JPH066615B2 - 微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法 - Google Patents

微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法

Info

Publication number
JPH066615B2
JPH066615B2 JP59150399A JP15039984A JPH066615B2 JP H066615 B2 JPH066615 B2 JP H066615B2 JP 59150399 A JP59150399 A JP 59150399A JP 15039984 A JP15039984 A JP 15039984A JP H066615 B2 JPH066615 B2 JP H066615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoride
resin particles
fluorine atom
inorganic salt
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59150399A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6151019A (ja
Inventor
良彰 越後
睦矩 山尾
義之 末松
正 石倉
圭一 浅見
律子 四手井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP59150399A priority Critical patent/JPH066615B2/ja
Priority to CA000486665A priority patent/CA1243909A/en
Priority to EP85305026A priority patent/EP0169042B1/en
Priority to DE8585305026T priority patent/DE3577101D1/de
Priority to US06/755,769 priority patent/US4640971A/en
Publication of JPS6151019A publication Critical patent/JPS6151019A/ja
Priority to US06/915,286 priority patent/US4778695A/en
Publication of JPH066615B2 publication Critical patent/JPH066615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は,熱反応性を有し,保存安定性に優れた微小球
状の固形レゾール樹脂粒子及びその製造法に関するもの
である。
<従来の技術> レゾール樹脂(一段法フェノール樹脂)は,一般にフェ
ノール,クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒ
ド,アセトアルデヒド等のアルデヒド類とをアンモニア
水,有機アミン,水酸化ナトリウム等の塩基性触媒の存
在下で重縮合して得られる樹脂である。
ノボラック樹脂(二段法フェノール樹脂)が熱硬化の際
に硬化剤として,通常ヘキサメチレンテトラミンのよう
な架橋剤を用いるのに対し,レゾール樹脂は分子中にメ
チロール基を多く含むため硬化剤を使用せず,単独で熱
硬化することができる。このように,レゾール樹脂は反
応性が極めて大きいことから,通常は固形分50〜60%程
度の水又はメタノール溶液として製造され,そのまま溶
液の状態で保存されており,粒状又は粉末状の安定な固
形物として溶液からとり出すことは困難であった。
このため,安定な固体状のレゾール樹脂の製造を企画し
て種々の提案がなされており,例えば特公昭53-42077号
公報には,フェノール類とホルムアルデヒドとを塩基性
触媒を用い,エチレンジアミンのごとき含チッ素系化合
物の存在下で反応させて得られる縮合物に,ゼラチン,
カゼイン,ポリビニルアルコールのごとき親水性有機化
合物を添加して反応させ,粒状ないし粉末状のレゾール
樹脂を製造する方法が,また特開昭52-141893号公報に
は,フェノールとホルムアルデヒドとアンモニアのごと
き塩基性触媒とをアラビアゴム,ガッチゴム,ヒドロキ
シアルキルグアルゴム又は部分加水分解ポリビニルアル
コールのごとき保護コロイドの存在下にエマルジョン重
合させて粒状のレゾール樹脂を製造する方法が開示され
ている。
しかしながら,これらの方法は,いずれも親水性有機高
分子化合物をエマルジョン安定剤として用いるもので,
これらの方法により得られるレゾール樹脂は親水性有機
高分子化合物を含有するため,これより得られる成形品
は性能が低下し,また保存時に樹脂粒子が融着(Sinter
ing)するという欠点を有している。
このような欠点を解消するため,特開昭57-177011号公
報には,酸性触媒下でフェノール類と大過剰のホルムア
ルデヒド(フェノール類に対して8〜10倍モル)とを反
応させて微粒状の固体熱硬化性フェノール樹脂を製造す
る方法が開示されている。しかし,このような方法によ
り製造された樹脂は流れ特性が悪く,このため成形性が
