JP2001342405A - 筆記具用水性インキ組成物 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物

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JP2001342405A JP2000164966A JP2000164966A JP2001342405A JP 2001342405 A JP2001342405 A JP 2001342405A JP 2000164966 A JP2000164966 A JP 2000164966A JP 2000164966 A JP2000164966 A JP 2000164966A JP 2001342405 A JP2001342405 A JP 2001342405A
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勝 宮本
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忠 鎌形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆跡が滲みにくく、香りの持続性があり、香
料が水性媒体中に安定した状態に分散維持される筆記具
用水性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 レシチン誘導体と共に、着色剤、香料及
び水を含有してなることを特徴とする筆記具用水性イン
キ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記時に香りを発
し、かつ描線跡にもほのかな香りを残す特徴を有する筆
記具用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、香料は油溶性であり、水中に乳
化、分散させるためには保護コロイドとなる乳化剤、ま
たは分散剤が必要である。前記保護コロイドとして水溶
性樹脂または界面活性剤が用いられるが、殆どの水溶性
樹脂については必要十分の香料を分散させるだけの樹脂
量を用いると液の粘度が高くなり筆記具用インキとして
の適性を欠くことになる。
【0003】一方、香料を安定状態に乳化させるために
十分な量の界面活性剤を用いて調製される乳化液は、表
面張力の大幅な低下をきたし、筆跡が滲みやすくなるな
どの実用的な課題がある。また、上記の方法により、香
料を単に乳化、分散させただけでは、筆記直後は香りを
発するものの、その後香りはすぐに失われ、長時間保持
できない(持続性がない)という課題がある。
【0004】他方、従来において、筆記時に芳香を発す
る香料を含有した筆記具用インキ組成物としては、例え
ば、染料類、樹脂類及び有機溶剤類よりなるボールペン
インキにおいて、該インキと相溶性を有する香料を添加
させてなることを特徴とするボールペンインキ(特開昭
56−81377号公報)、香料、マルトシルサイクロ
デキストリン(MCD)、着色剤及び水を配合した香料
入り水性インキ(特開昭63−223078号公報)、
着色剤、香料、部分スルホン化ポリエステル樹脂及び水
を含有してなる筆記具用水性インキ組成物(特開平8−
283645号公報)などが知られている。
【0005】しかしながら、上記特開昭56−8137
7号公報のインキ組成物では、相溶性を有する香料を添
加しても、筆記時に紙面を滲ませてしまうという課題が
あり、また、上記特開昭63−223078号公報のイ
ンキ組成物では、香料をMCDへ包接させて、該包接化
合物を水性インキに添加するものであるので、この水性
インキは経時により、特に高温での経時により香料が分
離し易い傾向にあり、香料の分散性及び香りの持続性に
課題があり、更に、上記特開平8−283645号公報
のインキ組成物では、筆記直後は香りを発するものの、
その後香りは失われ、長時間香りを保持できない(持続
性がない)という課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、
筆跡が滲みにくく、香りの持続性があり、香料が水性媒
体中に安定した状態に分散維持される筆記具用水性イン
キ組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の課題について鋭意検討した結果、着色剤及び香料
を含有する筆記具用水性インキ組成物中に特定のインキ
成分を含有せしめることにより、上記目的の筆記具用水
性インキ組成物を得ることに成功し、本発明を完成する
に至ったのである。すなわち、本発明の筆記具用水性イ
ンキ組成物は、レシチン誘導体と共に、着色剤、香料及
び水を含有してなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の筆記具用水性インキ組成物は、
レシチン誘導体と共に、着色剤、香料及び水を含有して
なることを特徴とするものである。
【0009】本発明に用いるレシチン誘導体は、滲み抑
制剤、香りの持続性向上剤、香料の分離抑制の目的で配
合されるものである。レシチンとは、グリセリンに結合
した2分子の長鎖脂肪酸を親油基とし、別に結合する燐
酸及びこれに結合するコリンを親水基とするリン脂質で
あり、植物性レシチンと動物性レシチンに大別される。
植物性レシチンは大豆などの油脂より分別して得られ、
動物性レシチンは卵黄などから得た卵黄油より分離して
得ることが出来る。これら天然レシチンに水素添加や水
酸化等の処理を施すことにより得られるレシチン誘導体
は、優れた可溶化性、乳化性、分散性を有している。本
発明では、インキ組成物の特性を損なわない限り、公知
の全てのレシチン誘導体を使用可能であり、また、1種
単独に限らず、異なる2種以上を組み合わせて配合する
ことも可能である。レシチン誘導体の好ましい市販品の
例としては、水素添加大豆レシチン誘導体としてレシノ
ールS−10、レシノールS−10M、レシノールS−
10E、レシノール10EX、レシノールS−30(以
上、日光ケミカルズ製)、サンソフトDS、サンソフト
L−6(以上、太陽化学製)、水素添加卵黄レシチン誘
導体としてレシノールY−10、レシノールY−10
M、レシノールY−10E、レシノールY−10EX
(以上、日光ケミカルズ製)、水酸化大豆レシチン誘導
体としてレシノールSH50(以上、日光ケミカルズ
製)などを挙げることができる。
【0010】本発明において、上記各々のレシチン誘導
体(1種または2種以上の混合物)の含有量は、インキ
組成物全量に対して、0.1〜10重量%程度が好まし
く、0.5〜5重量%ならばより好ましい。レシチン誘
導体の含有量が、インキ組成物全量に対して、0.1重
量%未満であると、滲み抑制効果、香りの持続性向上効
果及び香料の分散抑制の効果に劣る結果として、本発明
の効果を十分発揮できない場合があり、また、10重量
%を越えると、紙面に転写された際に乾燥しにくくなっ
たり、ボールペンに用いた場合にはチップ先端からのイ
