JPH0668822B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JPH0668822B2
JPH0668822B2 JP61205888A JP20588886A JPH0668822B2 JP H0668822 B2 JPH0668822 B2 JP H0668822B2 JP 61205888 A JP61205888 A JP 61205888A JP 20588886 A JP20588886 A JP 20588886A JP H0668822 B2 JPH0668822 B2 JP H0668822B2
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隆 藤原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,薄膜形磁気記録媒体に関するものであり,特
に高性能のアラミド系フイルムを基体に用いた垂直磁気
記録媒体に関するものである。
〔従来の技術〕 従来の垂直磁気記録媒体としては,ポリエチレンテレフ
タレート(PET)等の有機重合体フイルムや無機基体の
上にスパツタリング法や電子ビーム蒸着法によつてコバ
ルト系或いは鉄系の合金薄膜層が形成されているものが
用いられている。
このような磁気記録媒体の基板としては,従来から主に
ポリエチレンテレフタレートフイルムが使用されてい
る。しかし,ガラス転移点が70℃前後と低いため蒸着等
により磁性層を形成する際にはフイルムを十分冷却しな
ければならず,その結果磁気特性が低下したり,付着強
度が低かつたりする。従つて,この種の垂直磁気記録媒
体用ペースフイルムには耐熱性のよい素材が望まれてい
る。
芳香族ポリアミドや芳香族ポリイミドは200℃以上の高
温に耐えるため,ポリエチレンテレフタレートフイルム
より高温で金属薄膜の形成ができ,静的な磁気特性であ
る保磁力や,ヒステリシスループの角形比が向上するな
ど,この種の記録媒体用ベースフイルムとしては非常に
有望な素材である。
しかし,芳香族ポリアミドや芳香族ポリイミドフイルム
は,一般に,吸湿率が大きく,またそれに起因して吸湿
に伴なう寸法変化率が大きく,磁気記録媒体の基体とし
ては不充分であつた。特に,塗布型の磁気記録媒体と異
なりバインダーを使用せず,強磁性層を基体上に蒸着さ
せる垂直磁気記録媒体の場合,強磁性層と基体の寸法安
定性のちがいは,致命的な欠陥になる。さらに,超薄手
(例えば5μm以下)の基体からなる記録媒体の場合
は,従来のフイルムを基体に使用したのでは機械的な外
力への対応性も不足で,強磁性層にヒビが入つたりする
ことさえあつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は,外力や温湿度に対する寸法安定性にすぐれ,
タフな芳香族ポリアミド系のフイルムを基体に用いて高
品質の垂直磁気記録媒体を提供せんとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はフイルム面に平行な任意の方向のヤング率が10
00Kg/mm2以上,伸度が10%以上、吸湿膨張係数が3×1
0-5mm/mm/%RH以下であり、かつ強度が45Kg/mm2
上、加熱収縮率が0.2%以下であるポリ−P−フエニレ
ンテレフタルアミドから実質的になるフイルム上に,該
フイルム面と垂直方向に磁化容易軸を有し,かつコバル
ト系又は鉄系化合物からなる強磁性層が形成されている
ことを特徴とする垂直磁気記録媒体である。
本発明に用いられるポリ−P−フエニレンテレフタルア
ミド(PPTA)は芳香族ポリアミドの一種で実質的に で表されるポリマーであり,従来公知のパラフエニレン
ジアミンとテレフタロイルクロライドから,低温溶液重
合法により製造するのが好都合である。なお、本発明に
用いるフイルムが実質的にPPTAからなるという意味は、
本発明の効果を阻害しない範囲の少量でPPTA以外のポリ
マーがブレンドされたり、共重合されていてもよいとい
う事である。
本発明のポリマーの重合度は,あまり低いと機械的性質
の良好なフイルムが得られなくなるため,好ましくは3.
