JP2001342406A - 筆記具用水性インキ組成物 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物

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JP2001342406A
JP2001342406A JP2000164967A JP2000164967A JP2001342406A JP 2001342406 A JP2001342406 A JP 2001342406A JP 2000164967 A JP2000164967 A JP 2000164967A JP 2000164967 A JP2000164967 A JP 2000164967A JP 2001342406 A JP2001342406 A JP 2001342406A
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勝 宮本
Tadashi Kamagata
忠 鎌形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆跡が滲みにくく、香りの持続性があり、香
料が水性媒体中に安定した状態に分散維持される筆記具
用水性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 ソルビタン脂肪酸エステルからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種を含有すると共に、着色剤、
香料及び水を含有してなることを特徴とする筆記具用水
性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記時に香りを発
し、かつ描線跡にもほのかな香りを残す特徴を有する筆
記具用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、香料は油溶性であり、水中に乳
化、分散させるためには保護コロイドとなる乳化剤、ま
たは分散剤が必要である。前記保護コロイドとして水溶
性樹脂または界面活性剤が用いられるが、殆どの水溶性
樹脂については必要十分の香料を分散させるだけの樹脂
量を用いると液の粘度が高くなり筆記具用インキとして
の適性を欠くことになる。
【0003】一方、香料を安定状態に乳化させるのに十
分な量の界面活性剤を用いて調製される乳化液は、表面
張力の大幅な低下をきたし、筆跡が滲みやすくなるなど
の実用的な課題がある。また、上記の方法により、香料
を単に乳化、分散させただけでは、筆記直後は香りを発
するものの、その後香りはすぐに失われ、長時間保持で
きない(持続性がない)という課題がある。
【0004】他方、従来において、筆記時に芳香を発す
る香料を含有した筆記具用インキ組成物としては、例え
ば、染料類、樹脂類及び有機溶剤類よりなるボールペン
インキにおいて、該インキと相溶性を有する香料を添加
させてなることを特徴とするボールペンインキ(特開昭
56−81377号公報)、香料、マルトシルサイクロ
デキストリン(MCD)、着色剤及び水を配合した香料
入り水性インキ(特開昭63−223078号公報)、
着色剤、香料、部分スルホン化ポリエステル樹脂及び水
を含有してなる筆記具用水性インキ組成物(特開平8−
283645号公報)などが知られている。
【0005】しかしながら、上記特開昭56−8137
7号公報のインキ組成物では、相溶性を有する香料を添
加しても、筆記時に紙面を滲ませてしまうという課題が
あり、また、上記特開昭63−223078号公報のイ
ンキ組成物では、香料をMCDへ包接させて、該包接化
合物を水性インキに添加するものであるので、この水性
インキは経時により、特に高温での経時により香料が分
離し易い傾向にあり、香料の分散性及び香りの持続性に
課題があり、更に、上記特開平8−283645号公報
のインキ組成物では、筆記直後は香りを発するものの、
その後香りは失われ、長時間香りを保持できない(持続
性がない)という課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、
筆跡が滲みにくく、香りの持続性があり、香料が水性媒
体中に安定した状態に分散維持される筆記具用水性イン
キ組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の課題について鋭意検討した結果、着色剤及び香料
を含有する筆記具用水性インキ組成物中に特定のインキ
成分を含有することにより、上記目的の筆記具用水性イ
ンキ組成物を得ることに成功し、本発明を完成するに至
ったのである。すなわち、本発明の筆記具用水性インキ
組成物は、ソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選
ばれた少なくとも一種を含有すると共に、着色剤、香料
及び水を含有してなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の筆記具用水性インキ組成物は、
ソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれた少な
くとも一種を含有すると共に、着色剤、香料及び水を含
有してなることを特徴とするものである。
【0009】本発明に用いるソルビタン脂肪酸エステル
からなる群から選ばれた少なくとも一種は、滲み抑制
剤、香りの持続性向上剤、香料の分離抑制の目的で用い
るものである。ソルビタン脂肪酸エステルからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種は、ソルビトールを加熱脱水
してソルビタンとし、これに脂肪酸を加えエステル化し