ンキの流出量が低下してしまうことがある。
【0011】本発明に用いられる着色剤としては、例え
ば、顔料、水溶性染料等が挙げられる。顔料について
は、特に限定されず、従来水性インキ組成物に慣用され
ている無機及び有機系顔料、酸化チタン、樹脂エマルシ
ョンを染料で着色した疑似顔料等を用いることができ
る。無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、
金属粉などが挙げられる。有機系顔料としては、例え
ば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、
フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アン
トラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニト
ロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。
【0012】より具体的には、カーボンブラック、チタ
ンブラック、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、雲母チタ
ン、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ピリジアン、硫
化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウム
レッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメー
ト、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、ク
レー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト
粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレッ
ト、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.ピ
グメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、
C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブ
ルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグ
メントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、
C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレ
ッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピ
グメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、
C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメント
レッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.
I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロ
ー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグ
メントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー1
4、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメ
ントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、
C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメント
イエロー83、C.I.ピグメントイエロー95、C.
I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイ
エロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.
I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレ
ンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.
I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバ
イオレット19、C.I.ピグメントバイオレット2
3、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピ
グメントグリーン7等が例示される。また、樹脂エマル
ションを染料で着色した疑似顔料としては、例えば、ア
クリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル等の共
重合体からなる樹脂を染料で着色したものなどが挙げら
れる。
【0013】更に、水溶性染料としては、直接染料、酸
性染料、食用染料、塩基性染料のいずれも用いることが
できる。より具体的には、直接染料としては、例えば、
C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同
32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエ
ロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクト
レッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同
75、同80、同81、同83、同225、同226、
同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同7
1、同86、同106、同119などが挙げられる。酸
性染料としては、例えば、C.I.アシッドブラック
1、同2、同24、同26、同31、同52、同10
7、同109、同110、同119、同154、C.
I.アシッドエロー7、同17、同19、同23、同2
5、同29、同38、同42、同49、同61、同7
2、同78、同110、同141、同127、同13
5、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同1
4、同18、同26、同27、同35、同37、同5
1、同52、同57、同82、同87、同92、同9
4、同115、同129、同131、同138、同18
6、同249、同254、同265、同276、C.
