JP2643171B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2643171B2
JP2643171B2 JP62215481A JP21548187A JP2643171B2 JP 2643171 B2 JP2643171 B2 JP 2643171B2 JP 62215481 A JP62215481 A JP 62215481A JP 21548187 A JP21548187 A JP 21548187A JP 2643171 B2 JP2643171 B2 JP 2643171B2
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は磁気記録媒体に関するものであり、特に高性
能の芳香族ポリアミド系フイルムを基体に用いた高品質
の磁気記録媒体に関するものである。
(従来の技術とその問題点) ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムが近年
主として磁気記録媒体の基体として用いられて来てい
る。特に磁気テープ、例えばホームビデオカセツトテー
プ、などには厚さ8〜16μm程度のポリエチレンテレフ
タレートフイルムが、又、オーデイオカセツトテープに
おいては厚さ4〜12μm程度のポリエチレンテレフタレ
ートフイルムが使用されている。特に長さ方向と幅方向
の強度、寸法安定性などを等しくしたバランスタイプの
ポリエチレンテレフタレートフイルムが使用されてい
る。
このホームビデオテープを長時間用にするために基体
フイルムを2/3程度に薄くする事が考えられ、このため
長手方向の強度、ヤング率を高くするため再延伸ポリエ
チレンテレフタレートフイルムを使用することは容易に
考えられる。
すなわち、磁気テープ走行中摩擦力およびその変動に
基づくテープの長さ方向の張力変動に基づくテープの長
さ方向の伸縮振動はジツターとなつて表われる。これを
解消するには基体の薄膜化に基づく単位張力当りの伸び
率、(例えば、伸び率/150g荷重)を同じにするために
は長さ方向のヤング率を厚さに逆比例させて高くすれば
よいことが判明した。
しかし、ポリエチレンテレフタレートフイルムを用い
る限り、長さ方向のヤング率を大きくすることに限界が
あることがわかつた。即ち、溶融成形後、熱延伸する方
法によつては、幅方向のヤング率を一定のレベルに保持
したまま、長さ方向のヤング率を望ましいレベルに増大
することは不可能に近い。
また、磁気記録媒体における情報記録の高密度化のた
めに、Co,Ni,Cr,Feなどの金属やこれらの合金を真空蒸
着やスパツタリング、イオンプレーテイングなどの方法
によりフイルム基板上に形成させた金属薄膜型磁気記録
媒体の開発が盛んに来なわれている。
このような磁気記録媒体の基板としては、従来から主
にポリエチレンテレフタレートフイルムが使用されてい
る。しかし、ガラス転移点が70℃前後と低いため蒸着等
により磁性層を形成する際にはフイルムを十分冷却しな
ければならず、その結果磁気特性が低下したり、付着強
度が低かつたりする。従つて、この種の高密度記録媒体
用ベースフイルムには耐熱性のよい素材が望まれてい
る。
芳香族ポリアミドや芳香族ポリイミドは200℃以上の
高温に耐えるため、ポリエチレルエレフタレートフイル
ムより高温で金属薄膜の形成ができ、静的な磁気特性で
ある保磁力や、ヒステリシスループの角形比が向上する
などこの種の磁気記録媒体用ベースフイルムとして非常
に有望な素材である。
しかも、特に或る種の芳香族ポリアミドからはポリエ
チレンテレフタレートに比べ、大きなヤング率をもつた
フイルムの製造が可能なため、これを磁気記録媒体の基
本として用いることがいくつか提案されている。
例えば、特開昭55−1645号公報等には芳香族ポリアミ
ドフイルムを基体として磁性層を特別な組成のバインダ
ーで接着することが開示されている。
しかし、使用しているフイルムが元来、高ヤング率に
なりにくく、かつ吸湿性の大きいメタ系の芳香族ポリア
ミドからなるフイルムであるため、高品質の磁気記録媒
体にすることが難しい。
特開昭51−129201号公報には、芳香族ポリアミド共重
合体フイルムを基体とする磁気記録媒体が開示されてい
る。このフイルムは、共重合体であるが故に温度変化に
対する寸法安定性に欠け、特にバインダーを使用せずに
蒸着やスパツタリングで磁性薄膜を形成する用途には不
向きである。
また、特開昭56−11624号公報は、幅方向のヤング率
を長さ方向のヤング率よりも大きくした芳香族ポリアミ
ドフイルムを基体として用いることを提案しているが、
特に8μm以下の薄手フイルムの場合長さ方向のヤング
率が十分な大きさとはいえず従つてジツター特性の抜本
的な改良という観点からは十分とはいえない上に、機械
的なシヨツクに弱く裂けやすいという欠点があるほか、
温湿度変化に対する長さ方向と幅方向の寸法安定性に差
があるため高品質の再生画像を得ることが難しい。
更に、特公昭55−51248号公報には、磁気テープ用に
適したポリアミド又はポリアミドヒドラジドフイルムが
開示されている。そして、その中にポリ−P−フエニレ
ンテレフタルアミド(PPTA)フイルムを記載されている
が、光学異方性液晶ドープからは縦方向には高ヤング率
が得られるが横方向にはもろくなるとして、光学等方性
溶液から製膜した実施例を記載している。しかし、この
