JPH06656U - 超音波研磨装置用の押圧力確認装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、作業に不慣れな者であっても、
加工時の最適な押圧力を確認することができ、延いては
誰でも良好な加工作業を行うことが可能な超音波研磨装
置の押圧力確認装置を提供する。 【構成】 この考案では、超音波研磨装置を実際に作動
させて工具を被加工面に押当てながら加工作業を行う際
に、加工用の振動子６からの振動動作を伝播した圧力検
出用の圧電素子２から加工用の振動子６の変位動作に合
せた負荷電流が出力される。これを入力したレベル検出
回路３からは負荷電流値に応じた大きさの信号（直流電
流）を出力し、このレベル検出回路３から出力される信
号の大きさに合せてＬＥＤ制御回路４から制御信号が出
力され、これによりその信号の大きさに応じて現在作業
中の押圧力のレベルがインジケータに表示される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、水晶振動子等の振動子を用いてヤスリ等の工具を微小振動させて 被加工物を研磨する超音波研磨装置に係り、特に工具の押圧力が強過ぎたり弱過 ぎたりした場合にこれを検知・確認することができる超音波研磨装置用の押圧力 確認装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この超音波研磨装置には、通常、商用電源からの給電により作動し、２０ＫＨ ｚ以上の高周波信号を発振する基準発振回路と、この基準発振回路から出力され る基準周波数の正弦波信号を入力すると高周波数の振動動作を行う圧電素子又は 磁歪材料で形成された振動子と、振動振幅拡大用のホーンを介して振動子からの 振動を伝播して微小振動するヤスリ等の工具とを備えたハンドツール式のものが 知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このような構成の超音波研磨装置にあっては、作業者が手で把持部 を把持しながら被加工面に工具を押圧させて加工作業を行うので、その押圧力（ 加工圧）の加減が非常に難しい。 即ち、超音波研磨作業の際の加工量及び被加工面の仕上面粗さは工具の押圧力 に大きく影響しており、例えば押圧力が弱すぎると単位時間当りの加工量が落ち 、能率が悪くなる。また、逆に押圧力が強すぎても加工量が減り、しかも砥粒が くい込むため、面粗さが悪化する。 このような事情から、加工時には押圧力を最適値に設定することが必要となっ ているが、通常その最適値を検知する手段がないので、作業者の勘に頼らざるを 得ず、作業者によっては加工作業はばらつきを生じている。従って、従来の装置 を用いて最良な加工作業を行うためには、かなりの熟練を要している。 そこで、この考案は、上記した従来の欠点に鑑み、作業に不慣れな者であって も、加工時の最適な押圧力を確認することができ、延いては誰でも良好な加工作 業を行うことが可能な超音波研磨装置の押圧力確認装置を提供することを目的と するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案は、装置本体内の振動子と接続した工具を被加工面に押当てて 被加工物の研磨作業を行う超音波研磨装置において、前記振動子からの応力を検 出する押圧力検出用圧電素子と、この圧電素子に駆動用の基準高周波数電流を出 力する駆動用回路と、この駆動用回路から出力する所定波形の交流負荷電流を入 力した押圧力検出用圧電素子から出力される交流負荷電流に応じた大きさの直流 電流を出力するレベル検出回路と、このレベル検出回路からの出力信号の大きさ に合せて制御信号を出力するＬＥＤ制御回路と、このＬＥＤ制御回路から出力す る信号の大きさに応じて作動し、押圧力のレベルを表示するインジケータとを備 えたものである。

【０００５】

【作用】

この考案では、超音波研磨装置を実際に作動させて工具を被加工面に押当てな がら加工作業を行う際に、加工用の振動子からの応力を検出する圧力検出用の圧 電素子から加工用の振動子の加工圧に比例した負荷電流が出力され、これを入力 したレベル検出回路からは負荷電流値に応じた大きさの信号（直流電流）を出力 し、このレベル検出回路から出力される信号の大きさに合せてＬＥＤ制御回路か ら制御信号が出力され、これによりその信号の大きさに応じて現在作業中の押圧 力のレベルがインジケータに表示される。

