JPH0668309U - 自動車用アース端子の接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスのアース端子を、車体へボル
ト締め接続する作業性の向上と、ワイヤハーネスのアー
ス回路の設定自由度の向上を図る。 【構成】 ワイヤハーネス７への取付部４に、車体への
固定ボルト６のボルト孔３Ａを有するクリップ係止部２
を連設したワイヤハーネス用ボルト締めクリップ１のク
リップ係止部２に、車体への接続ボルト３Ｂを有する板
状のアース端子９を重合収容するアース端子収容部５を
設け、このアース端子収容部５は、アース端子９の挿入
口１０と固定ボルト６の挿着孔１１を有し、かつ、重合
収納したアース端子９のボルト孔３Ｂと、クリップ係止
部２のボルト孔３Ａを同心状にして、アース端子９を押
え係止するポケット状の枠部１２からなり、このアース
端子収容部５内で重合したクリップ係止部２とアース端
子９を、共通の固定ボルト６によって、同時に車体に締
め付け固定する構造が特徴である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤハーネス側のアース端子を、車体にボルト接続する自動車用 アース端子の接続構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用ワイヤハーネスから引き出したアース線のアース端子は、車体にボル ト接続する板端子をなしており、そのアース端子を、ワイヤハーネスを配設する 近傍の車体に設けたアース接続部にボルト接続するようになっている。一方、そ のアース線を引き出すワイヤハーネスは、同じく車体のクリップ取付部にボルト 接続されるボルト締めクリップを随所に取り付け、そのクリップを車体にボルト 締め固定することによって、ワイヤハーネスの車体への配設姿勢を整えて保持す るようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上の従来構造のものは、アース端子とボルト締めクリップを、個別に車体に ボルト締め固定するので、ワイヤハーネスの車体への配設作業に手数がかかると 共に、車体に、それ等を接続するボルト締め部を多数形成する必要があるので、 車体加工性上好ましくない。さらに、近年の自動車の電気回路の高度化に伴って 、ワイヤハーネスに設けられるアース端子は増加の傾向にあるものの、それ等を 接続するアース接続部が、車体側の事情によって位置や数が制限されて、ワイヤ ハーネスのアース回路の設定自由度が阻害される場合があり、この難点解消が当 該分野で求められている。

【０００４】 本考案は、以上の従来技術の難点を解消するアース端子の接続構造を提供する ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 以上の技術課題を解決する本考案のアース端子の接続構造は「ワイヤハーネス の外周への取付部に、車体への固定ボルトのボルト孔を有するクリップ係止部を 連設したワイヤハーネス用ボルト締めクリップの該クリップ係止部に、車体への 接続用ボルト孔を有する板状のアース端子を重合収容するアース端子収容部を設 け、該アース端子収容部は、前記クリップ係止部と前記アース端子のボルト孔を 同心状にして前記アース端子の周縁を押え係止し、かつ、前記アース端子の挿入 重合と前記固定ボルトの装着を許容する枠部を有する構造」が特徴である。

【０００６】 そして、ワイヤハーネスから引き出したアース線のアース端子を、ワイヤハー ネス用ボルト締めクリップの前記アース端子収容部に挿着セットし、相互のボル ト孔が同心をなして重合したアース端子とクリップ係止部を、共通の固定ボルト によって車体側に締め付け固定し、クリップの車体への固定とアース端子の車体 への接続固定を、同一部位で同時になすようになっている。

【０００７】

【作用】

以上の本考案のアース端子の接続構造は、ワイヤハーネスに共存するワイヤハ ーネス用ボルト締めクリップの車体側への係止固定とアース端子の車体への接続 固定が、共通の固定ボルトによって同時にできるので、ワイヤハーネスの車体へ のボルト締めセットの作業回数と車体側の取付部の数を低減すると共に、その取 付部数の減少によって車体への取付部配設の拘束が緩和され、その緩和に伴って アース回路の設定自由度が向上する。

【０００８】

【実施例】

以下、実施例に基づいて詳しく説明する。まず、本考案一実施例を示す図１を 参照して、ワイヤハーネス７の外周へテープ巻固定する板状の取付部４の中間側 方に、車体への固定用ボルト６のボルト孔３Ａを設けた板状のクリップ係止部２ を有するワイヤハーネス用ボルト締めクリップ１のクリップ係止部２に、下記に 詳述するアース端子収容部５が設けられている。

