JPH0669480B2 - 水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液 - Google Patents
水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液Info
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- JPH0669480B2 JPH0669480B2 JP2065560A JP6556090A JPH0669480B2 JP H0669480 B2 JPH0669480 B2 JP H0669480B2 JP 2065560 A JP2065560 A JP 2065560A JP 6556090 A JP6556090 A JP 6556090A JP H0669480 B2 JPH0669480 B2 JP H0669480B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、骨欠損部及び骨空隙部を充填するための医科
用セメント並びに歯牙根管部充填剤等の歯科用セメント
として利用可能な水硬性リン酸カルシウムセメント硬化
液に関する。
用セメント並びに歯牙根管部充填剤等の歯科用セメント
として利用可能な水硬性リン酸カルシウムセメント硬化
液に関する。
<従来の技術> 水硬性リン酸カルシウムセメントは、凝結硬化によって
生体内の歯及び歯の主成分に近似した化合物に転化する
ために、歯及び骨の修復材料として有用であり、更には
生体高分子や生体中の有害な有機物又は無機物イオンの
吸着剤として有用なものであることが知られている。
生体内の歯及び歯の主成分に近似した化合物に転化する
ために、歯及び骨の修復材料として有用であり、更には
生体高分子や生体中の有害な有機物又は無機物イオンの
吸着剤として有用なものであることが知られている。
前記水硬性リン酸カルシウムセメントの硬化液として
は、例えば塩類及び希薄酸を組合せた硬化液(特開昭59
−88351号公報)、不飽和カルボン酸を含有する酸性溶
液を用いた硬化液(特開昭60−253454号公報)等が提案
されている。
は、例えば塩類及び希薄酸を組合せた硬化液(特開昭59
−88351号公報)、不飽和カルボン酸を含有する酸性溶
液を用いた硬化液(特開昭60−253454号公報)等が提案
されている。
しかしながら、前記水硬性リン酸カルシウムセメントの
硬化液は、酸を含有するため、セメントを硬化させる際
に生体に対してかなりの刺激を及ぼすという欠点があ
る。
硬化液は、酸を含有するため、セメントを硬化させる際
に生体に対してかなりの刺激を及ぼすという欠点があ
る。
そこでこのような欠点を解決するために、例えば水によ
り硬化する水硬性リン酸カルシウムセメント組成物が開
発されている(FC REPORT,vol.6(1988),p.475〜480
「バイオセラミックスとしての水硬性アパタイト」)。
このような水により硬化する水硬性リン酸カルシウムセ
メント組成物は、現在までに数種類開発されており、例
えば単に水と練和するのみで37℃において10分程度で硬
化する水硬性リン酸カルシウムセメント組成物(特開昭
64−37445号公報)が知られている。この水硬性リン酸
カルシウムセメント組成物は、pHもほぼ中性程度であ
り、生体に対する刺激も少なく、従来公知の水硬性リン
酸カルシウムセメント組成物の問題点を解消するもので
ある。
り硬化する水硬性リン酸カルシウムセメント組成物が開
発されている(FC REPORT,vol.6(1988),p.475〜480
「バイオセラミックスとしての水硬性アパタイト」)。
このような水により硬化する水硬性リン酸カルシウムセ
メント組成物は、現在までに数種類開発されており、例
えば単に水と練和するのみで37℃において10分程度で硬
化する水硬性リン酸カルシウムセメント組成物(特開昭
64−37445号公報)が知られている。この水硬性リン酸
カルシウムセメント組成物は、pHもほぼ中性程度であ
り、生体に対する刺激も少なく、従来公知の水硬性リン
酸カルシウムセメント組成物の問題点を解消するもので
ある。
しかしながら、前記水硬性リン酸カルシウムセメント組
成物は、水との練和時に、いわゆる湿り砂状を呈し、操
作性が悪いという欠点がある。即ち、水が少ないとボサ
ボサの状態と成り、水が多すぎると混和泥の運搬が困難
と成る。更にまた混和泥の流動性も悪いため、狭い箇所
又は複雑な形状の場所への充填が困難であるという欠点
もある。
成物は、水との練和時に、いわゆる湿り砂状を呈し、操
作性が悪いという欠点がある。即ち、水が少ないとボサ
ボサの状態と成り、水が多すぎると混和泥の運搬が困難
と成る。更にまた混和泥の流動性も悪いため、狭い箇所
又は複雑な形状の場所への充填が困難であるという欠点
もある。
更に前述の水硬性リン酸カルシウムセメント組成物の硬
化液は、pHが中性付近であるため、長期の保存に際して
カビ等の微生物が発生し、腐敗するという欠点が生ず
る。
化液は、pHが中性付近であるため、長期の保存に際して
カビ等の微生物が発生し、腐敗するという欠点が生ず
る。
<課題が解決しようとする課題> 従って本発明の目的は、生体を刺激しない中性付近のpH
