JPH0662979B2 - 摺動部材の製造方法 - Google Patents

摺動部材の製造方法

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JPH0662979B2
JPH0662979B2 JP60286384A JP28638485A JPH0662979B2 JP H0662979 B2 JPH0662979 B2 JP H0662979B2 JP 60286384 A JP60286384 A JP 60286384A JP 28638485 A JP28638485 A JP 28638485A JP H0662979 B2 JPH0662979 B2 JP H0662979B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、プレス機のウエアプレート等に用いられる摺
動部材の製造方法、特に、自己潤滑性焼結銅合金および
それに含浸硬化された潤滑性合成樹脂を構成材料とする
摺動部材の製造方法に関する。
(2) 従来の技術 従来、焼結銅合金よりなる摺動部材の製造方法として、
ニッケル、スズ、リンおよび黒鉛を含む銅系原料粉末を
焼結する、といった方法が知られている(特公昭58−52
547号公報参照)。
(3) 発明が解決しようとする問題点 前記黒鉛は潤滑材として機能するもので、その機能を十
分に発揮させるため従来法においては多量の黒鉛粉末が
用いられている。
その結果、焼結銅合金の圧縮強さが低下し、また前記化
学成分に起因して焼結銅合金の靭性、したがって耐衝撃
性が低いという問題がある。
本発明は上記に鑑み、黒鉛の含有量を減らす一方、黒鉛
の減量分を潤滑性を有し耐摩耗性向上に寄与すると共に
靭性向上効果を発揮するモリブデンによって補い、また
高密度化を達成すべく加圧下で焼結し、さらに焼結処理
により得られた自己潤滑性焼結銅合金に潤滑性合成樹脂
を含浸硬化させ、これにより優れた耐摩耗性、圧縮強さ
および靭性を備えると共に高い硬さを有し、また良好な
表面性状を有する正常な摺動部材を得ることのできる、
生産性の良好な前記製造方法を提供することを目的とす
る。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明に係る摺動部材の製造方法は、ニッケル 5〜30
重量%、スズ 7〜13重量%およびリン 0.3〜2重量
%を含有する銅合金粉末に、それに対し潤滑性粉末とし
てモリブデン粉末 1〜5重量%および黒鉛粉末 1〜
2.5重量%を混合した原料粉末と合成樹脂バインダとよ
りなる原料板をベース材上面に重ね合せる工程と、前記
原料板の上面に、通気性のない加圧体を、通気性を有
し、且つ前記原料粉末の焼結温度でその粉末および前記
加圧体に対して非融着性を持つと共に前記原料板外周部
より食出る大きさのガス抜き用シートを介して載置する
工程と;前記原料板を加熱して前記合成樹脂バインダを
分解すると共に前記原料粉末を焼結して自己潤滑性焼結
銅合金を得る工程と;前記自己潤滑性焼結銅合金に潤滑
性合成樹脂を含浸硬化させる工程と;を用いることを特
徴とする。
(2) 作 用 潤滑性粉末として、モリブデン粉末と黒鉛粉末の混合粉
末を用いることによって黒鉛の含有量を減少し、また高
密度化を達成すべく加圧下で焼結し、さらに潤滑性合成
樹脂を含浸硬化させる、といった手段を採用することに
よって、優れた耐摩耗性、圧縮強さおよび靭性を備える
と共に高い硬さを有する摺動部材を得ることができる。
また原料粉末を原料板の形態で用いるので、原料粉末の
取扱性が良好となる。
さらに加熱により合成樹脂バインダは分解され、その分
解ガスは原料粉末の構成粉末間よりガス抜き用シートの
外周部を通じて効率良く排出されるので、焼結銅合金、
したがって摺動部材における残留ガスに起因した巣の発
生、有害ガス成分の侵入等の不具合を確実に回避するこ
とができる。
さらにまた、ガス抜き用シートにより原料板外周部を覆
うので、合成樹脂バインダの分解時において、原料板外
周部の、結合力を失った原料粉末が分解ガスの噴出圧に
