JPH0667411B2 - スキー板及びその製造方法 - Google Patents

スキー板及びその製造方法

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JPH0667411B2
JPH0667411B2 JP1123396A JP12339689A JPH0667411B2 JP H0667411 B2 JPH0667411 B2 JP H0667411B2 JP 1123396 A JP1123396 A JP 1123396A JP 12339689 A JP12339689 A JP 12339689A JP H0667411 B2 JPH0667411 B2 JP H0667411B2
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ski
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敬次郎 林
敏博 犬伏
隆 外村
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Mizuno Corp
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Mizuno Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はスキー板及びその製造方法に関するものであ
り、さらに詳しくは設計の自由度が高く製造が容易なス
キー板及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
(従来の技術) 従来よりスキー板の主な製造方法としては、第3図に示
すようにスキー板成形用の各部材13を設計どうりの寸法
に揃え、これらを組合せて接着剤で一度に積層接着する
ことにより成形する積層接着成形法がある。この方法は
スキー板を構成する各部材13の材料に多種選択できるこ
と及び設計が自由であること、即ち、製品が必要とする
性能を引き出すために、どの様な材料の組合せをもつく
ることができるといった利点のために広く利用されてい
る。そのほか第4図に示すように下面構成部材9と上面
構成部材10、ボトムエッジ11およびトップとチップの保
護具を予め成形金型12内に配置して型締め後、樹脂注入
口より成形用の樹脂例えば発泡ポリウレタン原料液を射
出注入して成形する射出成形法が、工程数が少なく材料
費等が少なくて済むことから一般的となっている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、これら従来のスキー板の製造方法には以下のよ
うな欠点があった。
すなわち、積層接着成形法では、成形用の部材の点数が
多く、精密な寸法公差が求められ、従って工程数が多く
手間がかかり、樹脂の硬化時間が長くかかりコストが高
くなる等の問題点があった。
射出成形法においては、第4図に示すように、予めスキ
ー板形状に成形された上下面の補強層と保護層を形成す
る下面構成部材9、上面構成部材10を、成形用の金型12
内にセットする必要があったが、上面の補強層にFRP製
の部材を用いた場合、FRPのマトリックス樹脂であるエ
ポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂は表面板としては
もろく欠け易いので、表面の保護層としてABS等の樹脂
板が必要であった。また、上面の補強層にアルミ合金板
を用いた場合にも、表面の保護層としてABS樹脂板を設
けることが多かった。側面については、ポリウレタン発
泡芯材のスキン層14がそのまま露出するか、ABS樹脂板
の保護層を設けることが多いが、露出する場合はトップ
エッジを設けて脆いポリウレタン層を保護する必要があ
り、積層接着法ほどではないにしても、補強層、保護層
については効率のよい生産方法とは言えなかった。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記従来の欠点に鑑み、軽量で、耐衝撃性の
良好な、スキー板としての性能を低下させることなく、
スキー板成形用の部品点数、工程数を減らし、生産性の
よい低価格のスキー板を提供しようとするものである。
本発明の第1の発明は、従来スキー板の補強部分を構成
する繊維で補強された樹脂層(以下FRPと称する)の樹
脂の曲げ弾性率を従来のエポキシ樹脂と同等かそれ以下
