JPH0670553A - 寿命診断機能を備えたインバータ装置 - Google Patents

寿命診断機能を備えたインバータ装置

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JPH0670553A
JPH0670553A JP4221225A JP22122592A JPH0670553A JP H0670553 A JPH0670553 A JP H0670553A JP 4221225 A JP4221225 A JP 4221225A JP 22122592 A JP22122592 A JP 22122592A JP H0670553 A JPH0670553 A JP H0670553A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、装置の寿命予測(異常予測も含む)
を行い異常発生前に寿命を予告したり、予防および予知
保全を実施することによりシステム全体の安全性や稼働
率を高めることを目的とするさらに、寿命としてシステ
ムダウンする前に、異常要因を抑えて異常発生を回避す
ることも目的とする。 【構成】被診断対象の運転状態や使用環境を入力する回
路13と、これらの信号をもとに寿命診断と異常回避制
御の演算及び記憶する回路15と、この演算の関数や条
件を任意に設定できる回路19と、この演算内容を任意
に読み出せる回路19と、上記演算結果により予告信号
や警告信号を出力する回路16、17、18を有するこ
とを特徴とする寿命診断機能を備えたインバータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ装置に係
り、特にその被制御装置の寿命や異常を事前に予測し判
断する寿命診断機能を備えたインバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータ装置およびその被制御装置の
寿命や異常を事前に予測し判断する寿命診断機能を備え
たインバー装置の従来技術の例としては、特開平3−2
69268号及び特開平3−269269号がある。
【0003】これらの従来技術はインバータ装置内部の
直流中間回路や制御電源平滑回路等に使用しているコン
デンサの寿命を見ているだけである。すなわちインバー
タ内の他の部品あるいはインバータの被制御装置に対し
ては考えられていない。従来技術では、インバータ内の
コンデンサは別として、その他の部品の寿命診断を行っ
ていないので、その他の部品が実際に故障を起こしたと
きは、コンデンサの寿命診断を行っていたにも関わら
ず、インバータ装置のシステム全体としての寿命の診断
ができないことになる。このような場合、この故障部品
を調査発見し対処する事後処理対策を行っていた。この
ため、異常によって二次災害が発生したり、またシステ
ムが緊急停止してしまい、しかも故障部品の調査発見、
修理部品の準備、復旧作業などに長時間を要するなど、
システム全体の稼働率を低下させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、装置の寿命
予測(異常予測も含む)を行い、異常発生前に寿命を予
告したり、予防および予知保全を実施することによりシ
ステム全体の安全性や稼働率を高めることを目的とす
る。さらに、寿命によりシステムダウンする前に、寿命
を左右する要因を抑えて異常発生を回避することも目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、被診断対象の運転状態や使用環境を入力する入力回
路と、前記入力回路に入力されたデータをもとに演算す
る演算回路及び演算結果を記憶する記憶回路と、前記演
算回路が寿命の演算を実行するために必要なその部品に
特有な寿命関数や寿命に関する条件を任意に設定できる
設定回路と、この演算内容を任意に読み出せるモニタ回
路と、上記演算結果により予告信号や警告信号を出力す
る予告回路と、異常発生を避けるための異常回避制御回
路を設けたものである。
【0006】
【作用】被診断対象の運転状態や使用環境が入力回路に
入力され、前記入力回路に入力されたデータと前記設定
回路に設定された寿命の演算を実行するために必要なそ
の部品に特有な寿命関数や寿命に関する条件をもとに演
算が実行されその演算結果は記憶回路に記憶される。設
定回路に設定された関数や条件は、演算結果やメンテナ
