JPH066786Y2 - 浴室用化粧棚のための固定具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シャンプー等の浴室内において使用する各種
のものを載せるための浴室用化粧棚を、浴室の壁に既設
してあるハンドシャワー用の取付金具を利用して壁側に
取付けるための固定具に関するものである。

（従来の技術） シャンプーやリンス、ヘアートリートメント等の各種容
器、あるいは洗顔用品等は浴室内にまとめて置いておく
と使用に便利なことから、これらを収納する収納容器が
種々提供されてきている。しかしながら、これらの収納
容器は、洗い場上に単に置くのみのものであるから、洗
い場上を流れてくる湯等によつて非常に汚れ易いもので
あった。また、洗髪後のリンスのように、立ったままの
状態で使用したいことがある場合に、それが洗い場上に
置いてあると、とり上げるのに面倒である。

そこで、考案者等は、洗い場より高い位置に配置されて
シャンプー容器等を置くための棚を作ろうと考えたので
あるが、そのためにはこれを取付ける場所を確保しなけ
ればならないことに気付いた。ところが、一般的な浴室
がそうであるように、浴室の壁はタイル貼りであってし
かも水に濡れるものであるから、後から購入した棚を既
存の浴室内に取付けることは困難である。浴室の壁に棚
を固定するためのネジ穴等を形成すれば、確かに棚取付
けの目的は達成できるのであるが、一般の消費者が左官
等の手をわずらわせないで自分でこのネジ穴を設けるこ
とは、それ専用の材料や道具を用意しなければならない
ことから、多少無理があるのである。

それではどうしたらよいかと、本考案者等が考えをめぐ
らしたところ、一般の既存の浴室においては、所謂ハン
ドシャワーが使用できるようにしてあり、このハンドシ
ャワーを取付けて支持するための取付金具（吊コマある
いは固定コマ等といわれている）が既に取付けられてい
ることに気付いたのである。つまり、本考案者等は、ハ
ンドシャワーのための取付金具を利用して、この種浴室
用化粧棚の取付けを行うようにすることがよい結果を生
むことを新規に知見して、本考案を完成したのである。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、以上のような経緯に基づいてなされたもの
で、その解決しようとする課題は、浴室内で使用する棚
を、ハンドシャワー用の取付金具を利用しながら如何に
壁に取付けるかである。

そして、本考案の目的とするところは、シャンプー等を
置くための浴室用化粧棚を、既存の浴室の壁に取付けら
れているハンドシャワー用の取付金具を利用して容易に
取付けることができる固定具を簡単な構成によつて提供
することにある。

（課題を解決するための手段） 以上の課題を解決するために、本考案の採った手段は、
実施例において使用する符号を付して説明すると、 「浴室において使用されるシャンプー等の容器を載せる
棚(11)、あるいは鏡(13)等を有する浴室用化粧棚(10)に
設けた支持板(12)と、ハンドシャワー用の取付金具(31)
とを互いに固定することにより、浴室用化粧棚(10)を取
付金具(31)を取付けた壁に対して取付けるための固定具
(20)であって、 この固定具(20)を、取付金具(31)の支持溝(22)内に挿入
される本体(21)と、この本体(21)に連結軸(23)を介して
傾動可能に連結されて支持板(12)の支持穴(12a)内に挿
通される止め部(22)と、この止め部(22)の上端に螺着さ
れる蝶ネジ部(24)とにより構成したことを特徴とする浴
室用化粧棚(10)のための固定具(20)」 である。

すなわち、本考案に係る固定具(20)は、浴室内において
既設されていてハンドシャワー(30)を支持するための取
付金具(31)に対して、その本体(21)を、ちょうどハンド
シャワー(30)を支持するような状態で固定するととも
に、この固定具(20)を支持板(12)に対して固定すること
により、浴室用化粧棚(10)を浴室の壁に対して取付ける
ようにしたものである。

