JPH0670749A - 麹菌及びその育種方法 - Google Patents

麹菌及びその育種方法

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JPH0670749A
JPH0670749A JP4250463A JP25046392A JPH0670749A JP H0670749 A JPH0670749 A JP H0670749A JP 4250463 A JP4250463 A JP 4250463A JP 25046392 A JP25046392 A JP 25046392A JP H0670749 A JPH0670749 A JP H0670749A
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JP
Japan
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koji mold
strain
deoxyglucose
phytase
medium containing
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JP4250463A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Soga
我 浩 曽
Kenji Hirano
野 賢 司 平
Toshihiko Nakamura
村 稔 彦 中
Ryuzo Nagano
野 隆 三 永
Mitsuhiro Shindo
藤 充 宏 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISHINOMIYA SHUZO KK
Original Assignee
NISHINOMIYA SHUZO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、麹菌を変異処理し、2−デオキシ
グルコース耐性株を採取して、フィターゼ高活性麹菌を
得る。 【効果】 フィターゼ高活性麹菌を清酒製造に用いるこ
とによってフィチンの量を低減し、イノシトールの量を
増加させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、フィターゼ高活性麹菌及びその
育種方法に関するものである。
【0002】一般に、イノシトールは脂肪肝及び肝硬変
の予防、動脈硬化予防作用、成長促進作用などが知ら
れ、総合ビタミン剤、肝臓強化剤、老化防止剤などの医
薬に用いられている生理活性物質である。
【0003】イノシトールはフィチンの構成成分であっ
て、そのフィチンは米糠に最も多く約10%程度含有さ
れている。玄米にも1%程度含有していることになる。
そしてそれらのフィチンの約10%がイノシトールとい
うことになる。
【0004】玄米にはイノシトールは0.1〜0.12
%含有しているが大部分はフィチン態として存在してい
るため、人がそのまま摂取してもほとんど利用されない
ばかりか、フィチンのキレート作用によりカルシウムな
どの吸収阻害が起こったりすることがある。
【0005】また、フィターゼは酸性フォスファターゼ
の一種でフィチンを基質としミオイノシトール核からリ
ン酸基が一つずつ遊離する6段階の加水分解反応に関与
する酵素で、植物種子、カビ、酵母などで存在が確認さ
れている。
【0006】フィターゼによって米に含まれるフィチン
を分解すれば、米の分解物、例えば清酒中にフィチンの
量を低減し、イノシトールの量を増加させることが可能
となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィターゼ
高活性の麹菌を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では麹菌を変異処
理し、2−デオキシグルコース含有培地で生育した2−
デオキシグルコース耐性株を採取してフィターゼ高活性
麹菌を得ることができた。
【0009】本発明は、フィターゼ高活性麹菌に関する
もので、特にその麹菌がPHA 2−4−3、FERM
P−13062に関するものである。
【0010】本発明のフィターゼ高活性麹菌の育種にお
いては、一般に清酒製造に用いられている麹菌であれば
いかなる麹菌でもよい。
【0011】麹菌はまず変異処理されるが、紫外線、X
線、放射線などの物理的変異処理やニトロソグアニジン
(NTG)などの薬剤による化学的変異処理などいずれ
でもよく、また併用する変異処理でもよい。
【0012】変異処理の終了した麹菌は菌体もしくは胞
子を2−デオキシグルコースを1〜1.5%程度含有し
た基本培地に接種し、30℃で24時間培養し、生育し
た麹菌体より2−デオキシグルコース耐性株を得る。2
−デオキシグルコース耐性麹菌の分離培養は2回以上4
回程度くりかえすことによってより強い2−デオキシグ
ルコース耐性麹菌を得ることができる。
【0013】本発明においては、2−デオキシグルコー
