JPH0666288A

JPH0666288A - 高揚程ポンプの逆転防止方法

Info

Publication number: JPH0666288A
Application number: JP22276692A
Authority: JP
Inventors: Ikuji Tamura; 郁治田村
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1992-08-21
Filing date: 1992-08-21
Publication date: 1994-03-08
Anticipated expiration: 2013-10-08
Also published as: JP2808383B2

Abstract

(57)【要約】【目的】逆止弁やフラップ弁、あるいは逆転防止用ク
ラッチなどの大形機器を用いなくても、高揚程ポンプの
運転停止時に、立ち上り管内の水が逆流して該ポンプが
逆転することを防止できるようにする。【構成】高揚程ポンプ３の運転停止に先立って、該ポ
ンプ３の羽根の翼角を小さくしたり、回転数を低下させ
るとともに、立ち上り管６の底部６ａに設けられた逃し
弁１３を開放して立ち上り管６内の水Ｗを吸水井２に逃
し、その後に運転を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポンプの吐出側に長尺
の立ち上り管を有する配管を備えたポンプ設備、たとえ
ば大深度地下ポンプ設備などに適用される高揚程ポンプ
の逆転防止方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は、従来一般の高揚程ポンプの逆転
防止方法が適用された大深度地下ポンプ設備の概要を示
す構成図である。同図において、１は大深度地下の吸水
井、２は地表面などに形成された吐出井である。３は大
容量高揚程ポンプで、その吸込管３ａが配管４を介して
上記吸水井１に接続され該吸水井１の水Ｗを吸い込む。
５は大深度用として長尺の立ち上り管６を有する配管で
あり、その下端側が上記ポンプ３の吐出管３ｂに接続さ
れ、上端側は上記吐出井２に接続されている。７は減速
機８を介して上記ポンプ３を駆動する原動機である。９
は上記配管５の頂部に設けられた大気開放弁である

【０００３】上記構成のポンプ設備において、原動機７
および減速機８を介して高揚程ポンプ３を駆動すると、
吸水井１の水Ｗが上記ポンプ３に吸い込まれるととも
に、立ち上り管６を有する配管５を通じて吐出井２に排
出される。ところで、高揚程ポンプ３の運転を停止させ
ると、配管５、とくに立ち上り管６内の水Ｗが逆流して
ポンプ３に逆転トルクが作用して該ポンプ３が逆転し、
動力伝達系や原動機７に悪影響を与えてしまう。

【０００４】このようなポンプ３の運転停止時の逆転を
防止するために、従来では、高揚程ポンプ３の吐出管３
ｂと立ち上り管６との間に逆止弁１０を設けたり、上記
配管５の出口側にフラップ弁１１を設けるなどして、上
記水の逆流を阻止する方法や、上記ポンプ３と原動機７
との動力伝達系に逆転防止用クラッチ（一方向回転クラ
ッチ）を介装してポンプ３の逆転を防止する方法が採用
されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の逆転防止方法のうち、前者の逆止弁１０やフラッ
プ弁１１を設けて立ち上り管６内の水Ｗの逆流を阻止す
る方法の場合は、この種のポンプ設備がかなり大きな径
の配管５を使用している関係上、それに合わせて大形の
逆止弁１０やフラップ弁１１を用いる必要があり、その
ため、大きな設置スペースを要するばかりでなく、コス
ト高になりやすい。また、逆止弁１０の閉止時に逆流に
ともなう大きな衝撃が逆止弁１０に働き、破損などを招
きやすいとともに、周囲に大きな衝撃音を発生するとい
う問題があった。

【０００６】また、上記逆止弁１０などを用いる代わり
に、図４に示すように、ポンプ３と原動機７との動力伝
達系である減速機８内に逆転防止用クラッチ１２を設け
て、高揚程ポンプ３の停止時におけるポンプ３の逆転を
防止する後者の方法の場合は、設備全体の構造が複雑と
なる。殊に、高揚程ポンプ３が大出力の時は、大形のク
ラッチ１２が必要となり、設置スペースの大形化ととも
に、設備コストが大幅に増大するという問題があった。

