JPH066721B2 - 自己潤滑性焼結銅合金の製造方法 - Google Patents

自己潤滑性焼結銅合金の製造方法

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JPH066721B2
JPH066721B2 JP60274212A JP27421285A JPH066721B2 JP H066721 B2 JPH066721 B2 JP H066721B2 JP 60274212 A JP60274212 A JP 60274212A JP 27421285 A JP27421285 A JP 27421285A JP H066721 B2 JPH066721 B2 JP H066721B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、プレス機のウエアプレート等に用いられる自
己潤滑性焼結銅合金の製造方法に関する。
(2) 従来の技術 従来、この種焼結銅合金の製造方法として、ニッケル、
スズ、リンおよび黒鉛を含む銅系原料粉末を焼結する手
法が知られている(特公昭58−55547号公報参
照)。
(3) 発明が解決しようとする問題点 前記黒鉛は潤滑材として機能するもので、その機能を十
分に発揮させるため前記従来法においては多量の黒鉛粉
末が用いられている。
その結果、焼結銅合金の圧縮強さが低下し、また前記化
学成分に起因して焼結銅合金の靱性、したがって耐衝撃
性が低いという問題がある。
さらに前記原料粉末は粉末状態のまま使用されるので、
取扱性が悪く、焼結銅合金の生産能率に支障を来たすと
いった問題もある。
本発明は上記に鑑み、黒鉛の含有量を減らし、また黒鉛
の減量分を潤滑性を有し耐磨耗性向上に寄与すると共に
靱性向上効果を発揮するモリブデンによって補い、その
上、加圧下で焼結するという手段を採用することによっ
て高密度化を達成し、これにより優れた耐摩耗性、圧縮
強さおよび靭性を備え、また良好な表面性状を有する正
常な自己潤滑性焼成銅合金を得ることのできる、生産性
の良好な前記製造方法を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明に係る自己潤滑性銅合金の製造方法は、ニッケ
ル、スズおよびリンを含有する銅合金粉末に、潤滑性粉
末としてモリブデン粉末および黒鉛粉末を添加した原料
粉末と合成樹脂バインダとの混合物よりなる成形体をベ
ース材上面に重ね合せる工程と、前記成形体の上面に、
通気性のない加圧体を、通気性を有し、且つ前記原料粉
末の焼結温度でその粉末および前記加圧体に対して非融
着性を持つと共に前記成形体外周部より食出る大きさの
ガス抜き用シートを介して載置する工程と;前記成形体
を550℃以上650℃以下の樹脂分解温度域に保持
し、前記合成樹脂バインダを熱分解して前記原料粉末か
らなる粉末成形体を残置する工程と;前記粉末成形体を
800℃以上900℃未満の固相線温度域に保持して均
熱化する工程と;前記粉末成形体を900℃以上105
0℃以下の半液相温度域に保持して該粉末成形体より焼
結銅合金を得る工程と;を用いることを特徴とする。
(2) 作用 潤滑性粉末として、モリブデン粉末と黒鉛粉末の混合粉
末も用いるので、モリブデンの含有量に応じて黒鉛の含
有量を減少し、また加圧下で焼結することによって高密
度化を達成し、これにより焼結銅合金の耐摩耗性、圧縮
強さおよび靭性を向上させることが可能となる。
また原料粉末を、それと合成樹脂バインダとの混合物よ
り得られた成形体の形態で用いるので、原料粉末の取扱
性が良好となる。
さらに合成樹脂バインダは樹脂分解温度域で熱分解さ
れ、その分解ガスは原料粉末の構成粉末間よりガス抜き
用シートの外周部を通じて効率良く排出されるので、焼
