JPH0670100B2 - プロピレン重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン重合体の製造方法

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JPH0670100B2
JPH0670100B2 JP60272886A JP27288685A JPH0670100B2 JP H0670100 B2 JPH0670100 B2 JP H0670100B2 JP 60272886 A JP60272886 A JP 60272886A JP 27288685 A JP27288685 A JP 27288685A JP H0670100 B2 JPH0670100 B2 JP H0670100B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はプロピレン重合体の製造方法に関し、さらに
詳しく言うと、溶媒回収工程、重合生成物中からの触媒
残渣の回収工程、重合生成物の乾燥工程などを省略する
ことができ、しかも剛性、耐衝撃性などが優れたプロピ
レン重合体を製造することができる、新規かつ有用なプ
ロピレン重合体の製造方法に関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来、結晶性ポリプロピレンの耐衝撃性を改良するもの
として、多段重合を行うプロピレン重合体の製造方法が
知られている。
このような、多段重合法として、スラリー2段重合法
(特公昭58-11448号)があるが、生成するポリプロピレ
ンの耐衝撃性が十分でない。スラリー3段重合法(特公
昭57-50804号)も提案されているが、2段重合法に比べ
プロセス制御や品質管理が複雑となり、また、気相重合
法に比べ溶媒回収工程が必要となる等の実用上の不利が
ある。また、塊状一気相2段重合法(特開昭57-145114
号)も提案されているが、耐衝撃性の十分なものは得ら
れていない。
一方、三塩化チタン触媒を用いた気相2段重合法(特開
昭58-187413号)も提案されている。この方法は溶媒回
収工程が不要で、生成ポリマーの乾燥工程も大幅に簡略
化されるが、触媒活性が低いため、触媒残渣の除去が必
要となる。高活性触媒を利用した気相重合法も検討され
始めているが、実用上の技術的課題、その解決策につい
て十分な知見は得られていない。
[発明の目的] この発明は、高活性触媒を用いた気相2段重合法を採用
し、これによって溶媒回収工程、生成ポリマーの乾燥工
程および生成ポリマー中の触媒残渣を除去する工程を省
略することができ、しかも、大きな剛性、優れた耐衝撃
性を有し、かつそのバランスの優れたプロピレン重合体
の製造方法を提供することを目的とする。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの発明の要旨は、少なくと
も一般式、Mg(OR1)nX2-x(ただし、式中、R1は炭素数
が1〜10である直鎖状あるいは側鎖を有するアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基
から選択される置換基を示し、Xはハロゲン原子を示
す。nは1〜2の実数を表わす。)で表わされるマグネ
シウム化合物、カルボン酸エステルおよび一般式、Ti
(OR14-mXm(ただし、式中、R1は炭素数が1〜10のア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラル
キル基から選択される置換基を示す。mは0以上4以下
の実数であり、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わさ
れるハロゲン化チタンから形成される固体触媒成分
(a)、有機アルミニウム化合物(b)およびカルボン
酸エステル(c)からなる触媒の存在下に、気相重合条
件の下で、 (i)極限粘度が1.0〜2.2dl/gであるプロピレン単独重
合体を、最終的に得られる全重合体量の55〜92重量%製
造し、次いで (ii)極限粘度が2.8dl/g以上であり、他のα−オレフ
ィン含有量が30〜70重量%であるプロピレン共重合体
を、最終的に得られる全重合体量の45〜8重量%製造す
ることを特徴とするプロピレン重合体の製造方法であ
る。
前記マグネシウム化合物としては、たとえばジメトキシ
マグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシ
マグネシウム、ジシクロヘキソキシマグネシウム、 などのマグネシウムアルコキシド;マグネシウムモノク
ロロモノメトキシド、マグネシウムモノクロロモノエト
キシド、マグネシウムモノクロロモノプロポキシド、マ
グネシウムモノクロロモノフェノキシド、マグネシウム
モノクロロシクロヘキソキシドなどのモノハロゲン化モ
ノアルコキシドが挙げられる。これらは、単独でも混合
物として用いてもよい。これらのうち、マグネシウムジ
メトキシド、マグネシウムジエトキシドのような低級ア