ようにして得たPPTAフイルムはヤング率が900Kg/mm2
小さい上に、凝固時の大きな収縮に伴なうと思われるボ
イドの発生が避け難く、そのため光線透過率の小さいフ
イルムしか得られずにフイルムが引裂かれやすいという
欠点があること、磁気テープとして使用するとき大切な
表面の平滑性の点で不満足なフイルムしか得られないこ
と、更には高温下ではカールしやすいという欠点を有す
ることが判明した。また、該公報には、ポリアミドヒド
ラジド共重合体からなり、高ヤング率と吸湿寸法安定性
の優れたフイルムを開示している。しかしながら、この
ようなフイルムは、熱収縮率が大きく熱による変形が18
0℃以上で顕著になるため、例えば強磁性体をフイルム
の上に蒸着させて磁気テープとして用いるような用途に
は不都合である。
次に、蒸着等による薄膜型磁気記録媒体の基体に芳香
族ポリアミドフイルムの使用を開示したものに、特開昭
58−168655号公報があるが、芳香族ポリアミド共重合体
を使用しているため熱収縮率が大きく、蒸着等による金
属薄膜の形成時にカールや変形、波打ちをひきおこし、
また表面平滑性が不十分な上に伸度の点で未だ不十分で
あり、テープのスリツト時のトラブルが多いという欠点
がある。特開昭60−127523号公報に開示された芳香族ポ
リアミドフイルムについても同様の欠点が指摘できる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、高密度記録が可能でそれ故に例えば長
時間録画の可能なビデオテープ等用磁気記録媒体用の基
体フイルムについて種々検討した結果、特定の芳香族ポ
リアミドフイルムが長さ方向にも幅方向にも高いヤング
率を有し、薄くても裂けにくく、温湿度に対する寸法安
定性にもすぐれており、かつ表面性にもすぐれているこ
と、これらの特徴のために、高密度の磁気記録媒体とし
て極めて高品質のものを提供するものであることを発見
し、本発明に到達したものである。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は、フイルム面に平行な任意の方向のヤ
ング率が、1000Kg/mm2以上、伸度が10%以上、吸湿膨張
係数が3×10-5mm/mm/%RH以下、250℃の加熱収縮率が
0.2%以下であり、少くとも一表面の中心線平均粗さ(R
a)が0.05μm以下で、かつ8μm以下の厚みの実質的
にポリ−P−フエニレンテレフタルアミドからなるフイ
ルム上に、該フイルム面と平行な方向に磁化容易軸を有
する磁性層を形成してなる磁気記録媒体である。
本発明に用いられるポリ−P−フエニレンテレフタル
アミド(PPTA)は芳香族ポリアミドの一種で実質的に で表されるポリマーであり高結晶性、高配向性、緻密な
構造、耐熱性、高い寸法安定性などの特徴を有し、従来
公知のパラフエニレンジアミンとテレフタロイルクロラ
イドから、低温溶液重合法により製造するのが好都合で
ある。
本発明のポリマーの重合度は、あまり低いと機械的性
質の良好なフイルムが得られなくなるため、好ましくは
3.5以上、より好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫
酸100mlにポリマー0.5gを溶解して30℃で測定した値)
を与える重合度のものが選ばれる。
本発明に用いるフイルムは、フイルム面に平行な任意
の方向の伸度が少くとも10%である。好ましくは15%以
上である。伸度が10%未満のフイルムは脆くて取扱性が
悪い。伸度の大きさは、また、引裂強力とも関連してお
り、フイルムのスリツトやその他の加工の作業性を良く
するためにも任意の方向に10%以上の伸度をもつている
ことが肝要である。
本発明に用いるフイルムは好ましくは1Kg以上の端
裂抵抗を有している。そのため、ビデオテープとして使
用したとき機械的シヨツクに対して安定である。本発明
に使われるフイルムはさらに好ましくは2Kg以上の端
裂抵抗を有している。
本発明に用いるフイルムは、フイルム面に平行な任意
の方向のヤング率が少くとも1000Kg/mm2であり、フイル
ムとしてのヤング率は異常に大きい。好ましくは1200Kg
/mm2以上である。この要件は、フイルムの外力に対する
変形抵抗性と密接に関連している。そして、本発明の磁
気記録媒体(磁気テープ)において、長さ方向のヤング
率が大きいため、薄手化してもテープの走行性が良く、
ジツター特性にすぐれていることを意味する。幅方向の
ヤング率が大きいとテープに、しわや折れが生じにくい
ため、テープ製造時の作業性や使用時の取扱い性が良く
なる。本発明にて用いるフイルムは、好ましい態様にお
いては、長さ方向のヤング率と幅方向のヤング率との比
が約0.8〜1.2の範囲内にある。
本発明に用いるフイルムは、更に、フイルム面に平行
な任意の方向の吸湿膨張係数が3×10-5mm/mm/%RH以下
であるべきで、好ましくは2.5×10-5mm/mm/%RH以下で
ある。吸湿膨張係数が3×10-5mm/mm/%RHを超えるフイ
ルムは、湿度の変化に対する寸法安定性に欠けたフイル
ムであることを意味し、磁気記録媒体の長さが湿度によ
つて変化するために、再生画像が謂ゆるスキユーを起し
たり、磁性層が基体からはがれたり、磁性層にヒビが入
つたりするという欠点が生じる。
本発明に用いるフイルムは、その少くとも一表面の中
心線平均粗さ(Ra)が0.05μm以下という表面性のすぐ
れたフイルムである。そして、より好ましくは、Raが0.