【０００７】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、逆止弁やフラップ弁あるいは逆転
防止用クラッチを用いることなく、簡単で、かつ低コス
トな構成により、運転停止時におけるポンプの逆転を確
実に防止することができる高揚程ポンプの逆転防止方法
を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項１に係る高揚程ポンプの逆転防止方
法は、吸水井の水を吸い込み、長尺の立ち上り管をもっ
た配管を通じて吐出井に排出する高揚程ポンプの運転を
停止するに先立って、上記ポンプにおける羽根の翼角を
小さくするとともに、上記立ち上り管の底部に設けた逃
し弁を開放して該立ち上り管内の水を上記吸水井に逃し
たのち、上記ポンプを停止するようにしたものである。

【０００９】また、本発明の請求項２に係る高揚程ポン
プの逆転防止方法は、吸水井の水を吸い込み、長尺の立
ち上り管をもった配管を通じて吐出井に排出する高揚程
ポンプの運転を停止するに先立って、上記ポンプの回転
数を低下させるとともに、上記立ち上り管の底部に設け
た逃し弁を開放して該立ち上り管内の水を上記吸水井に
逃したのち、上記ポンプを停止するようにしたものであ
る。

【００１０】さらに、本発明の請求項３に係る高揚程ポ
ンプの逆転防止方法は、吸水井の水を吸い込み、長尺の
立ち上り管をもった配管を通じて吐出井に排出する全水
位全速運転の高揚程ポンプの運転を停止するに先立っ
て、上記ポンプの吸込管内にエアを入れてエアロック運
転状態とするとともに、上記立ち上り管の底部に設けた
逃し弁を開放して該立ち上り管内の逆流水を上記吸水井
に逃したのち、上記ポンプを停止するようにしたもので
ある。

【００１１】

【作用】請求項１および２のような本発明方法によれ
ば、高揚程ポンプの運転を停止するに先立って、翼角を
小さくしたり、回転数を低下させたりして該ポンプの吸
い込み能力を低下させながら、長尺な立ち上り管内の水
を、その底部に開放させた逃し弁から徐々に吸水井に逃
すことにより、上記立ち上り管内の水の逆流にともなう
ポンプの逆転が抑制される。このため、フラップ弁や逆
止弁あるいは逆転防止用クラッチの設置が不要となり、
設備全体としての小スペース化および低コスト化を達成
することができる。また、逆止弁などを用いてないの
で、ポンプ停止時に衝撃が作用したり、衝撃音が発生す
ることもなくなる。

【００１２】また、請求項３のような本発明方法によれ
ば、全水位全速運転の高揚程ポンプの運転を停止するに
先立って、ポンプの吸込管内にエアを入れてエアロック
運転状態にし、この間に立ち上り管の底部に設けた逃し
弁から立ち上り管の逆流水を徐々に吸水井に逃すことに
より、上述と同様に、高揚程ポンプの逆転が防止され
る。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明の一実施例による高揚程ポンプの逆
転防止方法を適用した大深度地下ポンプ設備の概要を示
す構成図であり、同図において、図３および図４に示す
従来例と同一部所には、同一符号を付して、それらの説
明を省略する。

【００１４】図１において、１３は逃し弁であり、この
逃し弁１３は、前記配管５における立ち上り管６の底部
６ａと吸水井１との間にわたって配設された小径の逃し
配管１４に介装されており、ポンプ３の運転停止に先立
って、自動的に開放されるように構成されている。ま
た、図面上では、具体的な構造を省略するが、高揚程ポ
ンプ３の羽根の翼角は可変に構成されており、ポンプ３
の運転停止に先立って、その翼角が小さく自動変更され
るようにしている。

【００１５】上記構成のポンプ設備において、原動機７
および減速機８を介して高揚程ポンプ３を駆動すると、
吸水井１の水Ｗが上記ポンプ３で吸い込まれるととも
に、配管５を通じて吐出井２に排出される。このような
高揚程ポンプ３の運転を停止するに先立って、つまり、
運転停止スイッチ（図示せず）を操作すると、まず、ポ
ンプ３の羽根（図示せず）の翼角が小さく自動変更され
てポンプ３による吸い上げ能力が低下される。同時に、
大気開放弁９が開放されるとともに、逃し弁１３が開放
される。これによって、立ち上り管６内の水Ｗが徐々に
吸水井１に逃がされる。そして、立ち上り管６内の水Ｗ
がなくなった時点（これはタイマーにて設定してもよい
し、また作業者の判断であってもよい）で、高揚程ポン
プ３の運転を停止することにより、ポンプ３の逆転、さ
らには、原動機７の逆転が抑止される。