値を有し、且つ長期の保存においてカビ等の発生による
腐敗が生じない水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液
を提供することにある。
値を有し、且つ長期の保存においてカビ等の発生による
腐敗が生じない水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液
を提供することにある。
本発明の別の目的は、セメントの練和時に適度な稠度及
び良好な操作性が得られる水硬性リン酸カルシウムセメ
ント硬化液を提供することにある。
び良好な操作性が得られる水硬性リン酸カルシウムセメ
ント硬化液を提供することにある。
本発明の更に別な目的は、狭い箇所又は複雑な形状の場
所であっても、確実、且つ緊密に充填することができる
ように、セメントに充分な流動性及び濡れ性を付与する
ことが可能な水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液を
提供することにある。
所であっても、確実、且つ緊密に充填することができる
ように、セメントに充分な流動性及び濡れ性を付与する
ことが可能な水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液を
提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明によれば、水硬性リン酸カルシウムセメントを硬
化させるための硬化液であって、該硬化液のpHが4.0〜1
0.0であり、且つ抗菌剤を含有することを特徴とする水
硬性リン酸カルシウムセメント硬化液が提供される。
化させるための硬化液であって、該硬化液のpHが4.0〜1
0.0であり、且つ抗菌剤を含有することを特徴とする水
硬性リン酸カルシウムセメント硬化液が提供される。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明の水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液は、特
定のpH値を有し、且つ抗菌剤を含有することを特徴とす
る。
定のpH値を有し、且つ抗菌剤を含有することを特徴とす
る。
本発明における硬化液のpHは、硬化させる水硬性リン酸
カルシウムセメントが略中性領域で水和反応して硬化す
るため、また生体に対して刺激を与えないために、pH4.
0〜10.0の範囲とする必要がある。硬化液のpHが前記範
囲外である場合には、水硬性リン酸カルシウムセメント
の硬化が著しく遅延したり、得られるセメント硬化体の
物性が低下する。前記pH値を調整するには、例えばリン
酸、クエン酸、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム
等を添加して、所望のpHとすることができる。
カルシウムセメントが略中性領域で水和反応して硬化す
るため、また生体に対して刺激を与えないために、pH4.
0〜10.0の範囲とする必要がある。硬化液のpHが前記範
囲外である場合には、水硬性リン酸カルシウムセメント
の硬化が著しく遅延したり、得られるセメント硬化体の
物性が低下する。前記pH値を調整するには、例えばリン
酸、クエン酸、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム
等を添加して、所望のpHとすることができる。
本発明の硬化液では、pH値を前記中性領域に調整するの
で、例えば長期間保存する場合には、カビ等が発生する
恐れが生じ、したがって抗菌剤を含有させる必要があ
る。該抗菌剤としては、抗菌作用を有し、且つ人体に対
する毒性が極めて低い食品添加物の保存料等を好ましく
挙げることができる。具体的には例えば安息香酸、安息
香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デ
ヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息
香酸エステル類、プロピオン酸カルシウム、プロピオン
酸ナトリウム、プロピレングリコール、エチレングリコ
ール等を挙げることができ、使用に際しては、単独若し
くは混合物として用いることができる。前記抗菌剤の含
有割合は、例えば前記プロピレングリコール、エチレン
グリコールを用いる場合には、硬化液中に3〜50重量%
含有させるのが好ましく、またその他の抗菌剤を用いる
場合には、硬化液中に0.01〜1重量%含有させるのが好
ましい。この際抗菌剤の含有割合が前記各含有割合の最
低量未満の場合には、十分な抗菌作用が発揮されず、ま
た前記各含有割合の最高量を超える場合には、人体に対
して毒性が無視できなくるので好ましくない。
で、例えば長期間保存する場合には、カビ等が発生する
恐れが生じ、したがって抗菌剤を含有させる必要があ
る。該抗菌剤としては、抗菌作用を有し、且つ人体に対
する毒性が極めて低い食品添加物の保存料等を好ましく
挙げることができる。具体的には例えば安息香酸、安息
香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デ
ヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息