た化合物であり、脂肪酸の種類を選定する事で特異的な
可溶化性、乳化性、分散性を呈することが出来る。具体
的な市販品例としては、モノステアリン酸からなるSS
−10(日光ケミカルズ)、SP−60R(日本油
脂)、レオドールSP−S10,AS−10,エマゾー
ルS−10(花王)、Newcol60(日本乳化
剤)、サンソフトNo.61S,No.61NN,N
o.67(太陽化学)、エマレックスSPE−100S
(日本エマルジョン)、ジステアリン酸からなるサンソ
フトNo.63C(太陽化学)、エマゾールS−20
(花王)、セスキステアリン酸からなるSS−15(日
光ケミカルズ)、エマレックスSPE−150S(日本
エマルジョン)、トリステアリン酸からなるSS−30
(日光ケミカルズ)、レオドールSP−S30、エマゾ
ールS−30(花王)、サンソフトNo.65T(太陽
化学)、イソステアリン酸からなるSI−10R(日光
ケミカルズ)、クリル6(グローダジャパン)、エマレ
ックスSPIS−100(日本エマルジョン)、セスキ
イソステアリン酸からなるSI−15R(日光ケミカル
ズ)、エマレックスSPIS−150(日本エマルジョ
ン)、モノオレイン酸からなるSO−10,SO−10
R(日光ケミカルズ)、ノニオンOP−80R(日本油
脂)、レオドールSP−O10、AO−10、エマゾー
ルO−10(F)(花王)、Newcol80(日本乳
化剤)、エマレックスSPO−100(日本エマルジョ
ン)、サンソフトNo.81S,No.87N(太陽化
学)、セスキオレイン酸からなるSO−15,SO−1
5R,SO−15EX(日光ケミカルズ)、ノニオンO
P−83RAT(日本油脂)、レオドールAO−15、
エマゾールO−15R(花王)、エマレックスSPO−
150(日本エマルジョン)、ソルゲン30,S-39-
H(第一薬品工業)、トリオレイン酸からなるSO−3
0,SO−30R(日光ケミカルズ)、ノニオンOP−
85R(日本油脂)、レオドールSP−O30,エマゾ
ールO−30(花王)、サンソフトNo.85T(太陽
化学)、Newco13−80(日本乳化剤)、モノラ
ウリン酸からなるSL−10(日光ケミカルズ)、ノニ
オンLP−20R(日本油脂)、レオドールSP−L1
0,エマゾールL−10(F)(花王)、Newcol
20(日本乳化剤)、サンソフトNo.27N,No.
21SL(太陽化学)、モノミリスチン酸からなるサン
ソフト47S,41S,67N(太陽化学)、ノニオン
MP−30R(日本油脂)、モノパルミチン酸からなる
SP−10(日光ケミカルズ)、ノニオンPP−40R
(日本油脂)、レオドールPP−P10,エマゾールP
−10(花王)、Newcol40(日本乳化剤)等が
ある。
【0010】本発明において、上記各々のソルビタン脂
肪酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも一種又
は2種以上の混合物の合計含有量は、インキ組成物全量
に対して、0.1〜15重量%、好ましく、0.5〜1
0重量%である。これらのソルビタン脂肪酸エステルか
らなる群から選ばれた少なくとも一種又は2種以上の混
合物の含有量が、インキ組成物全量に対して、0.1重
量%未満であると、滲み抑制効果、香りの持続性向上効
果及び香料の分散抑制の効果に劣り、本発明の効果を発
揮することができず、また、15重量%を越えると、紙
面に転写された際に乾燥しにくくなり、また、ボールペ
ンに用いた場合にはチップ先端からのインキの流出量が
低下してしまうこととなり、好ましくない。
【0011】本発明に用いられる着色剤としては、例え
ば、顔料及び水溶性染料が挙げられる。顔料について
は、特に限定されず、従来水性インキ組成物に慣用され
ている無機及び有機系顔料、酸化チタン、樹脂エマルシ
ョンを染料で着色した疑似顔料の中から選ばれる少なく
とも1種が挙げられる。無機系顔料としては、例えば、
カーボンブラック、金属粉などが挙げられる。有機系顔
料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キ
レートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペ
リノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、
染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられ
る。
【0012】具体的には、カーボンブラック、チタンブ
ラック、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、雲母チタン、
鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ピリジアン、硫化亜
鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッ
ド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、
ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレ
ー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、
炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、
アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.ピグメ
ントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、C.