02μm以下、更に好ましくは0.01μm以下である。Raの
小さいフイルムを基体に用いることによつて、本発明の
磁気記録媒体を例えばビデオテープレコーダのテープと
して用いたとき磁気ベツドの走行性が良くなり、ドロツ
プアウトがなくなり、ノイズが低下する。中心線平均粗
さ(Ra)は、JIS B−6061及びJIS B−0651に従つて
測定できる。(カツトオフ値0.08mm)例えば、東京精密
社製万能表面形状測定機サーフコム3Bに使うことができ
る。
更に、本発明に用いるフイルムは、250℃での加熱収
縮率が0.2%以下であり、より好ましくは0.15%以下で
ある。このような好ましい特徴は、特公昭55−51248号
公報や特公昭53−44957号公報に開示されたコポリアミ
ドヒトラジドフイルムや、特開昭58−168655号公報のア
ラミド共重合体フイルムの持ち合せないもので、本発明
に用いるフイルムに独特の性能である。加熱収縮率の小
さいフイルムは、例えば、強磁性層の蒸着時の基体の変
形が起らず有用である。
本発明に用いられるフイルムは8μm以下の厚さをも
つ必要がある。8μmを超える厚さになると、高密度記
録という本発明の目的から外れ、例えば、ビデオテープ
用磁気テープの場合、長時間録画できるテープという要
請とコンパクトで軽いテープという要請とを両立できな
くなる。
一方、あまり薄いフイルムの場合、取扱いが困難な上
に良好な再生画像特性を発揮させるのが難しくなるた
め、通常1μm以上のフイルムが使用される。フイルム
厚は好ましくは2〜6μmである。
本発明に用いるフイルムは、好ましくは25℃、65%RH
における吸湿率が2%以下であり、更に好ましくは1.5
%以下である。フイルムの吸湿率を小さくするために
は、フイルム製造時の熱処理温度を高くすることが効果
的であるが、水洗後の膨潤ゲルの延伸倍率にも少し依存
している。特別な方法として、疎水性コモノマーや末端
封鎖剤の使用されたPPTAを用いて、吸湿率を小さくする
ことも好ましい実施態様であり、また撥水性化合物で置
換したり、ブレンドすることも行われていた。フイルム
の吸湿率を小さくすることによつて、磁性層の接着や蒸
着、スパツタリング時の作業性が向上する。
本発明に用いるフイルムは、好ましくは35Kg/mm2以上
の強度をもつており、より好ましくは45Kg/mm2以上の強
度を有する。PPTAフイルムにおけるこのような高強度
は、比較的高濃度の光学異方性ドープを光学等方化し、
その後凝固させてフイルム化するという独特のプロセス
に固有の性能である。
本発明に用いるポリアミドフイルムは、透明なものが
好ましくより具体的には600nmの光線透過率が60%以上
のものが、しわになりにくいという点では好ましい。
本発明の基体(フイルム)には、平滑剤として、例え
ばシリカ、タルク、硫酸カルシウムなどの無機物が分散
含有されていてもよい。
また、本発明で用いられる基体は、次に述べる磁気記
録層の形成に先だち、易接着化、平面性改良、着色、帯
電防止、耐摩耗性付与等の目的で各種の表面処理や前処
理が施されても良い。
本発明に用いるPPTAフイルムは、PPTAと95重量%以上
の硫酸とから実質的になる光学異方性ドープを、光学異
方性を保つたまま支持面上に流延し、吸湿又は/及び加
熱により該ドープを光学等方性に添加したのち凝固さ
せ、凝固・洗浄後、湿潤状態でフイルムを倍以上に2軸
延伸したのち、フイルムの収縮を制限した状態で乾燥及
び約400℃での熱処理を行う、という独特の方法で得る
ことができ、この方法は従来公知のPPTAフイルムの製造
法と全く異なるものでらる。
本発明の磁気記録媒体に使用される磁性層とは、強磁
性微粉末を、結合剤、添加剤及び溶剤等に混練分散した
磁性塗料を塗工、配向、乾燥して塗付型磁性層を設けた
もの、及び強磁性金属、合金等を真空蒸着、無電解メツ
キ、スパツタリング、イオンプレーテイング等のベーパ
ーデポジシヨンまたはメツキによる析出方法により金属
薄膜型磁性層を設けたものである。このうち、特に後者
の磁性層が設けられたとき、高品質の高密度記録という
本発明の目的により一層かなうので好ましい態様であ
る。
金属薄膜型磁性層の場合は鉄、コバルト、ニツケルそ
の他の強磁性金属、あるいはFe−Co,Fe−Ni,Co−Ni,Fe
−Si,Fe−Rh,Fe−V,Co−P,Co−B,Co−Si,Co−V,Co−Y,C
o−La,Co−Ce,Co−Pr,Co−Sm,Co−Mn,Fe−Co−Ni,Co−N
i−P,Co−Ni−B,Co−Ni−Ag,Co−Ni−Nd,Co−Ni−Ce,Co
−Ni−Zn,Co−Ni−Cu,Co−Ni−Hg,Co−Ni−W,Co−Ni−R
e,Co−Mn−P,Co−Zn−P,Co−Ph−P,Co−Sm−Cu,Co−Ni
−Zn−P,Co−Ni−Mn−P等の強磁性合金をベーパーデポ
ジシヨン法あるいはメツキ法などの析出方法によつて薄
膜状に形成せしめ磁性層としたのである。ベーパーデポ
ジシヨン法とは気体あるいは真空空間中において析出さ
せようという物質またはその化合物を蒸気あるいはイオ
ン化した磁気として基体上に析出させる方法で真空蒸着
法、スパツタリング法、イオンプレーテイング法、化学
気相メツキ(Chemical Vapor Deposition)法等がこれ
に相当する。メツキ法とは電気メツキ法あるいは無電気
メツキ等の液相より基体上に物質を析出させる方法をい
う。
ベーパーデポジシヨン法において、これらの条件は方
法、物質によつて大きく変るが大凡の特異点は次の第1
表の通りである。
