JPH0670422B2

JPH0670422B2 - 内燃機関の回転数制御装置

Info

Publication number: JPH0670422B2
Application number: JP60015541A
Authority: JP
Inventors: 和弘梅原
Original assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Current assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Priority date: 1985-01-31
Filing date: 1985-01-31
Publication date: 1994-09-07
Anticipated expiration: 2009-09-07
Also published as: US4697560A; JPS61175269A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］この発明は内燃機関の回転数制御装置に係り、特内燃機
関の機関回転数を規制値に制御するとともに、災害時や
災害回避時等の緊急避難時における機関回転数制御の解
除操作性の向上を図る内燃機関の回転数制御装置に関す
る。

［従来の技術］回転数制御装置には、一般に点火装置の飛火をカットす
る方策が用いられている。そして、点火装置は、一次エ
ネルギをイグニションコイルの１次電流による磁気エネ
ルギとして蓄える電流遮断式と、コンデンサを数百ボル
トに充電したときの静電エネルギとして蓄えるコンデン
サ放電式（CDI式）に大別される。また、上述の両者と
もエネルギ源の違いによりマグネト式点火方式とバッテ
リ点火方式とに分けられる。

前記CDI方式においては、電流遮断式に比し２次電圧の
立上がりが早く、エネルギの放出時間が短いため、プラ
グの汚損による漏洩抵抗に対する負荷特性が良く、また
コンデンサの充電時間を短縮でき、高速時の性能低下が
少ない等の特徴を有する。そして、レース車や二輪車用
として多々用いられている。

［発明が解決しようとする問題点］ところで、従来の内燃機関の回転数制御装置において
は、過回転防止手段による機関回転数の制御を解除する
解除手段を設けたものがある（特開昭55−72660）。つ
まり、点火装置の一部であるCDI式点火回路６の各端子
を、第２図に示す如く、基台130上に２列に配列させ、
第２、３（ａ）図に示す如く、過回転防止手段の回路の
端子Ａ、Ｂを短絡板132により接続している。そして、
前記過回転防止手段による機関回転数の制御を解除する
際には、第２図の１点鎖線及び第３（ｂ）図に示す如
く、前記短絡板132の取付位置をずらして回路をオープ
ンさせればよい。

しかし、解除をする際に前記短絡板を固定する端子を外
す必要があり、長時間を要し、緊急時に間に合わないと
いう不都合がある。また、運転席等からリモコン操作に
よって解除することができないという欠点もある。

更に、再度過回転防止手段による機関回転数の制御を行
う際には、上述解除作業と同様に端子を外して短絡板を
所定位置までずらし、端子により固定する作業が必要で
あり、解除作業時と同様に長時間を要する。その結果、
一度解除を行うと短絡板の取外し作業が面倒な為、解除
不必要な場合においても解除したままで使用し、過回転
防止手段による機関回転数の制御を故意に停止させてし
まうという惧れもある。

［発明の目的］そこでこの発明の目的は、上述不都合を除去するため
に、CDI式点火回路と、機関回転数を規制値に制御すべ
く回転数検出回路を有する過回転防止回路と、機関回転
数の過回転防止制御を過回転防止解除操作により解除し
た際に機関停止時まで過回転防止制御の解除動作を継続
させるとともに機関停止後の再始動時に過回転防止制御
の解除動作を停止して機関回転数の過回転防止制御を果
すべく自動復帰する遮断回路とを設けたことにより、過
回転防止解除の操作性を向上し得るとともに、機関停止
後の再始動時には自動復帰して再度過回転防止制御を果
し得る内燃機関の回転数制御装置を実現するにある。

［問題点を解決するための手段］この目的を達成するためにこの発明は、内燃機関の機関
回転数を制御する回転数制御装置において、CDI式点火
回路と、機関回転数を規制値に制御すべく回転数検出回
路を有する過回転防止回路と、機関回転数の過回転防止
制御を過回転防止解除操作により解除した際に機関停止
時まで過回転防止制御の解除動作を継続させるとともに
機関停止後の再始動時には過回転防止制御の解除動作を
停止して機関回転数の過回転防止制御を果すべく自動復
帰する遮断回路とを設けることを特徴とする。

［作用］上述の如く構成したことにより、機関駆動時に遮断回路
をオンさせることによって過回転防止回路が遮断され、
機関回転数の過回転防止制御の解除が機関停止時まで継
続して行われる。また、機関停止後の再始動時には遮断
回路がオフ状態に自動復帰し、過回転防止制御の解除動
作を停止させ、再度機関回転数の過回転防止制御が行わ
れる。