I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー
27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメン
トレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.
I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド
49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメ
ントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.
I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッ
ド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.
ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー
3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメ
ントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、
C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメント
イエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.
I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエ
ロー83、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.
ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロ
ー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピ
グメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ1
6、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグ
メントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレッ
ト19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.
I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメント
グリーン7等が挙げられる。また、樹脂エマルションを
染料で着色した疑似顔料としては、例えば、アクリロニ
トリル、スチレン、メタクリル酸メチル等の共重合体か
らなる樹脂を染料で着色したものなどが挙げられる。
【0013】更に、水溶性染料は、直接染料、酸性染
料、食用染料、塩基性染料のいずれも用いることができ
る。直接染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブ
ラック17、同19、同22、同32、同38、同5
1、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同
44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同
23、同31、同37、同39、同75、同80、同8
1、同83、同225、同226、同227、C.I.
ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同10
6、同119などが挙げられる。酸性染料としては、例
えば、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同
26、同31、同52、同107、同109、同11
0、同119、同154、C.I.アシッドエロー7、
同17、同19、同23、同25、同29、同38、同
42、同49、同61、同72、同78、同110、同
141、同127、同135、同142、C.I.アシ
ッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同2
7、同35、同37、同51、同52、同57、同8
2、同87、同92、同94、同115、同129、同
131、同138、同186、同249、同254、同
265、同276、C.I.アシッドバイオレット1
5、同17、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、
同15、同22、同23、同25、同40、同41、同
43、同62、同78、同83、同90、同93、同1
03、同112、同113、同158、C.I.アシッ
ドグリーン3、同9、同16、同25、同27などが挙
げられる。食用染料としては、その大部分が直接染料又