前記のメツキ法には無電解メツキおよび電解メツキが
あり、無電解メツキによる方法は、特に非導電性の基体
上への磁性層の形成が可能であるという利点を有し、基
体との密着が極めて良好で、かつ優れた磁気特性を有す
る磁性層を均一に形成せしめることが容易である。本発
明において、無電解メツキとは化学還元メツキを指し、
メツキするべき金属イオンをメツキ溶液中の還元剤によ
り還元せしめて基体上に金属として析出させる方法であ
る。基体表面上にのみ上記の還元反応をスタートさせ促
進させるためには、前処理によつて基体表面に触媒活性
を賦与しておくことが必要である。例えば、プラスチツ
ク基体上に磁性メツキを施す場合には、脱脂→エツチン
グ→基体表面活性化処理→無電解磁性メツキの諸工程が
通常行なわれている(米国特許3,245,826号同3,353,986
号等参照)。脱脂およびエツチングの工程は、磁性メツ
キ層を基体上に均一に、しかも密着よく形成させるため
に行なわれるものであつて、一つの液で両方の作用を兼
ねさせることもできる。例えば、脱脂・エツチング液と
しては苛性ソーダ水溶液、あるいは重クロム酸+硫酸混
液等が広く用いられる。基体表面活性化処理として通常
広く行なわれている方法は、米国特許2,702,253号に示
されている塩酸酸性SnCl2溶液からなるセンシタイザー
液による感受性化、さらにそれに続くPd,Au,Ag等の貴金
属イオンを有するアクチベーター液による活性化の工程
であり、この処理を経た基体表面にはメツキ反応を触媒
として働くPd,Au,Ag等の微粒子が付着させられる。さら
に米国特許3,011,920号、同3,532,518号等に記載されて
いるようなPd−Snゾル液により処理(カタリスト処理)
→アクセラレーター液による処理から成る基体表面活性
化処理法にも実用化されている。あるいは、基体表面に
蒸着等の方法によつて触媒金属粒子を付着させる方法、
触媒金属微粒子を有機バインダー中に分散させて基体表
面に塗布する方法、触媒金属塩を含む層を基体表面に設
け、還元剤により触媒金属に変化させる方法等の特殊な
基体表面活性化処理法もある。
無電解磁性メツキ浴は通常(イ)強磁性金属薄膜を形
成させるためのコバルト、ニツル、鉄その他の金属イオ
ン、(ロ)次亜りん酸塩、水素化ほう素化合物、ヒドラ
ジン等の還元剤、(ハ)マロン酸、コハク酸、酒石酸、
クエン酸、アンモニウム塩等の錯化剤、(ニ)蟻酸、酢
酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸等のpH緩衝剤、
(ホ)水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸塩
等のpH調節剤等を含有することができる。
メツキ浴の強磁性金属イオンの濃度は約0.001〜3mole
/であり、他の金属イオンは磁性層の組成で約0.001〜
15wt%となるように添加され、メツキ浴のpHは、6.5〜
9が好ましく、メツキを速やかに進行させるべくメツキ
力の温度は60〜95℃が好ましい。また、メツキ速度は一
般には50Å/min〜5000Å/min、特に好ましくは200Å/mi
n〜2000Å/minが良好である。無電解磁性メツキ浴とし
ては高い残留磁束密度および抗磁力を得るため、磁性金
属イオンとしてコバルトイオンあるいはコバルトイオン
とニツケルイオンを含み、還元剤としては次亜リン酸イ
オンを含む浴が広く知られている(米国特許3,116,159
号、米国特許3,219,471号等参照)。これらのメツキ力
より作製された無電解メツキ磁性膜は少量のPを含有
し、これがCoあるいはCo−Ni金属のグレイン境界に析出
するために高抗磁力が得られると説明されてきている。
更に無電解メツキの場合には基体上に下塗り層を設け
る場合もある。
下塗り層として用いられるものとしてはABS樹脂、エ
ポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
リデン共重合体、ニトロセルロース、ポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、ニトリルゴム、アクリルゴム等が用い
られ、乾燥厚みは10μm以下が良い。
強磁性金属層を無電解メツキ法によつて形成せしめる
方法に依る場合には、上記の下塗り層中に無電解メツキ
のための触媒活性を働きをするPd,Au,Pt,Ag等の金属あ
るいは化合物あるいは同様な働きを有する他の化合物を
含有させておいてもよい。
電気メツキによる方法は電解還元メツキを指し、メツ
キすべき金属イオンをメツキ浴液中での電解により還元
せしめて基体表面上に金属として析出させる方法であ
る。この場合も無電解メツキと同様に脱脂、エツチン
グ、感受性化、活性化などの前処理を行ない、場合によ
つては、非磁性金属下地層を設けることが好ましい。
電解磁性メツキ浴は通常前記の無電解メツキ浴と同様
な組成で調整され、Co,NiおよびFeの少なくとも一種の
強磁性金属およびCr,Mn,Cu,Zn,Ag,Au,Hg,P,希土類元素
(Se,Y,La,Ce,Sm,Lu等)などの他の添加金属イオン;次
亜りん酸塩、水素化ホウ素化合物、ヒドラジン等の還元
剤;塩化アンモニウム、水酸化ナトリウム、塩酸、硫
酸、硝酸等のpH調節剤等を含有することができる。
電解メツキ浴中の強磁性金属イオン濃度は0.01〜5mol
/であり、他の金属イオンは磁性層の組成で約0.001〜
15wt%となるように添加される。メツキ浴のpHは3〜7
