JPH0670035B2 - 新規ピラゾ−ル誘導体、その製造法およびそれらを含有する農園芸用殺菌剤 - Google Patents
新規ピラゾ−ル誘導体、その製造法およびそれらを含有する農園芸用殺菌剤Info
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- JPH0670035B2 JPH0670035B2 JP9330387A JP9330387A JPH0670035B2 JP H0670035 B2 JPH0670035 B2 JP H0670035B2 JP 9330387 A JP9330387 A JP 9330387A JP 9330387 A JP9330387 A JP 9330387A JP H0670035 B2 JPH0670035 B2 JP H0670035B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は一般式(I)
(式中、R1はアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示し、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のう
ちいずれか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるピラゾール誘導体、その製造法およびそれ
らを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関するも
のである。 〔従来技術〕 従来より農園芸上有用な有機合成化合物は多くの研究が
なされており、生理活性を示す化合物が多数見出され、
実用に供されている。アミド系化合物についてもきわめ
て多数の活性化合物が見出されており、除草剤あるいは
殺菌剤として使用されている化合物もある。例えば置換
ベンズアミド誘導体として、除草剤としてエチルN−ベ
ンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−2−アミ
ノプロピオネート(ベンゾイルプロップエチル)、殺菌
剤としては2−メチル−N−(3−イソプロポキシフェ
ニル)ベンズアミド(メプロニル)などが知られてい
る。またピラゾール系化合物としては除草活性を示す化
合物が知られている。たとえば、p−トルエンスルホン
酸4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピ
ラゾール−5−イル(ピラゾレート)あるいは4−(2,
4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルメトキシ−
1,3−ジメチルピラゾール(ピラゾキシン)は水田用除
草剤として国内で広く利用されている。 さらにフラン環を有する置換アシルアミノアセトニトリ
ル誘導体として特開昭57-167978号公報に除草剤および
殺菌剤が開示されているが、作物に対し薬害を示し問題
がある。該公開公報にはアシル基としてはヘテロサイク
リルカルボニル基は、4−ピリジルカルボニル基、2−
フリルカルボニル基、2−チエニルカルボニル基、ベン
ゾ(b)フラン−2−イルカルボニル基が開示されてい
るに過ぎない。 従来、農園芸用殺菌剤としては様々の化学構造を有する
化合物が実用に供されており、それら合成化合物の植物
病害防除、ひいては農業の発展に果たした役割は計り知
れないものがある。しかし、それら従来の合成化合物と
して決して充分な防除作用、あるいは安全性を有すると
は言いがたい薬剤も見受けられるのも事実である。たと
えば、各種作物の疫病およびべと病に対してはカプタホ
ル、TPN、キャプタンまたはジチオカーバメート系薬剤
が広く一般に使用され、作物増産に寄与してきた。しか
しこれらの化合物はいずれも疫病およびベト病に対して
予防的な効果が主であり、治療的な効果は全く期待でき
ない。その為、病害の発生が認められたときには既に十
分な効果が期待できないという大きな欠点を有してい
る。現実に作物病害防除の為の薬剤散布を考えると多か
れ少なかれ病害発生後に散布することになり、これらの
化合物では完全な病害防除は困難である。またこれら化
合物は防除効果を示す濃度も極めて高く、防除薬剤の安
全使用の面からも問題視されているし、また魚類に対す
る毒性も無視できない薬剤も見受けられる。こうした点
を改良をすべく新たな防除剤の研究が鋭意続けられ、例
えば藻菌類に対する病害防除剤として現在では治療効果
にも優れた効果を示すN−フェニルアラニンエステル誘
導体、例えばメタラキシル〔N−(2,6−ジメチルフェ
ニル)−N−(2′−メトキシアセチル)アラニンメチ
ルエステル〕等が開発され、世界的に実用に供されつつ
ある。しかしこれらN−フェニルアラニンエステル誘導
体は既にその薬剤耐性菌の発生による殺菌剤の防除効果
の低下が問題視されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は上に記載した従来技術の欠点を克服し、農園芸
用殺菌剤として優れた特性を有する化合物、その製造法
およびそれらを有効成分とする植物病害の防除剤を提供
することを課題とする。つまり、各種作物の疫病、べと
病等に対しては予防的、治療的効果の両方を合わせもつ
優れた防除効果を有する適用範囲の広い化合物、また栽
培植物に対しては薬害を示さず、温血動物、あるいは魚
類に対する毒性も少ない化合物を提供すること、および
より簡易、かつ高収率なそれらの製造法、およびそれら
を含有する有用な農薬組成物を提供することを課題とす
る。 〔課題を解決するための手段および作用〕 前記課題を解決するためアシルアミノアセトニトリル誘
導体について鋭意研究した結果、ピラゾール誘導体が、
前記従来技術からは全く予測することのできない生理活
性を有するものであり、農園芸用殺菌剤として優れた幅
広い植物病害防除効果を有し、特に各種作物の疫病、べ
と病等に対しては予防的にもまた、病害に感染した後の
治療的にも優れた防除効果を示すことを見出し本発明を
完成した。 すなわち、本発明は一般式(I) (式中、R1はアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示し、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のう
ちいずれか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるピラゾール誘導体。 一般式(I)のR1はアルキル基、好ましくは炭素数1〜
6の低級アルキル基、ハロアルキル基、好ましくは炭素
数1〜6の低級ハロアルキル基、またはフェニル基であ
り、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル基、
アルコキシ基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルコキ
シ基、またはアルコキシアルキル基、好ましくは炭素数
1〜6の低級アルコキシアルキル基であり、R4は酸素原
子、窒素原子、硫黄原子のうちいずれか一つ以上を含む
複素芳香環、好ましくは無置換、または低級アルキル
基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル基、あるい
はハロゲン原子で置換された2−フリル、3−フリル、
2−チエニル、3−チエニルまたは2−ピロール基であ
る。 本発明に係るピラゾール誘導体およびそれらの生理活性
については前記従来技術には開示も示唆もない。本発明
に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導体は新
規な化合物である。 本発明はさらに前記一般式(I)で表わされるピラゾー
ル誘導体の製造法についても鋭意検討した結果、高収率
で目的物を得る方法を見出し本発明を完成した。 すなわち、本発明は係るピラゾール誘導体の製造法は一
般式(II) (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示す) で表わされる化合物と一般式(III) (式中、R4は前記の意味を示す) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩とを
反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ前記の意味を示
す) で表わされるピラゾール誘導体の製造法である。 以下に製造法についてさらに詳しく述べる。 本発明において用いる出発原料のピラゾールカルボン酸
クロリド類(II)の大部分はオーストラリアン・ジャー
ナル・オブ・ケミストリー(Aust.J.Chem.)36巻、135
ページ(1983年)に記載された方法に従い、反応図式A
に示した経路で容易に製造することができる。 反応図式A〔(A)法〕 また、R2またはR3がアルコキシ基の場合は特開昭59-122
488号公報に開示されている方法に従い、次の反応図式
Bに示した経路で合成することができる。 反応図式B〔(B)法〕 また、アミノアセトニトリル類(III)は、反応図式C
に示した、いわゆるシュトレッカー反応により容易に得
ることができる。 反応図式C すなわち、一般式(VIII)で表わされるアルデヒドをシ
アン化水素(IX,M =H)またはシアン化アルカリ金属
(IX,M =アルカリ金属)、およびアンモニアまたは塩
化アンモニウムとを水中または水と有機溶剤の二層系中
で反応させることにより容易に得られる。この場合アル
デヒド類(VIII)、シアン化物(IX)およびアンモニア
または塩化アンモニウムを加える順序はいずれの組合わ
せでも可能である。この反応は層間移動触媒を加えると
さらに効率良く進行する場合が多い。 得られたアミノアセトニトリル類は不安定なため、直ち
に次の工程へ供することが望ましいが、鉱酸塩とすると
安定な固体となり、長期間保存することも可能である。 次に一般式(I)で表わされる本発明化合物の製造方法
を反応図式Dにより説明する。 反応図式D 本反応に不活性な溶媒中にアミノアセトニトリル類(II
I)を溶解し、当量またはやや過剰の塩基を加えた後ピ
ラゾールカルボン酸クロリド類(II)を徐々に滴下す
る。なおアミノアセトニトリル類の塩を用いた場合はそ
れを中和するに必要な塩基を追加する。不活性溶媒とし
てはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、リグロイン等の炭化水素類、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲ
ン化炭化水素類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プ
ロトン性極性溶媒が挙げられる。また、ピリジンは上記
の塩基と溶媒をかねて使用することができる。塩基の例
としてはトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジ
ン等の有機塩基、アンモニア、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウム、炭酸アンモニウム等の無機塩基が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。本反応はα
−アミノアセトニトリル誘導体(III)熱安定性がよく
ないため、あまり高温下での反応は望ましくなく、また
発熱反応であるので冷却下に行うことが望ましい。反応
温度は0〜100℃、好ましくは0〜30℃、より好ましく
は0〜5℃である。滴下終了後は反応を完結させるため
室温で攪拌を続ける。反応時間は反応温度より異なる
が、通常0.5〜4時間の範囲である。反応終了後、常法
に従い反応粗製物を得た後、カラムクロマトグラフィま
たは再結晶等の常法によって容易にピラゾール誘導体を
単離および精製することが可能である。 さらに、本発明は本発明に係る前記一般式(I)で表わ
されるピラゾール誘導体を有効成分として含有すること
を特徴とする農園芸用殺菌剤を提供するものである。本
発明化合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合は広い
範囲の植物病害に対して防除効果を示すが、特に藻菌類
によってひきおこされる各種作物の疫病およびべと病に
有効である。主な防除対象病害としてはジャガイモ疫
病、トマト疫病、タバコ疫病、イチゴ疫病、アズキ茎疫
病、ブドウべと病、キュウリべと病、ホップべと病、シ
ュンギクべと病、あるいはアファノミセス属基、ピシウ
ム属菌等による各種作物苗立枯病が挙げられる。一方、
本発明化合物は高濃度においても作物に対し薬害を示さ
ない。 本発明化合物の施用方法としては種子消毒、茎葉散布、
土壌処理等が挙げられるが、通常当業者が利用するどの
ような施用方法でも十分な効力を発揮する。施用量およ
び施用濃度は対象作物、対象病害、病害の発生程度、化
合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によって変
動するが、散布する場合にはアール当り5〜200gが適当
であり、望ましくはアール当り10〜100gである。散布濃
度としては10〜500ppmが適当であり、望ましくは50〜30
0ppmである。 本発明の農園芸用殺菌剤は他の殺菌剤や殺虫剤、除草
剤、植物成長調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥効性
物質との混合使用は勿論のこと、これらとの混合製剤も
可能である。 本発明の化合物は、そのまま施用してもよいが固体また
は液体の希釈剤を包含する担体と混合した組成物の形で
施用するのが好ましい。ここでいう担体とは、処理すべ
き部位へ有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の
貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される合成
または天然の無機または有機物質を意味する。 適当な固体担体としてはモンモリロナイト、カオリナイ
トなどの粘度類、ケイソウ土、白土、タルク、バーミキ
ュライト、石膏、炭酸カルシュム、シリカゲル、硫安な
どの無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉などの植物性有機
物質および尿素などが挙げられる。 適当な液体担体としてはトルエン、キシレン、クメンな
どの芳香族炭化水素類、ケロシン、鉱油などのパラフィ
ン系炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類、メタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水などが挙げら
れる。 さらに本発明化合物の効力を増強するために、製剤の剤
型、適用場面等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独
に、または組合わせて以下のような補助剤を使用するこ
ともできる。 乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリ
グニンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレン
アルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミ
ド、ポリオキシアルキレンアルキルチオエーテル、ポリ
オキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン
ポリオキシエチレンブロックポリマー等の非イオン性界
面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ワックス等の滑
剤、イソプロピルヒドロジエンホスフェート等の安定
剤、その他メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カゼイン、アラビアゴム等が挙げられる。しか
し、これらの成分は以上のものに限定されるものではな
い。 本発明化合物の組成物の有効成分量は、通常粉剤では0.
5〜20重量%、乳剤では5〜20重量%、水和剤では10〜9
0重量%、粒剤では0.1〜20重量%、フロワブル剤では10
〜90重量%である。 〔実施例〕 本発明に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導
体の代表例を表−1に示す。 次に本発明に係る製造方法を合成例を挙げて具体的に説
明する。 合成例1 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−チェニル)アセトニトリルの合成(化
合物番号−1) 塩化アンモニウム10.0g、シアン化ナトリウム6.0gを水5
0mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモ
ニア水9.5ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド1.0gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−
チオフェンアルデヒド11.2gを滴下し、さらに同温度で2
4時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水
層を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫
酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮
し、残渣にエチルエーテル100mlを加え0〜5℃に冷却
した。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下
に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド
3.9gを徐々に加えた。滴下後さらに一時間同温度で攪拌
を続けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、
濾液を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより精製した。ベンゼン−酢酸
エチル系より溶出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラ
ゾール−4−イルカルボニルアミノ)−(2−チェニ
ル)アセトニトリル4.6gを得た。 収率71.9% m.p. 139〜140℃ 合成例2 α−(1−イソプロピル−3−メチルピラゾール−4−
イルカルボニルアミノ)−(2−チェニル)アセトニト
リルの合成(化合物番号−3) 塩化アンモニウム6.7g、シアン化ナトリウム4.0gを水50
mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニ
ア水7ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド1.0
gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−チオ
フェンアルデヒド7.5gを滴下し、さらに同温度で20時間
攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水層を三
度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナト
リウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣
にテトラヒドロフラン50mlを加え0〜5℃に冷却した。
次いでトリエチルアミン3.4gを加えた後、攪拌下に1−
イソプロピル−3−メチルピラゾール−4−カルボン酸
クロリド4.1gを徐々に加えた。滴下後さらに3時間室温
で攪拌を続けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾
別し、濾液を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン
−酢酸エチル系より溶出し、所望のα−(1−イソプロ
ピル−3−メチルピラゾール−4−イルカルボニルアミ
ノ)−(2−チェニル)アセトニトリル3.2gを得た。収
率50.4% m.p. 140.5〜141.5℃ 合成例3 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリルの合成(化合
物番号−4) 塩化アンモニウム8.3g、シアン化ナトリウム5.0gを水50
mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニ
ア水8.0ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド
1.0gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−フ
リルアルデヒド8.0gを滴下し、さらに同温度で25時間攪
拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水層を三度
エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣に
酢酸エチルエステル100mlを加え0〜5℃に冷却した。
次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に1,3
−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド3.9gを
徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪拌を続け
た。水50mlを加え析出したトリエチルアミン塩酸塩を溶
解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸ナトリウム
で乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して溶媒を除去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製
した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出し、所望のα−
(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニルアミ
ノ)−(2−フリル)アセトニトリル3.9gを得た。収率
65.0% m.p. 121.5〜122.5℃ 合成例4 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリルの合成(化合
物番号−4) 4−1.α−(2−フリル)−α−アミノアセトニトリル
塩酸塩の合成 フルフラール250gに酢酸ナトリウム0.1gを加え、氷浴に
て0〜5℃に冷却した。攪拌下に内温が10℃を超えない
ように注意しながら、約3時間を要してHCN 145mlを滴
下し、さらに12時間、同温度で攪拌を続けた。反応終了
後、室温にて窒素ガスを導入し、過剰のHCNを追い出
し、粗α−シアノフルフリルアルコールを得た。メタノ
ール1,000mlを−5℃に冷却し、アンモニアガスを導入
飽和させ、これに同温度で攪拌したに先に調製したα−
シアノフルフリルアルコールのメタノール溶液300mlを
滴下した。滴下終了後さらに同温度でアンモニアガスを
3時間導入した。減圧下に溶媒を留去し、残渣にエチル
エーテル2,000ml加え、攪拌しながら塩化水素ガスを導
入した。析出した結晶を濾別し、エチルエーテルにて洗
浄の後乾燥した。所望のα−(2−フリル)−α−アミ
ノアセトニトリル塩酸塩を230g得た。収率61.2% m.p. 145〜152℃(分解) 4−2.α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカル
ニルアミノ)−2−フリルアセトニトリルの合成 α−(2−フリル)−α−アミノアセトニトリル塩酸塩
3.18gを酢酸エチルナトリウム100mlに懸濁し、氷冷下に
トリエチルアミン4.5gを加えた。次いで0〜5℃で攪拌
下に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリ
ド3.82gを徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪
拌を続けた。水50mlを加え、析出したトリエチルアミン
塩酸塩を溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸
ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して
溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶
出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イ
ルカルボニルアミノ)−2−フリルアセトニトリル3.50
gを得た。 収率71.4% m.p. 121.5〜122.5℃ 合成例5 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(3−チエニル)アセトニトリルの合成(化
合物番号−9) 塩化アンモニウム10.0g、シアン化ナトリウム6.0gを水5
0mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモ
ニア水9.5ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド1.0gを加えた。氷浴で5℃に冷却し、攪拌下に3−チ
オフェンアルデヒド11.2gを滴下し、さらに同温度で24
時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水層
を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸
ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、
残渣にエチルエーテル100mlを加え0〜5℃に冷却し
た。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に
1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド3.9
gを徐々に加えた。滴下後さらに1時間室温で攪拌を続
けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液
を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーにより精製した。ベンゼン−酢酸エチ
ル系より溶出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾー
ル−4−イルカルボニルアミノ)−(3−チエニル)ア
セトニトリル4.8gを得た。 収率75.0% m.p. 113.0〜114.5℃ 合成例6 α−(1−メチル−3−メトキシメチルピラゾール−4
−イルカルボニルアミノ)−(2−フリル)アセトニト
リルの合成(化合物番号−17) α−(2−フリル)アミノアセトニトリル塩酸塩3.2gを
酢酸エチルエステル100mlに懸濁し、氷冷下にトリエチ
ルアミン4.5gを加えた。次いで0〜5℃で攪拌下に1−
メチル−3−メトキシメチルピラゾール−4−カルボン
酸クロリド3.8gを徐々に加えた。滴下後さらに2時間室
温で攪拌を続けた。水50mlを加え析出したトリエチルア
ミン塩酸塩を溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗後
硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留
して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系よ
り溶出し、所望のα−(1−メチル−3−メトキシメチ
ルピラゾール−4−イルカルボニルアミノ)−(2−フ
リル)アセトニトリル4.3gを得た。 収率78.6% 合成例7 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−ピロリル)アセトニトリルの合成(化
合物番号−13) 塩化アンモニア8.3g、シアン化ナトリウム5.0gを水50ml
に溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニア
水8.0ml、トリエチルベンジルアンモニウムブロミド1.0
gを加えた。氷浴で5℃に冷却し、攪拌下にピロール−
2−カルボキシアルデヒド8.0gを滴下し、さらに同温度
で24時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、
水層を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、
硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮
し、残渣に酢酸エチルエステル100mlを加え0〜5℃に
冷却した。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪
拌下に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロ
リド3.9gを徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪
拌を続けた。水50mlを加え析出したトリエチルアミン塩
酸塩を溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸ナ
トリウムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して溶
媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出
し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イル
カルボニルアミノ)−(2−ピロリル)アセトニトリル
4.4gを得た。 収率73.1% m.p. 174〜176℃ 本発明に係るその他の化合物も合成例1〜7の方法に準
じて合成できる。 なお、原料として用いたピラゾール−4−カルボン酸類
およびピラゾール−4−カリボン酸エステル類は前記
(A)法:“オーストラリアン ジャーナル オブ ケ
ミストリー”(Aust.J.Chem.)第36巻、135−147ページ
(1983)に記載の方法、または(B)法:特開昭59-122
488号公報に記載の方法に従って合成した。なお、この
中間体の段階で異性体の分離が困難なものについては粗
製物のまま次の工程に用い、最終工程で分離精製した。 以下、参考例により出発原料の合成法を具体的に示す。 参考例(1) 1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸の合成
〔(A)法〕 2−エトキシメチレンアセト酢酸エチル18.6g(0.1モ
ル)とエタノール47mlの混合物を氷にて5℃に冷却し、
攪拌下にメチルヒドラジン6.9g(0.15モル)を滴下し
た。滴下後反応液を加温し、リフラックス下4〜5時間
攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、水230mlを加
え、塩析後、三度酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで
乾燥した。酢酸エチル層を減圧下に濃縮し、粗エステル
16.7gを得た。水酸化ナトリウム16.7gと水33mlの混合物
に攪拌下、室温で粗エステル16.7gを加え、100〜110℃
で3〜4時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、水
42mlを加えた。反応液を冷却しながら、濃塩酸を加えpH
4〜5とし、析出した結晶を濾別し乾燥した後、水から
再結晶して所望の1,3−ジメチルピラゾール−4−カル
ボン酸9.8gを得た。収率70.0% m.p. 190〜190.5℃ ▲δCDCL3 TMS▼(ppm):2.49(3H,s),3.88(3H,s),7.