［実施例］以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図はこの発明の実施例を示すものである。第１図お
いて、２は内燃機関の回転数制御装置の制御回路であ
る。この制御回路２は、マグネト式のCDI式点火回路４
と、過回転防止回路６と、失火状態表示回路８と、前記
過回転防止回路６の遮断を行う遮断回路10とからなる。

前記CDI式点火回路４は、コンデンサ充電コイル12の出
力をダイオード14で整流し、コンデンサ16を充電する。
また、パルサコイル18で発生したゲート電圧を、ダイオ
ード20と抵抗22とを介して、サイリスタ24のゲートに印
加すると、前記コンデンサ16の電荷が放電されて点火コ
イル26に電流が流れ、各点火プラグ（図示せず）に火花
を発生させる。

次に前記過回転防止回路６について説明する。過回転防
止回路６は、サイリスタ28と、抵抗30と、サイリスタ28
をオン・オフする回転数検出回路32とからなる。サイリ
スタ28のアノードは、前記点火回路４に設けたコンデン
サ充電コイル12に接続し、一方カソードは前記抵抗30を
介して接地してある。このサイリスタ28のゲートには、
回転数検出回路32の出力端を接続している。回転数検出
回路32は、前記コンデンサ充電コイル12の出力を入力
し、機関回転数が所定回転数以上の過回転状態となった
際にサイリスタ28のゲートに通電する。この通電で、サ
イリスタ28は点火回路４のコンデンサ充電コイル12を短
絡するので、点火プラグは火花を発生せず、機関回転数
は所定回転数未満に制御される。なお、符号34はダイオ
ード、36は回転数検出回路32の電源回路である。

また、前記過回転防止回路６のサイリスタ28と抵抗30と
の間には失火状態表示回路８が接続され、この失火状態
表示回路８は、抵抗38を介して接続した発光ダイオード
40からなり、カソードは接地してある。

前記遮断回路10について説明する。過回転防止制御の解
除操作を行わない場合、遮断回路10は、前記コンデンサ
充電コイル12からの出力を入力し、抵抗42、ダイオード
44及び抵抗46、ダイオード48と流れ、コンデンサ50及び
ツェナーダイオード52に通電する。そして、電流が抵抗
54、56、トランジスタ58と流れ、トランジスタ58をオン
状態とし、更に抵抗60を介してトランジスタ62をオン状
態とする。このとき、前記回転数検出回路32に電流を流
し、所定回転数に制御する。

また、過回転防止制御を解除する例えばリセットスイッ
チ64が設けられており、リセットスイッチ64をオンする
ことにより、前記ダイオード44、リセットスイッチ64、
抵抗66、68、アースと流れ、抵抗68の電圧降下によりサ
イリスタ70をオンさせる。このサイリスタ70のオン状態
により前記トランジスタ58のベース、エミッタ間が短絡
される為オフとなり、更にトランジスタ62もオフとな
る。これにより、前記過回転防止回路６が遮断され、過
回転防止制御が解除される。

この過回転防止制御の解除動作は、機関停止時まで継続
され、機関を停止させることによりサイリスタ70がオフ
状態となり、過回転防止の解除動作は停止し、再始動時
には自動復帰して再度過回転防止機能による機関回転数
の制御を行うべく構成する。

次に作用について説明する。

図示しないクランクシャフトと同期して回るマグネトロ
ータが回転すると、コンデンサ充電コイル12及びパルサ
コイル18に起電力が発生し、前記CDI式点火回路４によ
って機関が駆動される。

そして、コンデンサ充電コイル12の出力にて回転数検出
回路32に電流が流れ、機関回転数が所定回転数以上の過
回転状態となった際に、サイリスタ28のターンオン電圧
がゲートとカソード間にかかり、サイリスタ28がターン
オンする。

サイリスタ28のオンによってコンデンサ充電コイル12、
サイリスタ28、抵抗30、アースの短絡回路ができ、コン
デンサ充電コイル12の出力が短絡状態となってコンデン
サ16に充電されなくなる。このため、点火コイル26に供
給されるべき出力がなくなり、飛火しなくなる。そして
このとき、サイリスタ28に電流が流れると、抵抗30、38
により分圧された電圧が発光ダイオード40にかかり、発
光ダイオード40が点燈する。これにより、過回転防止動
作が行われていることを表示している。

