JPH0670258U - 圧電体素子 - Google Patents

圧電体素子

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JPH0670258U
JPH0670258U JP1120693U JP1120693U JPH0670258U JP H0670258 U JPH0670258 U JP H0670258U JP 1120693 U JP1120693 U JP 1120693U JP 1120693 U JP1120693 U JP 1120693U JP H0670258 U JPH0670258 U JP H0670258U
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piezoelectric
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pzt
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piezoelectric element
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JP1120693U
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Inventor
潤 恒吉
節夫 東海林
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セイコー電子工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 絶縁性の高い、したがって歩留りおよび信頼
性の高い圧電体素子を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の圧電体素子は、チタン酸鉛およびジ
ルコン酸鉛を主成分とするPZT系圧電体素子であっ
て、PZT系のペロブスカイト相からなる圧電体主層3
と、該圧電体主層を挟むように設けられ且つ前記圧電体
主層に電圧を印加するための一対の電極層2,4と、該
一対の電極層の少なくともいずれか一方と前記圧電体主
層との間に設けられたPZT系のパイロクロア相からな
る中間層5とを備えていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、圧電体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
PZT系セラミックスを分極処理することで、強誘電性、焦電性および圧電性 が発現することが知られている。現在では、このように分極処理されたPZT系 セラミックスは、圧電体素子として超音波洗浄器やスピーカ、アクチュエータ、 圧電トランス等に広く利用されているが、いずれの場合も焼結体を加工した圧電 体素子が利用されている。
【0003】 一方、圧電体の駆動電圧低減やアクチュエータの小型化・微細化という市場の ニーズに応えるためには、より薄い圧電体とそれを処理(ハンドリング)するこ とのできる微細加工技術が不可欠である。しかしながら、圧電体の加工を機械で 行っている現状では、自ずと微細加工技術の限界があり、新しい製造プロセスの 開発が望まれていた。
【0004】 近年、PZT系薄膜の形成法が精力的に研究され、サブミクロン乃至数ミクロ ンの膜厚を有する圧電体膜を、スパッタ法、ゾルゲル法、レーザアブレーション 法、CVD法、電子ビーム蒸着法などの方法で形成することができるようになっ た。
【0005】 さらに、半導体プロセスとの整合により、焼結体から加工したバルクでは応用 することのできなかった新しい分野への応用が模索され始めている。たとえば、 特開昭第4−95742号公報に開示されているような圧力センサなどがこの好 例である。
【0006】 図3は、従来のPZT系薄膜圧電体素子の構成を概略的に示す図である。図示 の圧電体素子は、基体1と、基体1に隣接する下部電極2と、下部電極2に隣接 する圧電体主層3と、圧電体主層3に隣接する上部電極4とからなる4層構造で ある。
【0007】 PZT膜が通常600°C以上の酸化性雰囲気で成膜されあるいはアニールさ れるため、電極材料は耐酸化性に優れた良導体である必要がある。このため、下 部電極2には通常白金が使用されている。一般的なプロセスによれば、下部電極 面上にPZT系のペロブスカイト相からなる圧電体主層3を直接形成し、あるい はPZTの前駆体を析出した後アニールによりペロブスカイト相からなる圧電体 主層3を形成し、次いで上部電極4を形成することによって、最終的に圧電体素 子を構成している。すなわち、PZT系のペロブスカイト相からなる圧電体主層 3を、上部電極4および下部電極2で挟む構成となっている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述のように圧電体主層を直接2つの電極で挟むような従来の構成 を有する圧電体素子では、短絡または導通状態になっている素子が多く、歩留り や信頼性が低下するという不都合があった。