86(1H,s),10.64〜11.24(1H,6s) 参考例(2) 1−メチル−5−メトキシピラゾール−4−カルボン酸
の合成〔(B)法〕 2−エトキシメチレンマロン酸エチルとメチルヒドラジ
ンより得られる5−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール
−4−カルボン酸エチル(特開昭59-122488号公報)3.4
gをテトラヒドロフラン80mlに溶解し、水素化ナトリウ
ム0.8gで造塩し、ヨウ化メチル2.8gを加え、40℃で3時
間攪拌した。反応終了後濾過し、濾液を濃縮し、1.7gの
1−メチル−5−メトキシピラゾール−4−カルボン酸
を得た。収率46%。 1.4gの1−メチル−5−メトキシピラゾール−4−カル
ボン酸エチルをエタノール30ml、水10ml、水酸化カリウ
ム2gとともに室温で2時間攪拌した。反応液よりエタノ
ールを減圧除去し、水層より酸析し所望の1−メチル−
5−メトキシピラゾール−4−カルボン酸1.29gを得
た。 収率99% m.p. 225℃(分解) 以下、同様にして他のピラゾール−4−カルボン酸類も
合成し、常法に従って酸クロリドとした。 本発明に用いるピラゾール−4−カルボン酸類の代表例
およびそれらの物性値を表−2に示す。 次に本発明に係る農園芸用殺菌剤の製造法を製剤例によ
り説明する。 有効成分化合物は前記表−1の化合物番号で示す。
「部」は「重量部」を表わす。 製剤例1 粉剤 化合物(1):3部、ケイソウ土:20部、白土:30部および
タルク:47部を均一に粉砕混合して、粉剤100部を得た。 製剤例2 水和剤 化合物(2):30部、ケイソウ土:47部、白土:20部、リ
グニンスルホン酸ナトリウム:1部およびアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム:2部を均一に粉砕混合して水和
剤100部を得た。 製剤例3 乳剤 化合物(3):20部、シクロヘキサノン:10部、キシレ
ン:50部およびソルポール(東邦化学製界面活性剤)20
部を均一に溶解混合し、乳剤100部を得た。 製剤例4 粒剤 化合物(4):1部、ベントナイト:78部、タルク:20部お
よびリグニンスルホン酸ナトリウム:1部を混合し、適量
の水を加えて混煉した後、押し出し造粒機を用いて通常
の方法により造粒し乾燥後、粒剤100部を得た。 製剤例5 粒剤 化合物(3):5部、ポリエチレングリコールノニフェニ
ルエーテル:1部、ポリビニルアルコール:3部およびクレ
ー:91部を均一混合し、加水造粒後、乾燥し粒剤100部を
得た。 製剤例6 粉剤 化合物(6):2部、炭酸カルシウム:40部およびクレー:
58部を均一に混合し、粉剤100部を得た。 製剤例7 水和剤 化合物(5):50部、タルク:40部、ラウリルリン酸ナト
リウム:5部およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム:5部を混合し、水和剤100部を得た。 製剤例8 水和剤 化合物(1):50部、リグニンスルホン酸ナトリウム:10
部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム:5部、ホ
ワイトカーボン:10部およびケイソウ土:25部を混合粉砕
し、水和材料100部を得た。 製剤例9 フロワブル剤 化合物(6):40部、カルボキシメチルセルロース:3
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:2部、ジオクチルス
ルホサクシネートナトリウム塩:1部及び水54部をサンド
グライダーで湿式粉砕し、フロワブル剤100部を得た。 次に本発明化合物の農園芸用殺菌剤としての効力を試験
例によって説明する。なお、試験例において以下の化合
物を対照として用いた。 対照化合物 A:α−(2,6−ジクロロピリジン−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリル B:α−(2−フリルカルボニルアミノ)−(2−フリ
ル)アセトニトリル C:4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルメ
トキシ−1,3−ジメチルピラゾール D:ジンクエチレンビス(ジチオカーバメート)〔ジネ
ブ〕 E:テトラクロロイソフタロニトリル〔TPN〕 対照化合物AおよびBは前出特開昭57-167978号公報に
記載の加合物、Cは水田用除草剤として市販の化合物、
DおよびEはジャガイモ疫病、キュウリべと病等の防除
剤として市販の薬剤である。 試験例1 ジャガイモ疫病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草
丈25cm程度)に所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤
例8の方法に準じて水和剤を調製し、これを水で所定濃
度に希釈したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使
用して3鉢当たり50ml散布し風乾した。予めジャガイモ
切片上で7日間培養したジャガイモ疫病菌より遊走子浮
遊液を調製した。この浮遊液を薬剤散布したジャガイモ
植物体上に噴霧接種し、被検植物を17〜19℃、湿度95%
以上で6日間保った後、病斑の形成程度を調査した。 各葉ごとに病斑面積割合を観察評価し発病度指示数を求
め、それぞれの区について次式により罹病度を求めた。 なお、評価基準は次のとうりである。 発病程度指数0:病斑面積割合 0% 〃 1: 〃 1〜5% 〃 2: 〃 6〜25% 〃 3: 〃 26〜50% 〃 4: 〃 51% n0:発病程度指数0の葉数 n1: 〃 1 〃 n2: 〃 2 〃 n3: 〃 3 〃 n4: 〃 4 〃 N=n0+n1+n2+n3+n4 結果を表−3に示した。 試験例2 ジャガイモ疫病防除試験(治療効果) 温室内でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草
丈25cm程度)に予めジャガイモ切片上で7日間培養した
ジャガイモ疫病菌より遊走子浮遊液を調製し、噴霧接種
した。20時間17〜19℃に保った後、所定濃度の薬剤(供
試化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を調製
し、これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガ
ン(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当たり50ml散布し風乾
した。再び17〜19℃、湿度95%以上で6日間保った後、
病斑の形成程度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−4に示した。 試験例3 キュウリべと病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育成したキュウリ(品種:相模半白、
本葉2枚展開、2〜3本植え)に所定濃度の薬剤(供試
化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を調製し、
これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガン
(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当たり30ml散布し風乾し
た。べと病に罹病したキュウリ葉病斑部よりべと病菌を
採取し、脱塩水で胞子浮遊液を調製し、それを噴霧接種
した。接種したポットは直ちに18〜20℃、湿度95%以上
の状態に24時間保った後、温室(室温18〜27℃)に移
し、7日後、病斑の形成程度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−5に示した。 試験例4 キュウリべと病防除試験(治療効果) 試験例3で用いたものと同様のキュウリにキュウリべと
病菌胞子浮遊液を調製し、噴霧接種した。接種したポッ
トは直ちに18〜20℃、湿度95%以上の状態に24時間保っ
た後、所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤例8の方
法に準じて水和剤を調製し、これを水で所定濃度に希釈
したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使用して3
鉢当たり30ml散布し風乾した。ポットを温室(室温18〜
27℃)に移し、7日後、病斑の形成程度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−6に示した。 試験例5 トマト疫病防除試験(土壌潅注処理) 温室内でポットに育成したトマト(品種:世界一、草丈
20cm程度)のポット(直径7.5cm)の株元に所定量の薬
剤(供試化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を
調製し、これを水で290ppmの濃度に希釈したもの)をピ
ペットを使用して1鉢当り2mlを潅注し、5日間温室内
に保った。予めジャガイモ切片上で7日間培養したトマ
ト疫病菌より遊走子浮遊液を調製した。この浮遊液を薬
剤処理したトマト植物体上に噴霧接種し、被検植物を17
〜19℃、湿度95%以上で6日間保った後、病斑の形成程
度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−7に示した。 表−3ないし表−7に示した結果より本発明化合物群は
ジャガイモ疫病、トマト疫病、キュウリべと病等、藻菌
類が引き起こす植物病害に対して散布のみならず、土壌
潅注処理でも高い防除効果を示していることは明らかで
ある。また本発明化合物群と比較的類似していると考え
られる対照化合物A、BあるいはCがこれら病害に対し
て極めて弱い防除効果しか示さないか、あるいは全く防
除効果を示さないこととは対照的である。またこれらの
植物病害に対して現在市販され、広く用いられているジ
ンクエチレンビス(ジチオカーバメート)あるいはテト
ラクロロイソフタロニトリルが上記試験例に示すように
本発明化合物群が防除効果を示すような低薬量では効果
を示さないにもかかわらず、本発明化合物群は低薬量で
予防効果を示し、かつ上記2薬剤のもたない治療効果お
よび土壌潅注処理による防除効果も合わせもっているこ
とは明らかである。 〔発明の効果〕 以上の説明より明らかなように、本発明に係るピラゾー
ル誘導体は農園芸用殺菌剤として各種作物の藻菌類によ
る各種病害に対して、従来の市販薬剤では効果が期待で
きないような低薬量、低濃度で優れた防除効果を有す
る。また治療効果を有することから作物が罹病した後に
薬剤散布しても防除効果が期待できるため、本発明化合
物により農園芸作物の病害防除体系を大きく変える事が
でき、栽培者にとって大きな省力化となることは明らか
である。このように本発明に係るピラゾール誘導体を含
有する農薬は農園芸用殺菌剤として優れた特性を具備し
有用である。
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示し、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のう
ちいずれか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるピラゾール誘導体、その製造法およびそれ
らを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関するも