（考案の作用及び取付けの仕方） 以上のように構成した本考案に係る固定具(20)によっ
て、浴室用化粧棚(10)を実際に壁に取付けるための仕方
について説明してみる。

まず、この浴室用化粧棚(10)の支持板(12)を覆っている
カバー(12b)を外してこの支持板(12)を露出させ、この
支持板(12)の支持穴(12a)に固定具(20)を仮固定してお
く。すなわち、止め部(22)の上端を支持板(12)の支持穴
(12a)内にその下方から挿入させて、この支持板(12)上
に突出した止め部(22)の上端に蝶ネジ部(24)を緩く締め
付けておくのである。そして、この支持板(12)の下方
に、第１図及び第２図にて示すように、ハンドシャワー
(30)のための取付金具(31)が位置するように当該浴室用
化粧棚(10)を配置するのである。

次に、固定具(20)の本体(21)の下端部を取付金具(31)
の支持溝(32)内に挿入して、この支持溝(32)にハンドシ
ャワー(30)を支持させるのと同様な方法によつて固定具
(20)を取付金具(31)に対して固定（掛止）する。この場
合、固定具(20)の本体(21)の下端部は、通常のハンドシ
ャワー(30)と同様に下細りのものとなっていて、取付金
具(31)の支持溝(32)内に上方から掛止させるのみでその
取付金具(31)に対する固定は完了するのである。

このとき、浴室の壁に既設されている取付金具(31)は、
その支持溝(32)の壁からの距離が製品毎の仕様に応じて
異なっていることがあるが、固定具(20)は支持板(12)の
前後に長く形成した支持穴(12a)に仮止めしてあるか
ら、この支持穴(12a)に対する位置を調整することによ
り、取付金具(31)の仕様の違いによる固定具(20)の取付
位置の調整は自由に行える。従って、固定具(20)は、そ
の止め部(22)とこれに螺着される蝶ネジ部(24)によっ
て、浴室用化粧棚(10)側の支持板(12)を挟持するように
構成することが有利なのである。

また、第２図と第４図とを比較すれば分かるように、取
付金具(31)の支持溝(32)は、鉛直方向になる場合（第２
図）と、その上部が手前側に傾斜する場合（第４図）と
があるが、この第４図の場合には固定具(20)の止め部(2
2)が傾斜することになる。ところが、浴室用化粧棚(10)
側の支持板(12)は常に略水平状態に位置しているため、
止め部(22)と本体(21)とは互いに傾斜しなければならな
い。この場合において、本考案に係る固定具(20)におい
ては、本体(21)と止め部(22)とが連結軸(23)を介して傾
動自在となっているから、もし取付金具(31)の支持溝(3
2)が第４図に示したように傾斜したものであったとして
も、この調整は自動的に行われるのである。

以上のような、固定具(20)の支持板(12)に対する位置調
整、及び固定具(20)の止め部(22)の支持溝(32)内への挿
入固定を行った後に、固定具(20)の蝶ネジ部(24)を止め
部(22)に対してしっかりと締け付けることにより、浴室
用化粧棚(10)の壁に対する固定が完了するのである。

以上のような取付けを行った後に、外しておいたカバー
(12b)を浴室用化粧棚(10)側に取付けて、支持板(12)及
び固定具(20)を完全に覆えばよい。なお、以下に示す実
施例においては、浴室用化粧棚(10)の裏面下部に吸着盤
(16)が取付けてあるから、この吸着盤(16)を浴室の壁に
吸着させることにより、浴室用化粧棚(10)の壁に対する
取付がより一層確実になされるのである。

以上のような本考案に係る固定具(20)によれば、浴室用
化粧棚(10)を浴室の壁に対して取付けるための加工作
業、例えばネジ穴を設けたり、取付ネジを固定したりす
る作業は全く必要がないのである。勿論、この固定具(2
0)によれば、浴室用化粧棚(10)の取付けを道具なしで行
えるものとなっており、これにより、道具の使用や工事
作業に不慣れな主婦でも簡単に浴室用化粧棚(10)の壁に
対する取付けが行えるのである。しかも、浴室用化粧品
(10)は、それ自体の自重によって壁に支持されているの
であるから、その取付けはしっかりとなされているので
ある。