は酸性染料に含まれるが、含まれないものの一例として
は、C.I.フードエロー3が挙げられる。塩基性染料
としては、例えば、C.I.ベーシックエロー1、同
2、同21、C.I.ベーシックオレンジ2、同14、
同32、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同
14、C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同
7、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クブラウン12、C.I.ベーシックブラック2、同8
などが挙げられる。これらの着色剤は、それぞれ単独で
用いても良いし、また、2種類以上を組み合わせて用い
ることができる。これらの着色剤の含有量は、インキ組
成物全量に対して0.5〜40重量%、好ましくは、1
〜30重量%であることが望ましい。
【0014】本発明に用いられる香料としては、例え
ば、下記1)〜6)のものが挙げられ、これらはそれぞ
れ単独で用いても良いし、また、2種類以上を組み合わ
せて用いることができる。 1)グレープフルーツ油、オレンジ油、レモン油、ライ
ム油、イランイラン油、カモミル油、ジャスミン油、ヒ
バ油、ペパーミント油、ラベンダー油、ローズマリー油
等の精油類。 2)α−ピネン、β−ピネン、リモネン等のテルペン
類。 3)リナロール、1−メントール、ゲラニオール、ボル
ネオール、ランバズロール、ヘキシルアルコール、フェ
ニルエチルアルコール(ローズP)、フルフリルアルコ
ール、シクロテン、マルトール、オイゲノール、α−フ
エニルエタノール等のアルコール類。 4)ヘプタナール、オクタナール、ドデカナール、テト
ラデカナール、ヘキサデカナール、シトラール、リラー
ル、ベンズアルデヒド、シクラメンアルデヒド、バニリ
ン等のアルデヒド類。 5)エチルアセテート(酢酸エチル)、プロピルアセテ
ート(酢酸プロピル)、アミルアセテート、リナリルア
セテート、ベンジルアセテート(酢酸ベンジル)、ジメ
チルベンジルカルビニルアセテート、ベンジルプロオピ
オネート等のエステル類。 6)ヌートカトン、エチルピラジン、レモンターペンレ
ス、オレンジターペンレス、ワニリン、エチルワニリ
ン、フルフリルメルカプタン、ボーネオール及びヘリオ
ール等の芳香族化合物。
【0015】本発明では、上記各々の香料を好適に組み
合わせた調合香料、例えば、バナナ香料、ブルーベリー
香料、バニラ香料、ミント香料、アップル香料、ピーチ
香料、メロン香料、パイナップル香料、グレープ香料、
ライラック香料、ジャスミン香料などの各種調合香料を
処方して使用することもできる。例えば、バナナ香料と
しては、バニリン、エチルバニリン、n−ヘキサナー
ル、イソアミルアルコール、trans-2-ヘキセナール、n
−ブタノール、酢酸イソアミル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、ジアセチル、酢酸エチル、酢酸ヘキシル、酪酸
イソアミル、イソ吉草酸イソアミル、cis-3-ヘキセノー
ル、酢酸cis-3-ヘキセニル、酢酸、イソオイゲノール、
酪酸エチル、溶剤などを好適に配合してバナナ香料とす
ることができ、また、パイナップル香料としては、酢酸
ベンジル、オレンジオイル3−フォールド、バニリン、
酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、酢酸エチル、ヘプタ
ン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン
酸アリルなどを好適に配合してパイナップル香料とする
ことができる。また、市販の処方された各種調合香料、
例えば、バニラ香料〔バニラ BVK−3359(高砂
香料工業社製)〕、ミント香料〔ミント THP−81
48(長谷川香料社製)〕、バナナ香料〔バナナ T−
1510(山本香料社製)〕、ブルーベリー香料〔ブル
ーベリー V−647(山本香料社製)〕なども用いる
ことができる。
【0016】これらの香料の含有量は、インキ組成物全
量に対して0.01〜10重量%、好ましくは、0.1
〜6重量%の範囲で用いられる。これらの香料の含有量
が、0.01重量%未満であると、香りの持続性に劣
り、香りも殆ど感じることができなくなり、また、10
重量%を越えると、経時安定性に悪影響を及ぼし、好ま
しくない。本発明において、香料は上記含有量の範囲
(0.01〜10重量%)で用いられるものであるが、
好ましくは、上記ソルビタン脂肪酸エステルからなる群
から選ばれた少なくとも一種(一種又は二種以上の混合
物)に対し、重量比で、香料を70%以下の量で、更に
好ましくは、60%以下の量で含有せしめることが望ま
しい。この重量比とすることにより、更なる滲み抑制効
果、香りの持続性向上効果及び香料の分離抑制の効果を
発揮せしめることができる。
【0017】本発明において、好ましくは、顔料の沈降
が著しい場合、沈降防止の点から、粘度調整剤を含有せ
しめることが望ましい。用いる粘度調整剤としては、合
成高分子、天然ガム類、セルロース類及び多糖類から選
択される少なくとも一種が挙げられる。合成高分子とし