のである。 〔従来技術〕 従来より農園芸上有用な有機合成化合物は多くの研究が
なされており、生理活性を示す化合物が多数見出され、
実用に供されている。アミド系化合物についてもきわめ
て多数の活性化合物が見出されており、除草剤あるいは
殺菌剤として使用されている化合物もある。例えば置換
ベンズアミド誘導体として、除草剤としてエチルN−ベ
ンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−2−アミ
ノプロピオネート(ベンゾイルプロップエチル)、殺菌
剤としては2−メチル−N−(3−イソプロポキシフェ
ニル)ベンズアミド(メプロニル)などが知られてい
る。またピラゾール系化合物としては除草活性を示す化
合物が知られている。たとえば、p−トルエンスルホン
酸4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピ
ラゾール−5−イル(ピラゾレート)あるいは4−(2,
4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルメトキシ−
1,3−ジメチルピラゾール(ピラゾキシン)は水田用除
草剤として国内で広く利用されている。 さらにフラン環を有する置換アシルアミノアセトニトリ
ル誘導体として特開昭57-167978号公報に除草剤および
殺菌剤が開示されているが、作物に対し薬害を示し問題
がある。該公開公報にはアシル基としてはヘテロサイク
リルカルボニル基は、4−ピリジルカルボニル基、2−
フリルカルボニル基、2−チエニルカルボニル基、ベン
ゾ(b)フラン−2−イルカルボニル基が開示されてい
るに過ぎない。 従来、農園芸用殺菌剤としては様々の化学構造を有する
化合物が実用に供されており、それら合成化合物の植物
病害防除、ひいては農業の発展に果たした役割は計り知
れないものがある。しかし、それら従来の合成化合物と
して決して充分な防除作用、あるいは安全性を有すると
は言いがたい薬剤も見受けられるのも事実である。たと
えば、各種作物の疫病およびべと病に対してはカプタホ
ル、TPN、キャプタンまたはジチオカーバメート系薬剤
が広く一般に使用され、作物増産に寄与してきた。しか
しこれらの化合物はいずれも疫病およびベト病に対して
予防的な効果が主であり、治療的な効果は全く期待でき
ない。その為、病害の発生が認められたときには既に十
分な効果が期待できないという大きな欠点を有してい
る。現実に作物病害防除の為の薬剤散布を考えると多か
れ少なかれ病害発生後に散布することになり、これらの
化合物では完全な病害防除は困難である。またこれら化
合物は防除効果を示す濃度も極めて高く、防除薬剤の安
全使用の面からも問題視されているし、また魚類に対す
る毒性も無視できない薬剤も見受けられる。こうした点
を改良をすべく新たな防除剤の研究が鋭意続けられ、例
えば藻菌類に対する病害防除剤として現在では治療効果
にも優れた効果を示すN−フェニルアラニンエステル誘
導体、例えばメタラキシル〔N−(2,6−ジメチルフェ
ニル)−N−(2′−メトキシアセチル)アラニンメチ
ルエステル〕等が開発され、世界的に実用に供されつつ
ある。しかしこれらN−フェニルアラニンエステル誘導
体は既にその薬剤耐性菌の発生による殺菌剤の防除効果
の低下が問題視されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は上に記載した従来技術の欠点を克服し、農園芸
用殺菌剤として優れた特性を有する化合物、その製造法
およびそれらを有効成分とする植物病害の防除剤を提供
することを課題とする。つまり、各種作物の疫病、べと
病等に対しては予防的、治療的効果の両方を合わせもつ
優れた防除効果を有する適用範囲の広い化合物、また栽
培植物に対しては薬害を示さず、温血動物、あるいは魚
類に対する毒性も少ない化合物を提供すること、および
より簡易、かつ高収率なそれらの製造法、およびそれら
を含有する有用な農薬組成物を提供することを課題とす
る。 〔課題を解決するための手段および作用〕 前記課題を解決するためアシルアミノアセトニトリル誘
導体について鋭意研究した結果、ピラゾール誘導体が、
前記従来技術からは全く予測することのできない生理活
性を有するものであり、農園芸用殺菌剤として優れた幅
広い植物病害防除効果を有し、特に各種作物の疫病、べ
と病等に対しては予防的にもまた、病害に感染した後の
治療的にも優れた防除効果を示すことを見出し本発明を
完成した。 すなわち、本発明は一般式(I) (式中、R1はアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示し、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のう
ちいずれか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるピラゾール誘導体。 一般式(I)のR1はアルキル基、好ましくは炭素数1〜
6の低級アルキル基、ハロアルキル基、好ましくは炭素
数1〜6の低級ハロアルキル基、またはフェニル基であ
り、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル基、
アルコキシ基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルコキ
シ基、またはアルコキシアルキル基、好ましくは炭素数
1〜6の低級アルコキシアルキル基であり、R4は酸素原
子、窒素原子、硫黄原子のうちいずれか一つ以上を含む
複素芳香環、好ましくは無置換、または低級アルキル
基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル基、あるい
はハロゲン原子で置換された2−フリル、3−フリル、
2−チエニル、3−チエニルまたは2−ピロール基であ
る。 本発明に係るピラゾール誘導体およびそれらの生理活性
については前記従来技術には開示も示唆もない。本発明
に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導体は新
規な化合物である。 本発明はさらに前記一般式(I)で表わされるピラゾー
ル誘導体の製造法についても鋭意検討した結果、高収率
で目的物を得る方法を見出し本発明を完成した。 すなわち、本発明は係るピラゾール誘導体の製造法は一
般式(II) (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示す) で表わされる化合物と一般式(III) (式中、R4は前記の意味を示す) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩とを
反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ前記の意味を示
す) で表わされるピラゾール誘導体の製造法である。 以下に製造法についてさらに詳しく述べる。 本発明において用いる出発原料のピラゾールカルボン酸
クロリド類(II)の大部分はオーストラリアン・ジャー
ナル・オブ・ケミストリー(Aust.J.Chem.)36巻、135
ページ(1983年)に記載された方法に従い、反応図式A
に示した経路で容易に製造することができる。 反応図式A〔(A)法〕 また、R2またはR3がアルコキシ基の場合は特開昭59-122
488号公報に開示されている方法に従い、次の反応図式
Bに示した経路で合成することができる。 反応図式B〔(B)法〕 また、アミノアセトニトリル類(III)は、反応図式C
に示した、いわゆるシュトレッカー反応により容易に得
ることができる。 反応図式C すなわち、一般式(VIII)で表わされるアルデヒドをシ
アン化水素(IX,M =H)またはシアン化アルカリ金属
(IX,M =アルカリ金属)、およびアンモニアまたは塩
化アンモニウムとを水中または水と有機溶剤の二層系中
で反応させることにより容易に得られる。この場合アル
デヒド類(VIII)、シアン化物(IX)およびアンモニア
または塩化アンモニウムを加える順序はいずれの組合わ
せでも可能である。この反応は層間移動触媒を加えると
さらに効率良く進行する場合が多い。 得られたアミノアセトニトリル類は不安定なため、直ち
に次の工程へ供することが望ましいが、鉱酸塩とすると
安定な固体となり、長期間保存することも可能である。 次に一般式(I)で表わされる本発明化合物の製造方法
を反応図式Dにより説明する。 反応図式D 本反応に不活性な溶媒中にアミノアセトニトリル類(II
I)を溶解し、当量またはやや過剰の塩基を加えた後ピ
ラゾールカルボン酸クロリド類(II)を徐々に滴下す
る。なおアミノアセトニトリル類の塩を用いた場合はそ
れを中和するに必要な塩基を追加する。不活性溶媒とし
てはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、リグロイン等の炭化水素類、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲ
ン化炭化水素類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プ
ロトン性極性溶媒が挙げられる。また、ピリジンは上記
の塩基と溶媒をかねて使用することができる。塩基の例
としてはトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジ
ン等の有機塩基、アンモニア、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウム、炭酸アンモニウム等の無機塩基が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。本反応はα
−アミノアセトニトリル誘導体(III)熱安定性がよく
ないため、あまり高温下での反応は望ましくなく、また
発熱反応であるので冷却下に行うことが望ましい。反応
温度は0〜100℃、好ましくは0〜30℃、より好ましく
は0〜5℃である。滴下終了後は反応を完結させるため
室温で攪拌を続ける。反応時間は反応温度より異なる
が、通常0.5〜4時間の範囲である。反応終了後、常法
に従い反応粗製物を得た後、カラムクロマトグラフィま
たは再結晶等の常法によって容易にピラゾール誘導体を
単離および精製することが可能である。 さらに、本発明は本発明に係る前記一般式(I)で表わ
されるピラゾール誘導体を有効成分として含有すること
を特徴とする農園芸用殺菌剤を提供するものである。本
発明化合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合は広い
範囲の植物病害に対して防除効果を示すが、特に藻菌類
によってひきおこされる各種作物の疫病およびべと病に
有効である。主な防除対象病害としてはジャガイモ疫
病、トマト疫病、タバコ疫病、イチゴ疫病、アズキ茎疫
病、ブドウべと病、キュウリべと病、ホップべと病、シ
ュンギクべと病、あるいはアファノミセス属基、ピシウ
ム属菌等による各種作物苗立枯病が挙げられる。一方、
本発明化合物は高濃度においても作物に対し薬害を示さ
ない。 本発明化合物の施用方法としては種子消毒、茎葉散布、
土壌処理等が挙げられるが、通常当業者が利用するどの
ような施用方法でも十分な効力を発揮する。施用量およ
び施用濃度は対象作物、対象病害、病害の発生程度、化
合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によって変
動するが、散布する場合にはアール当り5〜200gが適当
であり、望ましくはアール当り10〜100gである。散布濃
