JPH066742U - ラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構 - Google Patents

ラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構

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JPH066742U
JPH066742U JP11367291U JP11367291U JPH066742U JP H066742 U JPH066742 U JP H066742U JP 11367291 U JP11367291 U JP 11367291U JP 11367291 U JP11367291 U JP 11367291U JP H066742 U JPH066742 U JP H066742U
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JP
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ball
ring
support
diameter
ball support
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JP11367291U
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English (en)
Inventor
二九規長
Original Assignee
株式会社ツー・ナイン・ジャパン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ラジアルボールベヤリングのボール支持機構に
おいて,ボール支持体と無注油自己潤滑材を適用して注
油の省力化を計り,かつ組立作業を簡易化すると共に支
持体の抜出しを防止する。 【構成】内輪1及び外輪2間に複数のボール3を所定間
隔を設けて支持するボール支持体4は,WS2 又はMo
2 と他の金属成分とを焼結して得られる自己潤滑複合
金属材を適用して成形したリング体である。リング体周
壁5に,回転自在にボール3を受入れるボール受入れ孔
6,ボール径よりやや狭いボール押込み開口8,及び開
口8と受入れ孔6を連通するスリット9を設ける。別の
形態としては,ボール受入れ孔に,ボール径と同寸法又
はやや大きいボール押込み開口を設け,さらにボール支
持体の抜出し防止用の支持体離脱防止部材を内外輪のい
ずれかに配設するものがある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、ラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構に係るもので あり、特に、ボールを支持するためのボール支持体を自己潤滑複合金属材料によ り成形し、たとえば、歯科用ボールベアリング・ハンドピース等のボールベアリ ングに効果的に適用されるラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構の 構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、たとえば、歯科用高速ボールベアリング・ハンドピースは、毎 分30万〜40万の回転数で回転する。この種の高速回転機器における軸受けに は、内輪、外輪及び前記内輪と外輪との間に配した複数のボールとの組み合わせ でなる所謂ラジアルボールベアリングが適用されている。このラジアルボールベ アリングは、複数のボールを前記内輪と外輪との間で、それぞれ所定の角度間隔 をおいて支持するボール支持体を備えており、内輪、外輪及びその間に配される 複数のボールのいずれもが鋼材によって形成されていて、ボール支持体が樹脂材 によって形成されているものである。
【0003】 この種のラジアルボールベアリングは、内輪、外輪と呼ばれる軌道輪とボール との接触部には、外部からの負荷、並びに回転による負荷とが作用し、変形や繰 り返し応力が生じる。また、ボールとボール支持体との間では、回転中常に摺動 摩擦が発生し、ボール支持体の磨耗の原因となっている。 内輪、外輪でなる軌道輪、ボール及びボール支持体の磨耗を抑える為に、たと えば、歯科用ボールベアリング・ハンドピースでは、通常1日数回の注油を行い 、それによりボールと内輪、ボールと外輪、そしてボールとボール支持体との間 を常に油で潤滑し、ベアリングの焼き付きを防いでいた。
【0004】 この歯科用ボールベアリングには、ボールを所定の角度間隔をおいて支持する ためのリング状のボール支持体が組み合わせてある。従来、このボール支持体と して、油を含浸させたフェノール樹脂が用いられていて、当該ボール支持体を介 して、回転中の注油を行っている。このような構成において、ボール支持体がス ラスト方向に抜け出さないようにするため、リング体の軸方向一端側に向けて開 口する開口部を備え、その奥の部分でボールが回転できるボール受入れ部を備え ている。前記開口部は、ボールの径より狭い寸法に設計されており、ボール支持 体のスラスト方向離脱を防いでいる。この場合、ボール支持体の組み立ては、フ ェノール樹脂の弾性を利用して差し込むことができる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ラジアルボールベアリングのための上記するようなフェノール樹脂製のボール 支持体は、フェノール樹脂に含浸させた油により回転、摺動部分に注油を行い、 金属疲労と、ボール支持体の磨耗を抑えているが、定期的にボール支持体に対し て注油する必要があった。このように注油を必要とするものにあっては、たとえ ば、これを歯科用ボールベアリング・ハンドピースのためのボール支持体に適用 した場合、油が患者の衣服や口腔の廻りに付着し、非衛生的であり、さらには、 歯科治療における接着処理に関して、油による接着強度の低下等の難点を有して いる。