【０００６】

【実施例】

以下この考案の一実施例について添付図面を参照しながら説明する。 図１は、この考案に係る超音波研磨装置用の押圧力確認装置を示すものであり 、この押圧力確認装置は、駆動回路１と、押圧力検出用の圧電素子２と、レベル 検出回路３と、ＬＥＤ制御回路４と、インジケータ５とから構成されている。 駆動回路１は、圧電素子２に駆動用の基準高周波数電流を出力するものであり 、この出願人と同一出願人によって出願された平成３年特許願第２９０６８５号 公報において、明細書に記載の基準発振回路１と同様の構成のものが使用されて おり、出力が圧電素子２に接続されている。 圧電素子２は、加工用の振動子６により与えられる応力によってひずむと、イ ンピーダンスが変動し、この圧電素子２に出力された高周波電流（交流電源）が 変化するため、振動子６の振動の大きさ（ヤスリ等の工具７の押圧力の大きさ） に応じた交流負荷電流を出力するようになっている。そして、この圧電素子２は 、図２に示すように、リング状に形成されており、薄板（この実施例では０．２ mm程度）リング状の一対の電極８Ａ，８Ｂに挟持され図３に示す如く防振ゴム９ に一方側電極９Ａが圧接するように配設されている。 レベル検出回路３は、押圧力検出用の圧電素子２から出力される交流負荷電流 を入力すると、この電流値に応じた大きさ（工具７の大きさ）の直流電流を出力 するようになっており、この実施例では整流用のダイオードと平滑用のコンデン サとから構成されている。

【０００７】 ＬＥＤ制御回路４は、レベル検出回路３から出力される直流電流（出力信号） の大きさに合せた制御信号を出力するようになっており、入力側がレベル検出回 路３の出力に接続されていると共に出力側がインジケータ５に接続されている。 なお、この実施例では、強く押圧させたときに点灯するＬＥＤ数を増大させるた め、予め全ＬＥＤを点灯状態としておき、このＬＥＤの制御回路４から出力する 制御信号の大小レベルによりＬＥＤの消灯数を制御するように構成してあるが、 極性反転回路等により点灯数を制御するようにしてもよい。 インジケータ５は、工具７の押圧力の大きさお応じてＬＥＤ制御回路４から出 力される直流電流（制御信号）値に合せて所定数のＬＥＤを発光させるようにな っており、この実施例では図４に示す如く超音波発振装置の表面パネル１０に設 けられた５個のＬＥＤから構成されている。 従って、この実施例によれば、作業者が工具７で被加工面を押圧する際に、例 えばその押圧力が強過ぎるときには圧電素子２が過度の応力をうけて厚さが大き く縮まり、インピーダンスが増大する。その結果、圧電素子２からは振幅幅が小 さな交流負荷電流が出力され、これを入力したレベル検出回路３からは、低レベ ルの直流電流がＬＥＤ制御回路４へ出力され、このＬＥＤ制御回路４からはその 電流値に合せてインジケータ５を構成する５個のＬＥＤのうち４個程度のものを 点灯させるようになっている。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案によれば、超音波研磨装置を実際に作動さ せて工具を被加工面に押当てながら加工作業を行う際に、加工用の振動子からの 応力を検出する圧力検出用の圧電素子から加工用の振動子の加工圧に合せた負荷 電流が出力され、これを入力したレベル検出回路から負荷電流値に応じた大きさ の信号（直流電流）を出力し、このレベル検出回路から出力される信号の大きさ に合せてＬＥＤ制御回路から制御信号が出力され、これによりその信号の大きさ に応じて現在作業中の押圧力のレベルがインジケータに表示されるようになって いるので、作業に不慣れなものであっても、最良な押圧力を確認することができ るようになり、延いては作業性の向上及び良好な加工作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る押圧力確認装置を示す構成ブロ
ック図。

【図２】この考案に係る押圧力確認装置を取付けた超音
波研磨装置を示す分解斜視図。

【図３】この考案に係る押圧力確認装置の要部を示す拡
大断面図。

【図４】この考案に係るインジケータが取付けられた表
面パネルを示す平面図。

【符号の説明】

１ 駆動回路 ２ 押圧力検出用圧電素子 ３ レベル検出回路 ４ ＬＥＤ制御回路 ５ インジケータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体内の振動子と接続した工具を被
   加工面に押当てて被加工物の研磨作業を行う超音波研磨
   装置において、 前記振動子からの応力を検出する押圧力検出用圧電素子
   と、 この圧電素子に駆動用の基準高周波数電流を出力する駆
   動用回路と、 この駆動用回路から出力する所定波形の交流負荷電流を
   入力した押圧力検出用圧電素子から出力される交流負荷
   電流に応じた大きさの直流電流を出力するレベル検出回
   路と、 このレベル検出回路からの出力信号の大きさに合せて制
   御信号を出力するＬＥＤ制御回路と、 このＬＥＤ制御回路から出力する信号の大きさに応じて
   作動し、押圧力のレベルを表示するインジケータとを備
   えたことを特徴とする超音波研磨装置用の押圧力確認装
   置。