JPH0669694B2 - スラッシュ成形型の加熱方法 - Google Patents

スラッシュ成形型の加熱方法

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JPH0669694B2
JPH0669694B2 JP3829089A JP3829089A JPH0669694B2 JP H0669694 B2 JPH0669694 B2 JP H0669694B2 JP 3829089 A JP3829089 A JP 3829089A JP 3829089 A JP3829089 A JP 3829089A JP H0669694 B2 JPH0669694 B2 JP H0669694B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) この発明は、加熱源により加熱したスラッシュ成形型の
型面に樹脂パウダーを供給して溶融しそして固化させる
ことにより、例えば自動車のインストルメントパネルの
表皮や、自動車用を含むヘッドレストやアームレストな
どの表皮、その他クッション類や玩具類の表皮ないしは
カバーなどとして用いられる樹脂成形品を得るのに用い
られるパウダースラッシュ成形法において、前記加熱源
によるスラッシュ成形型の加熱に利用されるスラッシュ
成形型の加熱方法に関するものである。 (従来の技術) 従来、スラッシュ成形型の型面に沿って樹脂皮膜を形成
させることにより所望形状の表皮を得るスラッシュ成形
法としては、流動状の樹脂ペーストをスラッシュ成形型
に流し込んで固化させることによりこのスラッシュ成形
型の型面に沿って樹脂皮膜を形成させるペーストスラッ
シュ成形法(例えば、「自動車工学全書19巻 自動車の
製造法」 自動車工学全書編集委員会編 株式会社山海
堂 昭和55年4月20日発行の第280頁)や、加熱したス
ラッシュ成形型の型面に粉末状の樹脂パウダーを供給し
て溶融しそして固化させることによりこのスラッシュ成
形型の型面に沿って樹脂皮膜を形成させるパウダースラ
ッシュ成形法(例えば、特開昭62−37112号公報)があ
った。 第3図は、上記のうち後者に示した粉末状の樹脂パウダ
ーを素材とするパウダースラッシュ成形法においてスラ
ッシュ成形型を加熱するのに用いられる加熱炉の一例を
示しており、この加熱炉50の炉体51の対向する部分には
扉52,52が設けてあると共にスラッシュ成形型53は成形
型用フレーム54に取り付けてあり、スラッシュ成形型53
が成形型用フレーム54と共に一方の扉52から炉体51の内
部に装入されるに際して、成形型用フレーム54に設けた
回転軸55は炉体51の対向する側壁にそれぞれ設けた水平
方向のすき間部分56から炉体51の外部に突出した状態で
装入され、スラッシュ成形型53が成形型用フレーム54と
共に所定の位置に来たところで回転軸55と炉体51の外側
に設けた回転装置57の出力側とが連結し、回転装置57に
よる駆動によってスラッシュ成形型53が一定した速度で
回転し、この回転の間に、炉体51の天井部分に設けたバ
ーナー58から発生する赤外線によって前記スラッシュ成
形型53を加熱する構造を有するものである。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のスラッシュ成形法にお
いてスラッシュ成形型を加熱するのに用いられる加熱炉
50では、バーナー58の出力が一定したものとなっている
こと、また、スラッシュ成形型53の回転速度も一定した
ものになっていること、さらにはバーナー58の出力とス
ラッシュ成形型53の回転速度とはそれぞれ個別に定めら
れていて特に関連づけがなされないものとなっていたこ
と、などのため、第4図に相対的に、(すなわち、スラ
ッシュ成形型53が固定で且つバーナー58が軌跡58aに沿
って回転するものとして)示すように、スラッシュ成形
型53の加熱を受けやすい箇所と受け難い箇所とが生じて
これらの部分で温度の上昇速度が異なることとなるので