ルキルオキシ基を有するマグネシウムアルコキシドを用
いるのが好ましい。
前記ハロゲン化チタンとしては、たとえば、TiCl4、TiB
r4、TiI4などのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH3)C
l3、Ti(OC2H5)Cl3、(n−C4H9O)TiCl3、Ti(OC
2H5)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(O
CH32Cl2、Ti(OC2H52Cl2、(n−C4H5O)2TiCl2、T
i(OC3H72Cl2などのジハロゲン化アルコキシタン;Ti
(OCH33Cl、Ti(OC2H53Cl、(n−C4H9O)3TiCl、T
i(OCH33Brなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタ
ンなどを例示することができる。これらは、単独でも混
合物として用いてもよい。これらのうち高ハロゲン含有
物を用いるのが好ましく、特に四塩化チタンを用いるの
が好ましい。
前記カルボン酸エステルとしては、たとえば、ギ酸メチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピ
ル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸
エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチ
ル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロト
ン酸エチル、ピバリン酸エチル、マレイン酸ジメチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイ
ル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチ
ル、アニス酸メチル、アニス酸メチル、アニス酸エチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、p−ブトキシ安息香酸エ
チル、o−クロル安息香酸エチル、フタル酸ジイソブチ
ル、フタル酸ジエチル、ナフトエ酸エチル、γ−ブチロ
ラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、
炭酸エチレンなどの炭素数2〜18のカルボン酸エステル
を挙げることができる。これらの中でも、芳香族カルボ
ン酸のアルキルエステル、例えば安息香酸、p−メトキ
シ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、トルイル酸、フタ
ル酸の如き芳香族カルボン酸の炭素数1〜4のアルキル
エステルが好ましい。
前記固体触媒成分(a)は次のようにして調製すること
ができる。
この固体触媒成分(a)は、少なくとも前記マグネシウ
ム化合物、カルボン酸エステル、およびハロゲン化チタ
ンから形成されておればよい。
調製手順としては特開昭56-120711号等に記載された方
法が特に好適である。好適な具体例は以下に示す通りで
ある。
まず、マグネシウム化合物に酸素含有チタン化合物とハ
ロゲン化炭素とを脂肪族炭化水素等の不活性溶媒中に加
え、20〜100℃で30分〜3時間撹拌しながら接触させマ
グネシウム化合物を変性する。
ここで、前記酸素含有チタン化合物は、一般式(4)で
表わすことができる。
Ti(OR1 ……(4) (ただし、式中、R1は炭素数1〜10個の直鎖状あるいは
側鎖を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基またはアラルキル基などを示す。) 前記酸素含有チタン化合物として、たとえば、(CH3C)
4Ti、(C2H5O)4Ti、(n−C3H7O)4Ti、Ti(n−C4H
9O)、(C6H11O)4Ti、(i−C3H7O)4Ti、Ti(i−C
3H7O)(n−C4H9O)などをあげることができる。
次に、得られたマグネシウム化合物変性体を前記電子供
与性化合物の存在下、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
炭化水素等の不活性溶媒中で、50〜150℃、1時間〜5
時間、ハロゲン化チタンと反応させて固体触媒成分
(A)を調製する。
マグネシウム化合物を変性する場合、一般的には前記酸
素含有チタン化合物をマグネシウム化合物に対して0.02
〜5倍モル、好ましくは0.05〜1倍モルとし、ハロゲン
化炭素をマグネシウム化合物に対して0.01〜20倍モル、
好ましくは0.1〜5倍モルとする。
第2段階では、ハロゲン化チタンをマグネシウム化合物
に対して0.5〜100倍モル、好ましくは1〜50倍モル、電
子供与性化合物をマグネシウム化合物に対して0.05〜5
倍モル、好ましくは0.1〜3倍モルとする。
触媒成分である前記有機アルミニウム化合物(B)とし
ては、特に制限はなく、一般式(5)または(6)で表
わすことができる。