I.アシッドバイオレット15、同17、C.I.アシ
ッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、
同25、同40、同41、同43、同62、同78、同
83、同90、同93、同103、同112、同11
3、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同
16、同25、同27などが挙げられる。食用染料とし
ては、その大部分が直接染料又は酸性染料に含まれる
が、これらの範疇に含まれないものの一例としては、
C.I.フードエロー3等が挙げられる。塩基性染料と
しては、例えば、C.I.ベーシックエロー1、同2、
同21、C.I.ベーシックオレンジ2、同14、同3
2、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同1
4、C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、
C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックブ
ラウン12、C.I.ベーシックブラック2、同8など
が挙げられる。これらの着色剤は、それぞれ単独で用い
ても良いし、また、2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。これらの着色剤の含有量は、インキ組成物
全量に対して0.5〜40重量%程度が好ましく、1〜
30重量%であることが望ましい。
【0014】本発明に用いられる香料としては、例え
ば、下記1)〜6)のものが挙げられ、これらはそれぞ
れ単独で用いてもよいし、また、2種類以上を組み合わ
せて用いることもできる。 1)グレープフルーツ油、オレンジ油、レモン油、ライ
ム油、イランイラン油、カモミル油、ジャスミン油、ヒ
バ油、ペパーミント油、ラベンダー油、ローズマリー油
等の精油類。 2)α−ピネン、β−ピネン、リモネン等のテルペン
類。 3)リナロール、1−メントール、ゲラニオール、ボル
ネオール、ランバズロール、ヘキシルアルコール、フェ
ニルエチルアルコール(ローズP)、フルフリルアルコ
ール、シクロテン、マルトール、オイゲノール、α−フ
エニルエタノール等のアルコール類。 4)ヘプタナール、オクタナール、ドデカナール、テト
ラデカナール、ヘキサデカナール、シトラール、リラー
ル、ベンズアルデヒド、シクラメンアルデヒド、バニリ
ン等のアルデヒド類。 5)エチルアセテート(酢酸エチル)、プロピルアセテ
ート(酢酸プロピル)、アミルアセテート、リナリルア
セテート、ベンジルアセテート(酢酸ベンジル)、ジメ
チルベンジルカルビニルアセテート、ベンジルプロオピ
オネート等のエステル類。 6)ヌートカトン、エチルピラジン、レモンターペンレ
ス、オレンジターペンレス、ワニリン、エチルワニリ
ン、フルフリルメルカプタン、ボーネオール及びヘリオ
ール等の芳香族化合物。
【0015】本発明では、上記各々の香料を好適に組み
合わせた調合香料、例えば、バナナ香料、ブルーベリー
香料、バニラ香料、ミント香料、アップル香料、ピーチ
香料、メロン香料、パイナップル香料、グレープ香料、
ライラック香料、ジャスミン香料などの各種調合香料を
処方して使用することもできる。例えば、バナナ香料と
しては、バニリン、エチルバニリン、n−ヘキサナー
ル、イソアミルアルコール、trans-2-ヘキセナール、n
−ブタノール、酢酸イソアミル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、ジアセチル、酢酸エチル、酢酸ヘキシル、酪酸
イソアミル、イソ吉草酸イソアミル、cis-3-ヘキセノー
ル、酢酸cis-3-ヘキセニル、酢酸、イソオイゲノール、
酪酸エチル、溶剤などを好適に配合してバナナ香料とす
ることができ、また、パイナップル香料としては、酢酸
ベンジル、オレンジオイル3−フォールド、バニリン、
酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、酢酸エチル、ヘプタ
ン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン
酸アリルなどを好適に配合してパイナップル香料とする
ことができる。また、市販の処方された各種調合香料、
例えば、バニラ香料〔バニラ BVK−3359(高砂
香料工業社製)〕、ミント香料〔ミント THP−81
48(長谷川香料社製)〕、バナナ香料〔バナナ T−
1510(山本香料社製)〕、ブルーベリー香料〔ブル
ーベリー V−647(山本香料社製)〕なども用いる
ことができる。
【0016】これらの香料の含有量は、インキ組成物全
量に対して0.01〜10重量%程度とすることが好ま
しく、0.1〜6重量%の範囲ならばより好ましい。こ
れらの香料の含有量が、0.01重量%未満であると、
香りの持続性に劣ったり、香りも殆ど感じることができ
なくなる場合があり、また、10重量%を越えると、経
時安定性に悪影響を及ぼすことがある。本発明におい
て、香料は上記含有量の範囲(0.01〜10重量%)
で用いることが好ましいが、上記レシチン誘導体(一種
又は二種以上の混合物)に対し、重量比で、香料を70