が好ましく、メツキ浴の温度は10℃〜80℃が好ましい。
また、電流密度は0.01〜10Ådm2で、メツキ時間は5秒
〜30分とするのが良い。
一方、塗布型磁性層の場合、磁気塗料は強磁性微粉
末、バインダー、塗布溶媒を種成分とし、この他に分散
剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤等の
添加剤を含む場合もある。
上記の強磁性微粉末としては強磁性酸化鉄、強磁性二
酸化クロム、強磁性合金粉末などが使用できる。
上記の強磁性酸化鉄は一般式FeOxで示した場合のx値
が1.33≦x≦1.50の範囲にある強磁性酸化鉄、すなわ
ち、マグヘマイト(γ−F2O3,X=1.50)、マグネタイト
(Fe3O4,X=1.33)及びこれらのベルトライド化合物(F
eOx,1.33<x<1.50)である。
これらの強磁性酸化鉄には2価の金属が添加されてい
ても良い。2価の金属としてはCr,Mn,Co,Ni,Cu,Znなど
があり、上記酸化鉄に対して0〜10atomic%の範囲で添
加される。
上記の強磁性二酸化クロムはCrO2およびこれにNa,K,T
i,V,Mn,Fe,Co,Ni,Tc,Ru,Sn,Ce,Pbなどの金属、P,Sb,Te
などの半導体、またはこれらの金属の酸化物を0〜20wt
%添加したCrO2が使用される。
上記の強磁性酸化鉄および強磁性二酸化クロムの針状
比は2/1〜20/1程度、好ましくは5/1以上、平均長は0.2
〜2.0μm程度の範囲が有効である。
上記の強磁性合金粉末は金属分が75wt%以上であり、
金属分の80wt%またはそれ以上が少なくとも一種の強磁
性金属(すなわち、Fe,Co,Ni,Fe,−Co,Fe−Ni,Co−Ni,
またはCo−Ni−Fe)であり、金属分の20wt%またはそれ
以下、好ましくは0.5〜5wt%がAl,Si,S,Sc,Ti,V,Cr,Mn,
Cu,Zn,Y,Mo,Rh,Pb,Ag,Su,Sb,Te,Ba,Ta,W,Re,Au,Hg,Pd,B
i,La,Ce,Pr,Nd,B,Pなどの組成を有するものであり、少
量の水、水酸化物または酸化物を含む場合もある。
上記の強磁性合金粉末は長径が約0.5μm以下の粒子
である。
前記の磁性層のバインダーとしては従来公知の熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂やこれらの混合物
が使用される。
熱可塑性樹脂として軟化温度が150℃以下、平均分子
量が10,000〜200,000、重合度が200〜2000程度のもの
で、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、アク
リル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エステ
ルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレン
共重合体、ウレタンエラストマー、ポリ弗化ビニル、塩
化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブダジエンア
クリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニル
ブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテート
ブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースト
リアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセル
ロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステ
ル樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂(ポリブタジ
エン、ポリクロロプレン、ポリイソレン、スチレンブタ
ジエン共重合体など)及びこれらの混合物等が使用され
る。
熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に添加す
ることにより、縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。又、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱
分解するまでの間に軟化又は溶融しないものが好まし
い。具体的には例えばフエノール・ルマリン−ノボラツ
ク樹脂、フエノール・ホルマリン−レゾール樹脂、フエ
ノール・フルフラール樹脂、キシレン・ホルムアルデヒ
ド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、乾性油変性アルキツ
ド樹脂、石炭酸樹脂変性アルキツド樹脂、マレイン酸樹
脂変性アルキツド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂と硬化剤(ポリアミン、酸無水物、ポリアミド
樹脂、その他)、末端イソシアネートポリエステル湿気
硬化型樹脂、末端イソシアネートポリエーテル湿気硬化
型樹脂、ポリイソシアネートプレポリマー(ジイソシア
ネートと低分子量トリオールとを反応させて得た1分子
内に3ケ以上のイソシアネート基を有する化合物、イソ
シアネートのトリマー及びテトラマー)、ポリイソシア
ネートプレポリマーと活性水素を有する樹脂(ポリエス
テルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル酸
共重合体、マレイン酸共重合体、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート共重合体、パラヒドロキシスチレン共重
合体、その他)、及びこれらの混合物等である。
これらの結合剤の単独又は組合わされたものが使わ
れ、他に添加剤が加えられる。強磁性粉末と結合剤との
混合割合は重量比で強磁性粉末100重量比に対して結合
剤8〜400重量部、好ましくは10〜200重量部の範囲で使
用される。
磁性層には、前記のバインダー、強磁性微粉末の他に
添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防
錆剤、防黴剤等が加えられてもよい。
磁性粉末及び前述のバインダー、分散剤、潤滑剤、研
磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、溶剤等は混練され
て磁性塗料とされる。
基体上へ前記の磁気記録層を塗布する方法としてはエ
アードクターコート、ブレードコート、リバースロール
コート、トランスフアーロールコート、グラビアコー
ト、キスコート、キヤストコート、スプレイコート、ス
ピンコート等が利用できる。
磁性層の厚みは乾燥厚みで約10μm以下、好ましくは
0.5〜6μmの範囲となるように塗布する。重層の場合
は合計で上記の範囲とされる。又、この乾燥厚みは磁性
テープの用途、形状、規格などにより決められる。
このような方法により、基体上に塗布された磁性層は
必要により前記のように層中の磁性粉末を配向させる処
理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。又必要に
より表面平滑化加工を施したり、所望の形状に裁断した
りして、本発明の磁気記録媒体を製造する。
特に本発明に於ては磁気記録層の表層平滑化処理をほ
どこすと、表面が平滑で、且つ耐摩耗性にすぐれた磁気
記録媒体が得られることが判明した。この表面平滑化処
理は乾燥前のスムーズニング処理、あるいは乾燥後のカ
レンダリング処理によつて行なわれる。
配向処理は下記の条件で行なわれる。
配合磁場は交流または直流で約500〜3000Oe程度であ
る。
磁性体の配向方向は、その用途により定められる。即
ち、サウンドテープ、小型ビデオテープ、メモリーテー
プなどの場合にはテープの長さ方向に平行であり、放送
用ビデオテープなどの場合には長さ方向に対して、30゜
乃至90゜の傾きをもつて配向される。
又、重層の場合には上層と下層の配向を異なつた方向
に行なつても良い。
このように本発明においては、磁性体の配向方向は、
テープの長さ方向に平行な方向、すなわちフイルム面と
平行な方向に磁化容易軸を有するものが選ばれる。
配向後の磁性層の乾燥温度は約50〜120℃程度、好ま
しくは70〜100℃、特に好ましくは80〜90℃で空気流量
は1〜5kl/m2、好ましくは2〜3kl/m2で、乾燥時間は約
30秒〜10分間程度、好ましくは1〜5分である。
前記の磁性層の乾燥前の塗膜表面のスムーズニング処
理としてはマグネツトスムーザー、スムーズニングコイ
ル、スムーズニングプレード、スムーズニングブランケ
ット等の方法を必要に応じて使用される。
磁性層の乾燥後の塗膜表面のカレンダリング処理はメ
タノールとコツトンロール、または合成樹脂(たとえば
ナイロン、ポリウレタンなど)ロール、あるいはメタル
ロールとメタルロールなどの2本のロールの間を通すス
ーパーカレンダー法によつて行なうのが好ましい。
また、本発明の芳香族ポリアミドフイルムには磁性層
および後述するバツク層の接着性改良のため、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタンエラストマー、アルコール可溶
性ポリアミド樹脂などの下塗層を乾燥厚み約0.03〜2μ
m、好ましくは0.05〜1.5μmの範囲で設けても良い。
又、本発明の基体は帯電防止、転写防止、ワウフラツ
ターの防止、磁気テープの強度向上、バツク面のマツト
化等の目的で、磁性層を設けた側の反対の面(バツク
面)がいわゆるバツクコート(backcoat)されていても
よい。
このバツク層は組成としては前記の潤滑剤、研磨剤、
帯電防止層などの少なくとも1種の添加剤、および場合
によつてはこれらを均一に分散させるために分散剤を前
記のバインダー、塗布溶媒と混練、分散した塗布液を上
記の基体のバツク面上に塗布、乾燥して設けたものであ
る。前記の磁性層およびバツク層は基体上どちらかが先
に設けられても良い。
通常使用される好ましい添加剤はカーボンブラツク、
グラフアイト、タルク、Cr2O3、α−Fe2O3(ベンガ
ラ)、シリコーンオイルなどであり、バインダーは前記
のうち熱硬化性樹脂又は反応型樹脂が好ましい。
バツク層全固形分に対して無機化合物の添加剤の場合
は約30〜85wt%、好ましくは40〜80wt%有機化合物の添
加剤の場合は約0.1〜30wt%、好ましくは0.2〜20wt%の
混合比で設けられる。又、乾燥厚みは約0.5〜5.0μmの
範囲で磁気記録媒体の全厚、用途、形状、目的等に応じ
て任意に選択することができる。
(実施例) 以下本発明を実施例により更に具体的に説明する。こ
こに示す成分:割合:操作順序等は、本発明の思想から
逸脱しない範囲において変更しうるものであることは本
業界に携わるものにとつては容易に理解されることであ