スラッシュ成形型53に部分的な温度差を生じることがあ
り、それが原因でパウダースラッシュ成形法による樹脂
皮膜の成形において当該樹脂皮膜の肉厚にばらつきが発
生することがあるという課題を有していた。また、樹脂
皮膜の肉厚のばらつき発生を抑制するためにスラッシュ
成形型の温度差が小さくなるようにするためには、スラ
ッシュ成形型を必要温度以上に過熱したのち成形温度ま
で冷却し、スラッシュ成形型の熱伝導を利用してこのス
ラッシュ成形型の温度が均一となるようにする工程が必
要となることから、成形サイクル時間が長くなるという
課題もあった。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、スラッシュ成形型に対する加熱をを短時間の
うちにしかも均一に行うことが可能であり、スラッシュ
成形型の加熱サイクル時間の短縮化を実現することが可
能であるスラッシュ成形型の加熱方法を提供することを
目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) この発明は、加熱源により加熱したスラッシュ成形型の
型面に樹脂パウダーを供給して溶融しそして固化させる
ことにより樹脂成形品を得るパウダースラッシュ成形法
において、前記加熱源の出力と前記スラッシュ成形型の
回転(正方向および/または負方向における回転速度お
よび回転角度を含む。)とをそれぞれ調整可能とし、前
記加熱源の出力調整とスラッシュ成形型の回転調整とを
制御装置により連動して制御しつつ前記スラッシュ成形
型の加熱を行うようにしたことを特徴としており、この
ようなスラッシュ成形型の加熱方法の構成を上述した従
来の課題を解決するための手段としている。 この発明に係るスラッシュ成形型の加熱方法において、
スラッシュ成形型を加熱するための加熱源としては、通
常はガスバーナーが用いられるが、とくにこれに限定は
されない。 また、樹脂パウダーについてもとくに限定されず、この
種の例えば樹脂製表皮よりなる樹脂成形品の素材として
用いられるものが適用される。 そして、前記加熱源の出力を調整可能とするに際して
は、前記例示したガスバーナーの場合には、ガスバーナ
ーへのガス供給路に設けたガスコントロールバルブの開
度を変えることによってなされ、他の種類の加熱源を用
いる場合には、それぞれ加熱源に対応した調整手段が用
いられる。 一方、スラッシュ成形型の回転(回転速度,回転角度
等)を調整可能とするに際しては、例えばスラッシュ成
形型の回転駆動源としてインバーターモータやサーボモ
ータなどの回転速度,回転角度および回転方向の調整が
可能であるものを使用すると共に、スラッシュ成形型の
回転速度,回転角度および回転方向を検出するためのエ
ンコーダーなどの回転センサを用いる。 そして、スラッシュ成形型の例えば複数箇所に温度セン
サを設けて、加熱源により加熱されるスラッシュ成形型
の加熱部分の温度を複数箇所に分けてそれぞれ同時にな
いしは順次に測定し、温度センサからの温度情報に応じ
て該当箇所毎に加熱源の出力調整とスラッシュ成形型の
回転調整とを制御回路によって連動制御することにより
行い、複数箇所毎にそれぞれ最適の条件で加熱を行うこ
とによって、スラッシュ成形型に対する加熱を過不足な
く均一にそして短時間のうちに行うようにする。 (発明の作用) この発明に係るスラッシュ成形型の加熱方法では、加熱
源の出力とスラッシュ成形型の正方向および/または負
方向における回転(回転速度や回転角度)とをそれぞれ
調整可能とし、前記加熱源の出力調整とスラッシュ成形
型の回転調整とを連動して制御しつつ前記スラッシュ成
形型の加熱を行うようにしたから、スラッシュ成形型の
例えば複数箇所に設けた温度センサによりそれぞれ温度
測定を行って複数箇所毎に制御された加熱を行うように
し、例えばスラッシュ成形型の第1ゾーンにおける実際
の温度が設定温度よりも低いときには例えば前記ガスコ
ントロールバルブの開度をより大きくすることにより加
熱源の出力を増大すると共に回転駆動源によるスラッシ
ュ成形型の回転速度を適宜落として十分に加熱する。ま
