JP3446185B2 - 蒸気冷却ガスタービンの運転方法 - Google Patents

蒸気冷却ガスタービンの運転方法

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JP3446185B2
JP3446185B2 JP03563696A JP3563696A JP3446185B2 JP 3446185 B2 JP3446185 B2 JP 3446185B2 JP 03563696 A JP03563696 A JP 03563696A JP 3563696 A JP3563696 A JP 3563696A JP 3446185 B2 JP3446185 B2 JP 3446185B2
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信也 圓島
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隆 池口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン高温
部を蒸気で冷却する蒸気冷却ガスタービンプラントに係
り、特に、起動時には空気冷却から蒸気冷却へ、停止時
には蒸気冷却から空気冷却への冷媒の切り替えを伴う蒸
気冷却ガスタービンの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの熱効率を向上させる最も
効果的な方法は、作動ガス温度の高温化である。現在、
発電用ガスタービンでは、燃焼ガス温度1500℃を目
標に開発が進められている。しかしながら、燃焼ガス温
度の高温化に伴い、ガスタービン冷却部の熱負荷が増大
し、従来の空気冷却では十分に冷却部の温度を低下する
ことができず、仮にできたとしても大量の空気が必要と
なる。また、乾式燃焼器を用いる場合には、低NOX化
の面からも予混合燃焼のための空気量が増大し、冷却空
気量を増加させることは難しい。
【0003】そこで、空気の代わりに空気よりも冷却性
能に優れた蒸気を用いてガスタービン高温部を冷却する
蒸気冷却ガスタービンが提案されている。蒸気冷却ガス
タービンでは、冷却蒸気の供給熱源をガスタービン排ガ
スとする方式が考えられている。この方式では、起動時
に冷却蒸気が存在しないために、排ガス温度が上昇し、
ガスタービン高温部を冷却するのに必要な温度、圧力、
流量等の蒸気条件が整うまで、それ以外の冷却媒体、通
常ガスタービン圧縮機からの空気で冷却することが考え
られ、必然的に冷却媒体の切り替えが必要となる。ま
た、補助ボイラを設置して、ガスタービン起動時から冷
却蒸気を供給する方式も考えられているが、この方式
は、起動時にガスタービンが十分に暖機されていないた
め、蒸気が凝縮し、回転体の重心位置がずれ、振動の原
因となる恐れがある。さらに、この凝縮した水が温度上
昇に伴い蒸発すると、そこに不純物が蓄積して回転振動
や流路閉塞の原因となる。よって、補助ボイラを用いる
場合でも、起動時には暖機を兼ねて圧縮空気などを導入
する必要がある。また、停止時においても、停止状態で
蒸気が凝縮しないように、蒸気を空気などの不凝縮性ガ
スでパージする必要がある。
【0004】以上のことを考慮すると、蒸気冷却ガスタ
ービンでは全運転モードを蒸気冷却で対応するのは難し
く、少なくとも起動段階及び停止段階において冷却媒体
の切り替えが必要と考えられる。ガスタービンの排ガス
が導入される排熱回収ボイラから冷却蒸気を供給する蒸
気冷却ガスタービンの、起動時或いは停止時の低負荷時
に空気冷却と蒸気冷却の切り替えを行うことが特開平2
−75731号公報や特開平4−148035号公報に
記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】冷却媒体の切り替えに
入るガスタービンの運転状態として、負荷を取っていな
い場合と、負荷を取っている部分負荷の場合の2つの状
態に分けて考えることができる。部分負荷時には、ガス
