JPH066689B2 - 水性顔料インキ組成物 - Google Patents

水性顔料インキ組成物

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JPH066689B2
JPH066689B2 JP61012223A JP1222386A JPH066689B2 JP H066689 B2 JPH066689 B2 JP H066689B2 JP 61012223 A JP61012223 A JP 61012223A JP 1222386 A JP1222386 A JP 1222386A JP H066689 B2 JPH066689 B2 JP H066689B2
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water
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小野  誠
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は筆記用、主としてボールペン用に適した水性顔
料インキ組成物に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、顔料の長期分散安定性に優れ、かつ潤滑
性が良好でチップの摩耗度が低く、滑らかな筆感が得ら
れるとともに、にじみが少ない上に耐光性や耐水性に優
れた描線を与えるなど、好ましい特性を有する水性顔料
インキ組成物に関するものである。
従来の技術 従来、ボールペンなどの筆記具に用いられる水性インキ
としては、水や水溶性有機溶剤などの水性媒体に、着色
剤として水溶性染料を溶解させたものや、水分散性顔料
を分散させたものが知られている。
しかしながら、染料を用いた従来の水性インキにおいて
は、描線のにじみや、耐光性、耐水性などの堅ろう性に
問題がある上に、チップのボールやホルダーに摩耗によ
って筆感が悪くなったり、あるいはチップの劣化によっ
てインキの流出が不均一になる、などの欠点を有してい
る。
一方、顔料を分散させた従来の水性インキにおいては、
描線のにじみや堅ろう性の問題はある程度解決される
が、チップの摩耗や劣化による筆感の低下は改善されな
い上に、顔料の長期分散安定性に劣るので、経時的に筆
記具に目詰りが生じたり、あるいは粘度が増加して筆記
不能をもたらすなどの欠点を有している。
また、前記の染料系及び顔料系の水性インキに、種々の
潤滑性向上剤、例えば不飽和脂肪酸、ポリエチレンオキ
シド、水溶性切削油、フッ素系界面活性剤などを添加
し、前記欠点を改良することも試みられている。しかし
ながら、これらの潤滑性向上剤を添加することにより、
ある程度、チップの摩耗や劣化は抑えられるものの、例
えば(1)不飽和脂肪酸を添加する場合には、該不飽和脂
肪残は水に対する溶解安定性に劣るため、経時により分
離、析出する、(2)ポリエチレンオキシドを添加する場
合には、粘度が増加し、描線がかすれたり、ときには筆
記不能に陥ることもある、(3)水溶性切削油やフッ素系
界面活性剤などを添加する場合には、表面張力に低下に
より、描線がにじみやすくなる、また、(4)顔料系水性
インキにフッ素系界面活性剤を添加する場合には、顔料
の長期分散安定性が悪くなって、顔料の凝集、沈降が生
じやすくなる、などの問題を生じ、必ずしも満足しうる
結果は得られていない。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的はこのような事情のもとで、顔料の長期分
散安定性に優れ、かつ潤滑性が良好でチップの摩耗度が
低く、滑らなか筆感が得られるとともに、にじみが少な
い上に耐光性や耐水性に優れた描線を与えるなど、好ま
しい特性を有する、ボールペンなどの筆記具に好適な水
性顔料インキ組成物を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、水性媒体及び顔
料を含有して成る基本成分に対し、所要量の水溶性樹脂
及び不飽和脂肪酸のアルカリ塩を配合することにより、
その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基本成分として水性媒体及び顔料
を含有して成るインキ組成物において、(a)該顔料の重
量に基づき、水溶性樹脂0.05〜200重量%及び(b)組
成物全重量に基づき不飽和脂肪酸のアルカリ塩0.02
〜5重量%を配合したことを特徴とする水性顔料インキ
組成物を提供するものである。
本発明組成物に用いられる水性媒体としては、水又は水
と水溶性有機溶剤との混合物が挙げられる。水溶性有機
溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートのよ
うなグリコールエーテルエステル類などが挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤はそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明組成物において用いられる顔料については特に制
限はなく、通常の水性顔料インキ組成物に用いられてい
る無機及び有機顔料の中から任意のものを使用すること
ができる。その配合量は該組成物全量当り好ましくは2
〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%の範囲で
選ばれる。
本発明組成物において(a)成分すなわち顔料の分散剤と
して用いられる水溶性樹脂は、天然品、半合成品、合成
品のいずれでもよいが、かびや腐敗の問題、筆記具用イ
ンキとしての粘度特性などの点から、合成品が好適であ
る。このような合成品の水溶性樹脂としては、例えば水
溶性アクリル樹脂、水溶性スチレンアクリル樹脂、水溶
性スチレンマレイン酸樹脂などが挙げられる。これらの
水溶性樹脂の配合量は前記顔料に対して0.05〜200重量
%、このましくは0.1〜100重量%の範囲で選ばれる。こ
の配合量が0.05重量%未満では顔料の分散安定性や、イ
ンキの潤滑性及び経時安定性が悪く、また200重量%を
超えると、インキの粘度が高くなるため、使用時のイン
キの流出が少なくなり、筆記性が悪くなる。
本発明組成物においては、顔料の分散安定性やインキの
潤滑性などをさらに優れたものとするために、前記の水
溶性樹脂とともに、(b)成分すなわち不飽和脂肪酸のア
ルカリ塩を配合する必要がある。この不飽和脂肪酸のア
ルカリ塩は、飽和脂肪酸のアルカリ塩と比較して、水性