（実施例） 次に、本考案に係る固定具(20)の実施例について、図面
を参照して説明する。

第１図には、本考案に係る固定具(20)によつて、浴室用
化粧棚(10)を浴室内の壁に取付けた状態が示してあり、
この実施例における浴室用化粧棚(10)は、第１図及び第
５図に示したようなものである。すなわち、浴室用化粧
棚(10)は、プラスチック等によって一体成形した本体
と、この本体の適宜位置に前方へ突出する複数（本実施
例においては二つ）の棚(11)とを有しているものであ
り、図示下側の棚(11)の更に下には種々なものを掛ける
ためのフック(14)が形成してある。また、上側の棚(11)
の上方側には鏡(13)が設けてある。

この浴室用化粧棚(10)内には、第１図にて示したよう
に、本体と一体的な支持板(12)が浴室用化粧棚(10)の背
面に直交した状態で前方へ突出させてある。そして、こ
の支持板(12)の中央部には、本考案の固定具(20)の止め
部(22)の上端を挿通するための支持穴(12a)が形成して
ある。この支持穴(12a)は、固定具(20)の壁からの取付
け位置を調整し得るようにするために、第４図に示した
ように、壁の前方に向かう前後方向の長穴としてある。
勿論、この支持板(12)が形成されている直下に位置する
浴室用化粧棚(10)には、第１図にて示したように、ハン
ドシャワー(30)のための取付金具(31)を挿入する開口が
形成してある。

なお、本実施例の浴室用化粧棚(10)においては、第１図
及び第５図に示したように、ハンドシャワー(30)のため
のシヤワーフック(15)が当該浴室用化粧棚(10)の側面に
取付けてある。このシヤワーフック(15)は、浴室用化粧
棚(10)がハンドシャワー(30)のための本来の取付金具(3
1)を使用して固定されるのであるから、本考案に係る固
定具(20)を採用した場合に、取付金具(31)の代わりをす
るものであり、取付金具(31)に設けた第１図または第４
図に示したような支持溝(32)と同様な支持溝を有したも
のである。なお、本実施例においては、このシヤワーフ
ック(15)は浴室用化粧棚(10)の本体側面に形成した取付
穴内に差し込んで使用されるものであり、そのための取
付穴は本体側面上部の両側に形成してある。さらに、こ
の浴室用化粧棚(10)においては、支持板(12)の前方を覆
うためのカバー(12b)が浴室用化粧棚(10)に対して取付
け・取外し自在にしてあり、このカバー(12b)を取付け
た場合には、第５図に示したような状態となるものであ
る。また、この浴室用化粧棚(10)においては、第１図に
て示したように、その本体の背面下部に吸着盤(16)が取
付けてあり、この吸着盤(16)を壁に吸着させることによ
り浴室用化粧棚(10)の特に下部の固定を確実にすること
ができるようにしてある。

さて、本考案の固定具(20)であるが、この固定具(20)
は、第１図〜第４図に示したように、ハンドシャワー(3
0)を支持するための取付金具(31)の支持溝(32)内に挿入
される本体(21)と、この本体(21)に対して所定角度範囲
内において傾動され、中央部が浴室用化粧棚(10)側の支
持板(12)の下面に当接する止め部(22)とを有するもので
あり、この止め部(22)は本体(21)に対して連結軸(23)に
より傾動自在に連結してある。

