの合
成方法としては、リビング重合あるいは平衡化反応等が
考えられるが、分子量分布の小さいものを合成するには
リビング重合反応が向いている。2官能性有機シロキサ
ンマクロマ−は目的に応じて1種だけ用いてもよいし、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0024】本発明において共重合可能なモノマ−とし
て用いられるアクリル酸フルオロアルキルエステル及び
メタクリル酸フルオロアルキルエステルは、フッ素原子
に起因する臨界表面張力の低下により、撥水、撥油性の
性質を持ち、これは、コンタクトレンズ表面が涙液中の
タンパク質や脂質などの成分によって汚染されることを
抑える効果がある。また、このモノマ−成分は、物性的
にガラス転移点が室温以下であるものが好ましく、共重
合した場合、ソフトコンタクトレンズに必要な柔らかさ
や屈曲性を発現することができる。
【0025】これらアクリル酸フルオロアルキルエステ
ル及びメタクリル酸フルオロアルキルエステルの具体例
としては、トリフルオロエチルアクリレ−ト、テトラフ
ルオロエチルアクリレ−ト、テトラフルオロプロピルア
クリレ−ト、ペンタフルオロプロピルアクリレ−ト、ヘ
キサフルオロブチルアクリレ−ト、ヘキサフルオロイソ
プロピルアクリレ−ト、ヘプタフルオロブチルアクリレ
−ト、オクタフルオロペンチルアクリレ−ト、ノナフル
オロペンチルアクリレ−ト、ドデカフルオロペンチルア
クリレ−ト、ドデカフルオロヘプチルアクリレ−ト、ド
デカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロ
ヘプチルアクリレ−ト及びこれらのアクリレ−ト類に対
応するメタクリレ−ト類等が挙げられ、好ましくは、ト
リフルオロエチルアクリレ−ト、ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレ−ト、オクタフルオロペンチルアクリレ
−ト、ドデカフルオロオクチルアクリレ−トが用いられ
る。これらの単量体は1種用いてもよいし、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0026】また、本発明において共重合可能なモノマ
−として用いられるアクリル酸エステルモノマ−及びメ
タクリル酸エステルモノマ−は、化5、化6で示される
2官能性有機シロキサンと(メタ)アクリル酸フルオロ
アルキルエステルとの相溶性を改善する効果が有り、そ
の使用範囲を大きく広げる役割をする。好ましくは、共
重合体のガラス移転点を室温あるいは0℃以下に下げる
ものがよく、こられは凝集エネルギ−を低下させるの
で、共重合体にゴム弾性と柔らかさを与える効果があ
る。
【0027】これはアクリル酸アルキルエステル及びメ
タクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル
アクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−プロピルアク
リレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、tert−ブチル
アクリレ−ト、イソブチルアクリレ−ト、n−ヘキシル
アクリレ−ト、n−オクチルアクリレ−ト、n−ヘプチ
ルアクリレ−ト、n−ノニルアクリレ−ト、n−デシル
アクリレ−ト、イソデシルアクリレ−ト、n−ラウリル
アクリレ−ト、トリデシルアクリレ−ト、n−ドデシル
アクリレ−ト、シクロペンチルアクリレ−ト、シクロヘ
キシルアクリレ−ト、n−ステアリルアクリレ−ト及び
これらのアクリレ−ト類に対応するメタクリレ−ト類等
を挙げることができ、好ましくは、n−ブチルアクリレ
−ト、n−オクチルアクリレ−ト、n−ラウリルメタク
リレ−ト、n−ステアリルメタクリレ−トが用いられ
る。これらモノマ−は1種用いてもよいし、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0028】さらに、機械的性質、表面濡れ性、レンズ
の寸法安定性などを向上させるために、所望に応じ、以
下に述べるモノマ−を共重合させることができる。機械
的性質を向上させるためのモノマ−としては、例えばス
チレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレ
ンなどの芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
【0029】表面濡れ性を向上させるためのモノマ−と
しては、例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒドロ
キシエチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、グ
リセロ−ルメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルメ
タクリレ−ト、N,N′−ジメチルアクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタク
リレ−ト、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトン
アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられ
る。
【0030】レンズの寸法安定性を向上させるためのモ
ノマ−としては、例えばエチレングリコ−ルジメタクリ
レ−ト、ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリ
エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ポリエチレング
リコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパント
リメタクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラメタク
リレ−ト、ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト、ビニル
メタクリレート、アクリルメタクリレ−ト及びこれらの
メタクリレ−ト類に対応するアクリレ−ト類、ジビニル
ベンゼン、トリアリルイソシアヌレ−ト等が挙げられ
る。
【0031】これらの単量体は、1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明のコンタ
クトレンズ材料として用いられる共重合体は、単量体混
合物を鋳型に充填して公知の方法でラジカル重合させる
キャスト重合法、回転する半面鋳型内に単量体混合物を
仕込んで重合させる方法、又は重合体を低温で冷凍切削
する方法等によりコンタクトレンズに成形することがで
きる。
【0032】共重合の方法は、ベンゾイン、ベンゾフェ
ノン、ベンジルジメチルケタノ−ルなどの光重合開始剤
を単量体混合物中に存在させ、紫外線を照射して重合さ
せる方法又はアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイドなどのアゾ
化合物や有機過酸化物を用いて熱重合させる方法がよ
い。
【0033】本発明のコンタクトレンズ材料である、2
官能性有機シロキサンマクロマ−、アクリル酸フルオロ
アルキルエステルモノマ−又はメタクリル酸フルオロア
ルキルエステルモノマ−、アクリル酸アルキルエステル
モノマ−又はメタクリル酸アルキルエステルモノマ−、
及び所望により前記多種のモノマ−を加えた共重合体
は、その共重合比等を変えることにより、30×10
-11 〜250×10-11 ml・cm/cm2 secmm
Hg程度の酸素透過係数を持ち、光学的、機械的特性に
優れ、且つ表面の粘着性が小さく、キャスト重合時の成
形安定性に優れる実質的に非含水なソフトコンタクトレ
ンズ材料とすることができる。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。なお、各物性及び分子量は次のようにして
求めた。 (1)酸素透過係数 理化精機工業(株)製の気体透過率測定装置K−315
−Nを用いた。試料片は直径30mm、厚さ0.3mm
の円盤状のものを測定に供し、得られたチャ−ト上の直
線の傾きから、酸素透過係数を計算によって求めた。測
定は25℃の恒温室内、試料片セット場所35℃で実施
した。 (2)接触角 協和界面科学(株)製、Contact Angle
Meter CA−Aを用いた。試料片は測定の前に鏡
面研磨を施し界面活性剤を使って表面の汚れを落とした
のち、生理食塩水中に24時間浸せきしてから測定に供
した。測定は試料片を純水中に静置し、シリンジにより
直径1.5〜2.0mmの気泡を試料片下面に接触さ
せ、その気泡と試料片が形成する角度を読み取り、計算
によって接触角を求めた。 (3)引張り強度 (株)今田製作所製の万能引張圧縮試験機SV−50を
用いた。試料片は厚さ0.3mm、巾5.0mm、長さ
30mmのものを測定に供した。引張り速度は10mm
/minであった。測定は同一試料片について3回行
い、得られた値からJIS−K−6301記載の計算方
法に従って引張り強度を求めた。 (4)2官能性有機シロキサンマクロマ−の分子量LC