よって飛散することがなく、これにより外周部の欠落の
ない正常な焼結銅合金、したがって摺動部材を得ること
ができる。
その上、ガス抜き用シートの上面には加圧体が載置され
ているので、分解ガスが原料板上面から加圧体を通じて
噴出することがなく、これにより焼結銅合金表面、した
がって摺動部材表面の荒れを防止して、その表面性状を
良好にすることができる。これは摺動面の仕上げ加工を
不要にするか、または僅かな仕上げ加工を行えば良い、
といった効果をもたらす。
なお、各化学成分の配合量を前記のように限定した理由
および各化学成分の役割は以下の通りである。
ニッケルはろう材として機能し、前記銅合金粉末および
潤滑性粉末よりなる原料粉末の焼結性および銅マトリッ
クスの強度を向上させる効果を発揮するが、その配合量
が5重量%を下回ると前記効果が得られず、また30重量
%を上回っても前記効果の向上は望めず、その上コスト
高となる。
スズは銅と合金化して銅マトリックスの強度および耐摩
耗性を向上させる効果を発揮するが、その配合量が7重
量%を下回ると前記効果が得られず、また13重量%を上
回ると銅合金の融点が低下して焼結銅合金の形状維持性
が悪化する。
リンは銅マトリックスに析出してその強度および耐摩耗
性を向上させる効果を発揮するが、その配合量が0.3重
量%を下回ると銅合金の融点が高くなって原料粉末の焼
結性が悪化し、また2重量%を上回ると銅合金の融点が
低下して焼結銅合金の形状維持性が悪化する。
モリブデンは銅合金と強固に結合して焼結銅合金の靭
性、耐摩耗性および潤滑性を向上させる効果を発揮する
が、その配合量が1重量%を下回ると前記効果が得られ
ず、また5重量%を上回ると焼結銅合金の焼結強度およ
び密度が低下する。
黒鉛は焼結銅合金の潤滑性を向上させる効果を発揮する
が、その配合量が1重量%を下回ると前記効果が得られ
ず、また2.5重量%を上回ると焼結銅合金の圧縮強さが
低下する。
(3) 実施例 〔実施例I〕 第1図は自己潤滑性焼結銅合金3を、ベース材2の一面
に溶着した複合体1を示す。焼結銅合金3は、銅合金粉
末および潤滑性粉末を含有する原料シートの焼結時ベー
ス材2に溶着されたものである。この焼結銅合金3に潤
滑性合成樹脂を含浸硬化させることによって摺動部材が
得られる。
先ず、第2,第3図を参照しながら前記複合体1の製造方
法について説明する。
i.原料シートの製造 噴霧法により得られた、ニッケル 25重量%、ズス 10
重量%、リン 1.1重量%および残部銅からなり、標準
篩110メッシュを通過し得る粒度の銅合金粉末 92重量
%、 機械的粉砕法により得られた、標準篩270メッシュを通
過し得る粒度のモリブデン粉末 2.5重量%、および 機械的粉砕法により得られた、標準篩28メッシュを通過
し得るが、65メッシュを通過し得ない粒度の人造黒鉛粉
末 2.5重量% よりなる原料粉末と、 四フッ化エチレン樹脂とアクリル樹脂を1:1に混合し、
その混合樹脂にそれに対し50重量%の水を添加してエマ
ルジョン化した合成樹脂バインダ 3重量%と を、第2図(a)に示すようにニーダ4に投入し、それ
らを3分間混合して原料粉末を合成樹脂バインダ中に均
一に分散させた混合物Mを得る。
第2図(b)に示すように、混合物Mをヒータ5上に移
し、それを80〜150℃に加熱して水分を蒸発し乾燥す
る。
第2図(c)に示すように、加熱状態に在る混合物Mを
ロール機6に数回通し、厚さ2〜3mmの原料シートSを
得る。
第2図(d)に示すように、原料シートSをヒータ5上
に移し、それを80〜120℃で30分間加熱し、ロール成形
時の歪を除去する。
原料シートSの密度は4.8g/cmで、第2図(e)に示
すようにロール状に巻いて保存される。
なお、前記混合物Mにおいてそのモリブデン含有量が5
重量%を上回ると、原料シートSの成形が困難となる。
ii.複合体の製造 第2図(f)に示すように、原料シートSから縦200m
m、横200mmの原料板Pを裁断し、その原料板Pを縦200m
m、横200mm、厚さ19mmのJIS SS41で表わされる鋼板製
ベース材2の上面にアクリル系接着剤を用いて貼着し、