タービン出力の上昇にともなって燃焼温度も上昇するた
め、燃焼温度がガスタービン高温部の許容メタル温度を
上回り、必ず冷却されていなければならない状態が存在
する。そのような冷却の必要な状態における冷却媒体の
切り替えは、切り替えに失敗し、一時的にも高温部に冷
媒が供給されないと、高温部材に損傷をきたすことにな
る。また、従来のガスタービンは、プラントの特性上、
他の発電プラントに比べて部分負荷状態における負荷変
動運転が要求されている。部分負荷時に冷却媒体を切り
替える方式の蒸気冷却ガスタービンにおいて、負荷変動
運転を行う場合、安全性の面から、冷却媒体切り替え動
作に入る負荷の前後の運転が困難となる可能性がある。
しかし、敢えて冷却媒体切り替えの負荷の前後における
運転が要求される場合、切り替え回数が増加したり、ガ
スタービン回転数や負荷の制御方法が複雑になり、信頼
性が著しく低下してしまう。また、部分負荷時の切り替
えでは、圧縮機の圧力比が増加するため、冷却空気温度
が高くなり、このため、冷却蒸気温度との温度差が大き
くなり、材料の熱応力が問題となる。
【0006】本発明の課題は、起動及び停止時に冷却媒
体の切り替えを行う蒸気冷却ガスタービンにおいて、冷
却媒体切り替え時の運転の信頼性および効率を向上させ
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、蒸気冷却ガスタービンの運転方法において、起動時
にはガスタービンの回転数が定格回転数でかつガスター
ビンが無負荷の時に、ガスタービン冷却部に導入する冷
媒を空気100パーセントから蒸気100パーセントに
切り替え、停止時にはガスタービンの回転数が定格回転
数でかつガスタービンが無負荷の時に、前記ガスタービ
ン冷却部に導入する冷媒を蒸気100パーセントから空
気100パーセントに切り替える。ここで、圧縮空気発
生部の入口にインレットガイドベーンを設置し、ガスタ
ービン排ガス温度を上昇させる。
【0008】本発明によれば、起動時には、ガスタービ
ン回転数が定格回転数に達するまでは、圧縮空気発生部
からの高圧空気でガスタービン高温部を冷却または暖機
する。そして、ガスタービンが蒸気発生部からの蒸気を
供給しても、凝縮しない程度に暖機した後に、冷却媒体
を圧縮機からの高圧空気から蒸気発生部からの蒸気に切
り替え、ガスタービン冷却流路内の冷却媒体が完全に蒸
気に置き代わった状態で負荷を取り始める。また、停止
時には、ガスタービン回転数は定格回転数でかつ負荷が
ゼロとなるまでは、蒸気発生部からの蒸気でガスタービ
ン高温部を冷却し、ガスタービン回転数を定格回転数に
保持した状態で冷却媒体を蒸気発生部からの蒸気から圧
縮機からの高圧空気からに切り替え、ガスタービン冷却
流路内の冷却媒体が完全に空気に置き代わった状態でガ
スタービン回転数を下げ、停止する。これにより、ガス
タービン冷却部を流れる冷却空気若しくは冷却蒸気の切
り替え時の燃焼ガス温度は冷却部材許容温度よりも低
く、たとえ冷却媒体の切り替えに失敗したとしても、冷
却部材に損傷を与えることがなく、また、一般的に要求
されるガスタービンの部分負荷運転状態において、冷却
媒体の切り替えを行わないため、冷却媒体の切り替え回
数も低減し、冷却媒体切り替え時の運転の信頼性が向上
する。また、インレットガイドベーンによりガスタービ
ン排ガス温度がより速く上昇し、ガスタービン冷却に必
要な蒸気条件の蒸気がより短時間に発生することにな
り、冷却媒体切り替え時の運転効率が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態による蒸
気冷却ガスタービンプラントの構成を示す。図1におい
て、大気空気は空気圧縮機2に供給され、圧縮空気を生
成する。圧縮機2出口の圧縮空気は燃焼器6に供給さ
れ、燃焼器6において燃料供給管7より供給された燃料
とともに高温高圧のガスとなり、タービン9に供給さ
れ、発電機31を駆動する。タービン9から放出される