【０００９】 即ち、アース端子収容部５は、ワイヤハーネス７から引き出したアース線８の 板状の二枚合せのアース端子９を、クリップ係止部２に重合させて収容する構造 を有し、取付部４側のアース端子９の挿入口１０と、固定ボルト６の挿着孔１１ を上部に有し、この挿入口１０と挿着孔１１を除いて全体を枠囲いしたポケット 状の枠部１２からなり、この端子収容部５に、アース端子９を挿入口１０から入 れると、クリップ係止部２のボルト孔３Ａと、アース端子９の中央の車体接続用 のボルト孔３Ｂとが、同心状をなして重合し、重合姿勢のアース端子９が位置ず れしないように、枠部１２によって押え込み係止するようになっている。

【００１０】 そして、図１の（Ｂ）（Ｃ）参照、予めワイヤハーネス７の外周へ取付部４を テープ巻して、ワイヤハーネス用ボルト締めクリップ１が取り付け固定され、こ のクリップ１のアース端子収容部５に、ワイヤハーネス７から引き出したアース 線８のアース端子９が収容され、同心状になった両者のボルト孔３Ａ・３Ｂに、 固定ボルト６が挿着されて、車体１３のクリップ取付部１４に締め付け固定され る。かくして、クリップ１によるワイヤハーネス７の車体への係止固定と、アー ス端子９の車体への接続導通が同一ポイントにおいて同時になされる。なお、図 中の１５は、アース端子収容部５へ収納したアース端子９の抜けを防止する抜け 止めストッパーである。以上の実施例のものは、前記の作用の他に、アース端子 ９を枠部１２で保護する副次作用がある。

【００１１】 つぎに、図２を参照して本考案の他の実施例を説明する。この図２のものは、 アース端子収容部５の枠部１２が簡素化され、収容したアース端子９の三方の周 縁のみを押え込み係止する形状になっている。さらに、この枠部１２は、図示し ないが、図２のものを更に簡素化して分割枠になすことがあり、要は、アース端 子９の挿入重合と固定ボルト６の挿着を許容し、かつ、重合姿勢のアース端子９ の「少くとも三方の位置決めと、上方への浮き上がりを防止する」枠体であれば 良い。さらに、本考案は、前記の実施例に限定されず、取付部４を他の公知のも のにしたり、アース端子９を単枚にすることがある。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明のとおり、本考案のワイヤハーネス用アース端子の接続構造は、ア ース端子の車体への導通接続を含むワイヤハーネスの車体へのボルト締め固定作 業が簡素化して当該作業性を向上すると共に、車体側のボルト締め固定部の設定 数が低減して車体加工性を改良し、さらに、ワイヤハーネスのアース回路の設定 自由度が向上して、当該分野の技術要求に応える等の諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例のワイヤハーネス用アース端子
の接続構造を示し、図中の（Ａ）はその構成部材の斜視
図、図中の（Ｂ）は、その使用状態の斜視図、図中の
（Ｃ）は（Ｂ）のＥＥ断面図

【図２】本考案の他の実施例のアース端子収容部の斜視
図

【符号の説明】

１ ワイヤハーネス用ボルト締めクリップ ２ クリップ係止部 ３Ａ・３Ｂ ボルト孔 ４ 取付部 ５ アース端子収容部 ６ 固定ボルト ７ ワイヤハーネス ８ アース線 ９ アース端子 １０ 挿入口 １１ ボルト挿着孔 １２ 枠部 １３ 車体 １４ クリップ固定部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤハーネスの外周への取付部に、車
   体への固定ボルトのボルト孔を有するクリップ係止部を
   連設したワイヤハーネス用ボルト締めクリップの該クリ
   ップ係止部に、車体への接続用ボルト孔を有する板状の
   アース端子を重合収容するアース端子収容部を設け、該
   アース端子収容部は、前記クリップ係止部と前記アース
   端子のボルト孔を同心状にして前記アース端子の周縁を
   押え係止し、かつ、前記アース端子の挿入重合と前記固
   定ボルトの装着を許容する枠部を有し、該アース端子収
   容部に挿着したアース端子を、前記クリップ係止部と共
   に、共通の固定ボルトによって車体に接続固定する構造
   を特徴とする自動車用アース端子の接続構造。