ンス記録内容に基づいて、変更及び修正される。該演算
結果はモニタ回路で任意に読み出される。更に前記予告
回路により該演算結果に基づいて寿命予告あるいは警告
が行われる。異常回避制御回路は該演算結果に基づいて
異常発生を避けるための指令をインバータ装置に与え、
インバータ装置は該指令に基づいて運転される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1から図6を用
いて説明する。
【0008】図1は、交流電源に接続されその周波数を
変換して出力に接続された交流電動機を駆動するインバ
ータシステムにおいて、本発明による寿命を診断する機
能を備えた実施例を示したものである。図1において、
2は電圧型インバータ装置を示す。交流電源1からの交
流電圧を整流回路3で整流し直流電圧を得る。この直流
電圧は平滑回路4で平滑され、インバータ制御回路14
の信号で動作するインバータ回路5を通して疑似正弦波
に変換される。この正弦波は任意の周波数と電圧にする
ことができ、これを交流電動機7に供給することで回転
数制御を行う。平滑回路4から検出された電圧信号11
と、電流検出器6の電流信号10、および温度湿度検出
器8により検出された交流電動機7の温度と湿度の信号
9は、制御回路12内にインターフェース回路13を介
して入力される。これらの信号はインバータ制御回路1
4および今回の診断回路15に伝達される。診断回路の
結果は予告回路16を通して異常回避制御17に出力さ
れる。異常回避制御17は警報装置18に警報の為の信
号を出力し警報を与えると共に、インバータ制御回路へ
異常回避の為の信号を出力する。なおこれらの内部状態
の読み出し書き込みなどは設定器19により行える。
【0009】交流電動機7の短寿命部品としてコイルや
ベアリングなどを挙げられるが、コイルの予測を例にし
て説明する。
【0010】コイルの寿命が電圧、電流、温度、湿度、
周波数(回転数)により決定されるとし、寿命の評価関
数として数1に示した関数Fを定義する。
【0011】
【数1】
【0012】数1の中でTcはコイルの温度であり、こ
のTcは数2により求められる。
【0013】
【数2】
【0014】寿命は予め定められた標準条件で部品が使
用されたときは標準寿命となるが、標準条件からはずれ
た使用をした場合は、標準寿命からずれを生じる。すな
わち標準条件で使用している場合は単にサンプリング時
間の積算を寿命の判定に使用できるが、標準条件をはず
れた使用をした場合は、このサンプリング時間にある補
正をする必要がある。関数Fはこの為のサンプリング時
間補正に使用する重み関数である。サンプリング時間は
関数Fが乗ぜられて標準状態におけるサンプリング時間
に変換される。
【0015】K1からK6は定数である。Taは周囲温
度である。直流電圧Vdと電流Iと周波数fはインバー
タ装置に基本的に存在する信号であり、温度Taと湿度
Hは検出器からの信号である。基準電圧Vsと基準温度
Tsと基準湿度Hsはそれぞれ実績より決められた値で
ある。
【0016】次に、図2のフローチャートを用いて説明
する。まずステップ101で、上記数1に示された諸デ
ータK1〜K6、Ta、Vd、I、f、H、Vs、T
s、Hsを入力する。ステップ102で、電流Iによる
発熱と周波数fによる冷却効果から求めた数値を温度T
aに加算することでコイルの温度Tcを求める。ステッ
プ102で求めたコイルの温度Tcを使い、関数Fを算
出(ステップ103)する。この求められた関数Fをサ
ンプリング時間Δtに掛けることでΔtを標準状態にお
けるサンプリング時間Δt’に変換する(ステップ10
4)。この変換されたサンプリング時間Δt’の総和Σ
Δt’が求めらる(ステップ105)。総和ΣΔt’は
標準状態での実稼働時間を表す。この総和ΣΔt’の値
が予め定められた寿命時間と比較(ステップ106)さ
れ、寿命時間を越えた場合は警報を出力(ステップ10
7)し、メンテナンスが必要になったことを知らせる。
【0017】以上交流電動機7の寿命予測としてコイル
の寿命を例にして説明したが、寿命の評価関数として累
積稼動時間L(xi(t))を使用する場合を一般化して示
したのが数3である。
【0018】
【数3】
【0019】但し L(xi(t));累積稼働時間 xi(t);入力信号 t;時間 F;重み関数 ここでxi(t)は諸データTa、Vd、I、f、H、など
を一般化して表したものである。