その上面を縦210mm、横210mm、厚さ2mmのセラミック繊
維、実施例においてはシリカアルミナ繊維(商品名カオ
ウール)よりなり通気性を有するガス抜き用シート6を
用いて覆い、さらにシート6の上面に縦200mm、横200m
m、厚さ38mmの前記と同材質の鋼板よりなる通過性のな
い加圧体7を載置する。
加圧体7は、焼結時において原料粉末を加圧し焼結銅合
金3の密度を向上させるために用いられるものである
が、この加圧体7を直接原料板P上に載せると、合成樹
脂バインダ等より生じる分解ガスのガス抜き性が悪く、
また原料板Pにおける外周部の、結合力を失った原料粉
末が分解ガスの噴出圧により飛散する。そこで加圧体7
と原料板Pとの間に原料板P外周部より食出る大きさの
前記シート6を介在させ、その通気性を利用してガス排
出路を形成し、また原料粉末の飛散を防止する。このよ
うな使用目的を十分に達成するためには、原料板Pの大
きさとシート6の厚さとの間に相関関係がある。例え
ば、原料板Pの厚さ2mmにおいて、その大きさが縦80m
m、横80mmではシート6の厚さは1mm、縦200mm、横200mm
ではシート6の厚さは2mmとなる。なお、前記厚さを有
する原料板Pの大きさが縦60mm、横60mm以下である場
合、合成樹脂バインダ等の熱分解が極めて遅い場合等に
おいてはシート6が無くても分解ガスのガス抜きが容易
に行われ、また原料粉末の飛散は生じない。
ガス抜きシート6は、原料粉末の焼結温度でその粉末お
よび加圧体7に対して非融着性を持つことが必要であ
る。この要件を満たす材料としては前記セラミック繊維
の外にアスベスト、ロックウール等が該当する。またシ
ート6を用いない場合には、原料粉末に対する加圧体7
の融着を防止すべく、加圧体7に離型剤を塗布する、加
圧体7と原料板Pとの間にアルミナ等のセラミック体を
介在する等の手段を採用する。
前記積層物を真空焼結炉8内に設置して第3図に示す加
熱条件で合成樹脂バインダおよびアクリル系接着剤が熱
分解、原料粉末の焼結およびベース材に対する焼結銅合
金の溶着を行う。キャリアガスとしては窒素ガスが用い
られ、真空度は1 Torrである。
(a) 第1加熱ゾーン(第3図A) この加熱ゾーンAは常温から600℃までである。常温
からの昇温速度は20℃/分で、炉内は600℃にて60分間
恒温状態に保持される。この加熱ゾーンAでは、先
ず、積層物の水分が蒸発し、次いで560〜600℃の範囲で
合成樹脂バインダ中の四フッ化エチレン樹脂およびアク
リル樹脂並びにアクリル系接着剤が熱分解されてガス化
する。分解ガスは原料粉末の構成粉末間よりシート6を
通じて排出される。ベース材2の外周部に在る結合力を
失った原料粉末の飛散はシート6により防止される。
(b) 第2加熱ゾーン(第3図A) この加熱ゾーンAは略900℃である。第1加熱ゾーン
からの昇温速度は20℃/分で、炉内は略900℃にて3
0分間恒温状態に保持される。この加熱ゾーンAでは
原料粉末およびベース材2の均熱化が図られる。
(c) 第3加熱ゾーン(第3図A) この加熱ゾーンAは略1020℃である。第2加熱ゾーン
からの昇温速度は10℃/分で、炉内は略1020℃にて
30分間恒温状態に保持される。この加熱ゾーンAは、
原料粉末において固相と液相が共存する半液相温度域で
あり、液相により固相間の気孔が埋められ、また加圧体
7の加圧力により液相の流動が増進されて焼結が進行
し、密度の高い焼結銅合金3が得られる。同時に焼結銅
合金3がベース材2に溶着する。この場合ニッケルがリ
ンと合金化してそのろう材としての機能によりベース材
2に対する焼結銅合金3の溶着が確実に行われる。
この加熱ゾーンAでは、原料粉末における液相の流動
が緩慢であるから黒鉛の浮遊、偏析が発生せず、したが
って焼結銅合金の潤滑性はその全体に亘って均等とな
る。
(d) 冷却ゾーン(第3図B) 真空焼結炉8内に、その内部気圧が500mmHgとなるまで
窒素ガスを導入し、冷却フアンにより窒素ガスを循環さ
せて焼結銅合金3、ベース材2等を冷却する。
上記加熱冷却工程を経て第1図に示す複合体1が得られ
る。
