JPH067060Y2 - 土木・建築用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、軟弱地盤処理、法面保護等に用いられる土木
・建築用シートに関するものである。

＜従来の技術＞ 従来、前記のような土木用シートとして実公昭56−5531
1号公報に示されるようなメッシュ状織物からなり、こ
れに50cm〜数ｍ間隔の格子状補強部分を形成したものが
知られている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 前記のような土木用シートは、工事の際例えば軟弱地盤
表面に展開敷設されて使用されるが、これらのシート
は、盛土され土砂が一部シートを通過して軟弱地盤の最
上層に地盤力を形成し、かつ充分な透水性を有するよう
にメッシュ状に織成されてなるとともに該メッシュ状織
物が格子状の補強構造を有しているために盛土の陥入、
地盤の側方流動が生じにくく、またシートの滑りも防止
され、充分な圧密効果が期待でき、盛土による各荷重が
各シートの補強部分において受けとめられてシートによ
る荷重分散効果は極めて高いものとなり、したがって、
全体としてのシート強力は大きくなくとも盛土荷重の支
持効果、隆起防止効果は極めて高く、シートの破損の危
険性が著しく低下するという長所を有しており、この長
所を利用して、現在、土木・建築用にきわめて有効に利
用されている。

しかしながら、このようなシートは、さらにシートの補
強を目的としてロープ等の補強材が併用される事がある
が、この際ロープはシート展開敷設后にその上に基盤目
状に並べるかあるいはあらかじめ基盤目状に組み合され
たロープ製のネットをシートに重ねて敷設するが、ロー
プが粗目部分のほぼ中央に位置しなかったりして目的と
する補強効果が十分発揮できず、又シートの敷設とロー
プの敷設の二度手間となりコストupにつながる。

本考案は、補強用ロープ等が確実、容易に取り付けられ
たシート、ロープ一体構造の土木・建築用シートを提供
せんとするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、第１図に示すように、高密度に織られた格子
部分１と、低密度に織られ、前記格子部分に囲まれた粗
目部分２からなる織物において、織物の経方向の格子構
成部１′の一部に経糸の一部３′が一定長さ浮いた浮織
部Ａと、織物の緯方向の格子構成部１″の一部に緯糸の
一部４′が一定長さ浮いた浮織物Ｂとを有することを特
徴とする土木・建築用シートである。

第３図は、前記浮織部Ａ側面例図で、３は経糸、４は緯
糸であり、一部の経糸３′が一定の長さに渡って緯糸を
連続して跨いで浮いた組織となっている。図中５は地部
である。浮織部Ｂは緯糸が経糸を跨いだ同様の構造を有
する。この構造において、浮いている経糸３′、緯糸
４′は地部を構成する経糸３または緯糸４と２：１〜
１：２で配列すればよいが１：１が組織的にも安定でよ
い。

また、浮織部の長さＬは数cm〜10数cmで十分であり、浮
いた経糸３′または緯糸４′と地部５の間にロープ等が
挿入される。本考案においては、浮織部Ａには緯方向に
ロープ等が挿通され、同Ｂには経方向にロープ等が挿通
される構造となる。浮織部は格子部分のほぼ中央に位置
している方がロープを取りつけたときのシートを強力バ
ランス、取扱い性がよい。

本考案の格子部分は織物を補強するもので、経糸または
緯糸を密度を大に配列することによって織成してなる。
該格子部分は幅を30mm以上好ましくは40〜200mmとし、
例えば50〜200cm間隔に形成してなる。このような部分
においては、粗目部分との急激な粗織変化、糸使いの相
違により、耳まきあるいは耳づれ状の変化が生ずるた
め、組織として、糸の屈曲の少ないものを例えば綾織、
うね織、マット織を選ぶことが有用である。特に本考案
において、経緯方向の格子が交叉する点において著しく
織密度が高くなるため、前記のような組織を採用するこ
とが望まれる。

また粗目部分は１本の経糸および緯糸あるいは数本の経
糸組および緯糸組を粗に配して組織させて１〜20mmのメ
ッシュ状とした部分である。

このような織物は、100d以上好ましくは500d以上の合成
繊維フィラメント糸からなり、粗目部分は100kg/3cm程
度以上の強力を有しているものが一般に設計され、それ
より高密度に織られた格子部分の強力はそれ以上であ
る。なお、格子部分と粗目部分に配する糸は異っていて
もよい。また、シート自体、目ずれ防止のため樹脂加工
されていてもよい。

第２図は、第１図のシートの浮織部にロープ６、６′を
挿入したものである。

＜作用および効果＞ 本考案によれば、工場現場においてロープ等の補強材を
シートに簡単に取りつけ一体化できるもので、このよう
なシートはシート全体に加わる荷重を、格子部分で受け
ることにより分散支持させ、さらにこれをロープで吊る
ようにあるいは押さえるようにして最終的に支持させる
ことができるため、例えば、軟弱地盤上に敷設して盛土
する場合、盛土の沈降あるいは盛土周辺の地盤の流動に
よる隆起をより確実に抑え、地盤表層を改良することが
できる。また、ロープはシートに対して剛直性を付与あ
るいは枠としての作用を担うため、敷設展開が容易とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案のシートの部分平面図、第３図
は第１図のシートの浮織部の構造を示す側面図であり、
１は格子部分、２は粗目部分、１′および１″は縦方向
の格子部分および緯方向の格子部分、ＡおよびＢは浮織
部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高密度に織られた格子部分と、低密度に織
   られ、前記格子部分に囲まれた粗目部分からなる織物に
   おいて、織物の経方向の格子構成部の一部に経糸の一部
   が一定長さ浮いた浮織部Ａと、織物の緯方向の格子構成
   部の一部に緯糸が一定長さ浮いた浮織物Ｂとを有するこ
   とを特徴とする土木・建築用シート。