不良であり,硬化速度も遅いという欠点を有している。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者等は,かかる実情に鑑み,優れた特性を有する
微小球状の固体レゾール樹脂の開発について鋭意検討を
重ねた結果,フェノール類とアルデヒド類とをエマルジ
ョン重合する際に,実質的に水に不溶性の無機塩類を共
存させることにより,極めて安定にエマルジョン重合を
行うことができ,しかも優れた樹脂特性を有する微小球
状の固形のレゾール樹脂粒子を製造し得ることを知見し
た。本発明は,かかる知見に基づいてなされたものであ
り,その目的とするところは粒径が500μ以下の微小球
状のレゾール樹脂粒子及びその製造法を提供することに
ある。
本発明の他の目的は,保存安定性に優れた微小球状のレ
ゾール樹脂粒子及びその製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は,良好な流れ特性及び熱反応性を有
し,成形性の良好な微小球状のレゾール樹脂粒子及びそ
の製造法を提供することにある。
さらに,本発明の他の目的は,成形品の性能を低下する
ことなく性能及び品位に優れた成形品を得ることができ
る微小球状のレゾール樹脂及びその製造法を提供するこ
とにある。
<問題点を解決するための手段> しかして,かかる目的を達成する本発明の特徴は,表面
の一部又は全部がフッ素原子を含有する実質的に水に不
溶性の無機塩類で被覆された微小球状レゾール樹脂粒子
であって,レゾール樹脂を構成するフェノール類に対し
て0.2〜3.5重量%の上記無機塩類を含有し,かつ粒径が
500μ以下であることを特徴とする微小球状レゾール樹
脂粒子,及び水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類
とを塩基性触媒の存在下で反応させるに際し,該反応系
にフェノール類に対して0.2〜3.5重量%のフッ素原子を
含有する実質的に水に不溶性の無機塩類を共存せしめて
反応させることを特徴とする表面の一部又は全部が実質
的に不溶性のフッ素原子を含有する無機塩類で被覆され
ており,かつ粒径が500μ以下である微小球状レゾール
樹脂粒子の製造法にある。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明にいうフッ素原子を含有する実質的に水に不溶性
の無機塩類とは,25℃における水に対する溶解度が0.2
g/以下のフッ素原子を含有する無機塩類をいい,例
えばフッ化カルシウム,フッ化マグネシウム,フッ化ス
トロンチウム等が挙げられる。
本発明に係る微小球状レゾール樹脂粒子は,樹脂表面に
前記のフッ素原子を含有する実質的に水に不溶性の無機
塩類を被覆せしめてなるものであるが,以下にその実施
態様について説明する。
第1図(a),(b)は,本発明微小球状レゾール樹脂粒子構
造の一例を示す走査型電子顕微鏡写真であり,粒子表面
に極めて微細にフッ素原子を含有する実質的に水に不溶
性の無機塩類が沈着し,粒子表面を覆っている。このフ
ッ素原子を含有する実質的に水に不溶性の無機塩類の粒
子表面への被覆は,後述するごとく水性媒体中でフェノ
ール類とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下で反応さ
せるに際し,フッ素原子を含有する実質的に水に不溶性
の無機塩類を共存せしめて形成されるが,フッ素原子を
含有する実質的に水に不溶性の無機塩類の添加量等を適
宜変更することにより所望の被覆量とすることができ
る。
そして,前記フッ素原子を含有する実質的に水に不溶性
の無機塩類が被覆された本発明レゾール樹脂粒子は,第
1図(a),(b)に示すごとく,その粒径が500μ以下の微
小球状を呈する。すなわち,本発明レゾール樹脂粒子
は,従来の粉末状あるいは粒状のものと異なり,各粒子
が微小球状であり,粒子の融着は見られない。このよう
に,本発明レゾール樹脂粒子が微小球状を呈し,融着が
見られないのは,後述する製造法において形成されるフ
ッ素原子を含有する実質的に水に不溶性の無機塩類の被
覆が樹脂製造時及び保存時に粒子の融着を防止するもの
と推定される。
かくして,上記構成よりなる本発明レゾール樹脂粒子
は,その表面がフッ素原子を含有する実質的に水に不溶
性の無機塩類で被覆されているものであるから,保存安
定性に優れ,1年以上粒子の融着を生ずることなく保存
できるとともに,粒径が500μ以下の微小球状の粒子で
あるから,成形などの使用時の取扱が容易である。
次に,本発明の上記微小球状レゾール樹脂粒子の製造法
について説明する。
まず,本発明方法は水性媒体中でフェノール類とアルデ
ヒドとを塩基性触媒の存在下で反応させるに際し,該反
応系にフッ素原子を含有する実質的に水に不溶性の無機
塩類を共存せしめて反応させる。ここで使用されるフェ
ノール類はフェノール及びフェノール誘導体であり,こ
のフェノール誘導体としては,例えば炭素数1〜9のア
ルキル基で置換されたm−アルキルフェノール,O−ア
ルキルフェノール,P−アルキルフェノール,具体的に
はm−クレゾール,p-ter-ブチルフェノール,O−プ
ロピルフェノール,レゾルシノール,ビスフェノールA
及びこれらのベンゼン核又はアルキル基の水素原子の一