媒体に溶解しやすいという特徴を有している。
本発明組成物において用いられる不飽和脂肪酸のアルカ
リ塩としては、例えば炭素数が6〜27で、かつ分子中
に二重結合を1〜5個有する直鎖状又は分枝鎖状のモノ
エン酸やポリエン酸、あるいはオキシアルケン酸のナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩又は炭素数1〜
3のアルコールでモノ、ジ、トリ置換されたアンモニウ
ム塩などが挙げられる。前記不飽和脂肪酸としては、入
手の容易さの点で、例えばヘキセン酸、ヘプテン酸、オ
クテン酸、ノネン酸、カプロレイン酸、ウンデセン酸、
リンデル酸、ミリストレイン酸、2−パルミトレイン
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴン
ドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸などのモノエン酸、ソ
ルビン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン
酸、アラキドン酸などのポリエン酸、プロペニルグリコ
ール酸、β−オキシヒドロソルビン酸、リシノール酸、
リシノエライジン酸、オキシナーボン酸、カモレン酸な
どのオキシアルケン酸などが好ましく挙げられるが、こ
れらの中で特にオレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リ
ノレン酸、リシノール酸が好適である。
これらの不飽和脂肪酸のアルカリ塩はそれぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、そ
の配合量は組成物全量に対し、0.02〜5重量%の範囲で
選ばれる。この配合量が0.02重量%未満では本発明の効
果が十分に発揮されず、また5重量%を超えると描線が
にじんだり、インキの経時安定性に問題が生じるので好
ましくない。
本発明組成物には、所望に応じ、通常の水性顔料インキ
組成物において用いられている添加剤、例えば防腐剤、
防かび剤、防錆剤、pH調整剤、界面活性剤などを配合す
ることができる。
本発明の水性顔料インキ組成物は、通常の顔料分散方
法、例えばボールミル、サンドミル、ロールミル、ホモ
ミキサー、スターラー、あるいは超音波などを用いる方
法により、水性媒体、顔料、水溶性樹脂、不飽和脂肪酸
のアルカリ塩及び必要に応じて用いられる各種添加剤を
混練し、該顔料を均一に分散させることにより得られ
る。
発明の効果 本発明の水性顔料インキ組成物は、水性媒体及び顔料か
ら成る基本成分に、所要量の水溶性樹脂と不飽和脂肪酸
のアルカリ塩とを配合させることによって、従来の水性
顔料インキ組成物に比べて、顔料の長期分散安定性に優
れ、かつ潤滑性が良好でチップの摩耗度が低く、滑らか
な筆感が得られる。
このような効果の理論的根拠については、必ずしも明確
に説明できないが、不飽和脂肪酸のアルカリ塩はチップ
の金属性ボールやホルダーに吸着しやすく、該ボールや
ホルダーの表面に層を形成することにより、両者間の摩
擦係数を下げて潤滑効果を高め、また、顔料粒子表面は
水溶性樹脂層で被覆され、さらにその上に不飽和脂肪酸
のアルカリ塩の層が形成されて、その立体障害により、
顔料粒子は凝集が妨げられ、分散安定化するものと思わ
れる。
また、本発明のインキ組成物は着色剤として顔料を用い
ているため、染料を用いたものに比べて、耐光性や耐水
性に優れ、かつにじみの少ない描線を与えることができ
るし、前記のように潤滑性に優れているので、ホルダー
材質がしんちゅう、リン青銅、洋白、各種ステンレスス
ティールなどの金属製や、合成樹脂製のいずれのボール
ペンにも使用可能である。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1、比較例1 成 分 重量% カーボンブラック 15.0 水溶性アクリル樹脂(ハイロス AW-36、星光化学社製) 4.0 リノール酸カリウム 0.5 25%アンモニア水 2.0 エチレングリコール 30.0 防腐剤、防錆剤 若干量 水 残 余 100 水溶性樹脂をアンモニア水、水及びエチレングリコール
中に溶解し、これにカーボンブラックを加え、サンドミ
ルで混合分散した。次に、この分散液に前記組成になる
ように、リノール酸カリウム、防腐剤、防錆剤、水、及
びエチレングリコールを加え、スターラにてかきまぜた
のち、一昼夜放置し、上澄部を水性ボールペン用インキ
組成物とした。
このようにして得られたインキ組成物について、筆記性
及び経時安定性テストを行った。その結果を別表に示
す。
また、比較のため、前記組成物において、リノール酸カ
リウムを用いないこと以外は、全く同様にしてインキ組
成物を調製し、このものの筆記性及び経時安定性を求め
た。その結果も該表に示す。
実施例2、比較例2 成 分 重量% 銅フタロシアニンブルー 15.0 水溶性アクリル樹脂(ハイコート FL-200、東洋化学社製) 7.0 オレイン酸ナトリウム 0.5 エチレングリコール 25.0 ジエチレングリコール 5.0 防腐剤、防錆剤 若干量 水 残 余 100 前記組成物を実施例1と同様にして処理し、水性ボール
ペン用インキ組成物を調製した。このものについて、同
様に筆記性及び経時安定性テストを行った。その結果を
別表に示す。
また、比較のために、実施例2において、オレイン酸ナ
トリウムを用いないこと以外は、実施例2と全く同様に
してインキ組成物を調製し、このものの筆記性及び経時
安定性を求めた。その結果も該表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本成分として水性媒体及び顔料を含有し
    て成るインキ組成物において、(a)該顔料の重量に基づ
    き水溶性樹脂0.05〜200重量%及び(b)組成物全重量
    に基づき不飽和脂肪酸のアルカリ塩0.02〜5重量%
    を配合したことを特徴とする水性顔料インキ組成物。
JP61012223A 1986-01-24 1986-01-24 水性顔料インキ組成物 Expired - Lifetime JPH066689B2 (ja)

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JPS60228579A (ja) * 1984-04-26 1985-11-13 Pentel Kk 水性顔料インキ

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