【0020】数3で表されるように実際の累積稼働時間
を、予め定めた基準の条件下で稼働されたと考え、稼動
時間は重み関数F(xi(t))を使って標準累積稼動時間
に変更されなければならない。近似的にはΣΔtがΣF
(xi(t))Δt(=ΣΔt’)に変更される。この様
に、微小な運転時間(サンプリング時間Δt)をその時
間内の状態から求めた重み関数F(xi(t))を利用して
換算し累積することで、判定値と比較でき寿命診断を行
うことができる。
【0021】寿命の判断をする場合、累積時間以外のも
のを評価関数とすることもできる。次に他の実施例とし
て累積時間を直接使用しない場合を説明する。この場合
に使用する関数は何通りも考えることができるが、数4
〜数7に代表的なものを列記する。つまり累積時間関数
の演算結果の時間的変化を見るもの(関数1、判定定数
a)、
【0022】
【数4】
【0023】任意の関数G(xi(t))を定義し、その演
算結果を見るもの(関数2、判定定数b)、
【0024】
【数5】
【0025】関数G(xi(t))の時間変化を見るもの
(関数3、判定定数c)、
【0026】
【数6】
【0027】及び関数G(xi(t))の特定入力xkに対
する変化量を表すもの(関数4、判定定数dk)、
【0028】
【数7】
【0029】などを挙げることができる。但しF(xi
(t)),G(xi(t))は関数、xi(t)は入力信号、xkは
特定入力信号、tは時間である。
【0030】これらの関数による演算結果がある値にな
ったら寿命が来たと判断する。
【0031】次に図3のフローチャートをもとに説明す
る。諸データxi(t)を入力(ステップ201)し、定義
された関数G(xi(t))を演算する(ステップ20
2)。関数G(xi(t))の例としては例えば上記したコ
イルの温度を求める関数Tcを考えることができる。こ
の演算が初回であるかどうかの判断を行い(ステップ2
03)、初回であれば初期値として諸入力xi(t)を記憶
(ステップ204)し、演算G(xi(t))の結果も記憶
する(ステップ205)。次に各入力データxi(t)(=
αi(t))及び演算結果G(xj(t))(=αj(t))に対し
図4に示したサブルーチンを利用し診断する(ステップ
206、207)。
【0032】サブルーチン内では、各データαi(t)や演
算結果αj(t)を予め定められた値ak(i=k)と比較(ス
テップ301)し、初期値αk(0)と比較(ステップ30
2)し、時間的変化d{αk(t)}/dtを調査(ステッ
プ303)し、時間の二次的変化(αk(t)の2次導関
数)を調査(ステップ304)し、時間積分Σαk(t)Δ
tを調査(ステップ305)し、これらステップ301
乃至ステップ305において、それぞれの結果を判定定
数ak、bk、ck、dk、ekと比較し、所定期間内に異
常になると判断された場合は予告警報を出力(ステップ
306)する。さらに、これらの関数は予告警報の為だ
けではなく、異常発生を避ける異常回避制御に使用でき
る。例えば上記説明の実施例でG(xi(t))をコイル温
度Tcとした場合、コイル温度Tcが高い場合には電流
Iを下げるかあるいは周波数fを上げることで、コイル
の温度Tcを下げることができる。これは数7の関数4
により、各要因xkに対する関数G(xi(t))の影響度
が解っているためである。 ところで、記憶された比較
値や諸関数(条件)は、自由に読み出しでき、実績を利
用しより正確なものに変更できるようにしてある。さら
に、過去における経過や結果(ステップ301乃至ステ
ップ305における結果や故障実績など)を記憶させて
おくことで必要に応じて出力しメンテナンスの参考にで
き、また外部のコンピュータやコントローラとのインタ
ーフェースが可能となっている。
【0033】以上の実施例の説明では、交流電動機のコ
イルの予測を例をあげたが、これは一例でありこれに限
るものではない。例えば交流電動機のその他の部品(ベ
アリングなど)、インバータ装置の主回路部品(コンデ
ンサ、配線の絶縁材、回生制動用抵抗器、ファンな
ど)、制御回路部品(コンデンサ、抵抗器、コネクタな
ど)、交流電動機で駆動される負荷装置の部品などがあ
る。これらにもその部品に特有な寿命関数や寿命に関す
る条件を同様に設定し演算して寿命を予測することがで
きる。特に負荷装置の部品寿命は適用されたシステム特
有なノウハウがあることが多く、その部品に特有な寿命
関数や寿命に関する条件を設定できるエリアを設け、イ