部又は全部が塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェ
ノール誘導体等が挙げられ,これらの1種又は2種以上
が用いられる。なお,フェノール類としては,これらに
限定されるものでなくその他フェノール性水酸基を含有
する化合物であれば,いかなる化合物でも使用すること
ができる。また,本発明で用いられるアルデヒド類とし
ては,例えばホルマリン又はパラホルムアルデヒドのい
ずれの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙
げられ,アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は
1〜2,好ましくは1.1〜1.4である。
また,本発明方法で使用される塩基性触媒としては,通
常のレゾール樹脂製造に用いれる塩基性触媒が使用で
き,例えばアンモニア水,ヘキサメチレンテトラミン及
びジメチルアミン,ジエチルトリアミン,ポリエチレン
イミン等のアルキルアミン等が挙げられる。これら塩基
性触媒のフェノール類に対するモル比は0.02〜0.2が好
ましい。
前記フェノール類とアルデヒド類とを塩素性触媒の存在
下で反応させる際に共存させるフッ素原子を含有する実
質的に水に不溶性の無機塩類としては,上述したごとく
フッ化カルシウム,フッ化マグネシウム,フッ化ストロ
ンチウム等が好ましく,その量はフェノール類に対して
0.5〜3.5wt%である。なお,フッ素原子を含有する
実質的に水に不溶性の無機塩類を添加するには,前記の
ごとくフッ素原子を含有する実質的に水に不溶性の無機
塩類を直接添加してもよく,また反応時にかかるフッ素
原子を含有する実質的に水に不溶性の無機塩類が生成さ
れるような2種以上の水溶性無機塩類を添加してもよ
い。すなわち,例えばカルシウム,マグネシウム,スト
ロンチウムのフッ素化合物に代えて水溶性の無機塩類の
一方にフッ化ナトリウム,フッ化カリウム,フッ化アン
モニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種と他方
にカルシウム,マグネシウム,ストロンチウムの塩化
物,硫酸塩,硝酸塩からなる群より選ばれた少なくとも
1種とを添加して反応時にカルシウム,マグネシウム,
ストロンチウムのフッ素化合物を生成させるようにする
こともできる。
本発明方法の反応は,水性媒体中で行われるが,この場
合の水の仕込量としては,例えば樹脂の固形分濃度が30
〜70wt%,好ましくは50〜60wt%となるようにすること
が望ましい。
反応は,撹拌下で昇温速度0.5〜1.5℃/min,好ましくは
0.8〜1.2℃/minで,温度を徐々に上昇せしめ,反応温度
70〜90℃,好ましくは83〜87℃で60〜150分,好ましく
は80〜110分間反応させる。このようにして反応せしめ
た後,反応物を40℃以下に冷却すると安定な固定レゾー
ルの水性エマルジョンが得られる。
次に,この水性エマルジョンを濾過又は遠心分離等の常
法に従って固液を分離した後,洗浄して乾燥すれば表面
がフッ素原子を含有する実質的に不溶性の無機塩類で被
覆された粒径が500μ以下の本発明の固形の微小形状レ
ゾール樹脂粒子が得られる。
なお,本発明方法は連続法又はバッチ法のいずれでも行
うことができるが,通常はバッチ法で行われる。
上記のごとくして,本発明方法によって得られるレゾー
ル樹脂粒子はサラサラとした融着のない微小球状の固形
粒子であり,上述したごとく安定性に優れるとともに,
流れ特性が良好で,成形性に優れている。また,本発明
方法による微小球状レゾール樹脂粒子は,反応性も良好
でゲル化速度も速く,短時間での成形が可能であり,成
形品の性能及び品位も良好である。さらに,本発明方法
で得られる微小球状レゾール樹脂粒子は,その粒径が50
0μ以下で,大部分が100μ以下であり,従来法によって
製造される粒径レゾール樹脂に比して粒度分布が極めて
シャープであり,このことから本発明方法のエマルジョ
ン安定化法が極めて優れた方法であることが肯首され
る。
本発明の微小球状レゾール樹脂粒子は,通常成形可能な
固体レゾール樹脂として使用されるが,上述した反応後
に得られる固体レゾールの水性エマルジョンのまま接着
剤等に用いることもできる。また,本発明のレゾール樹
脂粒子は,例えば積層品,バインダー等の通常のフェノ
ール樹脂が使用さる全ての分野にも適用可能である。ま
た,本発明の微小球状レゾール樹脂粒子は,必要に応じ
て熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,難燃剤,発泡剤,補強
剤,充填剤,増量剤,均展剤,流れ調節剤,安定剤,帯
電防止剤,電気伝導剤あるいは洗顔料などの添加剤の1
種,またはそれ以上と併用して使用することができる。
熱可塑性樹脂の例としては,例えばポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリスチレン,ゴム変性ポリスチレン,A
S,ABS,ポリ塩化ビニル,ポリメチルメタアクリレ
ート,エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフ
ィン,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリカーボネート,ポリアリレートなどの