結銅合金における残留ガスに起因した巣の発生、有害ガ
ス成分の侵入等の不具合を確実に回避することができ
る。その上前記温度域では合成樹脂バインダの熱分解が
緩徐に行われ、またガス抜き用シートにより成形体外周
部を覆うことによって、合成樹脂バインダの分解時にお
いて、成形体外周部の、結合力を失った原料粉末が分解
ガスの噴出圧によって飛散することが防止されるので、
残置された粉末成形体は、外周部の欠落もなく前記成形
体と略同一の形状を有し、したがって粉末成形体の形状
不良を抑制することができ、これは正常な焼結銅合金を
もたらす。
またガス抜き用シートの上面には加圧体が載置されてい
るので、分解ガスが成形体上面から加圧体を通じて噴出
することがなく、これにより焼結銅合金表面の荒れを防
止して、その表面性状を良好にすることができる。これ
は焼結銅合金表面を摺動面とする場合、その表面の仕上
げ加工を不要にするか、または僅かな仕上げ加工を行え
ば良い、といった効果をもたらす。
さらに粉末成形体は固相線温度域で均熱化されるので、
焼結時における粉末成形体の局部的な溶出、したがって
焼結銅合金の変形を防止することができる。
さらにまた粉末成形体は液相と固相が共存する半液相温
度域で焼結されるので、黒鉛の浮遊、偏析が発生せず、
したがって焼結銅合金の潤滑特性をその全体に亘って均
等することができる。また液相により固相間の気孔が埋
められるので、焼結銅合金の密度を向上させることがで
きる。
(3) 実施例 第1図は摺動部材1を示し、その摺動部材1はベース材
2と、その一面に溶着された自己潤滑性焼結銅結合金3
とよりなる。焼結銅合金3はその焼結時ベース材2に溶
着されたものである。
焼結銅合金3は原料粉末と合成樹脂バインダとの混合物
より得られた成形体としての原料シートを用いて製造さ
れる。
原料粉末としては、ニッケル 5〜30重量%、スズ
7〜13重量%およびリン 0.3〜2重量%を含有す
る銅合金粉末に、それに対し潤滑性粉末としてモリブデ
ン粉末 1〜5重量%および黒鉛粉末 1〜2.5重量
%を添加したものが該当する。
この原料粉末において、各化学成分の配合量を前記のよ
うに限定した理由および各化学成分の役割は以下の通り
である。
ニッケルはろう材として機能し、原料粉末の焼結性、ベ
ース材に対する焼結銅合金の密着性および銅マトリック
スの強度を向上させる効果を発揮するが、その配合量が
5重量%を下回ると前記効果が得られず、また30重量
%を上回っても前記効果の向上は望めず、その上コスト
高となる。
スズは銅と合金化して銅マトリックスの強度および耐摩
耗性を向上させる効果を発揮するが、その配合量が7重
量%を下回ると前記効果が得られず、また13重量%を
上回ると銅合金の融点が低下して焼結銅合金の形状維持
性が悪化する。
リンは銅マトリックスに析出してその強度および耐摩耗
性を向上させる効果を発揮するが、その配合量が0.3
重量%を下回ると銅合金の融点が高くなって原料粉末の
焼結性が悪化し、また2重量%を上回ると銅合金の融点
が低下して焼結銅合金の形状維持性が悪化する。
モリブデンは銅合金と強固に結合して焼結銅合金の靱
性、耐摩耗性および潤滑性を向上させる効果を発揮する
が、その配合量が1重量%を下回ると前記効果が得られ
ず、また5重量%を上回ると原料シートの成形が困難と
なり、また焼結銅合金の焼結強度および密度が低下す
る。
黒鉛は焼結銅合金の潤滑性を向上させる効果を発揮する
が、その配合量が1重量%を下回ると前記効果が得られ
ず、また2.5重量%を上回ると焼結銅合金の圧縮強さ
が低下する。
合成樹脂バインダとしては熱可塑性合成樹脂エマルジョ
ンが該当し、その合成樹脂バインダは原料粉末に対して
1〜4重量%配合される。その理由は合成樹脂バインダ
の配合量が1重量%を下回ると原料シートの保形性が悪