%以下の量で含有せしめることがより好ましく、60%
以下の量ならば望ましい。この重量比とすることによ
り、更なる滲み抑制効果、香りの持続性向上効果及び香
料の分離抑制の効果を発揮せしめることができる。
【0017】本発明においては、顔料の沈降が著しい場
合には、沈降防止の点から、粘度調整剤を含有せしめる
ことが望ましい。用いる粘度調整剤としては、合成高分
子、天然ガム類、セルロース類及び多糖類から選択され
る少なくとも一種が例示される。合成高分子としては、
例えば、ポリアクリル酸やその架橋型共重合体、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びその誘導
体、ポリビニルメチルエーテル及びその誘導体などが挙
げられ、天然ガム類、多糖類としては、例えば、トラガ
カントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、キサ
ンタンガムなど、セルロース類としては、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。粘
度調整剤としては、日本純薬(株)製“ジュンロンPW
−111”、和光純薬(株)製“ハイビスワコー10
4”、三晶(株)製“KELZAN”“KELZAN
AR”“K1A96”“K1A112”“レオザン”
“K7C233”、ローヌ・プーランジャパン(株)製
“JAGUAR HP−8”“JAGUAR HP−6
0”“RHODOPOL23”“RHODOPOL 5
0MC”、大日本製薬(株)製“エコーガムGM”など
の市販品を好適に使用できる。これらの粘度調整剤の含
有量は、インキ組成物全量に対して、0.1〜1.5重
量%程度であることが好ましい。粘度調整剤の種類によ
っても含有量は異なり、合成高分子系では、0.1〜
1.5重量%程度が好ましく、天然多糖類系では、0.
1〜0.8重量%程度が好ましい。これらの粘度調整剤
の含有量が0.1重量%未満であると、粘度調整剤を含
有せしめる更なる効果を発揮することができない場合が
あり、また、1.5重量%を越えると、インキの流動性
が低下し、インキの追従性不良による筆記不良が発生し
やすくなる傾向がある。
【0018】本発明のインキ組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、更に通常筆記具用インキ組成物
に用いられる他の任意成分を必要に応じて含有せしめる
ことができる。本発明で使用可能な他の任意成分として
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリンなどの水溶性多価アルコール類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル(メチルセルソル
ブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチル
セルソルブ)などのセルソルブ類、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトー
ル)などのカルビトール類、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエ
ステル類などの水性媒体;アンモニア、尿素、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭
酸や燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのア
ルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤;フェノール、ナ
トリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウ
ム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2,
3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニ
ル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸やソ
ルビン酸、デヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミ
ダゾール系化合物等の防腐若しくは防黴剤;ベンゾトリ
アゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライ
ト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリル
トリアゾール等の防錆剤;カルボン酸やスルホン酸等か
らなる陰イオン界面活性剤、アンモニウム塩やアミン等
からなる陽イオン界面活性剤、その他両性界面活性剤や
非イオン界面活性剤からなる潤滑剤、湿潤剤、消泡剤な
どを適宜選択して使用することができる。また、本発明
に用いる水としては、精製水、イオン交換水などが挙げ
られ、その含有量は、上記各成分の合計含有量に対する
残りの量(残部)となる。
【0019】本発明の筆記具用水性インキ組成物は、例