ポリエステル,ポリカプロラクタム,ポリヘキサメチレ
ンアシパミドなどのポリアミド,ポリスルホン,ポリフ
ェニレンスルフィドなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては,例えばメラミン樹脂,尿素
樹脂,フラン樹脂,アルキッド樹脂,不飽和ポリエステ
ル樹脂などが挙げられる。
難燃剤の例としては,例えばデカブロモジフェニルエー
テルを始めとするハロゲン化合物,無機及び有機のリン
化合物などが挙げられる。
補強剤,充填剤,増量剤等としては,例えばガラス繊
維,アスベスオ繊維,炭素繊維,金属繊維,石英,雲
母,アスベスト,カオリン,タルク,酸化アルミニウ
ム,シリカ,水酸化アルミニウム,三酸化アルチモンな
どが挙げられる。その他の添加剤としては,酸化チタ
ン,酸化鉄,アルミニウム粉,鉄粉,金属石鹸,カーボ
ンブラック,木粉,紙等を挙げることができる。
<実施例> 以下,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 1の三ツ口フラスコにフェノール200g,37%ホルマリ
ン200g,水70g,ヘキサメチレンテトラミン18g,塩化カ
ルシウム8.4gを撹拌しながら投入し,均一な溶液とし,
この溶液に撹拌下でフッ化ナトリウムの10%溶液40gを
添加し,60分間で85℃に上昇し,同温度で90分間反応
させて,微小球状レゾール樹脂のエマルジョンを得た。
次に,フラスコ内容物を30℃に低下せしめ,0.5の水
を添加した後,上澄み液を除去し,下層の微小球状化し
た樹脂粒子を水洗して風乾した。次いで,これを減圧下
し(5mmHg以下)で50〜60℃で乾燥して平均粒径約50μ
の微小球状樹脂粒子を得た。(樹脂A) 実施例2 1の三ツにフラスコにフェノール200g,37%ホルマリ
ン257g,28%アンモニア水64.2gを撹拌しながら投入
し,均一な溶液とし,この溶液にフッ化カリウム5.8g,
塩化カルシウム8.4g,水40gとから別途調整したフッ化
カルシウム分散液54.2gを撹拌下に添加し,40分間で87
℃に上昇せしめ同温度で85分間反応させた。次いで,実
施例1と同様にして後処理を行い,平均粒径約70μの微
小球状レゾール樹脂粒子を得た。(樹脂B) 実施例3 原料のフェノール200gの代わりにフェノール190gとP-t
er-ブチルフェノール10gの混合物を使用する以外は,
実施例1と同様にして農及び後処理を行い,平均粒径約
50μの微小球状レゾール樹脂粒子を得た。(樹脂C) 実施例4 塩基性触媒のエキサメチレンテトラミン18gの代わりに
ジエチレントリアミン18gを使用する以外は,実施例1
と同様にして反応及び後処理を行い,平均粒径約40μの
微小球状レゾール樹脂を得た。(樹脂D) 実施例5 原料のフェノール200gの代わりにビスフェノール200gを
使用する以外は,実施例1と同様にして反応及び後処理
を行い,平均粒径約80μの微小球状レゾール樹脂粒子を
得た。(樹脂E) 比較例1 特開昭52-141893号公報記載の方法を参考にして粒子状
レゾール樹脂を作った。
すなわち,実施例2の無機塩類のフッ化カルシウム分散
液の代わりに保護コロイドとして10wt%アラビアゴム水
溶液40gを用い,他は実施例2と同様にして反応及び後
処理を行ったところ,乾燥時に樹脂粒子が一部融着し,
直径5mm程度の塊となった。この塊りを粉砕し,微小球
状の樹脂を得た。(樹脂F) 比較例2 特開昭57-177011号公報記載の方法を参考にして微小球
状フェノール樹脂を作った。
すなわち,2の三ツ口フラスコに37%ホルマリン405
g,35%塩酸214g,水881gの混合水溶液を入れ,これに
フェノール50g,37%ホルマリン8.4g,水4.1gの混合水
溶液62.5gを添加して20秒間撹拌した後,60分間静置し
た。次いで,時々撹拌しながら60分間で80℃に昇温し,
同温度で30分間撹拌し,続いて内容物を30℃に冷却した
後,濾過,水洗,乾燥を行い,平均粒径約30μの微粒子
状フェノール樹脂を得た。(樹脂G) 参考例1 上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂A〜Gに
ついてJIS K-6911に準じて樹脂の流れ特性を測定し,さ
らに150℃熱板におけるゲル化時間を測定した結果を第
1表に示す。
第1表から明らかなように,比較の樹脂Gはゲル化時間
が測定不能であり,硬化速度も遅く,流れ特性も不良で
あるのに対し,本発明の樹脂A〜Eはいずれも良好な流
れ特性及び熱反応性を有している。
また,上記の樹脂A〜Gを30℃,相対湿度85%の恒温恒
湿室に1カ月放置し,樹脂の性状変化を調べたところ,
樹脂Fは粒子が融着し固まってしまったが,他の本発明
の樹脂A〜E及び比較の樹脂Gは微小球の球状で自由流
動性を有していた。
<発明の効果> 以上述べたごとく,本発明微小球状レゾール樹脂粒子
は,その表面が実質的に水に水溶性の無機塩類で被覆さ
れてなるものであるから,保存安定性に優れ,粒子が融
着することなく長時間保存することができる。また,粒
径が500μ以下の微小球状の固形粒子であるから,従来
の溶液状態のものや粉末状のものと違って使用時の取扱
が容易である。
また,本発明方法は実質的に水に不溶性の無機塩類を反