香酸エステル類、プロピオン酸カルシウム、プロピオン
酸ナトリウム、プロピレングリコール、エチレングリコ
ール等を挙げることができ、使用に際しては、単独若し
くは混合物として用いることができる。前記抗菌剤の含
有割合は、例えば前記プロピレングリコール、エチレン
グリコールを用いる場合には、硬化液中に3〜50重量%
含有させるのが好ましく、またその他の抗菌剤を用いる
場合には、硬化液中に0.01〜1重量%含有させるのが好
ましい。この際抗菌剤の含有割合が前記各含有割合の最
低量未満の場合には、十分な抗菌作用が発揮されず、ま
た前記各含有割合の最高量を超える場合には、人体に対
して毒性が無視できなくるので好ましくない。
本発明の硬化液では、セメントの練和時に適度な稠度及
び良好な操作性を発揮させたり、セメント泥に充分な流
動性や濡れ性を付与する目的のために、更に水溶性高分
子を含有させることができる。該水溶性高分子として
は、生体高分子である多糖類や、高分子の界面活性剤等
を好ましく挙げることができる。具体的には、例えばキ
チン、キトサン、溶性デンプン、グリコーゲン、アラビ
アゴム、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸及びこれらの塩、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等を挙げることができ、使用に際
しては単独若しくは混合物として用いることができる。
前記水溶性高分子の含有量は、前記目的を達成するため
に必要な最低量から、粘度の増加によって操作性を損な
うことのない最高量までの範囲で用いることができる。
び良好な操作性を発揮させたり、セメント泥に充分な流
動性や濡れ性を付与する目的のために、更に水溶性高分
子を含有させることができる。該水溶性高分子として
は、生体高分子である多糖類や、高分子の界面活性剤等
を好ましく挙げることができる。具体的には、例えばキ
チン、キトサン、溶性デンプン、グリコーゲン、アラビ
アゴム、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸及びこれらの塩、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等を挙げることができ、使用に際
しては単独若しくは混合物として用いることができる。
前記水溶性高分子の含有量は、前記目的を達成するため
に必要な最低量から、粘度の増加によって操作性を損な
うことのない最高量までの範囲で用いることができる。
本発明の水硬性リン酸カルシウムセメント用硬化液を調
製するには、例えば前記抗菌剤を添加し、pHを調整して
水溶液とするか、または前記抗菌剤に、更に前記水溶性
高分子等を添加し、pHを調整して水溶液とすることによ
り得ることができる。
製するには、例えば前記抗菌剤を添加し、pHを調整して
水溶液とするか、または前記抗菌剤に、更に前記水溶性
高分子等を添加し、pHを調整して水溶液とすることによ
り得ることができる。
本発明の硬化液により硬化させることができるセメント
は、水硬性リン酸カルシウムセメントであって、例え
ば、α型第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウ
ム、β型第3リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイ
ト、第2リン酸カルシウム・2水和物、第1リン酸カル
シウム・1水和物及びこれらの混合物等から成る群より
選択される水硬性リン酸カルシウムを主成分とするセメ
ント等を好ましく挙げることができる。更に具体的には
α型第3リン酸カルシウムと、第2リン酸カルシウム・
2水和物又は第1リン酸カルシウム・1水和物との混合
物、第4リン酸カルシウムと、第2リン酸カルシウム・
2水和物又は第1リン酸カルシウム・1水和物との混合
物、β型第3リン酸カルシウム又はヒドロキシアパタイ
トと、第1リン酸カルシウム・1水和物との混合物等を
主成分として含み、必要に応じて、ヒドロキシアパタイ
ト、β型第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウ
ム、フッ素アパタイト等を含有させた水硬性リン酸カル
シウムセメント、更には、該セメント粉自体にX線造影
性、抗菌性を付与するために、例えば硫酸バリウム、塩
基性炭酸ビスマス等のX線造影剤、ヨードホルム、クロ
ルヘキシジン等の抗菌剤を含有させた水硬性リン酸カル
シウムセメント等を用いることができる。
は、水硬性リン酸カルシウムセメントであって、例え
ば、α型第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウ
ム、β型第3リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイ
ト、第2リン酸カルシウム・2水和物、第1リン酸カル
シウム・1水和物及びこれらの混合物等から成る群より
選択される水硬性リン酸カルシウムを主成分とするセメ
ント等を好ましく挙げることができる。更に具体的には
α型第3リン酸カルシウムと、第2リン酸カルシウム・
2水和物又は第1リン酸カルシウム・1水和物との混合
