JPH0669339U - ガスタービンプラント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスタービンプラントから出る比較的高温空
気、排熱を、脱硝装置の放熱防止に供する。 【構成】 圧縮機３から出る比較的高温空気、外被12か
ら出る排熱を、脱硝装置８の放熱防止に供するため、脱
硝装置８の後流側に送気ダクト15ａを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、圧縮機、燃焼器、ガスタービンから出る放熱を有効活用するガス タービンプラントに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ガスタービンプラントは、急速起動・停止の特性を備える一方、高い排熱を大 気に放出しているなどの点に着目し、他の原動機、例えば蒸気タービンと組合せ たコンバインドサイクル発電に適用されるようになってきており、その代表的な 構成例は図４に示すものがある。

【０００３】 全体を符号１で示すガスタービンプラントは、共通軸で結ばれたターニング装 置18、発電機６、圧縮機３、ガスタービン５を有する。圧縮機３とガスタービン ５とは燃焼器４を介装して結ばれている。ガスタービン５の出口は、アンモニア 注入装置９、脱硝装置８を介装する排気ダクト７を備え、この排気ダクト７は煙 突11に結ばれている。一方、圧縮機３は、空気取入部２を備えるとともに、放風 弁16を介装して前記排気ダクト７に結ぶ放風管17を備えている。

【０００４】 また、ガスタービンプラント１は、圧縮機３、燃焼器４、ガスタービン５を覆 設し、放熱を効果的にしゃ熱する外被12を備えており、この外被12は入口部14と 換気効果を高める換気ファン13を有する換気ダクト15を備えている。

【０００５】 上記構成のガスタービンプラント１は、空気取入部２からの空気を圧縮機３に 導き、ここで高圧空気にして燃焼器４に送り出す。燃焼器４は、高圧空気に燃料 が加えられて燃焼ガスを作り出し、その燃焼ガスをガスタービン５に送り、ここ で膨張仕事し、その回転トルクを発電機６に与え、電気出力を出している。

【０００６】 ガスタービン５で膨張仕事をした燃焼ガスは、排熱として排気ダクト７に送ら れ、アンモニア注入装置９からアンモニアが加えられ、さらに脱硝装置８で窒素 酸化物の発生が抑制され、大気汚染物を除去して煙突10から大気に送り出してい る。

【０００７】 ところで、上述作動は、ガスタービンプラント１の定格運転中の説明であるが 、起動運転は次の作動をしている。 起動運転時、圧縮機３、ガスタービン５のウォーミングを兼ねた、いわゆるア イドル運転が行なわれている。このアイドル運転は、ターニング装置18からの回 転トルクが圧縮機３、ガスタービン５に与えられている。また、圧縮機３、ガス タービン５の昇速過程において、圧縮機３はサージを起すので、放風弁16が開口 されており、過剰空気は放風管17を経て排気ダクト７に送り出している。

【０００８】 一方、ガスタービンプラント１が定格運転に至ると、圧縮機３、燃焼器４、ガ スタービン５から放熱されるので、外被12は入口部14から空気を採り入れ、室内 換気後、換気ファン13を経て換気ダクト15から大気に送り出している。なお、外 被12は、圧縮機３、ガスタービン５から出る騒音の防音の役目も果たしている。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、ガスタービンプラント１は、起動、停止運転時間が蒸気タービンに くらべて、極めて短いこともあって、起動、停止運転から再度の起動、停止運転 の繰り返しが頻繁に行なわれている。特に、停止過程においても、ガスタービン ５の部品変形防止を意図してターニング装置18からの回転トルクがガスタービン ５に与えられ、アイドル運転が行なわれており、この間、圧縮機３の残留空気を 放風管17を経て排気ダクト７に送り出している。

【００１０】 このような運転状況下、ガスタービンプラント１で生成された空気、排熱は、 運転停止後、外被12を通じて、また排気ダクト７を通じて全て外気に放出されて おり、エネルギ損失の一つになっている。また、ガスタービンプラント１が停止 から再び運転する場合、排気ダクト７内の脱硝装置８は冷態にあるが、周知のよ うに、脱硝装置８が触媒的機能を果たす排熱温度は 850℃前後で最高脱硝効率に なっていることからして事前に昇温させておく必要がある。特に、ガスタービン プラント１の起動過程中、脱硝装置８はＮＯｘの抑制にほとんど寄与していない ため、ＮＯｘは過量に発生している。

【００１１】 この考案は、このような事情にもとづき、今迄、大気に放出していた空気、排 熱を、脱硝装置の予熱昇温に有効利用を図ることによってガスタービンプラント から出るＮＯｘの抑制を一段と高めるようにしたガスタービンプラントを公表す ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

この考案は、外被により覆設された圧縮機、燃焼器、ガスタービンを備え、前 記圧縮機には外気に連通する放風管を、また前記ガスタービンには外気に連通す る排気ダクトを備える一方、前記外被に換気ファンを備えてなるガスタービンプ ラントにおいて、前記排気ダクトに配設する脱硝装置の後流側には前記放風管お よび換気ファンを共通路で結ぶ送気ダクトを設けたものである。

【００１３】

【作用】

この考案にかかる構成では、圧縮機や外被から出る空気、排熱を、脱硝装置の 後流側の送気ダクトに送り出し、ここでエアーカーテン方式にして脱硝装置の放 熱防止または予熱をしている。したがって、脱硝装置は、ＮＯｘ抑制の対応に今 以上早くなる。