度としては10〜500ppmが適当であり、望ましくは50〜30
0ppmである。 本発明の農園芸用殺菌剤は他の殺菌剤や殺虫剤、除草
剤、植物成長調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥効性
物質との混合使用は勿論のこと、これらとの混合製剤も
可能である。 本発明の化合物は、そのまま施用してもよいが固体また
は液体の希釈剤を包含する担体と混合した組成物の形で
施用するのが好ましい。ここでいう担体とは、処理すべ
き部位へ有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の
貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される合成
または天然の無機または有機物質を意味する。 適当な固体担体としてはモンモリロナイト、カオリナイ
トなどの粘度類、ケイソウ土、白土、タルク、バーミキ
ュライト、石膏、炭酸カルシュム、シリカゲル、硫安な
どの無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉などの植物性有機
物質および尿素などが挙げられる。 適当な液体担体としてはトルエン、キシレン、クメンな
どの芳香族炭化水素類、ケロシン、鉱油などのパラフィ
ン系炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類、メタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水などが挙げら
れる。 さらに本発明化合物の効力を増強するために、製剤の剤
型、適用場面等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独
に、または組合わせて以下のような補助剤を使用するこ
ともできる。 乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリ
グニンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレン
アルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミ
ド、ポリオキシアルキレンアルキルチオエーテル、ポリ
オキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン
ポリオキシエチレンブロックポリマー等の非イオン性界
面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ワックス等の滑
剤、イソプロピルヒドロジエンホスフェート等の安定
剤、その他メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カゼイン、アラビアゴム等が挙げられる。しか
し、これらの成分は以上のものに限定されるものではな
い。 本発明化合物の組成物の有効成分量は、通常粉剤では0.
5〜20重量%、乳剤では5〜20重量%、水和剤では10〜9
0重量%、粒剤では0.1〜20重量%、フロワブル剤では10
〜90重量%である。 〔実施例〕 本発明に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導
体の代表例を表−1に示す。 次に本発明に係る製造方法を合成例を挙げて具体的に説
明する。 合成例1 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−チェニル)アセトニトリルの合成(化
合物番号−1) 塩化アンモニウム10.0g、シアン化ナトリウム6.0gを水5
0mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモ
ニア水9.5ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド1.0gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−
チオフェンアルデヒド11.2gを滴下し、さらに同温度で2
4時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水
層を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫
酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮
し、残渣にエチルエーテル100mlを加え0〜5℃に冷却
した。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下
に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド
3.9gを徐々に加えた。滴下後さらに一時間同温度で攪拌
を続けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、
濾液を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより精製した。ベンゼン−酢酸
エチル系より溶出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラ
ゾール−4−イルカルボニルアミノ)−(2−チェニ
ル)アセトニトリル4.6gを得た。 収率71.9% m.p. 139〜140℃ 合成例2 α−(1−イソプロピル−3−メチルピラゾール−4−
イルカルボニルアミノ)−(2−チェニル)アセトニト
リルの合成(化合物番号−3) 塩化アンモニウム6.7g、シアン化ナトリウム4.0gを水50
mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニ
ア水7ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド1.0
gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−チオ
フェンアルデヒド7.5gを滴下し、さらに同温度で20時間
攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水層を三
度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナト
リウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣
にテトラヒドロフラン50mlを加え0〜5℃に冷却した。
次いでトリエチルアミン3.4gを加えた後、攪拌下に1−
イソプロピル−3−メチルピラゾール−4−カルボン酸
クロリド4.1gを徐々に加えた。滴下後さらに3時間室温
で攪拌を続けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾
別し、濾液を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン
−酢酸エチル系より溶出し、所望のα−(1−イソプロ
ピル−3−メチルピラゾール−4−イルカルボニルアミ
ノ)−(2−チェニル)アセトニトリル3.2gを得た。収
率50.4% m.p. 140.5〜141.5℃ 合成例3 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリルの合成(化合
物番号−4) 塩化アンモニウム8.3g、シアン化ナトリウム5.0gを水50
mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニ
ア水8.0ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド
1.0gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−フ
リルアルデヒド8.0gを滴下し、さらに同温度で25時間攪
拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水層を三度
エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣に
酢酸エチルエステル100mlを加え0〜5℃に冷却した。
次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に1,3
−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド3.9gを
徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪拌を続け
た。水50mlを加え析出したトリエチルアミン塩酸塩を溶
解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸ナトリウム
で乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して溶媒を除去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製
した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出し、所望のα−
(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニルアミ
ノ)−(2−フリル)アセトニトリル3.9gを得た。収率
65.0% m.p. 121.5〜122.5℃ 合成例4 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリルの合成(化合
物番号−4) 4−1.α−(2−フリル)−α−アミノアセトニトリル
塩酸塩の合成 フルフラール250gに酢酸ナトリウム0.1gを加え、氷浴に
て0〜5℃に冷却した。攪拌下に内温が10℃を超えない
ように注意しながら、約3時間を要してHCN 145mlを滴
下し、さらに12時間、同温度で攪拌を続けた。反応終了
後、室温にて窒素ガスを導入し、過剰のHCNを追い出
し、粗α−シアノフルフリルアルコールを得た。メタノ
ール1,000mlを−5℃に冷却し、アンモニアガスを導入
飽和させ、これに同温度で攪拌したに先に調製したα−
シアノフルフリルアルコールのメタノール溶液300mlを
滴下した。滴下終了後さらに同温度でアンモニアガスを
3時間導入した。減圧下に溶媒を留去し、残渣にエチル
エーテル2,000ml加え、攪拌しながら塩化水素ガスを導
入した。析出した結晶を濾別し、エチルエーテルにて洗
浄の後乾燥した。所望のα−(2−フリル)−α−アミ
ノアセトニトリル塩酸塩を230g得た。収率61.2% m.p. 145〜152℃(分解) 4−2.α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカル
ニルアミノ)−2−フリルアセトニトリルの合成 α−(2−フリル)−α−アミノアセトニトリル塩酸塩
3.18gを酢酸エチルナトリウム100mlに懸濁し、氷冷下に
トリエチルアミン4.5gを加えた。次いで0〜5℃で攪拌
下に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリ
ド3.82gを徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪
拌を続けた。水50mlを加え、析出したトリエチルアミン
塩酸塩を溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸
ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して
溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶
出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イ
ルカルボニルアミノ)−2−フリルアセトニトリル3.50
gを得た。 収率71.4% m.p. 121.5〜122.5℃ 合成例5 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(3−チエニル)アセトニトリルの合成(化
合物番号−9) 塩化アンモニウム10.0g、シアン化ナトリウム6.0gを水5
0mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモ
ニア水9.5ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド1.0gを加えた。氷浴で5℃に冷却し、攪拌下に3−チ
オフェンアルデヒド11.2gを滴下し、さらに同温度で24
時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水層
を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸
ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、
残渣にエチルエーテル100mlを加え0〜5℃に冷却し
た。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に
1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド3.9
gを徐々に加えた。滴下後さらに1時間室温で攪拌を続
けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液
を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーにより精製した。ベンゼン−酢酸エチ
ル系より溶出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾー
ル−4−イルカルボニルアミノ)−(3−チエニル)ア
セトニトリル4.8gを得た。 収率75.0% m.p. 113.0〜114.5℃ 合成例6 α−(1−メチル−3−メトキシメチルピラゾール−4
−イルカルボニルアミノ)−(2−フリル)アセトニト
リルの合成(化合物番号−17) α−(2−フリル)アミノアセトニトリル塩酸塩3.2gを
酢酸エチルエステル100mlに懸濁し、氷冷下にトリエチ
ルアミン4.5gを加えた。次いで0〜5℃で攪拌下に1−
メチル−3−メトキシメチルピラゾール−4−カルボン
酸クロリド3.8gを徐々に加えた。滴下後さらに2時間室
温で攪拌を続けた。水50mlを加え析出したトリエチルア
ミン塩酸塩を溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗後
硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留
して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系よ
り溶出し、所望のα−(1−メチル−3−メトキシメチ
ルピラゾール−4−イルカルボニルアミノ)−(2−フ
リル)アセトニトリル4.3gを得た。 収率78.6% 合成例7 α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−ピロリル)アセトニトリルの合成(化
合物番号−13) 塩化アンモニア8.3g、シアン化ナトリウム5.0gを水50ml
に溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニア
水8.0ml、トリエチルベンジルアンモニウムブロミド1.0
gを加えた。氷浴で5℃に冷却し、攪拌下にピロール−
2−カルボキシアルデヒド8.0gを滴下し、さらに同温度
で24時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、
水層を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、
硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮
し、残渣に酢酸エチルエステル100mlを加え0〜5℃に
冷却した。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪
拌下に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロ
リド3.9gを徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪
拌を続けた。水50mlを加え析出したトリエチルアミン塩
酸塩を溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸ナ
トリウムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して溶
媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出
し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イル
カルボニルアミノ)−(2−ピロリル)アセトニトリル
4.4gを得た。 収率73.1% m.p. 174〜176℃ 本発明に係るその他の化合物も合成例1〜7の方法に準
じて合成できる。 なお、原料として用いたピラゾール−4−カルボン酸類
およびピラゾール−4−カリボン酸エステル類は前記
(A)法:“オーストラリアン ジャーナル オブ ケ
ミストリー”(Aust.J.Chem.)第36巻、135−147ページ
(1983)に記載の方法、または(B)法:特開昭59-122
488号公報に記載の方法に従って合成した。なお、この
中間体の段階で異性体の分離が困難なものについては粗
製物のまま次の工程に用い、最終工程で分離精製した。 以下、参考例により出発原料の合成法を具体的に示す。 参考例(1) 1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸の合成
〔(A)法〕 2−エトキシメチレンアセト酢酸エチル18.6g(0.1モ
ル)とエタノール47mlの混合物を氷にて5℃に冷却し、
攪拌下にメチルヒドラジン6.9g(0.15モル)を滴下し
た。滴下後反応液を加温し、リフラックス下4〜5時間
攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、水230mlを加
え、塩析後、三度酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで
乾燥した。酢酸エチル層を減圧下に濃縮し、粗エステル
16.7gを得た。水酸化ナトリウム16.7gと水33mlの混合物
に攪拌下、室温で粗エステル16.7gを加え、100〜110℃
で3〜4時間攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、水
42mlを加えた。反応液を冷却しながら、濃塩酸を加えpH
4〜5とし、析出した結晶を濾別し乾燥した後、水から
再結晶して所望の1,3−ジメチルピラゾール−4−カル
ボン酸9.8gを得た。収率70.0% m.p. 190〜190.5℃ ▲δCDCL3 TMS▼(ppm):2.49(3H,s),3.88(3H,s),7.
86(1H,s),10.64〜11.24(1H,6s) 参考例(2) 1−メチル−5−メトキシピラゾール−4−カルボン酸
の合成〔(B)法〕 2−エトキシメチレンマロン酸エチルとメチルヒドラジ
ンより得られる5−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール
−4−カルボン酸エチル(特開昭59-122488号公報)3.4
gをテトラヒドロフラン80mlに溶解し、水素化ナトリウ
ム0.8gで造塩し、ヨウ化メチル2.8gを加え、40℃で3時
間攪拌した。反応終了後濾過し、濾液を濃縮し、1.7gの
1−メチル−5−メトキシピラゾール−4−カルボン酸
を得た。収率46%。 1.4gの1−メチル−5−メトキシピラゾール−4−カル
ボン酸エチルをエタノール30ml、水10ml、水酸化カリウ
ム2gとともに室温で2時間攪拌した。反応液よりエタノ
ールを減圧除去し、水層より酸析し所望の1−メチル−
5−メトキシピラゾール−4−カルボン酸1.29gを得
た。 収率99% m.p. 225℃(分解) 以下、同様にして他のピラゾール−4−カルボン酸類も
合成し、常法に従って酸クロリドとした。 本発明に用いるピラゾール−4−カルボン酸類の代表例
およびそれらの物性値を表−2に示す。 次に本発明に係る農園芸用殺菌剤の製造法を製剤例によ
り説明する。 有効成分化合物は前記表−1の化合物番号で示す。
「部」は「重量部」を表わす。 製剤例1 粉剤 化合物(1):3部、ケイソウ土:20部、白土:30部および
タルク:47部を均一に粉砕混合して、粉剤100部を得た。 製剤例2 水和剤 化合物(2):30部、ケイソウ土:47部、白土:20部、リ
グニンスルホン酸ナトリウム:1部およびアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム:2部を均一に粉砕混合して水和
剤100部を得た。 製剤例3 乳剤 化合物(3):20部、シクロヘキサノン:10部、キシレ
ン:50部およびソルポール(東邦化学製界面活性剤)20
部を均一に溶解混合し、乳剤100部を得た。 製剤例4 粒剤 化合物(4):1部、ベントナイト:78部、タルク:20部お
よびリグニンスルホン酸ナトリウム:1部を混合し、適量
の水を加えて混煉した後、押し出し造粒機を用いて通常
の方法により造粒し乾燥後、粒剤100部を得た。 製剤例5 粒剤 化合物(3):5部、ポリエチレングリコールノニフェニ
ルエーテル:1部、ポリビニルアルコール:3部およびクレ
ー:91部を均一混合し、加水造粒後、乾燥し粒剤100部を
得た。 製剤例6 粉剤 化合物(6):2部、炭酸カルシウム:40部およびクレー:
58部を均一に混合し、粉剤100部を得た。 製剤例7 水和剤 化合物(5):50部、タルク:40部、ラウリルリン酸ナト
リウム:5部およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム:5部を混合し、水和剤100部を得た。 製剤例8 水和剤 化合物(1):50部、リグニンスルホン酸ナトリウム:10
部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム:5部、ホ
ワイトカーボン:10部およびケイソウ土:25部を混合粉砕
し、水和材料100部を得た。 製剤例9 フロワブル剤 化合物(6):40部、カルボキシメチルセルロース:3
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:2部、ジオクチルス
ルホサクシネートナトリウム塩:1部及び水54部をサンド
グライダーで湿式粉砕し、フロワブル剤100部を得た。 次に本発明化合物の農園芸用殺菌剤としての効力を試験
例によって説明する。なお、試験例において以下の化合