ては、例えば、ポリアクリル酸やその架橋型共重合体、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びその
誘導体、ポリビニルメチルエーテル及びその誘導体など
が挙げられ、天然ガム類、多糖類としては、例えば、ト
ラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、
キサンタンガムなど、セルロース類としては、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
具体的には、日本純薬(株)製“ジュンロンPW−11
1”、和光純薬(株)製“ハイビスワコー104”、三
晶(株)製“KELZAN”、“KELZANAR”、
“K1A96”、“K1A112”、“レオザン”、
“K7C233”、ローヌ・プーランジャパン(株)製
“JAGUAR HP−8”、“JAGUAR HP−6
0”、“RHODOPOL23”、“RHODOPOL
50MC”、大日本製薬(株)製“エコーガムGM”
などの市販品が挙げられる。これらの粘度調整剤の含有
量は、インキ組成物全量に対して、0.1〜1.5重量
%であることが好ましい。粘度調整剤種で含有量は異な
り、合成高分子系では、0.1〜1.5重量%が好まし
く、天然多糖類系では、0.1〜0.8重量%が好まし
い。これらの粘度調整剤の含有量が0.1重量%未満で
あると、粘度調整剤を含有せしめる更なる効果を発揮す
ることができず、また、1.5重量%を越えると、イン
キの流動性が低下し、インキの追従性不良による筆記不
良が発生しやすくなる傾向がある。
【0018】本発明のインキ組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、更にその他筆記具用インキ組成
物に用いられるその他の成分(任意成分)を必要に応じ
て含有せしめることができる。用いることができるその
他の成分としては、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリンなどの水溶性多価アルコ
ール類、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチ
ルセルソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル(エチルセルソルブ)などのセルソルブ類、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトー
ル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチ
ルカルビトール)などのカルビトール類、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコー
ルエーテルエステル類などの水性媒体、アンモニア、尿
素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナト
リウムなど炭酸や燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリ
ウムなどのアルカリ金属の水酸化物のpH調整剤、フェ
ノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノール
ナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン、
2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフォニ
ル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸やソ
ルビン酸、デヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミ
ダゾール系化合物等の防腐若しくは防黴剤、ベンゾトリ
アゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライ
ト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリル
トリアゾール等の防錆剤、カルボン酸やスルホン酸等か
ら陰イオン界面活性剤、アンモニゥム塩やアミン等から
なる陽イオン界面活性剤、その他両性界面活性剤や非イ
オン界面活性剤からなる潤滑剤および湿潤剤、消泡剤な
どを適宜選択して使用することができる。また、本発明
に用いる水としては、精製水、イオン交換水など挙げら
れ、その含有量は、上記各成分の合計含有量の残りの量
(残部)となる。
【0019】本発明の筆記具用水性インキ組成物は、ボ
ールペン、筆ペン、サインペン、マーカーなどに好適に
用いることができる。このように構成される本発明の筆
記具用水性インキ組成物では、香料を使用した場合にお
ける上述の従来の各課題を解決するために、着色剤、香
料及び水を含有すると共に、滲み抑制剤としての機能、
香りの持続性向上剤としての機能及び香料の分離抑制と
しての機能を有するソルビタン脂肪酸エステルからなる
群から選ばれた少なくとも一種を含有させることによ