応系内に共存せしめて反応させるものであるから,500
μ以下の微小球状の固形粒子として安定して製造するこ
とができるのみならず,従来法によって製造される粒状
のレゾール樹脂に比して粒度分布のシャープな微小球の
固形粒子を得ることができる。しかも,本発明方法によ
って得られる微小球状レゾール樹脂粒子は,上述した親
水性高分子化合物を含有したレゾール樹脂のごとく成形
品の性能を低下することがなく,性能及び品位に優れた
成形品を得ることができる。
さらに,本発明方法によって得られる微小球状レゾール
樹脂粒子は,流れ特性が良好で成形性に優れるととも
に,ゲル化速度も速く,反応性も良好で,短時間での成
形が可能であるなどの特徴も有しており,本発明の生産
面における効果は頗る顕著で,その工業的意義は極めて
大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の微小球状レゾール樹脂粒子構
造の一例を示す電子顕微鏡写真(倍率は(a)が300倍,
(b)が3000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭57−48011(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面の一部又は全部がフッ素原子を含有す
    る実質的に水に不溶性の無機塩類で被覆された微小球状
    レゾール樹脂粒子であって,レゾール樹脂を構成するフ
    ェノール類に対して0.2〜3.5重量%の上記無機塩類を含
    有し,かつ粒径が500μ以下であることを特徴とする微
    小球状レゾール樹脂粒子。
  2. 【請求項2】フッ素原子を含有する実質的に水に不溶性
    の無機塩類が,フッ化カルシウム,フッ化マグネシウ
    ム,フッ化ストロンチウムからなる群から選ばれた少な
    くとも1種である特許請求の範囲第1項記載の微小球状
    レゾール樹脂粒子。
  3. 【請求項3】水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類
    とを塩基性触媒の存在下で反応させるに際し,該反応系
    にフェノール類に対して0.2〜3.5重量%のフッ素原子を
    含有する実質的に水に不溶性の無機塩類を共存せしめて
    反応させることを特徴とする表面の一部又は全部がフッ
    素原子を含有する実質的に水に不溶性の無機塩類で被覆
    されており,かつ粒径が500μ以下である微小球状レ
    ゾール樹脂粒子の製造法。
  4. 【請求項4】フッ素原子を含有する実質的に水に不溶性
    の無機塩類が,フッ化カルシウム,フッ化マグネシウ
    ム,フッ化ストロンチウムからなる群から選ばれた少な
    くとも1種である特許請求の範囲第3項記載の微小球状
    レゾール樹脂粒子の製造法。
  5. 【請求項5】フッ化カルシウム,フッ化マグネシウム,
    フッ化ストロンチウムからなる群から選ばれた少なくと
    も1種が,フッ素原子を含有する水溶性の無機塩類とフ
    ッ素原子を含有しない水溶性の無機塩類を用いて反応系
    内で析出させたものである特許請求の範囲第4項記載の
    微小球状レゾール樹脂粒子の製造法。
  6. 【請求項6】フッ素原子を含有する水溶性の無機塩類が
    フッ化ナトリウム,フッ化カリウム,フッ化アンモニウ
    ムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり,フッ
    素原子を含有しない水溶性の無機塩類がカルシウム,マ
    グネシウム,ストロンチウムの塩化物,硫酸塩,硝酸塩
    からなる群から選ばれた少なくとも1種である特許請求
    の範囲第5項記載の微小球状レゾール樹脂粒子の製造
    法。
JP59150399A 1984-07-17 1984-07-17 微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法 Expired - Lifetime JPH066615B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59150399A JPH066615B2 (ja) 1984-07-17 1984-07-17 微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法
CA000486665A CA1243909A (en) 1984-07-17 1985-07-11 Microspherical particles of resole resins and process for producing the same
EP85305026A EP0169042B1 (en) 1984-07-17 1985-07-15 Microspherical particles of resole resins and process for producing the same
DE8585305026T DE3577101D1 (de) 1984-07-17 1985-07-15 Mikrokugeln aus resolharzen und verfahren zu ihrer herstellung.