る。
従つて、本発明は以下の実施例に制限されるべきでは
ない。
〔測定法〕
対数粘度ηinhは98%硫酸100mlにポリマー0.5gを溶解
し、30℃で常法で測定した。ドープの粘度は、B型粘度
計を用い1rpmの回転速度で測定したものである。
フイルムの強伸度およびヤング率は、定速伸長型強伸
度測定機により、フイルム試料を100mm×10mmの長方形
に切り取り、最初のつかみ長さ30mm、引張り速度30mm/
分で荷重−伸長曲線を5回描き、これより算出したもの
である。
吸湿膨張係数は、熱機械分析装置に2mm幅のフイルム
サンプルを把握長8mm、荷重0.15Kg/mm2でセツトし、25
℃で湿度を0%から90%に変化させたときのサンプルの
初期長さに対する増分の比を相対湿度の変化に対して求
めたものである。Raは前記した方法で測定した。
吸湿率は、サンプルを絶乾状態から25℃,65%RHの雰
囲気に放置したときの、サンプルの初期重量に対する増
分の比を百分率表示したものである。
加熱収縮率は、サンプルを約10cm長さにとり、25℃65
%RHで長さを精密に測定したのち、250℃のオーブン中
に2時間入れ、取り出して25℃ 65%RHの雰囲気に2時
間放置後の長さを測定し、サンプルの初期長さに対する
減分の比を百分率表示したものである。
走行性:VHS方式のビデオテープレコーダーを用い、テー
プ走行による画面のゆらぎを観察した。雰囲気は25℃,6
5%RHである。
○:走行性順調で再生画面のゆらぎが全くない。
×:走行性が悪くなり、再生画面のゆらぎが生ずる。
耐久性:100回繰り返し走行させたあとの磁性面のすり傷
や、欠落テープのしわ、折れを観察した。雰囲気は25
℃,55%RH下である。
◎:全くすり傷や欠落、しわ、折れがない。
○:極めて弱いすり傷、しわの発生が見られる。
×:きついすり傷や、磁性層の欠落しわ、折れが見られ
る。
ドロツプアウト:ビデオ録画を行ない、再生時のビデオ
出力の減衰量が18dB、継続時間20秒以上のドロツプアウ
トを10分間ドロツプアウトカウンターで測定して、相対
比較した。
実施例1〜2,比較例1〜2 〔PPTAフイルムの製造〕 ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫酸にポリマー
濃度11.5%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ、1060
0ポイズだつた。製膜しやすくするために、このドープ
を約70℃に保つたまま、真空下に脱気した。この場合も
上記と同じく光学異方性を有し、粘度は4400ポイズであ
つた。タンクからフイルターを通し、ギアポンプをへて
ダイに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、0.15mm×300mm
のスリツトを有するダイから3.5m/分の吐出線速度で、
鏡面に磨いたタンタル製のベルト(12m/分で移動)にキ
ヤストし、相対湿度約85%の約90℃の空気を吹きつけ
て、流延ドープを光学等方化し、ベルトとともに、−5
℃の15重量%硫酸水溶液の中に導いて凝固させた。次い
で凝固フイルムをベルトからひきはがし、約40℃の温水
中、炭酸ソーダの1%水溶液中、次いで25℃水中を走行
させて洗浄した。洗浄の終了した含水率約280%のフイ
ルムをまず室温でロールの周速差を利用して長尺方向
(MD)に1.2倍に一軸延伸を行い、次いでテンターに入
れて入口に近いところで幅方向(TD)に1.2倍に延伸し
テンターの中央付近は150℃に定長加熱して乾燥し、更
にテンターの出口付近には赤外線ランプをとりつけて40
0℃で熱処理したのち、長尺フイルムを捲取つた。
得られたPPTAフイルムは、透明性にすぐれ、4.5μm
の厚さをもつており、ηinh=4.9、吸湿率1.3%、強度
が50±3Kg/mm2、(バラツキはフイルム面内での各方向
でのバラツキを示す。以下同じ)、伸度17±1%、ヤン
グ率1300±50Kg/mm2、吸湿膨張係数(2.3±0.2)×10-5
mm/mm/%RH、Ra=0.01μm、加熱収縮率0.12%で、製造
後及び以下に述べる強磁性層の蒸着のいずれの場合にも
カールの発生がなかつた。
〔磁気記録媒体の製造と評価〕
フイルムを真空槽内に装填し、10-2トールのAr雰囲気
下でグロー処理し、次いで真空槽を10-6トールまで真空
にして、フイルムを100℃に加熱したドラムに沿わせて
走行させながら電子ビーム蒸着により、Co−Ni合金を12
00Åの膜厚になるように蒸着した。
これをスリツトして磁気テープとし、前記の方法で評
価した結果を第1表に示す。(実施例1) 次に、同じ電子ビーム蒸着装置を使用して、約1800Å
の厚さのコバルトとコバルト酸化物より成る強磁性層を
PPTAフイルムの上に形成させた。
これもスリツトして磁気テープとし、前記の方法で評
価した結果を第1表に示す。(実施例2) 次に、市販のポリイミドフイルムの125μを使用して
実施例1と同様に磁気テーを作製した。このベースフイ
ルムの磁気テープとしての評価結果を第1表に示す。
(比較例1) 更に、ポリエチレンテレフタレートフイルムを使用し
て実施例1と同様に蒸着を試みたがフイルムが変形した
り、孔あきが発生して蒸着フイルムを得ることができな
かつた。(比較例2) 実施例3〜4 ηinhが5.8のPPTAポリマーを99.5%の硫酸にポリマー
濃度12.5%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ、8400