【００１４】

【実施例】

この考案にかかるガスタービンプラントの実施例を添付図を参照して説明する 。なお、図４に示す構成部品と同一部品には同一符号を付して重複説明を省略す る。

【００１５】 図１は、この考案にかかるガスタービンプラントの構成を示す概略図で、圧縮 機３、燃焼器４、ガスタービン５、排気ダクト７は、外被12で包囲し、しゃ熱、 防音している。圧縮機３から延びた放風管17は、放風弁16、逆止弁19を介装して 点Ｐに至り、ここで外被12から延び、換気ファン13を介装する換気ダクト15と合 流し、合流後は送気ダクト15ａとして脱硝装置８の後流側に結ばれている。

【００１６】 このような構成にかかる作用説明に先立ち、ガスタービンプラントの停止から 再運転のモードを説明する。 図２は、縦軸にガスタービン軸の回転数、外被の換気流量、放風弁の開度、圧 縮機の放風流量を示し、横軸に時間を示すモード線図である。

【００１７】 ガスタービン軸が停止すると、自力回転による慣性力がなくなり、ガスタービ ン回転数20はゼロに降下する。このためターニング装置の回転トルクによりガス タービン軸は再度、昇速し、クールダウン運転に入る。このクールダウン運転は 、ガスタービン軸等のタービン部品を温度差による永久変形等から防止するため のものであり、この間、経時的な冷却が行なわれる。クールダウン運転が終ると 、ガスタービン軸は停止するが、それでもガスタービンの残熱を時間経過ととも に徐々に冷却するため再びターニング装置によってアイドル運転が行なわれてい る。アイドル運転が終ると、ガスタービン軸は完全に停止、次の起動まで待機し ている。

【００１８】 上記ガスタービン軸の停止モードに際し、図１に示す外被12から送気ダクト15 ａに送られる換気21は、アイドル運転終了まで続けられており、この換気特性21 は排気ダクト７の脱硝装置８の後流側に、いわゆるエアーカーテンとして供され ている。したがって、脱硝装置８から煙突10に向かう放熱は阻止される。

【００１９】 一方、ガスタービン軸の回転数降下中、図１に示す放風弁16の開度特性23は開 口し、その開口状態は次の起動運転まで続いている。この間、圧縮機３からはサ ージ防止のために送気ダクト15ａに送り出す放風流量が図２の如く特性22にして 出、さらに次の運転の起動中にも図示の特性にして放風流量が送気ダクト15ａに 送り出している。したがって、送気ダクト15ａでは先の換気流量と放風流量とが 合流し、ここから脱硝装置８の後流側に供され、この時点でその量が増加するた め、脱硝装置８から煙突10への放熱はより一層確実に防ぐことができる。

【００２０】 図３は、ガスタービンプラントからの空気・排熱の有効活用をコンバインドサ イクル発電にも適用した応用例を示す概略図である。 コンバインドサイクル発電は、先のガスタービンプラントに、蒸気タービンプ ラントとボイラプラントとを好ましく組合せたもので、蒸気タービンプラントは 、蒸気タービン25、発電機11、復水器29、ポンプ30を直列に結ぶ、閉サイクル構 成になっており、またボイラプラントはガスタービンプラント１の排気ダクト７ から出る排熱の流れに沿って、過熱器28、アンモニア注入装置９、脱硝装置26、 煙突10を順次に配置した排熱回収部24を備えている。

【００２１】 この蒸気タービンプラントとボイラプラントとの関係は、ガスタービンプラン ト１の排気ダクト７からの排熱を受けた排熱回収部24で、給水を蒸気にするもの である。排熱回収部24からの蒸気は、蒸気タービン25で膨張仕事させ、その回転 トルクを発電機11に与えるとともに、膨張後の蒸気を復水、給水にして再び戻し ている。 このような構成のコンバインドサイクル発電にも、上述第１実施例をそのまま 排熱回収部24に適用でき、脱硝装置８の放熱防止に寄与することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上述べた通り、この考案にかかるガスタービンプラントは、外被から出る排 熱、圧縮機から出る比較的高温の空気を、ガスタービン停止時の脱硝装置の放熱 防止に供するために、脱硝装置の後流側に送気ダクトを設けたもので、この考案 によれば、ガスタービンプラントの起動過程中でも残熱による脱硝装置の下、Ｎ Ｏｚ抑制の働きが今以上に発揮できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかるガスタービンプラントの第１
実施例を示す概略図。

【図２】ガスタービン軸の停止運転モードを示す線図
と、外被からの換気流量を示す線図と、圧縮機から出る
放風流量を示す線図とを一つにまとめたグラフ。

【図３】この考案にかかるガスタービンプラントの第２
実施例を示す概略図。

【図４】従来の実施例を示す概略図。

【符号の説明】

１ ガスタービンプラント ３ 圧縮機 ４ 燃焼器 ５ ガスタービン ７ 排気ダクト ８ 脱硝装置 12 外被 15 換気ダクト 15ａ 送気ダクト 16 放風弁 17 放風管 19 逆止弁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外被により覆設された圧縮機、燃焼器、
   ガスタービンを備え、前記圧縮機には外気に連通する放
   風管を、また前記ガスタービンには外気に連通する排気
   ダクトを備える一方、前記外被に換気ファンを備えてな
   るガスタービンプラントにおいて、前記排気ダクトに配
   設する脱硝装置の後流側には前記放風管および換気ファ
   ンを共通路で結ぶ送気ダクトを設けたことを特徴とする
   ガスタービンプラント。
2. 【請求項２】 放風管と換気ファンとを共通路で結ぶ換
   気ダクトには放風弁および逆止弁を、放風管側に介装す
   ることを特徴とする請求項１記載のガスタービンプラン
   ト。