及び分子量分布の測定 液体クロマトグラフ:LC−3A型〔島津製作所(株)
製〕 カ ラ ム :Shodex 802+803+
805〔昭和電工(株)製〕 検出器 :ERC−7510S〔エルマ光学
(株)製〕 インテグレ−タ− :7000A(システムインスツル
メンツ社製) 展開溶媒 :テトラヒドロフラン 温 度 :25℃ 分子量検量線用標準ポリマ−:単分散ポリスチレン各種
〔Mw/Mn=1.2(max)〕(東洋曹逹(株)
製) 2官能性有機シロキサン単量体の分子量、Mw(重量平
均分子量)、Mn(数平均分子量)及び分子量分布Mw
/Mnは上記分析結果より求める。 (5)抽出量(%)の測定 紫外線重合により得られたサンプル(厚さ約0.3m
m、巾30mm、長さ45mm)の重量を測定し、10
0mlのアセトン溶媒の中に浸漬する。室温で168時
間後にアセトン溶媒中からサンプルを取り出し、90℃
の熱風乾燥機中でアセトンを蒸発させる。約24時間に
サンプルの重量を測定し、その後約3時間ごとに乾燥機
の中からサンプルを取り出して重量を測定する。恒量に
なった時点で、最初の重量から恒量時の重量を引き、そ
の量を最初の重量で割った値を抽出量(%)とした。 (6)表面粘着性の測定 紫外線重合により得られたサンプル(厚さ約0.3m
m、巾30mm、長さ90mm)を2枚重ね合わせ、重
さ250gのガラス板で密着させる。島津製作所(株)
製の引張試験機AGS−50を用いて、シ−ト間の剥離
試験を行う。引張速度は10mm/minで剥離すると
きの力を粘着性の指標とした。(単位はgで表わす)
【0035】
【実施例1】
【0036】
【化9】
【0037】化9で表わされるα、ω−ビス(3−メタ
クリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(分子量
Mw≒8600、m≒61、Mw/Mn≒1.8)10
gにベンジルジメチルケタノ−ル(チバガイギ−社製、
商品名I−651)0.05gを添加し、窒素雰囲気中
でマグネチックスタ−ラ−にて約1時間攪拌し溶解混合
させた。
【0038】その後、シリコ−ンゴム製のガスケットを
間に入れた2枚のガラス板(厚さ10mm、巾60m
m、長さ90mm)により組み込んだセル中に前記反応
液を注入し、該セルを40〜50℃の温度において、紫
外線を2時間照射して重合体を得た。このようにして得
られた重合体について、酸素透過係数、接触角、抽出量
(%)、表面粘着性を測定した。
【0039】結果を第1表に示す。
【0040】
【実施例2】実施例1で使用したα、ω−ビス(3−メ
タクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン55重
量部、トリフロロエチルアクリレ−ト25重量部、n−
ブチルアクリレ−ト20重量部、メタクリル酸6重量
部、ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト5重量部及
びベンジルジメチルケタノ−ル0.5重量部を混合した
ものを実施例1と同様な操作を行い、共重合体を得た。
この共重合体について酸素透過性と引張特性、抽出量及
び表面粘着性を測定した。結果を表2に示す。
【0041】前記共重合用混合物を、射出成型によって
作成したポリプロピレン製の凹凸鋳型(レンズ直径1
3.7mm)に充填し、紫外線を2時間照射した。照射
後鋳型から取り出したレンズは透明で柔らかく、強度、
戻り性も良好であった。同様の操作を行いレンズを20
枚作成し、その直径を投影機にて測定し、レンズ直径の
平均値と標準偏差を求めた。結果を表3に示す。
【0042】
【実施例3】
【0043】
【化10】
【0044】化10で表わされるα、ω−ビス(プロピ
オキシエタノ−ル)ポリジメチルシロキサン(分子量M
w≒6800、m≒74、Mw/Mn≒1.3)を50
0mlの褐色丸底フラスコに100g(0.0191m
ol)仕込み、それに2−イソシアネ−トエチルメタク
リレ−ト5.93g(0.0382mol)を加え、さ
らにジブチルスズジラウリレ−ト5滴とシクロヘキサン
を加えて、N2 雰囲気中で攪拌しながら、70℃で5時
間反応させた。赤外線吸収スペクトルにより、イソシア
ネ−ト基に基づく吸収の消失を確認した。
【0045】冷却後、シクロヘキサンを約300ml加
え、脱色用の活性炭及び硫酸マグネシウムを添加して1
晩放置した。そして0.2μのフィルタ−でろ過後、エ
バポレ−タ−を用いて、シクロヘキサン等の低沸点物を
除去すると透明で少し粘調な液体が72g得られた。こ
の液体をNMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)によ