AlR4qX3-q ……(5) Al2R4X3 ……(6) (ただし、式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、シク
ロアルキル基またはアリール基であり、qは1〜3の間
の実数であり、Xは塩素、臭素などのハロゲン原子を示
す。) このような有機アルミニウム化合物として、具体的に
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクトルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウムおよびジエチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、ジイソ
ブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニ
ウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノハラ
イド、エチルアルミニウムセスキクロリドが好適であ
り、またこれらの混合物も好適なものとして挙げられ
る。
触媒成分であるカルボン酸エステル(c)としては、前
記固体触媒成分(a)の調製に使用したのと同様のカル
ボン酸エステルを使用することができる。この場合、前
記固体触媒成分(a)の調製に使用したカルボン酸エス
テルの種類と同一であっても相違していても良い。
この発明の方法における触媒は、前記固体触媒成分
(a)、有機アルミニウム化合物(b)および前記カル
ボン酸エステル(c)から調製することができる。
この触媒中の前記各成分(a)(b)(c)の割合とし
て、前記有機アルミニウム化合物(b)は、前記固体触
媒成分(A)中のチタン原子に対して、1〜1,000倍モ
ルであり、好ましくは10〜500倍モルであり、前記カル
ボン酸エステル(c)は、前記固体触媒成分(A)中の
チタン原子に対して、1〜500倍モルであり、好ましく
は5〜200倍モルである。
このような割合で前記各成分を含有する触媒の重合活性
は、通常、100Kg−PP/g−Ti以上であるが、この発明に
おける好適な触媒活性としては、200Kg−PP/g−Ti以上
である。
なお、触媒の調製は、この種の固体触媒を調製するそれ
自体公知の方法を適宜に採用することにより行なうこと
ができる。
この発明の方法は、前記触媒の存在下に、プロピレン
を、気相で二段重合するものである。すなわち、第1段
目ではプロピレンの単独重合を行ない、第2段目では第
1段目で得たプロピレン単独重合体の存在下にプロピレ
ンと他のオレフィンとの共重合を行なうのである。な
お、第1段目および第2段目の両方において、プロピレ
ンと他のオレフィンとの共重合を行なった場合、およ
び、第1段目でプロピレンと他のオレフィンとの共重合
を行ない、第2段目で第1段目で得たプロピレン共重合
体の存在下にプロピレンの単独重合を行なった場合のい
ずれにあっても、この発明の一つの目的である。剛性、
耐衝撃性およびこれらのバランスの優れたプロピレン重
合体を得ることができないのは、興味深いことである。
この発明における気相二段重合の操作は、次の手順で行
なうことができる。
すなわち、第1および第2の流動相反応容器を直列に接
続し、第1の反応容器では、前記触媒を含有する反応系
を撹拌しながらガス状又は液状のプロピレンを吹込んで
気化させ、更に必要に応じてガス状の易揮発性非重合炭
化水素(プロパン、ブタン、ペンタン等)を吹込むこと
により、反応系を流動状態に保ちながら、所定重合温度
に加熱すると共に所定重合圧力の下で、第1段目の重合
反応を行ない、第2の反応容器では、第1の反応容器か
ら移送した反応生成物に、あるいは第1の反応容器と第
2の反応容器との間に脱気装置を設けて第1段目の反応
生成物から未反応のプロピレンその他の気化成分を脱気
して得られる生成物に、プロピレンおよび他のオレフィ
ンを吹き込み、反応系を流動状態に保ちながら、所定重
合温度および所定重合圧力の下で第2段目の重合反応を
行なう。なお、必要に応じて、第1段目の重合反応前に
少量のプロピレンを重合させる予備重合を行なうことも
できる。
前記他のオレフィンとしては、たとえば、エチレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の直鎖モノオ
レフィン、4−メチル−ペンテン−1等の分岐モノオレ
フィン、ブタジエン等のジエン類を使用することができ
る。好ましい物性のプロピレン重合体を得るためには、
他のオレフィンとしては、エチレンが好ましい。
触媒成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸濁して供給
することができる。分子量調節に使用することのできる
水素は反応容器の任意の場所に供給することができる。
ガス流量は、反応床の流動化を助長し、機械撹拌の負荷
を減少させるとともに、エントレインメントの防止の意
味から適当な範囲の流速となるように維持するのが好ま
しく、例えば最小流動化速度をUmfとすると約0.1Umfな