く、また原料粉末間の結合力が弱くなってその粉末の脱
落を発生し、一方4重量%を上回ると焼結銅合金の気孔
率が高くなって密度の低下、形成精度の悪化等を招来
し、また残留炭素が多くなって焼結性の阻害、ベース材
に対する焼結銅合金の溶着不良等を招来するからであ
る。
次に第2、第3図を参照しながら前記摺動部材1の製造
方法について説明する。
i.原料シートの製造 噴霧法により得られた、ニッケル 25重量%、スズ
10重量%、リン 1.1重量%および残部銅からな
り、標準篩110メッシュを通過し得る粒度の銅合金粉
末 92重量%3 機械的粉砕法により得られた、標準篩270メッシュを
通過し得る粒度のモリブデン粉末 2.5重量%、およ
び 機械的粉砕法により得られた、標準篩28メッシュを通
過し得るが、65メッシュを通過し得ない粒度の人造黒
鉛粉末 2.5重量% よりなる原料粉末と、 四フッ化エチレン樹脂とアクリル樹脂を1:1に混合
し、その混合樹脂にそれに対し50重量%の水を添加し
てエマルジョン化した合成樹脂バインダ 3重量%と を、第2図(a)に示すようにニーダ4に投入し、それら
を3分間混合して原料粉末を合成樹脂バインダ中に均一
に分散させた混合物Mを得る。
第2図(b)に示すように、混合物Mをヒータ5上に移
し、それを80〜150℃に加熱して水分を蒸発し乾燥
する。
第2図(c)に示すように、加熱状態に在る混合物Mをロ
ール機6に数回通し、厚さ2〜3mmの原料シートSを得
る。
第2図(d)に示すように、原料シートSをヒータ5上に
移し、それを80〜120℃で30分間加熱し、ロール
成形時の歪を除去する。
原料シートSの密度は4.8g/cm3で、第2図(e)に示
すようにロール状に巻いて保存される。
ii.摺動部材の製造 第2図(f)に示すように、原料シートSから縦200m
m、横200mmの原料板Pを裁断し、その原料板Pを縦
200mm、横200mm、厚さ19mmのJIS SS41
で表わされる鋼板製ベース材2の上面にアクリル系接着
剤を用いて粘着し、その上面を縦210mm、横210m
m、厚さ2mmのセラミックファイバ(商品名カオウー
ル))よりなる通気性を有するガス抜き用シート6を用
いて覆い、さらにシート6の上面に縦200mm、横20
0mm、厚さ38mmの前記と同材質の鋼板よりなる通気性
のない加圧体7を載置する。
加圧体7は、焼結時において原料粉末を加圧し焼結銅合
金3の密度を向上させるために用いられるものである
が、この加圧体7を直接原料板P上に乗せると、合成樹
脂バインダ等より生じる分解ガスのガス抜き性が悪く、
また原料板Pにおける外周部の、結合力を失った原料粉
末が分解ガスの噴出圧により飛散する。そこで加圧体7
と原料板Pとの間に原料板P外周部より食出る大きさの
前記シート6を介在させ、その通気性を利用してガス排
出路を形成し、また原料粉末の飛散を防止する。このよ
うな使用目的を十分に達成するためには、原料板Pの大
きさとシート6の厚さとの間に相関関係がある。例え
ば、原料板Pの厚さ2mmにおいて、その大きさが縦80
mm、横80mmではシート6の厚さは1mm、縦200mm、
横200mmではシート6の厚さは2mmとなる。なお、前
記厚さを有する原料板Pの大きさが縦60mm、横60mm
以下であう場合、合成樹脂バインダ等の熱分解が極めて
遅い場合等においてはシート6が無くても分解ガスのガ
ス抜きが容易に行われ、また原料粉末の飛散は生じな
い。
ガス抜き用シート6は、原料粉末の焼結温度でその粉末
および加圧体7に対して非融着性を持つことが必要であ
る。この要件を満たす材料としては前記セラミックファ
イバの外にアスベスト、ロックウール等が該当する。ま
たシート6を用いない場合には、原料粉末に対する加圧
体7の融着を防止すべく、加圧体7に離型剤を塗布す
る、加圧体7と原料板Pとの間にアルミナ等のセラミッ