物、第4リン酸カルシウムと、第2リン酸カルシウム・
2水和物又は第1リン酸カルシウム・1水和物との混合
物、β型第3リン酸カルシウム又はヒドロキシアパタイ
トと、第1リン酸カルシウム・1水和物との混合物等を
主成分として含み、必要に応じて、ヒドロキシアパタイ
ト、β型第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウ
ム、フッ素アパタイト等を含有させた水硬性リン酸カル
シウムセメント、更には、該セメント粉自体にX線造影
性、抗菌性を付与するために、例えば硫酸バリウム、塩
基性炭酸ビスマス等のX線造影剤、ヨードホルム、クロ
ルヘキシジン等の抗菌剤を含有させた水硬性リン酸カル
シウムセメント等を用いることができる。
本発明の水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液を使用
するには、前記水硬性リン酸カルシウムセメントに硬化
液を添加し、練和することにより用いることができ、該
セメントは、中性付近で水和反応し、ヒドロキシアパタ
イト、オクタカルシウムホスフェート、第2リン酸カル
シウム・2水和物等を生成して硬化する。
するには、前記水硬性リン酸カルシウムセメントに硬化
液を添加し、練和することにより用いることができ、該
セメントは、中性付近で水和反応し、ヒドロキシアパタ
イト、オクタカルシウムホスフェート、第2リン酸カル
シウム・2水和物等を生成して硬化する。
<発明の効果> 本発明の水硬性リン酸カルシウムセメント用硬化液は、
pHが中性付近であり、かつ抗菌剤を含有しているため、
生体を刺激せず、長期の保存が可能である。又必要に応
じて水溶性高分子を含有させることにより、水硬性リン
酸カルシウムセメントの混和時の操作性や、セメント泥
の流動性、濡れ性等を向上させることができる。
pHが中性付近であり、かつ抗菌剤を含有しているため、
生体を刺激せず、長期の保存が可能である。又必要に応
じて水溶性高分子を含有させることにより、水硬性リン
酸カルシウムセメントの混和時の操作性や、セメント泥
の流動性、濡れ性等を向上させることができる。
<実施例> 以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 抗菌剤として安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウ
ム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム
又はプロピオン酸ナトリウムを硬化液に対して0.1重量
%、またプロピレングリコール又はエチレングリコール
を硬化液に対して20重量%、更にまた水に溶けにくい安
息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、パラオキシ安息香
酸エチル又はパラオキシ安息香酸プロピルを硬化液に対
して0.03重量%となるようにプロピレングリコールに溶
解し、該調整したプロピレングリコールを10重量%夫々
水に添加した。次いでクエン酸又は炭酸水素ナトリウム
によりpHを7.0に調整して12種類の水硬性リン酸カルシ
ウムセメント硬化液を調製した。また、これらの硬化液
にコンドロイチン硫酸ナトリウム及びポリエチレングリ
コールを夫々硬化液に対して10重量%、20重量%となる
ように更に添加し、クエン酸又は炭酸ナトリウムにより
pHを7.0に調整して24種類の水硬性リン酸カルシウムセ
メント硬化液を調製した。得られた36種類の硬化液を6
カ月間、37℃、湿度100%の恒温恒湿器中に保存した
後、微生物の発生を目視で観察した。その結果微生物の
発生は認められなかった。
ム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム
又はプロピオン酸ナトリウムを硬化液に対して0.1重量
%、またプロピレングリコール又はエチレングリコール
を硬化液に対して20重量%、更にまた水に溶けにくい安
息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、パラオキシ安息香
酸エチル又はパラオキシ安息香酸プロピルを硬化液に対
して0.03重量%となるようにプロピレングリコールに溶
解し、該調整したプロピレングリコールを10重量%夫々
水に添加した。次いでクエン酸又は炭酸水素ナトリウム
によりpHを7.0に調整して12種類の水硬性リン酸カルシ
ウムセメント硬化液を調製した。また、これらの硬化液
にコンドロイチン硫酸ナトリウム及びポリエチレングリ
コールを夫々硬化液に対して10重量%、20重量%となる
ように更に添加し、クエン酸又は炭酸ナトリウムにより
pHを7.0に調整して24種類の水硬性リン酸カルシウムセ
メント硬化液を調製した。得られた36種類の硬化液を6
カ月間、37℃、湿度100%の恒温恒湿器中に保存した
後、微生物の発生を目視で観察した。その結果微生物の
発生は認められなかった。
比較例1 コンドロイチン硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社
製)を、水に対し10重量%となるように混合した。この
液のpHは炭酸水素ナトリウムを添加してpH7.0に調整し