排ガスは、まだ十分に高温であるため、ダクト11を通
して排熱回収ボイラ12に供給される。排熱回収ボイラ
12では給水ポンプ30で昇圧された給水が節炭器15
で排ガスと熱交換し、昇温され、蒸発器14に供給され
る。蒸発器14では排ガスと熱交換して水を蒸発させ、
飽和蒸気を生成する。蒸発器14からの飽和蒸気は過熱
器13に供給され、排ガスと熱交換し、過熱蒸気を生成
する。過熱器13で生成された過熱蒸気は、蒸気管1
7、冷却蒸気供給弁18、逆止弁19、冷却媒体供給管
22を通してガスタービン冷却部10へ供給される。一
方、前記過熱蒸気は、蒸気バイパス弁26を通って復水
器29に供給される流路も有する。さらに、圧縮機2か
らの高圧空気も冷却空気供給管4、冷却空気供給弁2
0、逆止弁21、冷却媒体供給管22を通してガスター
ビン冷却部10へ供給される。ガスタービン冷却部10
を冷却した空気若しくは蒸気は、冷却媒体放出管23に
よりタービン9の外に放出される。冷却媒体放出管23
を流れる冷却媒体が空気若しくは空気と蒸気の混合ガス
である場合は、冷却媒体大気放出弁24を通して冷却媒
体を大気に放出する。一方、冷却媒体放出管23を流れ
る冷却媒体が蒸気のみである場合は、冷却蒸気回収弁2
5を通して蒸気タービン27に供給される。蒸気タービ
ン27に供給された蒸気は、発電機32を駆動する。蒸
気タービン27で膨張した蒸気は、復水器29で復水さ
れ、給水ポンプ30に供給される。
【0010】以下、図1と図2を用いて、蒸気冷却ガス
タービンプラントの本実施形態による起動時の運転方法
について説明する。ガスタービン9が回転し始める図2
に示した時刻0においては、冷却供給弁20は全開、冷
却蒸気供給弁18は全閉、冷却媒体大気放出弁24は全
開、冷却蒸気回収弁25は全閉、蒸気バイパス弁26は
開となっており、この弁の状態でガスタービン回転数を
定格回転数となる時刻T1まで上昇させる。時刻0から
時刻T1までは、前記の弁の開閉状態により、圧縮機2
からの高圧空気のみが冷却空気供給管4、冷却空気供給
弁20、逆止弁21、冷却媒体供給管22を通してガス
タービン冷却部10へ供給され、高圧空気によりガスタ
ービンの暖機を行う。冷却部10を通過した空気は、冷
却媒体放出管23、冷却媒体大気放出弁24を通って大
気に放出される。一方、ガスタービン排ガスにより排熱
回収ボイラ12から発生した蒸気は、蒸気管17を予熱
し、蒸気バイパス弁26を通って復水器29に流入す
る。時刻T1では、ガスタービン回転数が定格回転数で
ガスタービンから負荷を取らない状態(この状態をFS
NLと呼ぶことにする。)となる。ガスタービンの暖機
が終了し、十分な温度、圧力、流量の蒸気が排熱回収ボ
イラ12から発生しはじめる時刻T2までは、前記の弁
の開閉状態を維持して圧縮機2からの空気がガスタービ
ン冷却部10を流れる。時刻T2には、ガスタービンの
暖機が終了し、十分な温度、圧力、流量の蒸気が排熱回
収ボイラ12から発生していることから、蒸気バイパス
弁26を締め始めると同時に、冷却蒸気供給弁18を開
きはじめ、冷却空気供給弁20を閉じ始める。この時、
もし蒸気バイパス弁26、冷却蒸気供給弁18、冷却空
気供給弁20の開閉に失敗してガスタービン冷却部10
に冷却空気或いは冷却蒸気が供給されなくなったとして
も、時刻T2はFSNL状態であり、燃焼温度もガスタ
ービン冷却部材許容温度以下であるため、ガスタービン
冷却部に損傷を与えることはない。FSNLを保持した
まま時刻T3で冷却空気供給弁20は完全に閉じ、ガス
タービン冷却部10を流れる冷却媒体は蒸気だけとな
る。即ち、時刻T1から時刻T4のFSNLの状態で1
00パーセント空気冷却から100パーセント蒸気冷却
に切り替わることになる。100パーセント蒸気に切り
替わる時刻T4において、ガスタービン9から負荷を取
り始めると同時に、冷却媒体大気放出弁24を閉じ始
め、冷却蒸気回収弁25を開け始める。冷却蒸気回収弁
25を通過した蒸気は、蒸気タービン27を駆動する。
時刻T5において、冷却媒体大気放出弁24は全閉、冷