いし約10Umf、とくには0.2Umfないし約3Umfにするのが
好ましい。
第1段目の重合における重合温度としては、通常、60〜
90℃であり、好ましくは65〜85℃であり、第2段目にお
ける重合温度としては、通常、70℃以下であり、好まし
くは30〜65℃である。
第1段目および第2段目の重合における重合圧力は、い
ずれも、使用する触媒の種類、その滞留時間、重合反応
器の特性、重合熱の除去能力,方式などにより相違する
が、通常、1〜40Kg/cm2Gである。
この第1段目の重合では、プロピレンを単独重合してプ
ロピレン単独重合体を製造する。
このプロピレン単独重合体の製造量は、第2段目の重合
の結果として得られる全重合体量の55〜92重量%となる
量である。
また、得られるプロピレン単独重合体は、その極限粘度
[η]が1.0〜2.2dl/gであり、得に1.2〜2.0dl/gであ
る。
このプロピレン単独重合体の極限粘度が1.0dl/gよりも
小さいと、最終生成物であるプロピレン重合体にゲルを
含むようになると共に粘着性が増加して連続重合が困難
になることがある。また極限粘度が2.2dl/gよりも大き
くなると、最終的に得られるプロピレン重合体の剛性が
低下することがある。
前記範囲の極限粘度を有するプロピレン単独重合体は、
重合反応容器中の水素濃度を制御することにより、得る
ことができる。
さらに、この第1段目の重合により得られるプロピレン
単独重合体は、その沸騰n−ヘプタン不溶分(I.I.)が
95%以上であるのが好ましい。
I.I.が95%よりも少ないと、最終的に得られるプロピレ
ン重合体の剛性が低下することがある。
前記範囲のI.I.を有するプロピレン単独重合体は、有機
アルミニウム化合物(b)およびカルボン酸エステル
(c)のモル比を制御することにより得ることができ
る。
この第2段目の重合では、第1段目で製造したプロピレ
ン単独重合体の存在下で、プロピレンと他のオレフィン
との共重合体反応が主として進行する。
もっとも、第1段目で製造したプロピレン単独重合体の
分子鎖を増大する反応、他のオレフィンの単独重合体を
生成する反応、プロピレン単独重合体を生成する反応な
どが生じている可能性もある。しかし、これらの副反応
の程度は非常に僅かであると推定される。
第2段目でどのような反応が進行するにせよ、結果的に
は、第2段目の重合により、プロピレン単独重合体とプ
ロピレン共重合体とを主として含有するプロピレン重合
体が得られる。
第2段目の重合では、前記他のオレフィンをモノマーユ
ニットとして、30〜70重量%含有するプロピレン共重合
体を、第2段目の重合の結果として得られる全重合体量
の45〜8重量%となるように製造する。
プロピレン共重合体中の他のオレフィン含有量が、前記
30重量%よりも少ないと、この方法により得られるプロ
ピレン重合体の耐衝撃性が低下し、また70重量%よりも
多いと、ゲル発生の原因となる。
プロピレン共重合体の製造量が45重量%よりも多いと、
最終的に得られるプロピレン重合体の剛性が低下し、8
重量%よりも少ないと、最終的に得られるプロピレン重
合体の耐衝撃性が低下する。
また、得られるプロピレン共重合体は、その極限粘度
[η]が2.8dl/g以上であり、特に3.0〜10dl/gであるの
が好ましい。
このプロピレン共重合体の極限粘度が2.8dl/gよりも小
さいと、最終的に得られるプロピレン重合体の耐衝撃性
が低下することがある。
前記範囲の極限粘度を有するプロピレン共重合体は、重
合反応容器中の水素濃度を制御することにより、得るこ
とができる。
第2段目の重合後、後処理として、重合器から導出され
るポリマー粉体に、その中に含まれるオレフィン等を除
くために窒素気流等を通過させてもよい。また、所望に
応じて押出機によりペレット化してもよく、その際触媒
を完全に失活させるために少量の水、アルコール等を添
加することもできる。
以上のようにして、この発明の方法で得られるプロピレ
ン重合体は、別個独立に製造したプロピレン単独重合体
55〜92重量%とプロピレン共重合体45〜8重量%との単
なるブレント物とは異なり、剛性、耐衝撃性およびその
バランスの優れた物性を有するものとなる。
その結果、この発明の方法で得られるプロピレン重合体
は、自動車の外装品、内装品、あるいは家電製品などに
好適な材料となる。
[発明の効果] この発明によると、 (1)高活性の触媒を使用するので、重合生成物中に残
存する触媒の残渣量を低減することができ、したがっ
て、得られるプロピレン重合体からの触媒残渣を除去す
る工程を省略することができ、 (2)気相重合であるので、溶媒回収工程などが不要と
なり、プロピレン重合体の乾燥工程を簡略なものとする
ことができ、 (3)剛性、耐衝撃性およびこれらのバランスに優れ、
家電,自動車などの産業分野で有用な材料として使用さ
れるプロピレン重合体を製造することができる、 などの利点を有するプロピレン重合体の製造方法を提供
することができる。
[実施例] (実施例1) 固体触媒成分の製造 500ml四つ口フラスコに乾燥n−ヘプタン150ml、マグネ