た。またポリエチレングリコール(分子量20000,和光純
薬工業株式会社製)を、水に対し20重量%となるように
混合した。この液のpHは7.0であった。得られたこれら
の水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液に抗菌剤を添
加することなく、37℃恒温恒湿器中に保存し、微生物の
発生を観察したところ、10日目に目視で観察し得る程度
の微生物が発生した。
製)を、水に対し10重量%となるように混合した。この
液のpHは炭酸水素ナトリウムを添加してpH7.0に調整し
た。またポリエチレングリコール(分子量20000,和光純
薬工業株式会社製)を、水に対し20重量%となるように
混合した。この液のpHは7.0であった。得られたこれら
の水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液に抗菌剤を添
加することなく、37℃恒温恒湿器中に保存し、微生物の
発生を観察したところ、10日目に目視で観察し得る程度
の微生物が発生した。
実施例2 コンドロイチン硫酸ナトリウム(和光純薬株式会社製)
を、硬化液に対し10重量%となるように、また抗菌剤と
してプロピレングリコールを硬化液に対し20重量%とな
るように夫々水に混合した。次いで得られた溶液のpHを
クエン酸、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムを
加えることにより、pH4.0,5.0,6.0,7.0,8.0,9.0及び10.
0の7種類の水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液を
調製した。
を、硬化液に対し10重量%となるように、また抗菌剤と
してプロピレングリコールを硬化液に対し20重量%とな
るように夫々水に混合した。次いで得られた溶液のpHを
クエン酸、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムを
加えることにより、pH4.0,5.0,6.0,7.0,8.0,9.0及び10.
0の7種類の水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液を
調製した。
次いで、得られた夫々の硬化液をα型第3リン酸カルシ
ウムと第2リン酸カルシウム・2水和物(Ca/pモル比
1.45)、第4リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウム
・2水和物(Ca/pモル比1.67)、α型第3リン酸カル
シウムと第1リン酸カルシウム・1水和物(Ca/pモル
比1.48)又はヒドロキシアパタイトと第1リン酸カルシ
ウム・1水和物(Ca/pモル比1.33)の夫々の水硬姓リ
ン酸カルシウムセメントと練和して硬化時間を測定し
た。その結果何等の硬化液においても全てのセメントを
短時間にて硬化させることができ、特にpH5〜9の硬化
液を用いた場合に硬化時間を最も短くすることができ
た。
ウムと第2リン酸カルシウム・2水和物(Ca/pモル比
1.45)、第4リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウム
・2水和物(Ca/pモル比1.67)、α型第3リン酸カル
シウムと第1リン酸カルシウム・1水和物(Ca/pモル
比1.48)又はヒドロキシアパタイトと第1リン酸カルシ
ウム・1水和物(Ca/pモル比1.33)の夫々の水硬姓リ
ン酸カルシウムセメントと練和して硬化時間を測定し
た。その結果何等の硬化液においても全てのセメントを
短時間にて硬化させることができ、特にpH5〜9の硬化
液を用いた場合に硬化時間を最も短くすることができ
た。
比較例2 硬化液のpHを3.0と11.0にした以外は、実施例2と同様
に硬化液を得、夫々の水硬性リン酸カルシウムセメント
と練和して硬化時間を測定した。その結果硬化時間は実
施例2に比して著しく遅延していた。
に硬化液を得、夫々の水硬性リン酸カルシウムセメント
と練和して硬化時間を測定した。その結果硬化時間は実
施例2に比して著しく遅延していた。
実施例3 抗菌剤としてプロピレングリコールを硬化液に対して20
重量%含む溶液に、水溶性高分子として、水溶性デンプ
ン、グリコーゲン又はアラビアゴム(以上和光純薬工業
株式会社製)夫々を硬化液に対して20重量%、コンドロ
イチン硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を硬
化液に対して10重量%、ヒアルロン酸(和光純薬工業株
式会社製)を硬化液に対して1重量%、分子量6000のポ
リエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)を硬
化液に対して30重量%、重合度1750のポリビニルアルコ
ール(東京化成株式会社製)を硬化液に対して5重量
%、粘度4000のメチルセルロース(信越科学株式会社
製)を硬化液に対して2重量%、カルボキシメチルセル
ロース(標準品、和光純薬株式会社製)を硬化液に対し
て2重量%及び粘度4000のヒドロキシメチルセルロース
(信越化学株式会社製)を硬化液に対して2重量%を夫
々溶解した後、夫々の溶液のpHをクエン酸又は炭酸水素