却蒸気回収弁25は全開となる。冷却蒸気供給弁18は
排熱回収ボイラ12からの発生蒸気量に応じて開き、時
刻T6で全開となる。ガスタービン9の負荷は上昇し続
けて時刻T7で100パーセントとなり、時刻T7以降
ガスタービン9は定格運転に入る。
【0011】次に、図1と図3を用いて、本実施形態に
よる停止時の運転方法を説明する。ガスタービン定格運
転状態から時刻Taにおいてガスタービン負荷を低下さ
せ、時刻Tbで冷却蒸気回収弁25を閉じ始め、冷却媒
体大気放出弁24を開き始める。時刻Tcにおいて冷却
蒸気回収弁25は全閉、冷却媒体大気放出弁24は全開
となり、時刻Tdでガスタービン9はFSNL状態に入
る。FSNLの状態を保持したまま時刻Teから時刻T
fの間で冷却空気供給弁20は全閉から全開に冷却蒸気
供給弁18は全開から全閉となる。蒸気バイパス弁26
は、冷却蒸気供給弁18が閉じ始めると同時に開きはじ
め、排熱回収ボイラ12からの冷却蒸気が復水器29に
流入する。時刻Tf以降は、圧縮機2からの高圧空気の
みがガスタービン冷却部10に供給され、高圧空気によ
ってガスタービン冷却部10内の残留蒸気をパージす
る。完全に残存蒸気をパージし終えた時刻Tgからガス
タービン回転数を落としはじめ、時刻Thにガスタービ
ン回転数はゼロとなる。即ち、時刻Tdから時刻Tgま
でのFSNL状態で蒸気冷却から空気冷却に切り替わる
ことになる。以上に記した起動及び停止方法によれば、
ガスタービン冷却部10を流れる冷却空気若しくは冷却
蒸気の切り替えは、FSNL状態で開始され、完了す
る。FSNL状態では燃焼ガス温度が冷却部材許容温度
よりも低いために、たとえ冷却媒体の切り替えに失敗し
たとしても冷却部材に損傷を与えることはない。また、
一般的にガスタービンは、部分負荷運転が要求される
が、本運転方法では、部分負荷運転状態で冷却媒体の切
り替えを行わないので、切り替え回数も低減し、冷却媒
体切り替え時の運転の信頼性が向上する。また、ガスタ
ービン負荷を低下させて、FSNL状態で待機しなけれ
ばならない状況においても、本運転方法によれば、蒸気
冷却運転を保持できるので、空気冷却に切り替える必要
はない。
【0012】ガスタービン排ガス熱から排熱回収ボイラ
を用いて冷却蒸気を発生させる場合、FSNL状態で発
生するガスタービン排ガスの温度は、部分負荷運転中の
ガスタービン排ガス温度よりも低いために、起動時にお
いてはガスタービン冷却に必要な蒸気条件の蒸気を必要
量確保するまでにFSNL状態で蒸気冷却に切り替える
運転方法の方が部分負荷運転状態で切り替える運転方法
よりも多くの時間が必要である。そのため、本実施形態
においては、圧縮機2の入口に設置可能なインレットガ
イドベーン2’(IGVと呼ぶことにする。)を設け
る。これにより、ガスタービン冷却に必要な蒸気条件の
蒸気をより短時間に発生させることができる。
【0013】図4に、IGVを備えた場合とこれを備え
ない場合の起動時のプラント特性を示す。ただし、時間
軸は図2の時間軸と一致している。圧縮機2の吸込空気
量はガスタービン定格回転数に達する時刻T1まで上昇
する。IGVを備えた場合、IGVの開度を小さくする
と、圧縮機2の入口流路面積が減少するために、IGV
を備えない場合よりも吸込空気量は減少する。IGVを
備えない場合の時刻T1以降は、ガスタービン回転数及
び圧縮機入口流路断面積は一定なので圧縮機吸込空気流
量も一定となる。IGVを備えた場合で、時刻T1から
時刻T4のFSNL状態及びT4からTsまでのガスタ
ービン負荷を取っている状態でも、ガスタービン回転数
が一定であり、IGV開度を一定としているので、圧縮
機吸込空気量は変化しない。時刻Ts以降はIGV開度
を大きくするため、圧縮機吸込空気量は増加する。時刻
T7でIGVは全開となり、IGVを備えない場合の圧
縮機吸込空気量と同じになる。
【0014】図4に示すように、IGVを備えている場
合で、IGV開度を小さくし、圧縮機吸込空気量を少な