5以上,より好ましくは4.5以上の対数年度ηinh(硫酸1
00mlにポリマー0.5gを溶解して30℃で測定した値)を与
える重合度のものが選ばれる。
本発明に用いるフイルムは,フイルム面に平行な任意の
方向の伸度が少くとも10%である。好ましくは15%以上
である。伸度が10%未満のフイルムは脆くて取扱性が悪
い。伸度の大きさは,また,引裂強力とも関連してお
り,フイルムのスリツトやその他の加工の作業性を良く
するためにも,任意の方向に10%以上の伸度をもつてい
ることが肝要である。
本発明に用いるフイルムは,フイルム面に平行な任意の
方向のヤング率が少くとも1000kg/mm2である。
好ましくは1200kg/mm2以上である。この要件は,フイ
ルムの外力に対する変形抵抗性と密接に関連している。
そして,本発明の垂直磁気記録媒体(磁気テープ)にお
いて,長さ方向のヤング率が大きいため,薄手化しても
テープの走行性が良く,ジツター特性にすぐれているこ
とを意味する。幅方向のヤング率が大きいとテープにし
わや折れが生じにくいため,テープ製造時の作業性や使
用時の取扱い性が良くなる。本発明に用いるフイルムの
ヤング率は,光学異方性ドープを一旦光学等方化してか
ら凝固させるという独特のプロセスのために高いレベル
にあるが,製造時における延伸倍率や熱処理温度にも依
存している。
本発明に用いるフイルムは,更に,フイルム面に平行な
任意の方向の吸湿膨張係数が3×10-5mm/mm/%RH以下
である。好ましくは2.5×10-5mm/mm/%RH以下であ
る。吸湿膨張係数が3×10-5mm/mm/%RHを超えるフイ
ルムは,湿度の変化に対する寸法安定性に欠けたフイル
ムであることを意味し,垂直磁気記録媒体の長さが湿度
によつて変化するために,再生画像が謂ゆるスキユーを
起したり,強磁性層が基体からはがれたり,強磁性層に
ヒビが入つたりするという欠点が生じる。
本発明に用いるフイルムは,45kg/mm2以上の強度を有す
る。PPTAフイルムにおけるこのような高強度は,比較的
高濃度の光学異方性ドープを光学等方化し,その後凝固
させてフイルム化するという独特のプロセスに固有の性
能である。
また本発明に用いるフイルムは,好ましくはその少くと
も一表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.05μm以下という
表面性のすぐれたフイルムである。そして,より好まし
くは,Raが0.02μm以下である。Raの小さいフイルムを
基体に用いることによつて,本発明の垂直磁気記録媒体
を例えばビデオテープレコーダのテープとして用いたと
き磁気ヘツドの走行性が良くなり,ドロツプアウトがな
くなる。中心線平均粗さ(Ra)は,JIS B−0601及びJI
S B−0651に従つて測定できる。例えば,東京精密社
製万能表面形状測定機サーフコム3Bを使うことができ
る。
本発明に用いるフイルムは,好ましくは,25℃,65%RHに
おける吸湿率が2%以下であり,更に好ましくは1.5%
以下である。フイルムの吸湿率を小さくするためには,
熱処理温度を高くすることが効果的であるが,水洗後の
膨潤ゲルの延伸倍率にも少し依存している。特別な方法
として,疎水性のコモノマーや末端封鎖剤の使用された
PPTAを用いて,吸湿率をさらに小さくすることも好まし
い実施態様である。フイルムの吸湿率を小さくすること
によつて,強磁性層の蒸着やスパツタリング時の作業性
が向上する。
更に本発明に用いるフイルムは,250℃での加熱収縮率が
0.2%以下であり,好ましくは0.15%以下である。この
ような好ましい特徴は,特公昭55−51248号公報や特公
昭53−44957号公報に開示されたコポリアミドヒドラジ
ドフイルムや,特開昭58−168655号公報のアラミド共重
合体フイルムの持ち合せないものである。加熱収縮率の
小さいフイルムは,例えば,強磁性層の蒸着時の基体の
変形が起らず有用である。
本発明に用いるフイルムの厚みは,各々の用途に応じて
適宜設計されるべきであり,特に制限をうけるものでは
ないが,高ヤング率というフイルムの特徴を十分にひき
出せるのは,約10μm以下の薄手フイルムの場合であ
り,特に好ましくは2〜7μmのフイルムの場合であ
る。
本発明に用いるPPTAフイルムは,PPTAと95重量%以上の
硫酸とから実質的になる光学異方性ドープを,光学異方
性を保つたまま支持面上に流延し,吸湿又は/及び加熱
により該ドープを光学等方性に転化したのち凝固させ,