り、初めて、筆跡が滲みにくく、香りの持続性があり、
香料が水性媒体中に安定した状態に分散維持されるとい
う特有の作用等を発揮することとなる(これらの点につ
いては更に後述する実施例等で詳しく説明する)。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のでないことはいうまでもない。
【0021】実施例1〜10及び比較例1〜3 下記表1に示す配合組成により筆記具用水性インキ組成
物を調製した。得られた実施例1〜10及び比較例1〜
3の水性インキ組成物について、下記評価方法により、
インキの滲み性、芳香性、香料の分離、顔料の凝集及び
書き味について評価した。なお、インキの滲み性、芳香
性及び書き味については、評価用ボールペン体を作製し
て評価した。これらの結果を下記表1に示す。
【0022】(評価用ボールペン体の作製)各インキを
中継芯のない内径4.0mm、長さ115mmのポリプ
ロピレン製インキ収納管と、0.7mmのボール径を有
するステンレス製チップからなるリフィールに充填し、
評価用ボールペン体(三菱鉛筆社製UM−100)を作
製した。
【0023】(滲み性の評価法)ボールペン体を使用し
て紙面(上質紙)に筆記して下記評価基準により官能評
価した。 評価基準: ○:滲みが無く鮮明な筆跡。 △:滲みがあり不鮮明な筆跡。 ×:滲みにより非常に不鮮明な筆跡。
【0024】(芳香性の評価法)ボールペン体を使用し
て紙面(上質紙)に筆記して下記評価基準により官能評
価した。 評価基準: ○:筆記時の匂いがあり、5時間後も筆跡が匂う。 ×:手筆記時の匂いがあり、5時間後は筆跡が匂わな
い。
【0025】(香料分離の評価法)各インキを容器に密
閉し、50℃の恒温器中に7日間放置後、放冷し液の状
態を下記評価基準により評価した。 評価基準: ○:試験前と変化無し。 ×:香料が分離。
【0026】(顔料の凝集の評価法)各インキを容器に
密閉し、室温で1週間放置後、100μmのふるいに通
過させて下記評価基準により評価した。この顔料の凝集
の評価は、顔料の分散安定性を評価するものである。 評価基準: ○:残渣なし。 ×:インキがふるいを通過しにくい、もしくは残渣あ
り。
【0027】(書き味の評価法)ボールペン体を使用し
て紙面(上質紙)に筆記して下記評価基準により書き味
を評価した。 評価基準: ◎:非常に滑らかな筆記感。 ○:滑らかな筆記感。 △:滑らかさにやや欠ける筆記感。 ×:非常に重い筆記感、引っかかり等、使用時に不快感
を与える(使用できないレベル)。
【0028】
【表1】
【0029】なお、表1中の備考(1)〜(13)は下記の
とおりである。 (1) フタロシアニンブルー(大日精化社製 Chromofine
Blue4965) (2) ラクチミンカラー(大日精化社製 Golden Yellow F
L2R Conc) (3) タイピュアR-900(デュポン社製) (4) イリオジン303 Royal Gold(メルク・ジャパン社
製) (5) オレイン酸カリウム (6) KELZAN(三晶社製) (7) SL−10(日光ケミカルズ社製) (8) レオドールSP−S30(花王社製) (9) エマゾールO−30(花王社製) (10) バナナ T−1510(山本香料社製) (11) ブルーベリー V−647(山本香料社製) (12) バニラ BVK−3359(高砂香料工業社製) (13) ミント THP−8148(長谷川香料社製)
【0030】(表1の考察)上記表1の結果から明らか
なように、本発明範囲内となる実施例1〜10は、本発
明範囲外となる比較例1〜3に比べ、インキの滲みはな
く、芳香性、香料の分離、顔料の凝集も生じることがな
く、しかも書き味も非常に滑らかな筆記感が得られるこ
とが判明した。これに対して、比較例1〜3は、本発明
において必須成分となる滲み抑制剤としての機能、香り
の持続性向上剤としての機能及び香料の分離抑制として
の機能を有するソルビタン脂肪酸エステルからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種を含有しない場合であり、こ
れらの場合はインキの滲み性、芳香性、香料の分離、顔
料の凝集及び書き味の全ての評価項目を満足することが
できないことが判明した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、筆跡が滲みにくく、香
りの持続性があり、香料が水性媒体中に安定した状態に
分散維持される筆記具用水性インキ組成物が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 BC20 BE01 BE06 BE21 BE22 CA06 GA26 GA27 GA28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソルビタン脂肪酸エステルからなる群か
    ら選ばれた少なくとも一種を含有すると共に、着色剤、
    香料及び水を含有してなることを特徴とする筆記具用水
    性インキ組成物。
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