JPH0670886U - アオコを含む用水の処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アオコを含む用水から高い除去率で効果的に
アオコを除去でき、しかもコンパクトな浮上処理装置を
提供する。 【構成】 アオコを含む用水に凝集剤を添加して生成し
たフロツクに、加圧水を放出することにより微細気泡を
アオコに付着させ、水面に浮上させて除去するさいに、
凝集槽と浮上槽および分離槽を一体化させることを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、湖沼等の用水に発生するアオコを効率よく浮上処理する装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、富栄養化の進んだ湖沼等の閉鎖性の強い水域において、特に夏期にアオ コが大量発生し、いわゆる「水の華」を形成して美観を損ねたり、悪臭を発した り、さらには生息する魚類を死滅させたりしている。 アオコの発生した用水を飲料水として利用する場合には、アオコが浄水処理の ろ過装置に目詰まりしてその機能を低下させたり、異臭味を除くための高度処理 の導入を余儀なくさせている。

【０００３】 従来、アオコの発生を抑制する方法としては、以下のとおりの提案がある。 １．河川等から導水する方法 ２．流れをつくり流動させる方法 ３．曝気して流動させる方法 ４．防除剤を散布する方法 しかし、いずれもアオコの発生を完全に抑制することはできない。

【０００４】 一方、発生したアオコを処理する方法および装置は、次のとおり提案されてい る。 １．無機凝集剤で凝集沈澱する方法および装置 ２．ろ過装置を使用する方法および装置 ３．凝集剤と溶解空気浮上法を併用する方法および装置 しかしながら、１．についてはもともとアオコは細胞内に気胞を有し浮きやす い性質であることから、凝集しても沈澱しにくいため除去率が上がらない、また ２．については多量のアオコが発生した場合目詰まりを起こして効率が著しく低 下するなど、いずれもアオコを効率よく除去できるまでには至っていない。 また、３．については、たとえば特公昭６４−１１３号公報、あるいは特開昭 ６４−６３０９１号公報のように凝集槽と浮上分離槽が別々であるため、装置が 複雑かつ大がかりになって扱いにくいという欠点がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来提案されてきたアオコの処理装置はいずれも満足し得るもの でなく、アオコが発生して汚濁の進んだ湖沼等の浄化は、試験的な実施に留まっ ているのが実状である。 本考案は、アオコを含む用水から高い除去率で効果的にアオコを除去できる、 しかもコンパクトな浮上処理装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、アオコを含む用水に凝集剤を添加して生成したフロツクに、加圧水 を放出することにより微細気泡をアオコに付着させ、水面に浮上させて除去する さいに、凝集槽と浮上槽および分離槽を一体化させることを特徴とするアオコを 含む用水の処理装置に係わるものである。

【０００７】

【作用】

図１、２および３に本考案の装置を示す。 アオコを含む用水は原水ポンプ１により取水され、凝集剤槽２から供給される 所定量の凝集剤と混和されてから、急速混合槽４、緩速混合槽６を経てフロック 生成槽８に移送され、凝集フロックを生成する。なお、急速混合槽４には攪拌機 ３、緩速混合槽６ではコンプレッサー２１から供給された空気泡を攪拌用空気泡 発生管５から発生させて効果的に凝集フロックが生成されるようにしておく。 フロックが生成した原水は、浮上分離槽１０の下部において、コンプレッサー ２１から空気が供給された加圧水槽２２で加圧溶解された微細気泡と加圧水発生 口２３で接触混合されて、気泡を付着したフロックが槽上部に浮上される。 浮上し濃縮されたアオコスラッジはオーバーフロー管１１を経て系外に取り出 されて、脱水・ろ過等で別途に処理される。 一方、アオコが除去された処理水は、浮上分離槽１０の下部にある処理水出口 ３１より取り出されて放流される。 なお、浮上分離槽１０において、加圧水出口２３と処理水出口３１がショート パスしないよう遮蔽板９を設ける。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の装置によれば、凝集槽と浮上分離槽が一体化してコンパクトになって いるため、処理したい用水を自然の流れで槽から槽に移送できることになり、し たがって、生成したフロックが破壊されずに加圧水と接触混合されるために、加 圧水から発生する気泡の付着が有効におこなわれて、アオコが浮上しやすくなり 除去率が向上するという大きな利点がある。 したがって従来、アオコの除去が容易でなかった用水であっても、本考案の装 置によれば、用水に含まれるアオコを容易かつ迅速に浮上分離することができる ようになり、各種用水の管理上もたらす効果は著しい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置の立面図である。

【図２】本考案の装置の垂直方向の断面図である。

【図３】本考案の装置の水平方向の断面図である。

【符号の説明】

１ 原水ポンプ ２ 凝集剤槽 ３ 攪拌機 ４ 急速混合槽 ５ 攪拌用空気泡発生管 ６ 緩速混合槽 ７ 気抜き口 ８ フロック生成槽 ９ 遮蔽板 １０ 浮上分離槽 １１ スラッジオーバーフロー管 ２１ コンプレッサー ２２ 加圧水槽 ２３ 加圧水発生口 ３１ 処理水出口 ３２ 処理水槽

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アオコを含む用水に凝集剤を添加して生
   成したフロックに、加圧水を放出することにより微細気
   泡をフロックに付着させ、水面に浮上させて除去するさ
   いに、凝集剤と浮上分離槽を一体化させることを特徴と
   するアオコを含む用水の処理装置。