た、スラッシュ成形型の温度が所定値以上の適切なもの
であれば加熱源の出力を低下させると共にスラッシュ成
形型をより速く回転させて次の第2ゾーンへの加熱に移
り、スラッシュ成形型の形状によって第1ゾーンの加熱
時に第2ゾーンの温度も所定値以上の適切なものとなっ
ていれば次の第3ゾーンの加熱に移行し、第2ゾーンの
温度が所定値よりも低いときには例えばガスコントロー
ルバルブの開度より大きなものとして加熱源の出力を増
大すると共に回転駆動源によるスラッシュ成形型の回転
速度を落として十分に加熱するというように、スラッシ
ュ成形型を複数のゾーンに分けてそれぞれに適した条件
で加熱を行うようにすることによって、スラッシュ成形
型の形状による過熱されやすい部分の加熱を省略ないし
は短時間のうちに終えると共に、スラッシュ成形型の形
状により加熱されにくい部分の加熱を十分に行うという
ようにし、加熱源の出力とスラッシュ成形型の回転とを
連動して制御しながらスラッシュ成形型の加熱を行う。 (実施例) 第1図はこの発明に係るスラッシュ成形型の加熱方法の
一実施例を示し、加熱炉を中心にしてスラッシュ成形型
加熱方法の全体的な系統を示している。 第1図に示すように、加熱炉1の炉体2の対向する部分
には扉3,3が設けてあると共にスラッシュ成形型4は成
形型用フレーム5に取り付けてあり、スラッシュ成形型
4が成形型用フレーム5と共に一方の扉3から炉体2の
内部に装入されるに際して、成形型用フレーム5に設け
た回転軸6は炉体2の対向する側壁にそれぞれ設けた水
平方向のすき間部分7から炉体2の外部に突出した状態
で装入され、スラッシュ成形型4が成形型用フレーム5
と共に所定の位置に来たとろこで回転軸6と炉体2の外
側に設けた回転装置(この実施例ではサーボモータ)8
の出力側とが連結し、回転装置8による駆動によってス
ラッシュ成形型4が回転するようになっており、回転装
置8の回転速度,回転角度および回転方向は回転センサ
(この実施例ではエンコーダー)9によって検出される
ようになっている。さらに、炉体2の天井部分に加熱源
としてバーナー11を設けており、このバーナー11の出力
は、ガス供給管12の途中に設けた燃料コントロールバル
ブであるガスコントロールバルブ13の開度を増減するこ
とによって調整されるようになっている。さらにまた、
スラッシュ成形型4はこれを三つのゾーンに分けてそれ
ぞれに温度センサ14(14a,14b,14c)を備えている。 そして、温度センサ14(14a,14b,14c)によって検出さ
れたスラッシュ成形型4の各ゾーン毎の温度情報および
回転センサ9によって検出された回転装置8の回転情報
はともに制御装置(プログラマブルコントローラー)15
に入力されるようになっており、また、この制御装置15
から出力される制御指令は、バーナー11の出力を調整す
るためにガスコントロールバルブ13の制御系に入力され
ると共に、スラッシュ成形型4の回転(回転速度,回転
角度,回転方向)を調整するために回転装置8の駆動系
に入力されるようになっており、バーナー11の出力調整
とスラッシュ成形型4の回転調整とが制御装置15を通し
て連動して行われるようになっている。 そこで、スラッシュ成形型4の加熱を行うに際しては、
制御装置15で処理されるフローチャートを第2図に示す
ように、ステップ21において、各ゾーン毎に設けた温度
センサ14(14a,14b,14c)により、各ゾーンにおけるス
ラッシュ成形型4の温度を測定し、ステップ22におい
て、各ゾーン毎に設定した温度tiと設定温度Tとを比較
する。 そして、実測温度tiが設定温度Tよりも低いとき(すな
わち、ti<Tのとき)は、ステップ23において、制御装
置15内のプログラマブルコントローラを作動させること
によって回転装置(サーボモータ)8の回転速度を遅く
すると共にガスコントロールバルブ13の開度を大きくし
てバーナー11の出力を増大する。 そして、各ゾーン毎の温度を測定すると共にスラッシュ
成形型4の回転およびバーナー11の出力を調整し、ステ
ップ24においては各ゾーン毎の温度(t1・・・ti)と設