【００１６】このように、大形の逆止弁やフラッチある
いは逆転防止用クラッチを設けなくても、高揚程ポンプ
３の運転停止時の逆転を抑止することが可能となる。し
かも、この方法では、立ち上り管６の底部６ａに逃し弁
１４を設けるだけの簡単な構成であり、逆止弁を用いる
場合のような大きなスペースを確保しなくてもよいとと
もに、設備コストも抑えることができる。また、逆止弁
などを使用した時のような衝撃や衝撃音などの発生もな
くすることができる。

【００１７】また、上記羽根の翼角を小さくする代り
に、高揚程ポンプ３の運転停止に先立って、該ポンプ３
の回転数を低下させるようにしてもよい。つまり、高揚
程ポンプ３の回転数を低下させて、ポンプ３による吸い
上げ能力を低下させ、同時に逃し弁１４を開放して立ち
上り管６内の水を逃してやれば、上述の方法と同様に高
揚程ポンプ３の逆転を抑止することができる。

【００１８】さらにまた、全水位全速運転のポンプ３を
使用する設備の場合は、図２に示すように、高揚程ポン
プ３の吸込管３ａに大気に開口する配管１５を設けてお
き、このポンプ３の運転停止に先立って、上記配管１５
からエアを吸込管３ａ内に取り込ませてエアロック運転
状態に切り替える。この状態で、上記逃し弁１４を開放
して立ち上り管６内の水Ｗを逃してやれば、上述と同様
に、高揚程ポンプ３の逆転が抑止される。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、請求項１〜請求項３の本
発明によれば、高揚程ポンプの運転停止に先立って、翼
角を小さくしたり、回転数を低下させたり、あるいは、
全水位全速運転ポンプをエアロック運転状態にして該ポ
ンプの吸い込み能力を低下させながら、長尺な立ち上り
管内の水を、その底部に開放させた逃し弁から徐々に吸
水井に逃すようにしたので、高揚程ポンプの運転停止時
に該ポンプが逆流により逆転されることを防止するよう
にしたので、大形の逆止弁やフラップ弁、あるいは逆転
防止用クラッチの設置が不要で、設備全体の小スペース
化および低コスト化を図り、かつ、運転停止時に衝撃や
衝撃音などを発生することなく、ポンプの逆転を効果的
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による高揚程ポンプの逆転防
止方法を適用した大深度地下ポンプ設備の概要を示す構
成図である。

【図２】高揚程ポンプの逆転防止方法の他の例を適用し
た大深度地下ポンプ設備の概要を示す構成図である。

【図３】従来の高揚程ポンプの逆転防止方法を適用した
大深度地下ポンプ設備の概要を示す構成図である。

【図４】従来の高揚程ポンプの逆転防止方法の他の例を
適用した大深度地下ポンプ設備の概要を示す構成図であ
る。

【符号の説明】

１吸水井２吐出井３高揚程ポンプ５配管６立ち上り管６ａ立ち上り管の底部１３逃し弁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】吸水井の水を吸い込み、長尺の立ち上り
管をもった配管を通じて吐出井に排出する高揚程ポンプ
の運転を停止するに先立って、上記ポンプにおける羽根
の翼角を小さくするとともに、上記立ち上り管の底部に
設けた逃し弁を開放して該立ち上り管内の水を上記吸水
井に逃したのち、上記ポンプを停止することを特徴とす
る高揚程ポンプの逆転防止方法。
【請求項２】吸水井の水を吸い込み、長尺の立ち上り
管をもった配管を通じて吐出井に排出する高揚程ポンプ
の運転を停止するに先立って、上記ポンプの回転数を低
下させるとともに、上記立ち上り管の底部に設けた逃し
弁を開放して該立ち上り管内の水を上記吸水井に逃した
のち、上記ポンプを停止することを特徴とする高揚程ポ
ンプの逆転防止方法。
【請求項３】吸水井の水を吸い込み、長尺の立ち上り
管をもった配管を通じて吐出井に排出する全水位全速運
転の高揚程ポンプの運転を停止するに先立って、上記ポ
ンプの吸込管内にエアを入れてエアロック運転状態とす
るとともに、上記立ち上り管の底部に設けた逃し弁を開
放して該立ち上り管内の水を上記吸水井に逃したのち、
上記ポンプを停止することを特徴とする高揚程ポンプの
逆転防止方法。