焼結銅合金3は密度 6.3g/cm、ロックウエル硬さHR
B 35以上、気孔率 13%、圧縮強さ 17kg/mmであ
り、また表面性状は良好で、外周部の欠落も生じていな
かった。
前記複合体1の焼結銅合金3に機械加工および含油処理
を施した後、その複合体1をプレス機のウエアプレート
として用い、機能テストを行ったところ表Iの結果が得
られた。表中、Aは前記工程を経て得られた複合体1の
焼結銅合金に、Bは比較例としての鋳鉄に黒鉛を埋め込
んだものにそれぞれ該当する。また相手材において鋳鉄
+黒鉛は比較例Bと同一の構成を有する。
表Iから明らかなように焼結銅合金Aは比較例Bと略同
等の耐摩耗性を備え、優れた摺動特性を有する。
表IIは、ニッケル 28.7重量%、スズ 8.5重量%、リ
ン 0.63重量%を含有する銅合金粉末に対しモリブデン
粉末(Mo)および黒鉛粉末(G)の配合量を種々変更し
た原料粉末を用いて前記同様に原料シートを製造し、そ
の原料シートから裁断された原料板を1040℃、20分間加
熱の焼結条件下で真空焼結して得られた焼結銅合金のロ
ックウエル硬さHRBを示す。
表IIから明らかなように、黒鉛含有量の減少に伴い焼結
銅合金の硬さが向上し、また同一黒鉛含有量においてモ
リブデン含有量の増加に伴い硬さが向上する。これによ
り焼結銅合金の耐摩耗性の向上が図られる。
第4図は焼結銅合金の圧縮強さを示し、この圧縮強さは
モリブデンの含有量とは関係がなく、黒鉛含有量の増加
に伴い減少することが明らかである。プレス機のウエア
プレート等の摺動部材に要求される圧縮強さは17〜25kg
/mmであり、これを満足するためには黒鉛含有量を1
〜2.5重量%に設定する必要がある。
合成樹脂バインダは原料粉末に対して1〜4重量%配合
される。その理由は合成樹脂バインダの配合量が1重量
%を下回ると原料シートの保形性が悪く、また原料粉末
間の結合力が弱くなってその粉末の脱落を発生し、一方
4重量%を上回ると焼結銅合金の気孔率が高くなって密
度の低下、形状精度の悪化等を招来し、また残留炭素が
多くなって焼結性の阻害、ベース材に対する焼結銅合金
の溶着不良等を招来するからである。
次に、複合体1の焼結銅合金3に対する潤滑性合成樹脂
の含浸硬化工程について説明する。
この種合成樹脂には、 a.作業性を良好にするために常温で液体であり、且つそ
の粘度が低いこと、 b.硬化反応が単純であること、 c.硬化状態で優れた圧縮強さを有すること、 d.低摩擦係数を有すること 等が要求される。
このような要件を考慮すると、前記合成樹脂としては不
飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂等が有効である。
これらの合成樹脂液の調製例および前記焼結銅合金に対
する合成樹脂液の含浸法はついて挙げれば下記の通りで
ある。
i)不飽和ポリエステル樹脂の場合 不飽和ポリエステル樹脂液(商品名:エピマーNSNo.510
1 三菱油化フアイン社製)…97.5部 ドライヤとして6%ナフテン酸コバルト(和光純薬社
製)…1.0部 硬化触媒としてメチルエチルケトンペルオキシド(商品
名:パーメックN 日本油脂社製)…1.5部 前記樹脂液に前記ドライヤおよび硬化触媒を混合し、そ
の樹脂液中に前記複合体1を浸漬して100 Torrの真空
下に5分間保持し、樹脂液を焼結銅合金3に含浸する。
次いで複合体1を樹脂液より引出し、大気中に約5時間
放置して樹脂液を常温硬化させ、焼結銅合金3に不飽和
ポリエステル樹脂を含浸硬化させた摺動部材を持つ複合
体1を得る。
ii)メタクリル樹脂の場合 メタクリル樹脂液(商品名:アクリシラップSY−102
三菱レイヨン社製…80%と、エチレンジメタクリレート
三菱レイヨン社製…20%との混合液)…99.8部 重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(昭和化
学製)…0.2部 前記樹脂液に前記重合開始剤を混合し、その樹脂液中に
前記複合体1を浸漬して100 Torrの真空下に5分間保
持し、樹脂液を焼結銅合金3に含浸する。次いで複合体
1を樹脂液より引出し、大気中に30分間放置した後50℃