定温度(T)とを比較し、各ゾーンの1箇所でも設定温
度(T)よりも低いとき(すなわち、t1・・・ti<Tの
とき)がある場合には再度コントローラ23においてスラ
ッシュ成形型4の回転およびバーナー11の出力を連動し
て調整しながら再度加熱を行い、すべてのゾーンにおい
て温度が設定温度以上であるとき(すなわち、t1・・・
ti≧Tであるとき)言いかえればスラッシュ成形型4の
温度がすべての部分で均一になっているときに、スラッ
シュ成形型4を成形型用フレーム5と共に加熱炉1の外
部に取り出し、その後樹脂パウダーを供給して溶融させ
たのち冷却することによって肉厚が均一な樹脂皮膜を得
る。
【発明の効果】
この発明に係るスラッシュ成形型の加熱方法では、加熱
源の出力とスラッシュ成形型の回転とをそれぞれ調整可
能とし、前記加熱源の出力調整とスラッシュ成形型の回
転調整とを連動して制御しつつ前記スラッシュ成形型の
加熱を行うようにしたから、スラッシュ成形型に対する
加熱を短時間のうちにしかも均一に行うことが可能であ
り、加熱されたスラッシュ成形型に樹脂パウダーを供給
して溶融しそして固化させることにより得られた樹脂成
形品の肉厚を均一なものにすることができ、樹脂成形品
の品質向上、樹脂パウダーの歩留り向上を実現すること
が可能であると共に、スラッシュ成形型を成形温度以上
に過熱したのち冷却してスラッシュ成形型の温度を均一
化するという工程をとる必要がないため消費エネルギー
のより一層の節約ならびに樹脂成形品の成形サイクル時
間の短縮を実現することが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るスラッシュ成形型の加熱方法の
一実施例において用いられる加熱炉の縦断面と制御系統
を示す説明図、第2図は制御装置による制御手順を示す
フローチャート、第3図は従来のスラッシュ成形型の加
熱方法において用いられる加熱炉の縦断面図、第4図は
加熱源による加熱方向とスラッシュ成形型への加熱状況
を示す説明図である。 1……加熱炉、4……スラッシュ成形型、8……回転装
置、9……回転センサ、11……加熱源(バーナー)、13
……燃料コントロールバルブ、14……温度センサ、15…
…制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱源により加熱したスラッシュ成形型の
    型面に樹脂パウダーを供給して溶融しそして固化させる
    ことにより樹脂成形品を得るパウダースラッシュ成形法
    において、前記加熱源の出力と前記スラッシュ成形型の
    回転とをそれぞれ調整可能とし、前記加熱源の出力調整
    とスラッシュ成形型の回転調整とを連動して制御しつつ
    前記スラッシュ成形型の加熱を行うことを特徴とするス
    ラッシュ成形型の加熱方法。
JP3829089A 1989-02-20 1989-02-20 スラッシュ成形型の加熱方法 Expired - Lifetime JPH0669694B2 (ja)

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JP2809593B2 (ja) * 1994-07-29 1998-10-08 三ツ星ベルト株式会社 パウダスラッシュ成形方法
TR200101278T2 (tr) * 1999-05-03 2001-12-21 Hobas Engineering Ag Santrifüjlü döküm prosesi ile boru üretimine yönelik tesis
DE102012217763A1 (de) * 2012-09-28 2014-04-03 Institut für Polymertechnologien e.V. Messanordnung und Messverfahren für eine Rotationsformanlage

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