に低下させ、連続繊維を補強繊維とすることにより、耐
衝撃性をエポキシ樹脂のそれよりも大きくし、芯材の全
周囲が単一の繊維強化樹脂で覆われ、かつ、スキー板の
上面と側面に前記繊維強化樹脂が直接露出されるように
形成されたスキー板であって、前記繊維強化樹脂は芯材
に被覆巻回された連続繊維で補強された架橋ポリエステ
ルアミドもしくはポリジシクロペンタジエンにより一体
に形成したスキー板である。
第2の発明は、連続繊維を補強繊維として耐衝撃に優れ
た樹脂硬化物よりなるスキー板の製造方法であって、芯
材に連続繊維もしくは該連続繊維よりなる織布、ブレー
ド、ロービング等よりなる補強繊維を適宜被覆巻回し、
エッジ、滑走面をスキー板成形用の金型内に配置し、閉
じた金型内に、成形温度における原料モノマーまたはプ
レポリマーの粘度が100cps以下で、かつ、2液に調製さ
れ、該モノマーまたはプレポリマーを一定温度で型内に
攪拌注入し、補強繊維への含浸と各部材の接着硬化を同
時に行い、攪拌硬化後のポリマーの曲げ弾性率が室温で
200Kgf/mm2〜700Kgf/mm2でかつアイゾット衝撃強度(ノ
ッチ付き)が、6kg・cm/cm以上を示す樹脂であって、
上面と側面に前記繊維強化樹脂が直接露出されるように
一体に成形するスキー板の製造方法である。
前記モノマーとしては、そのA液が、2,2′−(1,3−フ
ェニレン)ビス−2−オキサゾリン(以下、1,3−PBOと
称する)で、B液が二塩基性有機酸と触媒の調製液から
なり、生成する硬化樹脂が架橋ポリエステルアミド樹脂
であることが好ましい。
そのほか、前記モノマーまたはプレポリマーのA液が、
ジシクロペンタジエンのモノマーまたは2〜3量体で活
性材を含み、B液がジシクロペンタジエンのモノマーま
たは2〜3量体と触媒の調製液からなり、生成する硬化
樹脂がポリジシクロペンタジエンであっても、充分本願
の目的を達成することが出来る。
本発明の方法に使用するモノマー又はプレポリマーの粘
度は、補強繊維が連続繊維であること、そして、その連
続繊維が芯材に被覆されあるいは巻回された状態で金型
に配置されていることから、好ましくは100CPS以下、さ
らに好ましくは50CPS以下であることが好ましい。
又、これらの硬化物の物性は、スキー板の上面板や側面
板としての耐衝撃強度を満足させ、かつ、スキー板本体
としての物性を満足させるためには、曲げ弾性率は室温
で200Kgf/mm2かつアイゾット衝撃強度(ノッチ付き)
が、6kg・cm/cm〜90kgcm/cm以上であることが必要で
ある。
(作用) 本発明の方法によれば、100CPS以下の低粘度のモノマー
またはプレポリマーを成形金型内に注入、反応硬化させ
ることにより硬化物を得ることができるので、金型内で
の樹脂の廻りがよい。特に1,3−PBO、あるいはジシクロ
ペンタジエン等のモノマーは融点を超過するときわめて
低粘度であるから、補強繊維とのぬれが良く繊維への含
浸がスムーズで、しかも金型への注入圧力が低くてすむ
ので、注入時の圧力による補強繊維の乱れもなく、また
気泡の発生を防ぐことができる。従って、完成度の高い
スキー板が成形できるものである、 本発明のスキー板は1,3−PBO、あるいはジシクロペンタ
ジエン等のモノマーまたはプレポリマー材料製であるか
ら弾性率が大きいけれども衝撃抵抗は従来のエポキシ樹
脂よりも大きな値を示すことから、従来のスキー板の様
に、保護層として上面板と側面板を予め別途に成形し、
積層接着成形する必要がなく、補強層のまわりを肉厚層
の樹脂層にすることにより上面板及び側面板とすること
が出来るので、部品点数が少なくなり、工程が簡素化さ
れるほか、芯材に補強繊維を被覆巻回して成形する場合
に、芯材の材料を選択することにより中空構造としたり
発泡体の中芯構造としたりすることが出来るので、剛
性、重量などが設計により自由に選択できるものであ
る。
(実施例) 本発明の実施例を図面を参照して説明すると、第1図に
示すように本発明のモノマー、プレポリマー材料製のス
キー板1は、1,3−PBOモノマーと芳香族ジアミンまたは
芳香族オキシカルボン酸、脂肪酸、あるいはジシクロペ
ンタジエンと重合開始剤、触媒を成形金型2内で混合、
反応硬化させることにより成形したものである。上記の
スキー板1は、第2図に示すように、例えば屈曲性を有
するチューブを芯材3とし該芯材3に炭素繊維、ガラス
繊維、ケブラー繊維等の連続繊維よりなる補強繊維4を
被覆巻回し、滑走面材5、トップエッジ6、ボトムエッ
ジ11等の他の構成部材と共に成形金型2内に配置後、金