ンバータシステム設計者、あるいは使用者が自ら設定で
きるようになっている。
【0034】また上記被診断対象の運転状態や使用環境
のデータは、インバータの運転状態と関係する電圧、電
流、周波数(回転数)、位相、力率などと、使用環境に
関係する温度、湿度、振動、風速、電界、磁界、音(ア
コーステックエミッションなども含む)などの必要な情
報であり、検出器や他の装置からの信号として入力でき
る。または、必要な情報を演算より求めることができ
る。
【0035】本実施例によれば処理速度に高速性を要し
ないため、装置内の空きスペースと空き時間を利用する
ことができ、用意に応用可能である。またインバータや
それを組み込んだシステムの寿命診断がおこなえ、異常
発生前にメンテナンスや事前準備ができる予防保全が可
能となり、また異常回避制御により異常の発生を抑える
ことで、稼働率の向上や故障の発生を未然に防ぐことが
できる。また、各データや関数や演算状態を自由に読み
だし変更ができることにより実績にあった正確な関数や
条件を作り出すことができる。また、過去の経過を記憶
できることでメンテナンス時に役立てられる。また、回
避制御回路は、予告発生時からメンテナンス終了までの
間、あるいは通常運転時においても異常の発生を抑える
制御を行うことでシステムの稼働率を上げることができ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、インバータやそれを組
み込んだシステムの寿命診断がおこなえ、異常発生前に
メンテナンスや事前準備ができる予防保全が可能とな
る。また異常回避制御により異常の発生を抑えること
で、稼働率の向上や故障の発生を未然に防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す駆動システム構成図で
ある。
【図2】本発明の一実施例のフローチャートを示す。
【図3】本発明の他の実施例のフローチャートを示す。
【図4】本発明の他の実施例のサブルーチンプログラム
のフローチャートを示す。
【符号の説明】
1…電源、2…インバータ、3…整流回路、4…平滑回
路、5…インバータ回路、6…電流検出器、7…交流電
動機、8…温度及び湿度検出器、9…温度及び湿度信
号、10…電流値信号、11…直流電圧信号、12…制
御回路、13…インターフェース回路、14…インバー
タ制御回路、15…診断回路、16…予告回路、17…
異常回避制御回路、18…警報装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用部品の寿命を診断する評価関数と該評
    価関数に使用される定数を設定する設定手段と、 被診断対象の運転状態や使用環境に対応するデータを入
    力する手段と、 設定された前記定数と入力された前記データをもとに前
    記評価関数を演算する手段と、 上記演算結果により寿命予告信号や警告信号を出力する
    手段を備えたことを特徴とする寿命診断機能を備えたイ
    ンバータ制御装置。
  2. 【請求項2】更に前記演算結果を任意に読み出すことの
    できる読み出し手段を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の寿命診断機能を備えたインバータ制御装置。
  3. 【請求項3】前記設定手段と読み出し手段は、インバー
    タに接続される設定器またはインバータに接続される上
    位制御装置であることを特徴とする請求項2記載の寿命
    診断機能を備えたインバータ制御装置。
  4. 【請求項4】過去の演算結果またはメンテナンス履歴の
    少なくとも一方を記憶する記憶手段と、 該記憶された演算結果またはメンテナンス履歴を読み出
    す手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の寿命診
    断機能を備えたインバータ制御装置。
  5. 【請求項5】前記演算手段が演算した部品寿命が所定値
    に達したら、寿命を引き延ばすように寿命関数に関わる
    要因を変更する手段を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の寿命診断機能を備えたインバータ制御装置。
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