スに対する耐性の高い麹菌ほどフィターゼ活性が高い麹
菌であることを見出したのである。
【0014】2−デオキシグルコースに対する耐性の高
い麹菌が何故にフィターゼを多量産生するようになるの
か、その理由は不明である。今後の研究に待たなければ
ならない。
【0015】本発明において、NTG変異処理し、2−
デオキシグルコース含有培地で4回培養し、これに対す
る耐性の高い麹菌を得、これから分離した胞子を0.5
%フィチン酸カルシウムを含むPS培地(後述)に接種
し、30℃で24時間培養し、ハローの形成を行い、フ
ィターゼ高活性麹菌を分離し、その菌株とハロー値等を
次の表1に示した。なお、表1においてRIB128は
変異処理等なんらの処理もしていない普通の麹菌であ
る。
【0016】
【表1】
【0017】本発明のフィターゼ高活性麹菌は従来の麹
菌よりもフィターゼを多量生産するために、清酒製造に
用いてフィチン量の低い清酒を製造することが可能であ
る。
【0018】また、米糠、玄米、低精白米中にイノシト
ールの基質となるフィチンが多いことに注目し、これら
にフィターゼ高活性株を繁殖させ麹を作ることにより従
来の清酒よりイノシトールを多く含有する清酒を醸造す
ることも可能である。
【0019】
【実施例1】 フィターゼ高活性変異株の造成方法 親株としてAspergillus oryzae RIB 128 を使用した。R
IB 128の胞子懸濁液3ml(2×106/ml)にNTG(ニ
トロソグアニジン)4mg/mlで30℃、10分間処理し
洗浄後、麹エキス培地に塗布し28℃で5〜7日培養す
る。着生した胞子を集め、2−デオキシグルコースを1
〜1.5%含む培地(グルコース0〜0.5%、硫安
0.5%、リン酸2水素カリウム0.8%、硫酸マグネ
シウム0.05%、ペプトン0.2%)に植菌し30℃
で24時間振盪培養後、同様の培地に植菌した。これを
4回繰り返した後、麹エキス培地で培養し、得られた胞
子をPS培地(グルコース1.5%、フィチン酸カルシ
ウム0.5%、硝酸アンモニウム0.5%、硫酸マグネ
シウム0.05%、塩化カリウム0.05%、硫酸第一
鉄0.001%、硫酸マンガン0.001%、Trit
on X−100 0.3%、寒天2%)1プレート当
たり50個になるように塗布し4〜5日培養する。
【0020】でてきたコロニーのハローを計測しハロー
の大きい株をフィターゼ高活性株として選択した。これ
により得られた突然変異株のうち特にハローの大きかっ
たPHA2−4株を親株として再度同様の操作を行い、
胞子の着生の良好なPHA2−4−3株が得られた。P
HA2−4−3株のフィターゼ活性は親株より優れてい
た。
【0021】次の表2に変異株PHA2−4−3と親株
RIB128のフィターゼ活性を比較して示した。
【0022】
【表2】
【0023】なお、PHA2−4−3株は工業技術院微
生物工業技術研究所に微工研菌寄第13062号として
寄託されている。
【0024】
【実施例2】 PHA2−4−3株によるイノシトール
の生産 RIB128とPHA2−4−3の各々の胞子懸濁液を
1×102cells/mlになるよう調整し、バークホルダー
合成培地からイノシトール、塩化カルシウム、リン酸2
水素カリウムを除き、フィチン酸ナトリウム0.5%、
塩化カリウム0.15%添加した培地30mlに植菌し2
8℃、5日間の振盪培養を行い培養液中のイノシトール
をガスクロマトグラフィーにより定量した。次の表3に
イノシトールの生産を比較して示した。
【0025】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新 藤 充 宏 兵庫県宝塚市千種4−4−14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィターゼ高活性麹菌。
  2. 【請求項2】 フィターゼ高活性麹菌がPHA2−4−
    3、FERM P−13062であることを特徴とする
    請求項1の麹菌。
  3. 【請求項3】 麹菌を変異処理し、2−デオキシグルコ
    ース耐性株を採取することを特徴とするフィターゼ高活
    性麹菌の育種方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08196286A (ja) * 1995-01-24 1996-08-06 Ii M Kenkyu Kiko:Kk イノシトールの製造方法
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EP2617816A2 (en) 2006-09-21 2013-07-24 Verenium Corporation Phytases, nucleic acids encoding them and methods for making and using them
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