US06/755,769 US4640971A (en) 1984-07-17 1985-07-17 Microspherical particles of resole resins and process for producing the same
US06/915,286 US4778695A (en) 1984-07-17 1986-10-03 Production of microspheroidal particles of resole resins

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59150399A JPH066615B2 (ja) 1984-07-17 1984-07-17 微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6151019A JPS6151019A (ja) 1986-03-13
JPH066615B2 true JPH066615B2 (ja) 1994-01-26

Family

ID=15496124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59150399A Expired - Lifetime JPH066615B2 (ja) 1984-07-17 1984-07-17 微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH066615B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61127719A (ja) * 1984-11-26 1986-06-16 Unitika Ltd 難燃性微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法
US5229216A (en) * 1989-01-23 1993-07-20 Nihon Tokushu Toryo Co., Ltd. Vibration-damping sheet
US5118587A (en) * 1989-07-28 1992-06-02 Toda Kogyo Corporation Magnetic particles used for electrostatic latent image developer and process for producing the same
CN101516940B (zh) 2006-10-20 2013-03-27 爱沃特株式会社 粒状酚醛树脂及其制造方法以及粒状酚醛树脂分散液

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6044447B2 (ja) * 1980-09-02 1985-10-03 太陽工業株式会社 シルトプロテクタ−の枠体の水上における組立方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6151019A (ja) 1986-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4778695A (en) Production of microspheroidal particles of resole resins
KR900006994B1 (ko) 구형상의 열경화성 페놀수지입자 및 그 제조법
US4182696A (en) Process for producing particulate filler-containing resole molding compositions from aqueous dispersion
US4317901A (en) Method for the production of a powdered phenolic resole resin
JPH066615B2 (ja) 微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法
JPH0572924B2 (ja)
JPH1160664A (ja) 感圧熱自硬化性球状フェノール樹脂の製造方法
JPH11116648A (ja) 球状フェノール樹脂の製造方法
JP2000239335A (ja) 高密度球状フェノール樹脂硬化物
JP3159443B2 (ja) 球状フエノール樹脂の製造法
JPS61272260A (ja) 微小球状樹脂組成物及びその製造法
JPH0610235B2 (ja) 微小球状変性レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法
JPS6227455A (ja) 粒状レゾ−ル樹脂組成物及びその製造法
JPS621748A (ja) 微小球状樹脂組成物及びその製造法
JP3651837B2 (ja) 熱不融球状樹脂微粒子の製造方法
JPS61127719A (ja) 難燃性微小球状レゾ−ル樹脂粒子及びその製造法
JPH1180300A (ja) 微小球状硬化フェノール樹脂粒子の製造法
JPH0610234B2 (ja) 微小球状硬化メラミン樹脂粒子及びその製造法
JP2677417B2 (ja) 硬化フェノール樹脂粒子の製造方法
JP3207412B2 (ja) 粉末フェノール系樹脂の製造方法
JPH0466264B2 (ja)
JPH0668000B2 (ja) 難燃性フエノ−ル樹脂の製造法
JPH0623227B2 (ja) 微小球状硬化フエノ−ル樹脂粒子の製造法
JP2009132792A (ja) 白色の硬化球状ノボラック型フェノール樹脂粒子の製造方法及び白色の硬化球状ノボラック型フェノール樹脂粒子
JPH0439493B2 (ja)