【0009】 本考案は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、絶縁性の改善された歩留 りおよび信頼性の高い圧電体素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本考案においては、チタン酸鉛およびジルコン酸 鉛を主成分とするPZT系圧電体素子であって、PZT系のペロブスカイト相か らなる圧電体主層と、該圧電体主層を挟むように設けられ且つ前記圧電体主層に 電圧を印加するための一対の電極層と、該一対の電極層の少なくともいずれか一 方と前記圧電体主層との間に設けられたPZT系のパイロクロア相からなる中間 層とを備えていることを特徴とする圧電体素子を提供する。
【0011】
【作用】
本願の考案者は、圧電体主層を直接2つの電極で挟むような従来の構成の圧電 体素子では短絡または導通状態になっている素子が多いという事実に鑑み、不良 品の調査を行って圧電体主層のペロブスカイト相膜の欠陥および下地電極物質( 白金等)の粒界拡散が原因であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)観察およ びオージェ電子分光(AES)分析の結果から知得した。
【0012】 本考案の圧電体素子では、電極と圧電体主層との間に設けられた緻密なパイロ クロア相からなる中間層が、圧電体主層中の短絡・導通経路の形成を阻止する。 したがって、本考案により、絶縁性に優れた圧電体素子を提供することができる 。また、中間層を形成するパイロクロア相の誘電率が圧電体主層を形成するペロ ブスカイト相の誘電率に近いため、中間層として単なる絶縁膜を介入させるのと は異なり、圧電特性の大幅な劣化を伴わない。
【0013】
【実施例】
本考案の実施例を、添付図面に基づいて説明する。 (実施例1) 図1は、本考案の第1の実施例にかかる圧電体素子の構成を概略的に示す図で ある。図示の圧電体素子は、基体1と、基体1に隣接する下部電極2と、下部電 極2に隣接する中間層5と、中間層5に隣接する圧電体主層3と、圧電体主層3 に隣接する上部電極4とからなる5層構造である。すなわち、基体1側の下部電 極2と圧電体主層3との間に中間層5が形成されている点が、図3に示す従来の 構成と異なる。
【0014】 上述の構成を有する圧電体素子を形成するために、基体1として熱酸化膜(S iOx)を約0.1μm形成したシリコンウェハを用いた。基体1を洗浄した後 、スパッタリング法によりTiを約0.25μm積層し、次いでPtを約0.2 5μm積層して下部電極2を形成した。
【0015】 PZT膜は、Pb、Zr、Tiの金属ターゲットを有する高周波多元スパッタ 装置を使用して、アルゴンガスと酸素ガスを導入するリアクティブスパッタリン グ法により成膜した。析出相(パイロクロア相またはペロブスカイト相)は基板 温度を変化させることによって制御することもできるが、本実施例では酸素分圧 を変化させることによって制御した。成膜条件については装置依存性が大きく参 考にならないが、以下に示すの条件で中間層5としてパイロクロア相のPZT 膜を約0.2μm形成し、次いで以下に示すの条件で圧電体主層3としてペロ ブスカイト相のPZT膜を約0.8μm形成した。
【0016】 中間層5の形成(パイロクロア相) 基体温度 615〔°C〕 RF(13.56Hz) Pb 100〔W〕 Zr 200〔W〕 Ti 400〔W〕 ガス流量 Ar 40〔ccm〕 O2 10〔ccm〕 スパッタリング圧力 0.10〔Torr〕 圧電体主層3の形成(ペロブスカイト相) 基体温度 615〔°C〕 RF(13.56Hz) Pb 100〔W〕 Zr 200〔W〕 Ti 400〔W〕 ガス流量 Ar 47.5〔ccm〕 O2 2.5〔ccm〕 スパッタリング圧力 0.10〔Torr〕 上記およびの条件でそれぞれ析出した中間層5および圧電体主層3の薄膜 法によるX線回折パターンを図4に示す。電極等のピークも若干出ているが、下 側に示す中間層5ではパイロクロア相が析出し、上側に示す圧電体主層3ではテ トラゴナル構造のペロブスカイト相が析出していることを、図4より確認するこ とができる。なお、圧電体主層3としては、Zrリッチ組成のトリゴナル構造の PZTでもよい。最後に、Auの真空蒸着法により上部電極4を形成した。
