JPH0665592A - 浸透力に優れる界面活性剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下記一般式（１）で表わされるα−スルホ脂
肪酸モノエステル誘導体（Ａ）と、下記一般式（２）で
表わされるα−スルホ脂肪酸ジエステル誘導体（Ｂ）と
を必須成分として含有することを特徴とする浸透力に優
れる界面活性剤組成物。 【化１】 【化２】 （式中、Ｒ₁、Ｒ₃、Ｒ₄は飽和もしくは不飽和のアルキ
ル基又はアルケニル基、Ｒ₂、Ｒ₅はアルキレン基又は多
価アルコール残基、Ｍは水素原子、アルカリ金属原子、
一価に相当するアルカリ土類金属原子又は置換もしくは
未置換のアンモニウム基を示し、ｎは正の数を示す）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、すぐれた浸透力等を有
し、洗浄性、湿潤性等が求められる工業品、化粧品、家
庭品、医薬品等の各種分野において有用な界面活性剤組
成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、アニオン性界面活性剤としては、
アルキルサルフェートやアルキルエトキシサルフェー
ト、アルキルベンゼンスルホン酸塩等に代表される、１
鎖の疎水基に１個の親水基を有するものや、インナーオ
レフィンスルホン酸塩やジアルキルスルホコハク酸塩等
に代表される、２鎖の疎水基に１個の親水基を有するも
のが使用されてきた。しかしながら、界面活性剤に求め
られる性能が高機能化するに従い、それらの単純な構造
の界面活性剤では対応しきれなくなってきている。そこ
で高機能性界面活性剤のひとつとして、２鎖の疎水基に
２個の親水基を有する界面活性剤が岡原らにより提案さ
れたが（特開平１−３０４０３３、ＪＡＯＣＳ（１９８
９）等）、現時点では製造が困難であるといった問題点
も残っている。本発明者らも、安価で同様の構造を有す
る界面活性剤である、多価アルコール／α−スルホ脂肪
酸ジエステルを開発し、乳化剤として優れていることを
見いだしたが（特開平４−１５６９３４号）、更なる性
能の向上が切望されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】多価アルコール／α−
スルホ脂肪酸ジエステルは本来臨界ミセル濃度（ｃｍ
ｃ）が低い等の優れた機能を有する界面活性剤である
が、界面への吸着が遅いため、瞬時の配向吸着が望まれ
る湿潤剤等の用途に対しては必ずしも充分ではないの
で、そのような問題点を改善することが本発明の課題で
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、多価アルコール
／α−スルホ脂肪酸ジエステルと多価アルコール／α−
スルホ脂肪酸モノエステルを混合することにより、さら
にはその混合物に多価アルコールを加えることにより、
各単独の界面活性剤に比べ浸透力等の界面活性能が著し
く向上した界面活性剤組成物が得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれ
ば、下記一般式（１）で表わされるα−スルホ脂肪酸モ
ノエステル誘導体（Ａ）と、下記一般式（２）で表わさ
れるα−スルホ脂肪酸ジエステル誘導体（Ｂ）とを必須
成分として含有することを特徴とする浸透力に優れる界
面活性剤組成物が提供される。

【化１】 （式中、Ｒ₁は飽和もしくは不飽和のアルキル基又はア
ルケニル基、Ｒ₂はアルキレン基又は多価アルコール残
基、Ｍは水素原子、アルカリ金属原子、一価に相当する
アルカリ土類金属原子又は置換もしくは未置換のアンモ
ニウム基を示し、ｎは正の数を示す）

【化２】 （式中、Ｒ₃、Ｒ₄は飽和もしくは不飽和のアルキル基又
はアルケニル基、Ｒ₅はアルキレン基又は多価アルコー
ル残基、Ｍは水素原子、アルカリ金属原子、一価に相当
するアルカリ土類金属原子又は置換もしくは未置換のア
ンモニウム基を示し、ｎは正の数を示す）また、本発明
によれば、前記界面活性剤組成物に多価アルコール
（Ｃ）を配合したことを特徴とする界面活性剤組成物が
提供される。

【０００５】本発明の界面活性剤組成物において、優れ
た界面活性能を発揮するために好ましい成分組成比は、
（Ａ）の組成比が５〜９５ｗｔ％、（Ｂ）の組成比が５
〜９５ｗｔ％、（Ｃ）の組成比が０〜８０ｗｔ％である
が、さらに好ましくは、（Ａ）の組成比が１０〜５０ｗ
ｔ％、（Ｂ）の組成比が１０〜７０ｗｔ％、（Ｃ）の組
成比が５〜４０ｗｔ％である。この成分組成比の範囲外
では、単独の界面活性剤に比べ明確な界面活性能の向上
は見られず、高機能性界面活性剤組成物として充分なも
のではない。上記の界面活性剤組成物に含まれる界面活
性剤成分（Ａ）及び成分（Ｂ）をそれぞれ示す一般式
（１）及び一般式（２）において、そのＲ₁，Ｒ₃，Ｒ₄
は炭素数６〜２４の飽和もしくは不飽和のアルキル基又
はアルケニル基であることが好ましいが、炭素数８〜１
８の飽和もしくは不飽和のアルキル基又はアルケニル基
であるとさらに好ましい。その具体的な例としては、例
えば、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチ
ル基、ステアリル基、オレイル基等が挙げられる。この
範囲外の疎水基構造の界面活性剤成分（Ａ）、（Ｂ）を
混合しても充分な界面活性能を有する組成物は得られな
い。