凝固・洗浄後,湿潤状態でフイルムを1.1倍以上に2軸
延伸したのち,フイルムの収縮を制限した状態で乾燥及
び約400℃での熱処理を行う,という独特の寸法で得る
ことができ,この方法は従来公知のPPTAフイルムの製造
法と全く異なるものである。
本発明で用いられる基体は,次に述べる磁気記録層の形
成に先だち,易接着化,平面性改良,着色,帯電防止,
耐摩耗性付与等の目的で各種の表面処理や前処理が施さ
れても良い。
本発明において,基体面と垂直方向に磁化容易軸を有し
た強磁性層とは,次のように規定されるものである。
強磁性層の磁気特性は,JIS C−2561で示されている振動
型磁力計法や,自記磁束計法によつて測定できる。
磁気記録媒体に使用する場合は,これらの測定でえられ
るヒステリシスループで囲まれる面積(S)が大きいも
のほど記録容量が大きく,高密度記録に適している。
試料とする強磁性層表面に垂直方向に外部磁界を加えな
がら測定したヒステリシスループで囲まれる面積をS1
し,強磁性層表面に平行方向に外部磁界を加えた場合の
ヒステリシスループの面積をS11とする。S1がS11にくら
べ大きい場合は,垂直方向の磁気記録に適した磁気記録
媒体といえる。
本発明でいう,基体面と垂直方向に磁化容易軸を有する
強磁性層とは,基体面に垂直方向の外部磁界に対するヒ
ステリシスループの面積S1と,基体面と平行方向の外部
磁界に対するヒステリシスループの面積S11より算出さ
れる磁気異方性係数(S1/S11)が1.0より大きいもので
はあり,望ましくは1.2以上,さらに望ましくは1.4以上
のものをいう。
また,垂直磁気記録媒体の垂直方向への磁気異方性をあ
らわす他の指標として垂直異方性磁界(Hk)があり,こ
の値が大きいほど垂直方向に磁化されやすい優れた垂直
磁気記録媒体と言える。
本発明における強磁性層とはコバルト系又は鉄系化合物
からなるものであり,該強磁性層の厚さは特に限定しな
いが,実用的には0.02μm〜5μmの範囲であり,可と
う性,ヘツドタツチおよび該強磁性層の成膜速度を考慮
した場合0.05μm〜2.0μmの範囲が望ましい。
また本発明における強磁性層は,基体面と垂直方向に磁
化容易軸を有し,垂直磁気記録に適した強磁性層であ
り,基体面と水平方向に磁化容易軸を有する強磁性層に
ついては同一材料・組成であつても本発明には含まれな
い。
また本発明の強磁性層と基体の間に接着力向上,記録再
生特性などの向上,その他の目的のために下地層を一層
あるいは複数層積層させることは一向に差し支えない。
本発明におけるコバルト系化合物とは,Co,Co−Cr合金,C
o−Ni合金,Co−Ni−Fe合金,Co−Fe合金,Coの酸化物(Co
Oなど),およびこれらと微量のP,Si,B,Mn,Zn等との合
金を指す。
また,本発明における鉄系化合物とは鉄,鉄酸化物,鉄
窒化物,鉄水酸化物,鉄硫化物,鉄炭酸化合物などであ
り,具体的には鉄酸化物としてはFeO,Fe2O3,Fe3O4など
であり,鉄窒化物としてはFe2N,Fe4Nなどであり,鉄水
酸化物としてはFe(OH)2,Fe(OH)3,FeOOHなどであ
り,鉄硫化物としてはFeS,Fe2S3などであり,鉄炭酸化
合物としてはFeCO3,FeCO3H2Oなどである。また,ここに
記載した以外の中間的な組成をもつ非化学量論的な鉄化
合物も含まれる。
また鉄とその他の元素との原子パーセント比は鉄が90%
〜30%,その他の元素が10%〜70%の範囲が垂直方向の
磁気特性を向上するうえで望ましい。
また鉄化合物のうち,鉄酸化物を含有することによつて
垂直方向の磁気特性が改善されるため,鉄酸化物を含有
していることが非常に望ましい。この場合強磁性層中に
含まれる鉄と酸素の原子パーセント比は鉄が90%〜30
%,酸素が10%〜70%の範囲が望ましく,さらに鉄が80
%〜50%,酸素が20%〜50%の範囲が一層望ましい。
また,該強磁性層中にはコバルト系又は鉄系化合物以外
に耐食性,耐摩耗性,可とう性,表面粗さ,ヘツドタツ
チなどを改善する目的で他の元素や化合物を微量含ませ
る事は本発明の効果を妨げない範囲で差し支えない。
本発明の垂直磁気記録媒体の形成方法としては,イオン
プレーテイング,スパツタリングなどがあるが,必ずし
もこれらに限定されない。以下に蒸着による垂直磁気記
録媒体の製法の一例を示す。
使用する装置は,真空槽内に巻き出しロール,冷却ドラ
ム,巻き取りロールで構成される長尺フイルムの走行系
を具備し,前記冷却ドラム直下に,凹部を有した電子ビ