ク体を介在させる等の手段を採用する。
前記積層物を真空焼結炉8内に設置して第3図に示す加
熱条件で合成樹脂バインダおよびアクリル系接着剤の熱
分解、原料粉末の焼結およびベース材に対する焼結銅合
金の溶着を行う。キャリアガスとしては窒素ガスが用い
られ、真空度は1Torrである。
(a) 第1加熱ゾーン(第3図A) この加熱ゾーンAは常温から600℃までである。常
温からの常温速度は20℃/分で、炉内は600℃にて
60分間恒温状態に保持される。この加熱ゾーンA
は、先ず、積層物の水分が蒸発し、次いで560℃以上
600℃以下の樹脂分解温度域で合成樹脂バインダ中の
四フッ化エチレン樹脂およびアクリル樹脂並びにアクリ
ル系接着剤が熱分解されてガス化する。分解ガスは原料
粉末の構成粉末間よりシート6を通じて排出され粉末成
形体が残置される。この樹脂分解温度域では、樹脂分の
分解が緩徐に行われるので粉末成形体の形状変化は殆ど
生じない。またベース材2の外周部に在る結合力を失っ
た原料粉末の飛散はシート6により防止される。
(b) 第2加熱ゾーン(第3図A) この加熱ゾーンAは800℃以上900℃未満であ
る。第1加熱ゾーンAからの昇温速度は20℃/分
で、炉内は800℃以上900℃未満の温度にて30分
間恒温応対に保持される。この加熱ゾーンAは粉末成
形体の固相線温度域で粉末成形体およびベース材2の均
熱化が図られる。この加熱処理により原料粉末間の結合
が或程度進行するので、粉末成形体は仮焼結状態とな
り、保形性が良好となる。
(c) 第3加熱ゾーン(第3図A) この加熱ゾーンAは900℃以上1050℃以下であ
る。第2加熱ゾーンAからの昇温速度は10℃/分
で、炉内は900℃以上1050℃以下の温度にて30
分間恒温状態に保持される。この加熱ゾーンAは、原
料粉末において固相と液相が共存する半液温度域であ
り、液相により固相間の気孔が埋められ、また加圧体7
の加圧力により液相の流動が増進されて焼結が進行し、
密度の高い焼結銅合金3が得られる。同時に焼結銅合金
3がベース材2に溶着する。この場合ニッケルがリンと
合金化してそのろう材としての機能によりベース材2に
対する焼結銅合金3の溶着が確実に行われる。
この加熱ゾーンAでは、原料粉末における液相の流動
が緩慢であるから黒鉛の浮遊、偏析が発生せず、したが
って焼結銅合金の潤滑性はその全体に亘って均等とな
る。
(d) 冷却ゾーン(第3図B) 真空焼結炉8内に、その内部気圧が500mmHgとなる
まで窒素ガスを導入し、冷却ファンにより窒素ガスを循
環させて焼結銅合金3、ベース材2等を冷却する。
上記加熱冷却工程を経て第1図に示す摺動部材1が得ら
れる。
焼結銅合金3は密度 6.3g/cm3、ロックウエル硬
さH B 35以上、気孔率 13%であり、また表
面性状は良好で、外周部の欠落も生じていなかった。
前記摺動部材1を、それに機械加工および含油処理を施
した後プレス機のウエアプレートとして用い、機能テス
トを行ったところ表Iの結果が得られた。表中、Aは前
記工程を経て得られた摺動部材に、Bは比較例としての
鋳鉄に黒鉛を埋め込んだ摺動部材にそれぞれ該当する。
また相手材において鋳鉄+黒鉛は比較例Bと同一の構成
を有する。
表1から明らかなように摺動部材Aは比較例Bと略同等
の耐摩耗性を備え、優れた摺動特性を有する。
表IIは、ニッケル 28.7重量%、スズ 8.5重量
%、リン 6.63重量%を含有する銅合金粉末に対し
モリブデン粉末(Mo)および黒鉛粉末(G)の配合量
を種々変更した原料粉末を用いて前記同様に原料シート
を製造し、その原料シートから裁断された原料板を10
40℃、20分間加熱の焼結条件下で真空焼結して得ら
れた焼結銅合金のロックウエル硬さHBを示す。
表IIから明らかなように、黒鉛含有量の減少に伴い焼結