ナトリウムにより7.0に調整し、硬化液を得た。得られ
た硬化液を用いて、実施例2で使用した水硬性リン酸カ
ルシウムセメントの夫々を硬化させた。その結果いずれ
の組合せにおいても水硬性リン酸カルシウムセメントの
混和時の操作性及び練和時の流動性や濡れ性が特に優れ
ていた。
重量%含む溶液に、水溶性高分子として、水溶性デンプ
ン、グリコーゲン又はアラビアゴム(以上和光純薬工業
株式会社製)夫々を硬化液に対して20重量%、コンドロ
イチン硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を硬
化液に対して10重量%、ヒアルロン酸(和光純薬工業株
式会社製)を硬化液に対して1重量%、分子量6000のポ
リエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)を硬
化液に対して30重量%、重合度1750のポリビニルアルコ
ール(東京化成株式会社製)を硬化液に対して5重量
%、粘度4000のメチルセルロース(信越科学株式会社
製)を硬化液に対して2重量%、カルボキシメチルセル
ロース(標準品、和光純薬株式会社製)を硬化液に対し
て2重量%及び粘度4000のヒドロキシメチルセルロース
(信越化学株式会社製)を硬化液に対して2重量%を夫
々溶解した後、夫々の溶液のpHをクエン酸又は炭酸水素
ナトリウムにより7.0に調整し、硬化液を得た。得られ
た硬化液を用いて、実施例2で使用した水硬性リン酸カ
ルシウムセメントの夫々を硬化させた。その結果いずれ
の組合せにおいても水硬性リン酸カルシウムセメントの
混和時の操作性及び練和時の流動性や濡れ性が特に優れ
ていた。
Claims (2)
- 【請求項1】水硬性リン酸カルシウムセメントを硬化さ
せるための硬化液であって、該硬化液のpHが4.0〜10.0
であり、且つ抗菌剤を含有することを特徴とする水硬性
リン酸カルシウムセメント硬化液。 - 【請求項2】前記硬化液が、更に水溶性高分子を含有す
ることを特徴とする請求項1記載の水硬性リン酸カルシ
ウムセメント硬化液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2065560A JPH0669480B2 (ja) | 1990-03-17 | 1990-03-17 | 水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2065560A JPH0669480B2 (ja) | 1990-03-17 | 1990-03-17 | 水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03267067A JPH03267067A (ja) | 1991-11-27 |
JPH0669480B2 true JPH0669480B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=13290516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2065560A Expired - Lifetime JPH0669480B2 (ja) | 1990-03-17 | 1990-03-17 | 水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0669480B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019234633A1 (en) | 2018-06-06 | 2019-12-12 | 3M Innovative Properties Company | Two-part dental sealant, method of applying with a syringe device, and kit |
CN110934750A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-03-31 | 广州润虹医药科技股份有限公司 | 一种治疗牙髓炎或牙尖周炎的根管填充剂及其制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6219508A (ja) * | 1985-07-18 | 1987-01-28 | Sankin Kogyo Kk | 歯科用根管充填材 |
JPH0793941B2 (ja) * | 1986-03-12 | 1995-10-11 | 三金工業株式会社 | 生体硬組織修復材料の製法 |
JPH0677598B2 (ja) * | 1987-12-28 | 1994-10-05 | 旭光学工業株式会社 | リン酸カルシウム系硬化体の製造用複合組成物及び硬化体の製造方法 |
-
1990
- 1990-03-17 JP JP2065560A patent/JPH0669480B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03267067A (ja) | 1991-11-27 |
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