り、構造を解析した結果、下記化11であることを確認
した。
【0046】
【化11】
【0047】化11で示されたウレタン結合を含むマク
ロマ−をα、ω−ビス(3−メタクリロキシプロピル)
ポリジメチルシロキサンの代わりに用いた以外は実施例
2と同様な操作を行い共重合体を作成し、物性等を測定
した。結果を表2に示す。
【0048】
【実施例4】化10で表わされるα,ω−ビス(プロピ
オキシエタノ−ル)ポリジメチルシロキサン(分子量M
w≒2400、m≒24、Mw/Mn≒1.195)を
500mlの褐色丸底フラスコに100g(0.05m
ol)仕込み、それにイソホロンジイソシアネ−ト2
2.2g(0.10mol)、トリエチルアミン0.0
3g、シクロヘキサンを加えて、N2 雰囲気中で攪拌し
ながら、60℃で約5時間反応させた。つぎに、その反
応液中に2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13.0
g(0.10mol)とジブチルスズジラウリレ−ト5
滴を加え、さらにN2 雰囲気中で70℃5時間反応させ
た。冷却後、シクロヘキサン約300mlを加え、20
%食塩水で洗浄し、分液ロ−トにより、シクロヘキサン
層を分離した。更にシクロヘキサン約300mlを加
え、脱色用の活性炭と硫酸マグネシウムを添加して、2
晩放置した。ろ過後、エバポレ−タ−により、シクロヘ
キサン等低沸点物を除去すると、粘稠な透明の液体が約
82g得られた。この液体をNMR(プロトン核磁気共
鳴スペクトル)により、構造を解析した結果、化10で
あることを確認した。
【0049】
【化12】
【0050】化12で示されたウレタン結合を含むマク
ロマ−をα、ω−ビス(3−メタクリロキシプロピル)
ポリジメチルシロキサンの代わりに用いた以外は実施例
2と同様な操作を行い共重合体を作成し、物性等を測定
した。結果を表2に示す。
【0051】
【比較例1】化7で表わされるマクロマ−であって、そ
の分子量がMw≒12000、分子量分布Mw/Mn≒
3.5、m≒45であるところのものを用いて、実施例
1と同様な操作で重合体を得た。この重合体について物
性等を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
【比較例2】比較例1で用いたマクロマ−を使い、実施
例2と同じようにトリフロロエチルアクリレ−ト等のモ
ノマ−を同組成で混合し、紫外線重合により共重合体を
得た。この共重合体の物性を表2に示す。この共重合用
混合物を用いて実施例2と同じようにポリプロピレン製
の鋳型を用いて、レンズを20枚作成した。レンズ直径
の平均値と標準偏差を求めた。結果を表3に示す。
【0053】
【比較例3】化10で表わされるマクロマ−であって、
その分子量がMw≒13000、Mw/Mn≒3.9
m≒42であるところのものを用いて、実施例3と同様
な操作を行い、ウレタン結合を含むマクロマ−化11
(但しm≒42)を得た。このマクロマ−を用いて実施
例2と同様の操作で共重合体を作成し、物性等を測定し
た。
【0054】結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明のコンタクトレンズ材料は、酸素
透過性及び光学的、機械的特性に優れ、且つ表面の粘着
性が小さく、キャスト重合時の成形安定性に優れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 分子量分布Mw/Mn(Mw;重量平均
    分子量、Mn;数平均分子量)が2以下である下記化1
    又は化2で表わされる2官能性有機シロキサンマクロマ
    −の1種又は2種以上を該2官能性有機シロキサンマク
    ロマ−のみで又は共重合可能なモノマ−の1種又は2種
    以上と共に重合させて得られる重合体からなるコンタク
    トレンズ材料。 【化1】 【化2】 【請求項2】 分子量分布Mw/Mn(Mw;重量平均
    分子量、Mn;数平均分子量)が2以下である下記化3
    又は化4で表わされる2官能性有機シロキサンマクロマ
    −の1種又は2種以上と、アクリル酸フルオロアルキル
    エステル又はメタクリル酸フルオロアルキルエステル、
    及びアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アル
    キルエステルとを重合して得られる共重合体からなるコ
    ンタクトレンズ材料。 【化3】【化4】
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