そして、この固定具(20)の本体(21)は、ハンドシャワー
(30)の下端部と同様な形状にしてあって、これを第２図
または第４図に示した取付金具(31)の支持溝(32)内に上
方から差し込むことにより、その取付金具(31)に対する
取付けが行えるものである。また、止め部(22)を本体(2
1)に対して傾動自在としてあるのは、ハンドシャワー(3
0)のための取付金具(31)としては種々な形式のものが市
販されていて、その支持溝(32)が鉛直方向に立った状態
となるものだけでなく、前方に向けて傾斜するものもあ
るから、この傾斜した支持溝(32)を有する取付金具(31)
に対して、浴室用化粧棚(10)の支持板(12)をしつかりと
固定できるようにするためである。そして、止め部(22)
の上端はネジとしてあって、第３図に示すように、これ
を支持板(12)の支持穴(12a)から上方に突出させてこれ
に蝶ネジ部(24)を螺着することにより、この固定具(20)
を支持板(12)に取付けるようにしてある。つまり、この
止め具(22)は、その中央部を支持板(12)の支持穴(12a)
より径の大きなものとして、その上部を支持穴(12a)内
に挿通したときの抜け止めができるようにしてあり、こ
の止め部(22)とこれに螺着される蝶ネジ部(24)によって
支持板(12)を挟持するものなのである。

なお、本実施例に係る固定具(20)においては、第２図及
び第４図に示したように、その本体(21)の取付金具(31)
に設けてある支持溝(32)に対する支持・固定が確実に行
えるようにするための、帯状の凸条がこの本体(21)の周
囲に形成してある。

（考案の効果） 以上説明した通り、本考案に係る固定具(20)によれば、
壁に既設してあるハンドシャワー(30)のための取付金具
(31)をそのまま利用して、この取付金具(31)に対して浴
室用化粧棚(10)の支持板(12)を取付けるようにしたの
で、シャンプー等を置くための浴室用化粧棚(10)を、既
存の浴室の壁に取付けられているハンドシャワー用の取
付金具(31)を利用して容易に取付けることができるので
ある。

また、この固定具(20)によれば、その止め部(22)を浴室
用化粧棚(10)側の支持板(12)の長穴である支持穴(12a)
内に挿通して、この止め部(22)の上端に蝶ネジ部(24)を
螺着して支持板(12)に対する固定を、言わばこの支持板
(12)を止め部(22)と蝶ネジ部(24)によって挟持するよう
にしたから、この固定具(20)の支持板(12)に対する固定
位置を自由に決定することができて、取付金具(31)の大
きさが異なっていたとしても、浴室用化粧棚(10)の壁に
対する取付けを確実に行うことができるのである。

さらに、この固定具(20)においては、その止め部(22)が
連結軸(23)により本体(21)に対して傾動可能としてある
から、取付金具(31)の支持溝(32)が傾動したものであっ
ても、これによる浴室用化粧棚(10)の壁に対する取付け
を確実に行うことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る固定具によつて浴室用化粧棚を浴
室の壁に取付けた状態を示す断面図、第２図は第１図の
要部拡大断面図、第３図は第２図のIII−III線に沿って
みた部分平面図、第４図は他の様式の取付金具に固定具
を固定した状態の第２図に対応する要部拡大断面図、第
５図は本考案の固定具によって浴室用化粧棚を壁に取付
けた状態を示す部分斜視図である。 符号の説明 10……浴室用化粧棚、11……棚、12……支持板、12a…
…支持穴、13……鏡、20……固定具、21……本体、22…
…止め部、23……連結軸、24……蝶ネジ部、30……ハン
ドシャワー、31……取付金具、32……支持溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室において使用されるシャンプー等の容
   器を載せる棚、あるいは鏡等を有する浴室用化粧棚に設
   けた支持板と、ハンドシャワー用の取付金具とを互いに
   固定することにより、前記浴室用化粧棚を前記取付金具
   を取付けた壁に対して取付けるための固定具であって、 この固定具を、前記取付金具の支持溝内に挿入される本
   体と、この本体に連結軸を介して傾動可能に連結されて
   前記支持板の支持穴内に挿通される止め部と、この止め
   部の上端に螺着される蝶ネジ部とにより構成したことを
   特徴とする浴室用化粧棚のための固定具。