【0017】 本実施例により形成された圧電体素子の絶縁性については、上部電極4として 直径1mmの円形パッドを多数形成し、約100kV/cmの電界を印加して短 絡または絶縁破壊(DC10Vまでで)したパッドの率で比較した。結果を次表 に示す。後述する従来構造の圧電体素子と比較して、本実施例の圧電体素子では 絶縁性が著しく改善されていることが確認された。
【0018】
【表1】
【0019】 (実施例2) 図2は、本考案の第2の実施例にかかる圧電体素子の構成を概略的に示す図で ある。図示の圧電体素子は、基体1と、基体1に隣接する下部電極2と、下部電 極2に隣接する第1の中間層5と、第1の中間層5に隣接する圧電体主層3と、 圧電体主層3に隣接する第2の中間層6と、第2の中間層6に隣接する上部電極 4とからなる6層構造である。すなわち、本実施例では、圧電体素子の絶縁耐力 をさらに向上させるために、下部電極2と圧電体主層3との間および圧電体主層 3と上部電極4との間に、パイロクロア相からなる第1および第2の中間層5、 6を形成している。
【0020】 基本的なプロセスは、第1の実施例と同様であるが、第1の中間層5を上述の の条件で約0.1μm形成し、圧電体主層3をの条件で約0.8μm形成し 、第2の中間層6をの条件で約0.1μm形成した。上部電極4を形成した後 、第1の実施例と同様に絶縁性の評価を行った。結果を表1に示したが、第1の 実施例にかかる圧電体素子よりも本実施例の圧電体素子の方がさらに絶縁性が向 上することが確認された。 (従来例) 第1の実施例の中間層5を形成することなく、の条件で圧電体主層3のみを 約1μm形成し、図3に示すような従来の構造の圧電体素子を形成した。絶縁性 の評価結果を表1に示す。従来構造の圧電体素子では、最初から短絡状態にある ものが多く、絶縁破壊もし易いことが確認された。
【0021】 なお、第1および第2の実施例において、チタン酸鉛(PbTiO3 )とジル コン酸鉛(PbZrO3 )とからなる2成分系PZTについてのみ説明したが、 多成分の複合ペロブスカイト系酸化物(PLZT、PMNなど)や複数の添加物 を含有するいわゆるPZT系セラミックスと総称される圧電体材料についても、 本考案により同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0022】 また、成膜法についても、実施例で採用したスパッタ法に限定されることなく 、他のいかなる適当な方法を使用しても、本考案により同様の作用効果を奏する ことは明らかである。すなわち、ペロブスカイト型とパイロクロア型の結晶構造 を有する圧電材料において本考案の構成を適用することで、同様の作用効果が得 られる。
【0023】
【考案の効果】
以上説明したごとく、本考案の圧電体素子では、PZT系の圧電体主層と電極 との間にPZT系のパイロクロア相からなる中間層が設けられ、この中間層が圧 電体主層中を構成するPZT系のペロブスカイト相の欠陥に起因して発生する短 絡・導通経路の形成を抑制する。したがって、本考案により製造される圧電体素 子の絶縁性が改善され、歩留りおよび信頼性が向上し且つ寿命が長くなるという 効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例にかかる圧電体素子の構
成を概略的に示す図である。
【図2】本考案の第2の実施例にかかる圧電体素子の構
成を概略的に示す図である。
【図3】従来のPZT系薄膜圧電体素子の構成を概略的
に示す図である。
【図4】第1の実施例で形成された圧電体素子の中間層
および圧電体主層の薄膜法によるX線回折パターンを示
す図である。
【符号の説明】
1 基体 2 下部電極 3 圧電体主層 4 上部電極 5、6 中間層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸鉛およびジルコン酸鉛を主成分
    とするPZT系圧電体素子であって、PZT系のペロブ
    スカイト相からなる圧電体主層と、該圧電体主層を挟む
    ように設けられ且つ前記圧電体主層に電圧を印加するた
    めの一対の電極層と、該一対の電極層の少なくともいず
    れか一方と前記圧電体主層との間に設けられたPZT系
    のパイロクロア相からなる中間層とを備えていることを
    特徴とする圧電体素子。
JP1120693U 1993-03-15 1993-03-15 圧電体素子 Pending JPH0670258U (ja)

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