にて4時間加熱して樹脂液を硬化させ、焼結銅合金3に
メタクリル樹脂を含浸硬化させた摺動部材を持つ複合体
1を得る。
iii)エポキシ樹脂の場合 エポキシ樹脂(商品名:エピコート819 昭和シエルエ
ポキシ社製)…89.5部 硬化剤としてトリエチレンテトラアミン(製鉄化学社
製)…10.5部 前記樹脂液に前記硬化剤を混合し、その樹脂液中に前記
複合体1を浸漬して100 Torrの真空下に5分間保持
し、樹脂液を焼結銅合金3に含浸する。次いで複合体1
を樹脂液より引出し、大気中に約40分間放置して樹脂液
を常温硬化させ、焼結銅合金3にエポキシ樹脂を含浸硬
化させた摺動部材を持つ複合体1を得る。
表IIIは、焼結銅合金に前記i)〜iii)の合成樹脂を含
浸硬化させた摺動部材の硬さ(HR B)および圧縮強さ
を示す。
表IIIから明らかなように、焼結銅合金に合成樹脂を含
浸硬化させると、合成樹脂を含浸硬化させない場合に比
べて硬さおよび圧縮強さを大幅に向上させることがで
き、これにより高面圧下における使用において優秀な耐
久性を有する摺動部材を提供することができる。
C.発明の効果 本発明によれば、モリブデンの含有量に応じて黒鉛の含
有量を減少し、また高密度化を達成すべく加圧下で焼結
し、さらに潤滑製合成樹脂を含浸硬化させる、といった
手段を採用することによって優れた圧縮強さ、耐摩耗性
および靭性、したがって耐衝撃特性を備えると共に高い
硬さを有し、高面圧下での使用において優秀な耐久性を
発揮する、表面性状の良い摺動部材を得ることができ
る。
また原料粉末を原料板の形態で用いるので、原料粉末の
取扱性が良好で摺動部材の生産能率を向上させることが
できる。
さらにガス抜き用シートの使用によって、合成樹脂バイ
ンダの分解による分解ガスを効率良く排出して、摺動部
材における残留ガスに起因した巣の発生、有害ガス成分
の侵入等の不具合を確実に回避し、また摺動部材外周部
の欠落を防止して正常な摺動部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は複合体の斜視図、第2図は複合体の製造工程説
明図、第3図は焼結工程における時間と温度の関係を示
すグラフ、第4図は焼結銅合金における黒鉛含有量と圧
縮強さの関係を示すグラフである。 P……原料板、2……ベース材、3……焼結銅合金、6
……ガス抜き用シート、7……加圧体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:02 Z 9159−4H 103:06 D 9159−4H 103:04) C10N 10:02 10:08 10:12 10:16 40:02 70:00 (56)参考文献 特開 昭57−21496(JP,A) 特開 昭53−60308(JP,A) 特公 昭58−52547(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル 5〜30重量%、スズ 7〜13重
    量%およびリン 0.3〜2重量%を含有する銅合金粉末
    に、それに対し潤滑性粉末としてモリブデン粉末 1〜
    5重量%および黒鉛粉末 1〜2.5重量%を混合した原
    料粉末と合成樹脂バインダとよりなる原料板(P)をベ
    ース材(2)上面に重ね合せる工程と、前記原料板
    (P)の上面に、通気性のない加圧体(7)を、通気性
    を有し、且つ前記原料粉末の焼結温度でその粉末および
    前記加圧体(7)に対して非融着性を持つと共に前記原
    料板(P)外周部より食出る大きさのガス抜き用シート
    (6)を介して載置する工程と;前記原料板(P)を加
    熱して前記合成樹脂バインダを分解すると共に前記原料
    粉末を焼結して自己潤滑性焼結銅合金(3)を得る工程
    と;前記自己潤滑性焼結銅合金(3)に潤滑性合成樹脂
    を含浸硬化させる工程と;を用いることを特徴とする摺
    動部材の製造方法。
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