【0006】 これに対し、ラジアルボールベアリングにおけるボール支持体として、無注油 の自己潤滑性金属材料の適用が考えられる。しかしながら、自己潤滑性金属材料 は、フェノール樹脂のような弾性がなく、固くて脆いため、フェノール樹脂のよ うに、その弾性を利用して、当該ボール支持体をボールベアリング内に差し入れ て組み立てることができなかった。
【0007】 そこで、この考案は、上記するラジアルボールベアリングのための従来のボー ル支持体にみられる問題点並びに欠点を可及的に解消すべくなしたもので、特に 、ボール支持体として、無注油の自己潤滑性金属材料を適用して上記する従来の フェノール樹脂材を用いたものの難点を解消し、かつ、ボールベアリング内への 差し入れて組み立ての簡易化並びにボール支持体自体の離脱防止を図り得る構造 体としたラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構を提供することにあ る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この考案は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、内輪、外輪及 び前記内輪と外輪との間に配した複数のボールとの組み合わせでなるラジアルボ ールベアリングにおいて、 前記複数のボールを前記内輪と外輪との間で、それぞれ所定の角度間隔をおい て支持するボール支持体を備えてなり、 前記ボール支持体が、WS2 或いはMoS2 を固体潤滑剤とし、これを他の金 属成分と焼結して得られる自己潤滑複合金属材料により成形してなるラジアルボ ールベアリングにおけるボール支持機構を構成するものであり、 加えて、前記ボール支持体が、前記内輪の外径より大きい内径、前記外輪の内 径より小さい外径を有するリング体でなり、 前記リング体のリング周壁に、前記複数のボールがそれぞれ一つづつ入り得る 径の複数のボール受入れ孔と、前記各ボール受入れ孔と前記リング体の一端面と の間を貫くボール押し込み開口と、前記ボール押し込み開口間に前記リング体の 一端面側に向けて開くスリット溝とを備えてなり、 前記ボール押し込み開口の幅を、前記ボール径より狭くしたラジアルボールベ アリングにおけるボール支持機構を供し、 さらに、前記ボール支持体が、前記内輪の外径より大きい内径、前記外輪の内 径より小さい外径を有するリング体でなり、 前記リング体のリング周壁に、前記複数のボールがそれぞれ一つづつ入り得る 径の複数のボール受入れ孔と、前記各ボール受入れ孔と前記リング体の一端面と の間を貫くボール押し込み開口とを備えてなり、 前記ボール押し込み開口の幅を、前記ボール径と同寸もしくはそれ以上とし、 前記ボール支持体を前記内輪と外輪との間に組み立てた際、前記リング体の他端 面に当接するように前記内輪或いは外輪のいずれかにボール支持体離脱防止部材 を取り付けてなるラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構を供する者 である。
【0009】
【実施例の説明】
以下、この考案になるラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構につ いて、図面に示す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明する。 図1は、この考案になるラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構を 歯科用ボールベアリング・ハンドピースのボールベアリング部に適用した例を示 す概略的な側断面図であり、図2A及びBは、当該ボール支持体の一例を示す概 略的な斜視図及び周壁の展開図であり、図3は、当該ボール支持体の他の例を示 す概略的な側断面図である。この考案になるラジアルボールベアリングにおける ボール支持機構は、内輪1、外輪2及び前記内輪1と外輪2との間に配した複数 のボール3との組み合わせでなるラジアルボールベアリングに適用されるもので あり、基本的には、前記複数のボール3を前記内輪1と外輪2との間で、それぞ れ所定の角度間隔をおいて支持するリング状のボール支持体4からなっている。 この考案において、前記内輪1と外輪2は鋼材であり、前記ボール3は窒化珪素 (Si2 4 )である。一方、前記ボール支持体4は、固体潤滑剤であるWS2 或いはMoS2 と、他の金属Cu、Sn、Taなどとを焼結して得られる自己潤 滑複合金属材料により成形したものからなっている。この自己潤滑複合金属材料 は、摩擦すると、間もなくその表面及び相手材に対し、潤滑成分が選択的に残留 して皮膜を形成する。この皮膜は、ごく薄くて密着性を有し、油膜と同様な働き をし、耐熱、耐焼付性で格段に優れている。
【0010】 この考案において、前記ボール支持体4は、前記内輪1の外径より大きい内径 、前記外輪2の内径より小さい外径を有するリング体でなっている。図2に示す 例において、前記リング体のリング周壁5には、前記複数のボール3がそれぞれ 一つづつ入り得る径の複数のボール受入れ孔6と、前記各ボール受入れ孔6と前 記リング体の一端面7との間を貫くボール押し込み開口8と、前記ボール押し込 み開口8間に前記リング体の一端面7側に向けて開くスリット溝9とを備えてい る。この例において、前記ボール受入れ孔6の径は、ボール3がそこで回転可能 な隙間を有する程度にボール径よりやや大きく、前記ボール押し込み開口8の幅 寸法は、ボール径よりやや狭い寸法に設計されている。また、前記スリット溝9 は、幅が1mm以内であり、リング体の一端面7からの深さがボール受入れ孔6 の中心部ラインまで達するものであって、隣接するボール押し込み開口8間のリ ング周壁が撓みやすくなっている。