くしている方が圧力比が小さく、ガスタービン排ガス温
度が高くなる理由について説明する。圧縮機出口空気
は、燃焼器6で燃料と反応して高温のガスとなり、ガス
タービンの第1段静翼に導入される。第1段静翼ではガ
スの流れはチョークしている。このチョーク状態は、 G・√T/P=一定 として表され、すなわち、チョーク状態は一定の関係式
が成立する。ここで、Gは第1段静翼入口におけるガス
の質量流量、Tは第1段静翼入口におけるガスの絶対温
度、Pは第1段静翼入口におけるガスの圧力である。図
4のIGVを備え、IGV開度を小さくしている場合
と、IGVを備えない場合を比較すると、Tは両者でほ
ぼ変わらないので、上記の関係式からIGVを備え、I
GV開度を小さくしている場合は、IGVを備えない場
合よりもGが小さくなるためにPも小さくなる。ゆえ
に、図4に示される様に圧縮機吸込空気量が少ないIG
Vを備えIGV開度を小さくしている方が圧力比が小さ
くなる。また、排ガス温度については、Tは両者で変わ
らないとすると、圧力比の小さいIGVを備え、IGV
開度を小さくしている方がタービンにおける膨張度合い
が小さいので、ガスタービン排ガス温度は高くなる。以
上のことから、起動時の時刻T1からT2の間のFSN
Lの状態で空気冷却から蒸気冷却に切り替えるとき、I
GVを備え、IGV開度を小さくしている方がIGVを
備えない場合よりも圧力比は小さく、ガスタービン排ガ
ス温度は高くなる。したがって、ガスタービン排ガス熱
から排熱回収ボイラを用いて冷却蒸気を発生させる場
合、ガスタービン冷却に必要な蒸気条件の蒸気を必要量
確保するまでの時間は、IGVを備え、IGV開度を小
さくしている方が排ガス温度が高いため、IGVを備え
ない場合よりも短くなる。さらに、IGVを備え、IG
V開度を小さくしている方がIGVを備えない場合より
も圧力比は小さく、ガスタービンを通過するガスの圧力
も小さくなるため、ガスタービン冷却に要求される蒸気
の圧力も低下し、必要な蒸気条件の蒸気を必要量確保す
るまでの時間が短縮する。このため、冷却媒体切り替え
時の運転効率が向上する。また、圧力比が小さく、ガス
タービンを通過するガスの圧力が小さいと、冷却蒸気圧
力よりもガスの圧力が大きくなる可能性が小さくなるた
め、ガスがガスタービン内部の冷却部に侵入して冷却部
に損傷をきたす可能性が低下し、信頼性が向上する。
【0015】なお、本発明の実施形態では、蒸気発生源
として排熱回収ボイラ12を用いることについて説明し
たが、FSNLの状態において、ガスタービン冷却に必
要な蒸気条件の蒸気を必要量確保できない若しくは確保
するのに時間がかかりすぎる場合には、排熱回収ボイラ
12に助燃装置(図示せず)を設置して、冷却蒸気を確
保し、FSNL状態で切り替えたり、或いは、蒸気発生
源をガスタービン排ガスによらず別置きの補助ボイラ
(図示せず)などの他の蒸気発生源から供給してFSN
L状態で切り替えることもできる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスタービン冷却部を流れる冷却空気若しくは冷却蒸気
の切り替えをFSNL状態で開始し、完了するので、燃
焼ガス温度が冷却部材許容温度よりも低く、たとえ冷却
媒体の切り替えに失敗したとしても冷却部材に損傷を与
えることはない。そのため、冷却媒体切り替え時の運転
の信頼性が向上する。また、一般的に要求されるガスタ
ービンの部分負荷運転状態において、本発明では、冷却
媒体の切り替えを行わないため、冷却媒体の切り替え回
数も低減し、冷却媒体切り替え時の運転の信頼性が向上
する。また、本発明によれば、ガスタービン負荷を低下
させてFSNL状態で待機しなければならない状況にお
いても、蒸気冷却運転を保持できるので、空気冷却に切
り替える必要はなく、冷却媒体切り替え時の運転の信頼
性が向上する。また、本発明によれば、空気圧縮機の入
口にインレットガイドベーン(IGV)を設置すること
により、ガスタービン冷却に必要な蒸気条件の蒸気をよ