ポイズだつた。製膜しやすくするために、このドープを
約70℃に保つたまま、真空下に脱気した。この場合も上
記と同じく光学異方性を有し、粘度は4400ポイズであつ
た。タンクからフイルターを通し、ギアポンプをへてダ
イに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、0.25×300mmのス
リツトを有するダイから3.5m/分の吐出線速度で、鏡面
に磨いたタンタル製のベルト(12m/分で移動)にキヤス
トし、相対湿度約52%の約90℃の空気を吹きてつけて、
流延ドープを光学等方化し、ベルトとともに、−5℃の
20重量%硫酸水溶液の中に導いて凝固させた。次いで凝
固フイルムをベルトからひきはがし、約40℃の温水中、
炭酸ソーダの1%水溶液中、次いで25℃水中を走行させ
て洗浄した。洗浄の終了した含水率約250%のフイルム
をまず室温でロールの周速差を利用して長尺方向(MD)
に1.2倍に一軸延伸を行い、次いでテンターに入れて入
口に近いところで幅方向(TD)に1.2倍に延伸し、テン
ターの中央付近は200℃に定長加熱して乾燥し、更にテ
ンターの出口付近には熱板をとりつけて400℃で熱処理
したのち、長尺フイルムを捲取つた。
得られたPPTAフイルムは、透明性にすぐれ、8μmの
厚さをもつており、ηinh=5.2、吸湿率1.2%、強度で5
3±3Kg/mm2、(バラツキはフイルム面内での各方向での
バラツキを示す。以下同じ)、伸度15±1%、ヤング率
1450±50Kg/mm2、吸湿膨張係数(1.8±0.2)×10-5mm/m
m/%RH、Ra=0.006μm、加熱収縮率0.12%で、製造後
及び以下に述べる磁性層のとりつけのいずれの場合にも
カールの発生がなかつた。
〔磁気記憶媒体の製造と評価〕
このようにして得たフイルムの上に、スパツタリング
によつて、Co−Ni合金を2500Åの厚さに積層し、これを
スリツトして磁気テープとし、前記の方法で評価した結
果、良好なテープ特性が得られた。(実施例3) 次に上記の8μmフイルムから塗布型磁気テープを製
造した例を示す(実施例4)。
第2表に示す組成物を混練した後、ボールミルに入
れ、24時間分散後、ポリイソシアネート(3モルのトリ
レンジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロの
アダクト体、75重量%酢酸エチル溶液、NCO含有率約13.
3重量%バイエルA.G.社製「デスモテユールL−75」)
7部を加え更に1時間高速剪断分散し、平均孔径2μの
フイルターで濾過し、磁性塗布液を得た。この塗布液の
粘度は35c.p.であつた。
上記の磁性塗布液を前記8μm厚さのフイルム上に3.
5μmの乾燥厚味となる様に塗布し、ついで0.02秒間2,5
00ガウスの直流磁場によりフイルムの長さ方向に磁場配
向処理を行ない、100℃で2分間加熱乾燥した。得られ
た広巾の磁気ウエブをメタルロール(クロムメツキされ
たスチールロール:バツクアツプロール)とナイロンロ
ール(カレンダーロール)を用いて50Kg/cmのロール間
圧力、60℃の温度および30m/minの処理速度でスーパー
カレンダー処理を行なつた。この広巾磁気ウエブをスリ
ツトし、8mm巾の磁気テープを得た。
この磁気テープを前記の方法で評価したところ良好な
テープ特性がえられた。また、この磁気テープを90℃で
24時間保管したのち、テープ特性を調べても殆んど変化
がなかつた。
(発明の効果) 本発明の磁気記録媒体は、その基体に、軽量で耐熱性
にすぐれ、全ての方向に対して高ヤング率で加熱収縮率
及び吸湿膨張係数が小さく、表面平滑性にすぐれ、かつ
必要な伸度を備えたPPTAフイルムを用いるので、高温
に曝しても変質がない。例えば磁気テープとして使用し
たときの摩擦熱等に全く影響されず耐久性が良く、ま
た、蒸着等により薄膜型磁性層をつけるときの変形がな
く、また高温にできるため接着性がよい、温湿度の変
化による寸法変化が小さいため、磁気記録媒体の変質が
ないことはもちろんのこと、再生画像の質が向上する、
外力による寸法変化が小さいためジツター特性のすぐ
れた薄手の磁気テープが得られ、また、折れ、しわ、破
れ等が生じ難く、高品質の再生画像がえられる、基体
がタフであるので従来よりも過酷な使用が可能である。
表面平滑性にすぐれているので、磁気テープの走行性
にすぐれている上、高密度記録ができる、特に薄手の
フイルムで上記特徴が発揮される、等の特徴を有してい
るので、特に、長時間録画用のビデオテープとして、ま
たは/及び軽量のビデオテープ或いはオーデイオテープ
として非常に有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フイルム面に平行な任意の方向のヤング率
    が1000kg/mm2以上、伸度が10%以上、吸湿膨張係数が3
    ×10-5mm/mm/%RH以下、250℃の加熱収縮率が0.2%以下
    であり、少くとも一表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.05
    μm以下で、かつ8μm以下の厚みの実質的にポリ−P
    −フエニレンテルフタルアミドからなるフイルム上に、
    該フイルム面と平行な方向に磁化容易軸を有する磁性層
    を形成してなる磁気記録媒体。
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