物を対照として用いた。 対照化合物 A:α−(2,6−ジクロロピリジン−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリル B:α−(2−フリルカルボニルアミノ)−(2−フリ
ル)アセトニトリル C:4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルメ
トキシ−1,3−ジメチルピラゾール D:ジンクエチレンビス(ジチオカーバメート)〔ジネ
ブ〕 E:テトラクロロイソフタロニトリル〔TPN〕 対照化合物AおよびBは前出特開昭57-167978号公報に
記載の加合物、Cは水田用除草剤として市販の化合物、
DおよびEはジャガイモ疫病、キュウリべと病等の防除
剤として市販の薬剤である。 試験例1 ジャガイモ疫病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草
丈25cm程度)に所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤
例8の方法に準じて水和剤を調製し、これを水で所定濃
度に希釈したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使
用して3鉢当たり50ml散布し風乾した。予めジャガイモ
切片上で7日間培養したジャガイモ疫病菌より遊走子浮
遊液を調製した。この浮遊液を薬剤散布したジャガイモ
植物体上に噴霧接種し、被検植物を17〜19℃、湿度95%
以上で6日間保った後、病斑の形成程度を調査した。 各葉ごとに病斑面積割合を観察評価し発病度指示数を求
め、それぞれの区について次式により罹病度を求めた。 なお、評価基準は次のとうりである。 発病程度指数0:病斑面積割合 0% 〃 1: 〃 1〜5% 〃 2: 〃 6〜25% 〃 3: 〃 26〜50% 〃 4: 〃 51% n0:発病程度指数0の葉数 n1: 〃 1 〃 n2: 〃 2 〃 n3: 〃 3 〃 n4: 〃 4 〃 N=n0+n1+n2+n3+n4 結果を表−3に示した。 試験例2 ジャガイモ疫病防除試験(治療効果) 温室内でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草
丈25cm程度)に予めジャガイモ切片上で7日間培養した
ジャガイモ疫病菌より遊走子浮遊液を調製し、噴霧接種
した。20時間17〜19℃に保った後、所定濃度の薬剤(供
試化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を調製
し、これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガ
ン(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当たり50ml散布し風乾
した。再び17〜19℃、湿度95%以上で6日間保った後、
病斑の形成程度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−4に示した。 試験例3 キュウリべと病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育成したキュウリ(品種:相模半白、
本葉2枚展開、2〜3本植え)に所定濃度の薬剤(供試
化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を調製し、
これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガン
(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当たり30ml散布し風乾し
た。べと病に罹病したキュウリ葉病斑部よりべと病菌を
採取し、脱塩水で胞子浮遊液を調製し、それを噴霧接種
した。接種したポットは直ちに18〜20℃、湿度95%以上
の状態に24時間保った後、温室(室温18〜27℃)に移
し、7日後、病斑の形成程度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−5に示した。 試験例4 キュウリべと病防除試験(治療効果) 試験例3で用いたものと同様のキュウリにキュウリべと
病菌胞子浮遊液を調製し、噴霧接種した。接種したポッ
トは直ちに18〜20℃、湿度95%以上の状態に24時間保っ
た後、所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤例8の方
法に準じて水和剤を調製し、これを水で所定濃度に希釈
したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使用して3
鉢当たり30ml散布し風乾した。ポットを温室(室温18〜
27℃)に移し、7日後、病斑の形成程度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−6に示した。 試験例5 トマト疫病防除試験(土壌潅注処理) 温室内でポットに育成したトマト(品種:世界一、草丈
20cm程度)のポット(直径7.5cm)の株元に所定量の薬
剤(供試化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を
調製し、これを水で290ppmの濃度に希釈したもの)をピ
ペットを使用して1鉢当り2mlを潅注し、5日間温室内
に保った。予めジャガイモ切片上で7日間培養したトマ
ト疫病菌より遊走子浮遊液を調製した。この浮遊液を薬
剤処理したトマト植物体上に噴霧接種し、被検植物を17
〜19℃、湿度95%以上で6日間保った後、病斑の形成程
度を調査した。 評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。 結果を表−7に示した。 表−3ないし表−7に示した結果より本発明化合物群は
ジャガイモ疫病、トマト疫病、キュウリべと病等、藻菌
類が引き起こす植物病害に対して散布のみならず、土壌
潅注処理でも高い防除効果を示していることは明らかで
ある。また本発明化合物群と比較的類似していると考え
られる対照化合物A、BあるいはCがこれら病害に対し
て極めて弱い防除効果しか示さないか、あるいは全く防
除効果を示さないこととは対照的である。またこれらの
植物病害に対して現在市販され、広く用いられているジ
ンクエチレンビス(ジチオカーバメート)あるいはテト
ラクロロイソフタロニトリルが上記試験例に示すように
本発明化合物群が防除効果を示すような低薬量では効果
を示さないにもかかわらず、本発明化合物群は低薬量で
予防効果を示し、かつ上記2薬剤のもたない治療効果お
よび土壌潅注処理による防除効果も合わせもっているこ
とは明らかである。 〔発明の効果〕 以上の説明より明らかなように、本発明に係るピラゾー
ル誘導体は農園芸用殺菌剤として各種作物の藻菌類によ
る各種病害に対して、従来の市販薬剤では効果が期待で
きないような低薬量、低濃度で優れた防除効果を有す
る。また治療効果を有することから作物が罹病した後に
薬剤散布しても防除効果が期待できるため、本発明化合
物により農園芸作物の病害防除体系を大きく変える事が
でき、栽培者にとって大きな省力化となることは明らか
である。このように本発明に係るピラゾール誘導体を含
有する農薬は農園芸用殺菌剤として優れた特性を具備し
有用である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(I) (式中、R1はアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示し、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のう
ちいずれか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるピラゾール誘導体。 【請求項2】一般式(I)において、R1およびR2がそれ
ぞれ低級アルキル基であり、R3が水素原子であり、R4が
無置換、または低級アルキル基あるいはハロゲン原子で
置換された2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3
−チエニルまたは2−ピロール基である特許請求の範囲
第(1)項記載のピラゾール誘導体。 【請求項3】一般式(I)において、R4が無置換、また
はメチル基で置換された2−フリル、3−フリル、2−
チエニル、3−チエニルまたは2−ピロール基である特
許請求の範囲第(2)項記載のピラゾール誘導体。 【請求項4】一般式(I)において、R4が2−フリル
基、3−フリル基、2−チエニル基または3−チエニル
基である特許請求の範囲第(2)項記載のピラゾール誘
導体。 【請求項4】一般式(II) (式中、R1はアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示す) で表わされる化合物と一般式(III) (式中、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のうちいず
れか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩とを
反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ前記の意味を示
す) で表わされるピラゾール誘導体の製造法。 【請求項7】一般式(I) (式中、R1はアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアル
キル基を示し、R4は酸素原子、窒素原子、硫黄原子のう
ちいずれか一つ以上を含む複素芳香環を示す) で表わされるピラゾール誘導体を含有することを特徴と
する農園芸用殺菌剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61-139981 | 1986-06-18 | ||
JP13998186 | 1986-06-18 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63146875A JPS63146875A (ja) | 1988-06-18 |
JPH0670035B2 true JPH0670035B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=15258163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9330387A Expired - Lifetime JPH0670035B2 (ja) | 1986-06-18 | 1987-04-17 | 新規ピラゾ−ル誘導体、その製造法およびそれらを含有する農園芸用殺菌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0670035B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01199963A (ja) * | 1987-04-28 | 1989-08-11 | Nissan Chem Ind Ltd | アミド置換誘導体および農園芸用殺菌剤 |
-
1987
- 1987-04-17 JP JP9330387A patent/JPH0670035B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63146875A (ja) | 1988-06-18 |
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