えば、ボールペン、筆ペン、サインペン、マーカーなど
の筆記具に好適に用いることができる。このように構成
される本発明の筆記具用水性インキ組成物では、香料を
使用した場合における上述の従来の各課題を解決するた
めに、着色剤、香料及び水と共に、滲み抑制剤としての
機能、香りの持続性向上剤としての機能及び香料の分離
抑制としての機能を有するレシチン誘導体を含有せしめ
ることにより、初めて、筆跡が滲みにくく、香りの持続
性があり、香料が水性媒体中に安定した状態に分散維持
されるという特有の作用等を発揮することとなる(これ
らの点については更に後述する実施例等で詳しく説明す
る)。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら制約さ
れるものではない。
【0021】〔実施例1〜10及び比較例1〜3〕下記
表1に示す配合組成により筆記具用水性インキ組成物を
調製した。得られた実施例1〜10及び比較例1〜3の
水性インキ組成物について、下記評価方法により、イン
キの滲み性、芳香性、香料の分離、顔料の凝集及び書き
味について評価した。なお、インキの滲み性、芳香性及
び書き味については、評価用ボールペン体を作製して評
価した。これらの結果を下記表1に示す。
【0022】(評価用ボールペン体の作製)各インキを
中継芯のない内径4.0mm、長さ115mmのポリプ
ロピレン製インキ収納管と、0.7mmのボール径を有
するステンレス製チップからなるリフィールに充填し、
評価用ボールペン体(三菱鉛筆社製UM−100)を作
製した。
【0023】(滲み性の評価法)ボールペン体を使用し
て紙面(上質紙)に筆記して下記評価基準により官能評
価した。 評価基準: ○:滲みが無く鮮明な筆跡 △:滲みがあり不鮮明な筆跡 ×:滲みにより非常に不鮮明な筆跡
【0024】(芳香性の評価法)ボールペン体を使用し
て紙面(上質紙)に筆記して下記評価基準により官能評
価した。 評価基準: ○:筆記時の匂いがあり、5時間後も筆跡が匂う。 ×:筆記時の匂いがあり、5時間後は筆跡が匂わない。
【0025】(香料分離の評価法)各インキを容器に密
閉し、50℃の恒温器中に7日間放置後、放冷し、液の
状態を下記評価基準により評価した。 評価基準: ○:試験前と比べて変化無し ×:香料が分離
【0026】(顔料の凝集の評価法)各インキを容器に
密閉し、室温で1週間放置後、100μmのふるいに通
過させて下記評価基準により評価した。この顔料の凝集
の評価は、顔料の分散安定性を評価するものである。 評価基準: ○:残渣なし ×:インキがふるいを通過しにくい、もしくは残渣あ
り。
【0027】(書き味の評価法)ボールペン体を使用し
て紙面(上質紙)に筆記して下記評価基準により書き味
を評価した。 評価基準: ◎:非常に滑らかな筆記感。 ○:滑らかな筆記感。 △:滑らかさにやや欠ける筆記感。 ×:非常に重い筆記感、引っかかり等、使用時に不快感
を与える(使用できないレベル)。
【0028】
【表1】
【0029】なお、表1中の備考(1)〜(13)は下記のと
おりである。 (1) フタロシアニンブルー(大日精化社製 Chromofine
Blue4965) (2) ラクチミンカラー(大日精化社製 Golden Yellow
FL2R Conc) (3) 酸化チタン:タイピュアR-900(デュポン社製) (4) イリオジン303 Royal Gold(メルク・ジャパン社
製) (5) オレイン酸カリウム (6) KELZAN(三晶社製) (7)サンソフトDS(太陽化学製) (8) レシノールY−10M(日光ケミカルズ製) (9) レシノールSH50(日光ケミカルズ製) (10)バナナ香料〔バナナ T−1510(山本香料社
製)〕 (11)ブルーベリー香料〔ブルーベリー V−647(山
本香料社製)〕 (12)バニラ香料〔バニラ BVK−3359(高砂香料
工業社製)〕 (13)ミント香料〔ミント THP−8148(長谷川香
料社製)〕
【0030】(表1の考察)上記表1の結果から明らか
なように、本発明範囲内となる実施例1〜10は、本発
明範囲外となる比較例1〜3に較べ、インキの滲みはな
く、芳香性、香料の分離、顔料の凝集も生じることがな
く、しかも書き味も非常に滑らかな筆記感が得られるこ
とが判明した。これに対して、比較例1〜3は、本発明
において必須成分となる、滲み抑制剤としての機能、香
りの持続性向上剤としての機能及び香料の分離抑制とし
ての機能を有するレシチン誘導体を含有しない場合であ
り、これらの場合はインキの滲み性、芳香性、香料の分
離、顔料の凝集及び書き味の全ての評価項目を満足する
ことができないことが判明した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、筆跡が滲みにくく、香
りの持続性があり、香料が水性媒体中に安定した状態に
分散維持される筆記具用水性インキ組成物が提供され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レシチン誘導体と共に、着色剤、香料及
    び水を含有してなることを特徴とする筆記具用水性イン
    キ組成物。
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