ーム蒸着器を備えた半連続式電子ビーム蒸着装置であ
る。該装置内には,蒸発蒸気流と前記冷却ドラム法線と
がなす角,すなわち入射角が30度を越える蒸発蒸気流
が,基体に入射しないようにドラム直下部分のみ開口部
を有した遮蔽板を,冷却ドラムに近接して配設した。該
装置の走行系にPPTAフイルムを配し,電子ビーム蒸着器
の凹部に強磁性体を配した状態とする。
まず該電子ビーム蒸着装置の真空槽内を1×10-5Torrに
なるまで排気し,次いで例えば酸素ガス,窒素ガス,水
蒸気,硫化水素ガス,二酸化炭素ガス,などのガスのう
ちから,単一ガスあるいは二種以上のガスを混合して真
空槽内の圧力が103〜5×10-5Torrになるまで導入した
雰囲気中で,PPTAフイルムを走行させ電子ビーム蒸着法
により鉄を蒸発させ,本発明の垂直磁気記録媒体を形成
するのである。
〔実施例〕
(測定法) 対数粘度ηinhは98%硫酸100mlにポリマー0.5gを溶解
し,30℃で常法で測定した。ドープの粘度は,B型粘度計
を用い1rpmの回転速度で測定したものである。
フイルムの強伸度およびヤング率は,定速伸長型強伸度
測定機により,フイルム試料を100mm×10mmの長方形に
切り取り,最初のつかみ長さ30mm,引張り速度30mm/分
で荷重−伸曲線を5回描き,これより算出したものであ
る。
吸湿膨張係数は,熱機械分析装置に2mm幅のフイルムサ
ンプルを把握長8mm,荷重0.15kg/mm2でセツトし,25℃で
湿度を0%から90%に変化させたときのサンプルの初期
長さに対する増分比を相対湿度の変化に対して求めたも
のである。Raは前記した方法で測定した。
吸湿率は,サンプルを絶乾状態から25℃,65%RHの雰囲
気に放置したときの,サンプルの初期重量に対する増分
の比を百分率表示したものである。
加熱収縮率は,サンプルを約10cm長さにとり,25℃,65%
RHで長さを精密に測定したのち,250℃のオーブン中に2
時間入れ,取り出して25℃,65%RHの雰囲気に2時間放
置後の長さを測定し,サンプルの初期長さに対する減分
の比を百分率表示したものである。
保磁力,飽和磁化,磁気異方性係数の測定; 振動試料型磁力計を使用し,外部磁界を基体面の垂直方
向と平行方向に加えた場合のヒステリシスループを,そ
れぞれ記録し,保磁力,飽和磁化を得る。また,ヒステ
リシスループで囲まれる面積をプランメータで測定し,
外部磁界が垂直方向のループの面積(S1)と平行方向の
ループの面積(S11)の比(S1/S11)を磁気異方性係数
とする。
垂直異方性磁界の測定; 振動試料型磁力計を使用し,外部磁界を基体面と平行方
向に加えた場合のヒステリシスループを得る。このヒス
テリシスループに原点より引いた接線と正の飽和磁化点
を通り外部磁界軸と平行に引いた直線との交点の外部磁
界の強さが垂直異方性磁界である。
(PPTAフイルムの製造) ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫酸にポリマー濃
度11.5%で溶解し,60℃で光学異方性のあるドープを得
た。このドープの粘度を常温で測定したところ,10600ポ
イズだつた。製膜しやすくするために,このドープを約
70℃に保つたまま,真空下に脱気した。この場合も上記
と同じく光学異方性を有し,粘度は4400ポイズであつ
た。タンクからフイルターを通し,ギアポンプをへてダ
イに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち,0.15mm×300mmのス
リツトを有するダイから3.5m/分の吐出線速度で,鏡面
に磨いたタンタル製のベルト(12m/分で移動)にキヤ
ストし,相対湿度約85%の約90℃の空気を吹きつけて,
流延ドープを光学等方化し,ベルトとともに,−5℃の
15重量%硫酸水溶液の中に導いて凝固させた。次いで凝
固フイルムをベルトからひきはがし,約40℃の温水中,
炭酸ソーダの1%水溶液中,次いで25℃水中を走行させ
て洗浄した。
洗浄の終了した含水率約280%のフイルムをまず室温で
ロールの周速差を利用して長尺方向(MD)に1.2倍に一
軸延伸を行い,次いでテンターに入れて入口に近いとこ
ろで幅方向(TD)に1.2倍に延伸しテンターの中央付近
は150℃に定長加熱して乾燥し,更にテンターの出口付
近には赤外線ランプをとりつけて400℃で熱処理したの
ち,長尺フイルムを捲取つた。
得られたPPTAフイルムは,透明性にすぐれ,4.5μmの厚