銅合金の硬さが向上し、また同一黒鉛含有量においてモ
リブデン含有量の増加に伴い硬さが向上する。これによ
り焼結銅合金の耐摩耗性の向上が図られる。
第4図は焼結銅合金の圧縮強さを示し、この圧縮強さは
モリブデンの含有量とは関係がなく、黒鉛含有量の増加
に伴い減少することが明らかである。プレス機のウエア
プレート等の摺動部材に要求される圧縮強さは17〜2
5kg/mm2であり、これを満足するためには黒鉛含有量
を1〜2.5重量%に設定する必要がある。
C.発明の効果 本発明によれば、モリブデンの含有量に応じて黒鉛の含
有量を減少し、また加圧下での焼結により高密度化を達
成し、これにより優れた圧縮強さを有し、また靭性、し
たがって耐衝撃特性を向上させた耐摩耗性が良好で、表
面性状の良い正常な自己潤滑性焼結銅合金を得ることが
できる。
また原料粉末を、それと合成樹脂バインダとの混合物よ
り得られた成形体の形態で用いるので、原料粉末の取扱
性が良好で焼結銅合金の生産能率を向上させることがで
きる。
さらにガス抜き用シートの使用によって、合成樹脂バイ
ンダの樹脂分解温度域での熱分解による分解ガスを効率
良く排出して、焼結銅合金における残留ガスに起因した
巣の発生、有害ガス成分の侵入等の不具合を確実に回避
することができる。その上前記温度域では合成樹脂バイ
ンダの熱分解が緩徐に行われ、また成形体外周部におけ
る原料粉末の飛散をガス抜き用シートにより防止し得る
ので、残置された粉末成形体は、外周部の欠落もなく前
記成形体と略同一の形状有し、したがって粉末成形体の
形状不良を抑制することができる。
さらに粉末成形体は固相線温度域で均熱化されるので、
焼結時における粉末成形体の局部的な溶出、したがって
焼結銅合金の変形を防止することができる。
さらにまた粉末成形体は液相と固相が共存する半液相温
度域で焼結されるので、黒鉛の浮遊、偏析が発生せず、
したがって焼結銅合金の潤滑特性をその全体に亘って均
等にすることができる。また液相により固相間の気孔が
埋められるので、焼結銅合金の密度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は摺動部材の斜視図、第2図は摺動部材の製造工
程説明図、第3図は焼結工程における時間と温度の関係
を示すグラフ、第4図は焼結銅合金における黒鉛含有量
と圧縮強さの関係を示すグラフである。 P…成形体としての原料板、2…ベース材、3…焼結銅
合金、7…加圧体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル、スズおよびリンを含有する銅合
    金粉末に、潤滑性粉末としてモリブデン粉末および黒鉛
    粉末を添加した原料粉末と合成樹脂バインダとの混合物
    よりなる成形体(P)をベース材(2)上面に重ね合せ
    る工程と、前記成形体(P)の上面に、通気性のない加
    圧体(7)を、通気性を有し、且つ前記原料粉末の焼結
    温度でその粉末および前記加圧体(7)に対して非融着
    性を持つと共に前記成形体(P)外周部より食出る大き
    さのガス抜き用シート(6)を介して載置する工程と;
    前記成形体を550℃以上650℃以下の樹脂分解温度
    域に保持し、前記合計樹脂バインダを熱分解して前記原
    料粉末からなる粉末成形体を残置する工程と;前記粉末
    成形体を800℃以上900℃未満の固相線温度域に保
    持して均熱化する工程と;前記粉末成形体を900℃以
    上1050℃以下の半液相温度域に保持して該粉末成形
    体より焼結銅合金を得る工程と;を用いることを特徴と
    する自己潤滑性焼結銅合金の製造方法。
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