シウムジエトキシド11.4g(100mmol)を仕込み、室温1
〜20℃で四塩化炭素1.45ml(15mmol)とテトラ−i−プ
ロポキシチタン1.85ml(6.2mmol)を加えた。次いで80
℃に昇温して2時間反応を行った。
上記反応生成物を、室温にて乾燥n−ヘプタン200mlを
用いて2回傾斜法により洗浄した。次いで乾燥n−ヘプ
タン100ml、安息香酸n−ブチル4.1ml(23mmol)を加え
た後、四塩化チタン110ml(1,000mmol)を滴下し、108
℃で2時間反応させ、80〜85℃で上澄液を抜き出し、さ
らに乾燥n−ヘプタン200mlを加えて撹拌、静置、上澄
液抜き出しを4回繰り返して洗浄し、続いて室温で2回
洗浄して固体触媒成分を得た。チタン担持量を比色法に
より測定したところ、30mg-Ti/g-固体触媒成分であっ
た。
重合 内容積5のオートクレーブを十分窒素ガスで置換した
後、乾燥処理したポリプロピレンパウダー20gを投入す
る。その後、トリエチルアルミニウム1.13mmol、p−ト
ルイル酸メチル0.42mmol、ジエチルアルミニウムクロリ
ド1.13mmol、前記固体触媒成分30.9mgをこのオートクレ
ーブに入れた。一旦脱気した後、プロピレンを導入して
オートクレーブ内を5Kg/cm2Gにまで昇圧し、撹拌下、水
素を5導入し、70℃、28Kg/cm2にまで昇温昇圧した。
この条件で2時間プロピレンの重合を行なった(第1段
目の重合)。なお、同一条件で行なった重合実験で得ら
れたポリプロピレンのI.I.は97.4重量%、[η]は1.77
であった。
重合終了後、一旦脱気した後エチレンとプロピレンとの
混合ガス(エチレン/プロピレン=50/50(モル比))
と水素0.6とを導入し、圧力を混合ガスで25Kg/cm2
保ちながら60℃で2時間第2段目の重合を行なった。
重合終了後、未反応ガスを脱気し、プロピレン重合体52
8gを得た。重合ガスの消費量と全ポリマー量から最終生
成物であるプロピレン重合体中のプロピレン共重合体が
占める割合を求めると、23重量%であった。赤外分光分
析から求めた全ポリマー中のエチレン含有量は11重量%
だったので、ポリプロピレン共重合体中のエチレン含有
量は48重量%であった。
前記プロピレン重合体のメルトインデックス(MI)、引
張弾性率(JIS K 6758に準拠)、−20℃でのアイゾッ
ト衝撃強度(JIS K 6758に準拠)を測定し、その結果
を第1表に示す。
(比較例1〜4) 重合量、エチレン含有量を第1表に示すように代えた以
外は実施例1と同様の操作を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例5) 1段目にエチレンをプロピレンを導入して共重合した以
外は実施例1と同様の操作を行なった。1段目生成物の
エチレン含量は2.5重量%であり、その他は第1表に示
す通りである。
結果を第1表に示す。
(実施例2〜4、比較例6〜9) 触媒量、水素供給量、ガス供給量比、重合圧などをかえ
て第1表に示す組成物を得た。
物性値を第1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係るプロピレン重合体の製造方法
のフローチャート図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一般式、Mg(OR1)nX2-x(ただ
    し、式中、R1は炭素数が1〜10である直鎖状あるいは側
    鎖を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
    およびアラルキル基から選択される置換基を示し、Xは
    ハロゲン原子を示す。nは1〜2の実数を表わす。)で
    表わされるマグネシウム化合物、カルボン酸エステルお
    よび一般式、Ti(OR14-mXm(ただし、式中、R1は炭素
    数が1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
    基およびアラルキル基から選択される置換基を示す。m
    は0以上4以下の実数であり、Xはハロゲン原子を表わ
    す。)で表わされるハロゲン化チタンから形成される固
    体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)およ
    びカルボン酸エステル(c)からなる触媒の存在下に、
    気相重合条件の下で、 (i)極限粘度が1.0〜2.2dl/gであるプロピレン単独重
    合体を、最終的に得られる全重合体量の55〜92重量%製
    造し、次いで (ii)極限粘度が2.8dl/g以上であり、他のα−オレフ
    ィン含有量が30〜70重量%であるプロピレン共重合体
    を、最終的に得られる全重合体量の45〜8重量%製造す
    ることを特徴とするプロピレン重合体の製造方法。
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