さをもつており,ηinh=4.9,吸湿率1.3%,強度が50±
3kg/mm2(バラツキはフイルム面内での各方向でのバラ
ツキを示す。以下同じ。),伸度17±1%,ヤング率13
00±50kg/mm2,吸湿膨張係数(2.3±0.2)×10-5mm/mm
/%RH,Ra=0.01μm,加熱収縮率0.12%で,製造後及び
以下に述べる強磁性層の蒸着のいずれの場合にもカール
の発生がなかつた。
(垂直磁気記録媒体の製造) 半連続式電子ビーム蒸着装置の真空槽内を排気系により
1×10-5Torr以下になるまで排気する。次いで導入ガス
として,酸素20体積%,残部窒素でバランスさせた混合
ガスをバリアブルリークパルプを通じて真空槽内の圧力
が2×10-3Torrになるまで導入し,前記したPPTAフイル
ムを約2m/分の速度で走行させ,電子ビーム蒸着により
鉄と鉄化合物より成る膜厚約2000Åの強磁性層を連続的
に形成した。なお装置の真空槽内には、巻き出しロー
ル,冷却ドラム,巻き取りロールで構成されるフイルム
走行系を具備し,前記冷却ドラム直下に凹部を有した電
子ビーム蒸着器を備え,蒸発蒸気流の冷却ドラムへの入
射角が16度以下になるような開口部を有する遮蔽板を,
冷却ドラムに近接して配した。得られた磁気記録媒体
は,垂直方向保磁力が990Oe,垂直異方性磁界が3.7KOe
で,160℃のオーブン中に8時間放置してもこれらの特性
は殆んど変化しなかつた。
また,オーブンに入れる前の磁気記録媒体の磁気異方性
係数は2.0であり,つまり1.0より大きく基体面と垂直方
向に磁化容易軸を有していることが確認された。また強
磁性層の組成分析の結果,該強磁性層の主成分はFe,Fe2
O3,Fe3O4,Fe(OH)で構成されていることがわかつ
た。
次に,同じ半連続式電子ビーム蒸着装置を使用し,内部
に蒸発蒸気流の冷却ドラムへの入射角が16度以下になる
ような開口部を有する遮蔽板を配した走行系に前記のPP
TAフイルムを配し,電子ビーム蒸着器の凹部にコバルト
を配した状態にて,該真空蒸着装置の真空槽を排気系に
より1×10-5Torr以下になるまで排気し,次いで酸素ガ
スをバリアフルリークパルプを通して真空槽内の圧力
が,3×10-4Torrになるまで導入した雰囲気中で,前記PP
TAフイルムを約3m/minの速度で走行させた状態で,電
子ビーム蒸着により約1800Åの厚さのコバルトとコバル
ト酸化物より成る強磁性層をPPTAフイルムの上に形成さ
せた。その垂直方向保磁力は1010Oe,垂直異方性磁界は
4.7KOe,磁気異方性係数は1.7であり,基体面と垂直方向
に磁化容易軸を有した垂直磁気記録媒体であつた。
また,強磁性層はCoとCoOを主成分としていることが分
析の結果確認された。
〔発明の効果〕
本発明の垂直磁気記録媒体は,その基体に,軽量で耐熱
性にすぐれ,かつ高ヤング率で吸湿膨張係数の小さく,
かつ必要な伸度を備えたPPTAフイルムを用いているの
で,製造時或いは使用時に高温に曝しても変質がなく,
かつ湿度や外力による寸法変化が少なく高品質である。
特に,薄手の基体フイルムのときに,これらの特徴が一
層発揮され,高品質・高性能の垂直磁気記録媒体を提供
できる。
本発明の垂直磁気記録媒体は,このような特徴の故に,
特に垂直磁気記録型のビデオテープ等に特に有用である
ほか,垂直磁気記録型のフロツピーデイスクあるいは記
録・消去が可能なデジタル・オーデイオ・デイスク,デ
イジタルオーデイオ・テープ等に適している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フイルム面に平行な任意の方向のヤング率
    が1000Kg/mm2以上、伸度が10%以上、吸湿膨張係数が
    3×10-5mm/mm/%RH以下であり、かつ強度が45Kg/mm
    2以上、加熱収縮率が0.2%以下であるポリ−P−フエニ
    レンテレフタルアミドから実質的になるフイルム上に、
    該フイルム面と垂直方向に磁化容易軸を有し、かつコバ
    ルト系又は鉄系化合物からなる強磁性層が形成されてい
    ることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
JP61205888A 1986-09-03 1986-09-03 垂直磁気記録媒体 Expired - Lifetime JPH0668822B2 (ja)

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