また、サイリスタ28がオンしてコンデンサ充電コイル12
の出力を短絡させると、回転数検出回路32に入力しなく
なり、動作が停止するのでサイリスタ28はオフとなり、
通常状態の点火が行われる。このように点火と失火とを
繰返すこととなる。

前記遮断回路10は、通常状態においてはトランジスタ62
をオンとすべく電流が流れている。

この状態において過回転防止制御の解除動作、つまりリ
セットスイッチ64をオンすることにより、定電圧回路後
の電流がダイオード44、リセットスイッチ64、抵抗66、
68、アースと順次流れる。そして、抵抗68の電圧降下に
よりサイリスタ70のゲートに電圧がかかり、サイリスタ
70をオンするとトランジスタ58のベースとエミッタ間が
短絡され、トランジスタ58のベース電流が流れず、トラ
ンジスタ58はオフ状態となる。トランジスタ58がオフす
ると、同様にトランジスタ62のベース電流も流れなくな
るので、このトランジスタ62もオフ状態となる。この結
果回転数検出回路32には電流が流れなくなり、機関回転
数の過回転防止制御は全く行われず、機関回転数を所定
回転数に上げても失火することはない。

そしてこのとき、過回転防止制御の解除動作は、機関停
止時まで継続して行われる。

また、機関を停止させた際には、電源がなくなるのでサ
イリスタ70が当然オフ状態となり、過回転防止制御の解
除機能の動作は停止する。そして、機関を始動あるいは
再始動する際には過回転防止機能を正常に動作するもの
である。

これにより、過回転防止制御の解除操作の操作性を向上
させることができ、災害時や災害回避時等の緊急避難を
迅速に行い得て、実用上有利である。

また、過回転防止制御の解除動作を停止させる際には、
機関を停止して再始動することにより過回転防止機能に
自動復帰させることができ、従来の短絡板の取付け・取
外し作業が不要となり、使い勝手を良好とし得るととも
に、再始動時に過回転防止制御を解除したままで使用さ
れる惧れもないものである。

なお、この発明は上述実施例に限定されるものではな
く、種々の応用改変が可能である。

例えば、この発明の実施例においては、解除用回路の電
源としてマグネト方式のコンデンサ充電コイルを使用す
る構成としたが、これらの回路の消費電力を微々たるも
のであり、失火に要する電圧に悪影響を及ぼす不具合は
ない。また、解除用回路の電源としてバッテリを使用す
ることもできる。

［発明の効果］以上詳細に説明した如くこの発明によれば、過回転防止
制御の解除を簡単な操作によって瞬時に行うことができ
るとともに、この解除動作を機関停止時まで継続させる
ことができ、操作性を向上し得る。また、機関停止後に
再始動することにより過回転防止制御に自動復帰させる
ことができ、再始動時に過回転防止制御を解除したまま
で使用される惧れがない。更に、過回転防止制御の解除
用回路の電源として点火用コイルを使用すれば、バッテ
リを使用しない機関に使用できる。更にまた、過回転防
止回路とともに、オイル量の検出を行ってブザー等によ
り警告を発するオイル検出回路を併用すれば、回転規制
の解除の際に、回転規制のみ、あるいはブザーをも同時
に解除するか否かは自由に選択可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示す内燃機関の回転数制御
装置の制御回路である。第２、３（ａ）、（ｂ）図はこの発明の従来技術を示
し、第２図は点火回路の端子部位の概略平面図、第３
（ａ）図は短絡板による接続状態を示す概略断面図、第
３（ｂ）図は短絡板による遮断状態を示す概略断面図で
ある。図において、２は制御回路、４はCDI式点火回路、６は
過回転防止回路、８は失火状態表示回路、10は遮断回路
である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内燃機関の機関回転数を制御する回転数制
御装置において、CDI式点火回路と、機関回転数を規制
値に制御すべく回転数検出回路を有する過回転防止回路
と、機関回転数の過回転防止制御を過回転防止解除操作
により解除した際に機関停止時まで過回転防止制御の解
除動作を継続させるとともに機関停止後の再始動時には
過回転防止制御の解除動作を停止して機関回転数の過回
転防止制御を果すべく自動復帰する遮断回路とを設けた
ことを特徴とする内燃機関の回転数制御装置。