【0011】 さらに、この考案において、前記ボール支持体4は、図3に示す別の実施例の ものとして構成することができる。図3に示す別の実施例において、前記ボール 支持体4は、リング体のリング周壁5に、前記複数のボール3がそれぞれ一つづ つ入り得る径の複数のボール受入れ孔16と、前記各ボール受入れ孔16と前記 リング体の一端面17との間を貫くボール押し込み開口18とを備えている。こ の例において、前記ボール押し込み開口18の幅寸法は、前記ボール径と同寸か やや大きく設計してある。この例の場合、そのままでは、回転中または停止中に ボール支持体4が抜け出てしまうため、ボール支持体4が抜け出ないように、前 記内輪1、或いは外輪2のいずれかにボール支持体離脱防止部材19を設ける。 前記ボール支持体離脱防止部材19は、リング形状をしており、ボール支持体4 の当たる側は、ボール支持体4の幅wとほぼ同寸法の平らな面を有している。さ らに、前記内輪1または外輪2にボール支持体離脱防止部材19が入り込むぬす み20を設けてある。前記ぬすみ20の奥端面よりボール支持体離脱防止部材1 9とCリング21の入り込む溝を設け、Cリング21でボール支持体離脱防止部 材19が抜け出ないように固定してある。
【0012】
【考案の効果】
以上の構成になるこの考案のラジアルボールベアリングにおけるボール支持機 構は、ボール支持体として、固体潤滑剤であるWS2 或いはMoS2 と、他の金 属Cu、Sn、Taなどとを焼結して得られる自己潤滑複合金属材料により成形 したものを適用したことにより、特殊環境用のボールベアリング部、たとえば歯 科用ボールベアリング・ハンドピースのボールベアリング部への適用に対して、 注油によう油の漏れ、油の離散を可及的に防止し得る点において、極めて効果的 に作用するものといえる。さらに、この考案になるラジアルボールベアリングに おけるボール支持機構によれば、ボール支持体として用いる自己潤滑複合金属材 料が固くて脆いものであるにもかかわらず、ボール3に対する、ボール受入れ孔 6及びボール押し込み開口8の寸法の設定、並びにボール押し込み開口8間にス リット溝9を設ける構成により、当該ボール支持体の差し込み組み立てに際して 、その組み立て作業の簡易化を図り得るもので、作業性の向上の点においても極 めて効果的に作用するものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案になるラジアルボールベアリングにお
けるボール支持機構を歯科用ボールベアリング・ハンド
ピースのボールベアリング部に適用した例を示す概略的
な側断面図である。
【図2】図2A及びBは、当該ボール支持体の一例を示
す概略的な斜視図及び周壁の展開図である。
【図3】図3は、当該ボール支持体の他の例を示す概略
的な側断面図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 ボール 4 先鋭端 5 リング周壁 6 ボール受入れ孔 7 リング体の一端面 8 ボール押し込み開口 9 スリット溝 16 ボール受入れ孔 17 リング体の一端面 18 ボール押し込み開口 19 ボール支持体離脱防止部材 20 ぬすみ 21 Cリング

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪、外輪及び前記内輪と外輪との間に
    配した複数のボールとの組み合わせでなるラジアルボー
    ルベアリングにおいて、 前記複数のボールを前記内輪と外輪との間で、それぞれ
    所定の角度間隔をおいて支持するボール支持体を備えて
    なり、 前記ボール支持体が、WS2 或いはMoS2 を固体潤滑
    剤とし、これを他の金属成分と焼結して得られる自己潤
    滑複合金属材料により成形してなることを特徴とするラ
    ジアルボールベアリングにおけるボール支持機構。
  2. 【請求項2】 前記ボール支持体が、前記内輪の外径よ
    り大きい内径、前記外輪の内径より小さい外径を有する
    リング体でなり、 前記リング体のリング周壁に、前記複数のボールがそれ
    ぞれ一つづつ入り得る径の複数のボール受入れ孔と、前
    記各ボール受入れ孔と前記リング体の一端面との間を貫
    くボール押し込み開口と、前記ボール押し込み開口間に
    前記リング体の一端面側に向けて開くスリット溝とを備
    えてなり、 前記ボール押し込み開口の幅を、前記ボール径より狭く
    したことを特徴とする請求項1に記載のラジアルボール
    ベアリングにおけるボール支持機構。
  3. 【請求項3】 前記ボール支持体が、前記内輪の外径よ
    り大きい内径、前記外輪の内径より小さい外径を有する
    リング体でなり、 前記リング体のリング周壁に、前記複数のボールがそれ
    ぞれ一つづつ入り得る径の複数のボール受入れ孔と、前
    記各ボール受入れ孔と前記リング体の一端面との間を貫
    くボール押し込み開口とを備えてなり、 前記ボール押し込み開口の幅を、前記ボール径と同寸も
    しくはそれ以上とし、前記ボール支持体を前記内輪と外
    輪との間に組み立てた際、前記リング体の他端面に当接
    するように前記内輪或いは外輪のいずれかにボール支持
    体離脱防止部材を取り付けてなることを特徴とする請求
    項1に記載のラジアルボールベアリングにおけるボール
    支持機構。
JP11367291U 1991-12-27 1991-12-27 ラジアルボールベアリングにおけるボール支持機構 Pending JPH066742U (ja)

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