型の樹脂注入口よりモノマーまたはプレポリマーを注入
し、該ポリマーまたはプレポリマーの硬化前にチューブ
に空気を圧入することにより中空構造を有する、別体の
上面板、側面板を有しない一体のスキー板1を得ること
ができる。そのほか、芯材3として溶融可能な合金や発
泡体や中空のプラスチック等が使用できる。補強繊維の
形態としては、連続繊維を巻回するほか、織布、2,3軸
ブレード、ロービング等が使用できる。
(効果) 本発明は、以上説明したような構成及び製造方法である
から、以下のような効果を奏するものである。
即ち、本発明のスキー板1はモノマー、プレポリマー材
料製のスキー板であり補強繊維4に連続繊維あるいは連
続繊維よりなる織布、ロービング、ブレード等やこれら
を組み合わせたものを用いて上面8、側面7を含むスキ
ー板全体を継目なしの一体成形としたので、耐衝撃性の
良好なスキー板が簡素な工程で製造できる。
また、100CPS以下の粘度の低いモノマー、プレポリマー
を使用することから、補強繊維に連続繊維あるいは連続
繊維よりなる織布、ブレード、ロービング等を使用して
も繊維とのぬれもよく、従って、繊維内への含浸も良好
で材料の注入時に補強繊維の乱れも少なく、金型の隅々
まで行き渡り、廻り込み易いので成形し易く成形後の表
面状態も良好で美観を呈すると共に、後工程に手間がか
からず、安価に製造できる。本発明において、架橋ポリ
エステルアミドまたはポリジシクロペンタジエンの硬化
物よりなるスキー板においてはアイゾットの衝撃強度
(ノッチ付き)でエポキシ樹脂の2倍〜10倍以上の数値
を示し、耐衝撃性に優れたスキー板が得られる。さらに
これらの樹脂は汎用の熱硬化性のポリウレタン塗料との
密着性もよく、切削加工性も良好であるから生産性も向
上するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第2図は本発明の説明図であり、第1図は本発
明のスキー板の斜視図、第2図は本発明のスキー板の製
造方法の説明図を表す。 第3図〜第4図は従来のスキー板の製造方法の説明図で
ある。 1:スキー板,2,12:金型,3:芯材,4:補強繊維,5:滑走面材,
6:トップエッジ,7:側面,8:上面,9:下面構成部材,10:上
面構成部材,11:ボトムエッジ,13:部材,14:スキン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材の全周囲が単一の繊維強化樹脂で覆わ
    れ、かつ、スキー板の上面と側面に前記繊維強化樹脂が
    直接露出されるように形成されたスキー板であって、前
    記繊維強化樹脂は芯材に被覆巻回された連続繊維で補強
    された架橋ポリエステルアミドもしくはポリジシクロペ
    ンタジエンからなることを特徴とするスキー板。
  2. 【請求項2】芯材に連続繊維もしくは該連続繊維よりな
    る織布、ブレード、ロービング等よりなる補強繊維を適
    宜被覆巻回し、エッジ、滑走面をスキー板成形用の金型
    内に配置し、閉じた金型内に、成形温度における原料モ
    ノマーまたはプレポリマーの粘度が100CPS以下で、か
    つ、2液に調製され、該モノマーまたはプレポリマーを
    一定温度で型内に攪拌注入し、補強繊維への含浸と各部
    材の接着硬化を同時に行い、攪拌硬化後のポリマーの曲
    げ弾性率が室温で200Kgf/mm2〜700Kgf/mm2でかつアイゾ
    ット衝撃強度(ノッチ付き)が、6kg・cm/cm以上を示
    す樹脂であって、上面と側面に前記繊維強化樹脂が直接
    露出されるように一体に成形することを特徴とするスキ
    ー板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記モノマーのA液が、2,2′−(1,3−フ
    ェニレン)ビス−2−オキサゾリンで、B液が二塩基性
    有機酸と触媒の調製液からなり、生成する硬化樹脂が架
    橋ポリエステルアミド樹脂であることを特徴とする請求
    項2記載のスキー板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記スキー板の製造方法において、樹脂硬
    化物がポリジシクロペンタジエンであることを特徴とす
    る請求項2記載のスキー板の製造方法。
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