り短時間に発生させることができ、冷却媒体切り替え時
の運転効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蒸気冷却ガスタービ
ンプラントの構成図
【図2】本発明による起動時の運転方法についての説明
【図3】本発明による停止時の運転方法についての説明
【図4】IGVを備えた場合とこれを備えない場合の起
動時のプラント特性図
【符号の説明】
2 圧縮機 2’ インレットガイドベーン 4 冷却空気供給管 9 タービン 10 ガスタービン冷却部 17 蒸気管 18 冷却蒸気供給弁 20 冷却空気供給弁 22 冷却媒体供給管 23 冷却媒体放出管 24 冷却媒体大気放出弁 25 冷却蒸気回収弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02C 7/26 F02C 7/26 D (72)発明者 樋口 眞一 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所 電力・電機開発本 部内 (72)発明者 池口 隆 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所 電力・電機開発本 部内 (56)参考文献 特開 平4−148035(JP,A) 特開 平2−75731(JP,A) 特開 平3−92508(JP,A) 特開 昭61−171834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02C 7/16 - 7/26 F01D 19/00 F01K 23/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮空気発生部と蒸気発生部とガスター
    ビンを有し、前記圧縮空気発生部からの空気或いは前記
    蒸気発生部からの蒸気を切り替えて前記ガスタービンの
    冷却部に導入する蒸気冷却ガスタービンの運転方法にお
    いて、起動時にはガスタービンの回転数が定格回転数で
    かつガスタービンが無負荷の時に、前記ガスタービン冷
    却部に導入する冷媒を空気100パーセントから蒸気1
    00パーセントに切り替え、停止時にはガスタービンの
    回転数が定格回転数でかつガスタービンが無負荷の時
    に、前記ガスタービン冷却部に導入する冷媒を蒸気10
    0パーセントから空気100パーセントに切り替えるこ
    とを特徴とする蒸気冷却ガスタービンの運転方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、圧縮空気発生部の入
    口にインレットガイドベーンを設置し、ガスタービン排
    ガス温度を上昇させることを特徴とする蒸気冷却ガスタ
    ービンの運転方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、蒸気
    発生部として排熱回収ボイラを設置し、ガスタービン排
    ガスを導入することを特徴とする蒸気冷却ガスタービン
    の運転方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、蒸気発生部として排
    熱回収ボイラに助燃装置を設置し、蒸気を発生すること
    を特徴とする蒸気冷却ガスタービンの運転方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、蒸気発生部として補助ボイラを設置し、ガスタービ
    ン排ガスによらずに蒸気を発生することを特徴とする蒸
    気冷却ガスタービンの運転方法。
JP03563696A 1996-01-30 1996-01-30 蒸気冷却ガスタービンの運転方法 Expired - Lifetime JP3446185B2 (ja)

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