【０００６】また、一般式（１）及び一般式（２）にお
いて、そのＲ₂，Ｒ₅はアルキレン基又は多価アルコール
残基を示す。アルキレン基としては、炭素数２〜４のア
ルキレン基であることが好ましい。また、多価アルコー
ルとしては、直鎖状、分岐鎖状又は環状の多価アルコー
ル残基であることが好ましい。アルキレン基及び多価ア
ルコール残基の具体例を示すと、エチレン基、プロピレ
ン基、２−ヒドロキシプロピレン基（グリセリン残
基）、ペンタエリスリトール残基、グルコース残基、シ
ョ糖残基、ポリグリセリン残基、ポリグルコース残基等
が挙げられる。多価アルコール残基としては、特に、炭
素数２〜８を有するものが好ましい。また、（Ｒ₂Ｏ）n
及び（Ｒ₅Ｏ）nで示されるエーテル基は、Ｒ₁，Ｒ₅が異
なった混合エーテル基、例えば、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドの共重合物（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）p・（Ｃ₃
Ｈ₆Ｏ）q（ｐ及びｑは正の数を示す）で表わされる混合
エーテル基であることができる。また、一般式（１）及
び一般式（２）におけるｎは正の数であり、好ましくは
１〜５０、さらに好ましくは１〜１５である。

【０００７】またスルホン酸基とイオン結合を形成する
Ｍ₁，Ｍ₂，Ｍ₃におけるアルカリ金属としては、例え
ば、ナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられ、アル
カリ土類金属としては、例えば、マグネシウム等が挙げ
られ、置換もしくは無置換のアンモニウム基としては、
アンモニウムの他、低級アミン（トリメチルアミン、ト
リエチルアミン等）、リジン、モノ、ジ又はトリ低級ア
ルカノールアミン（モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等）のアミンから形成
されたアンモニウム等が挙げられる。

【０００８】本発明の界面活性剤組成物は、前記界面活
性剤成分（Ａ）及び（Ｂ）に加えて、さらに多価アルコ
ール成分（Ｃ）を含有することが好ましい。この多価ア
ルコールとしては、例えば、オリゴ又はポリエチレング
リコール、オリゴ又はポリプロピレングリコール、プル
ロニック化合物、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタ
エリスリトールの他、グルコース、ショ糖等の糖アルコ
ール等が挙げられるが、これらに限られるものではな
い。

【０００９】前記一般式（１）及び一般式（２）で表さ
れる界面活性剤は、例えば、脂肪酸を従来公知の方法で
スルホン化した後、所定の多価アルコールとエステル化
し、必要により中和する方法；α−スルホ脂肪酸と所定
の多価アルコールをエステル交換し、必要により中和す
る方法；所定の脂肪酸多価アルコールエステルをスルホ
ン化し、必要により中和する方法等により製造すること
ができる。これらの方法では、反応成分として用いる多
価アルコールがエステル化反応に寄与するヒドロキシル
基を複数有するため、一般式（１）及び一般式（２）で
表わされる界面活性剤が混合物として得られることが多
い。この混合物中の界面活性剤組成比は、原料の反応仕
込比によりある程度調整できるものである。また、これ
らの生成物は、人体に対する刺激性などに関し何ら問題
のないものである。

【００１０】先にも述べたように、本発明の組成物中に
含まれる、一般式（１）及び一般式（２）で表される界
面活性剤は、単独でも乳化剤等として優れた性能を有す
るものであることは見いだされていたが、種々の界面に
対して吸着が遅いため、全ての用途に対して必ずしも満
足のいくものではなかった。例えば、それらの界面活性
剤単独では、フェルトに対する浸透力は不十分なもので
あったが、両者を混合した組成物にすることにより、そ
のような問題点も著しく改善することができる。これ
は、混合ミセルによる効果であると考えられる。

【００１１】本発明の界面活性剤組成物は、工業品、化
粧品、家庭品、医薬品等の各種分野において使用するこ
とができる。この場合、本発明組成物には、必要に応じ
て、コラーゲン等の保湿剤、ポリオキシエチレンジステ
アレート、エタノール等の粘度調整剤、メチルパラペ
ン、ブチルパラペン等の防腐剤、グリチルリチン酸カリ
ウム塩、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤や、殺菌剤、
パール化剤、酸化防止剤、香料、色素、紫外線吸収剤等
を配合することができる。さらに、本発明の界面活性剤
組成物には、他の界面活性剤を併用することも可能であ
る。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エ
ステル系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤、スルホコ
ハク酸系界面活性剤、タウレート系界面活性剤、高級脂
肪酸塩等のアニオン性界面活性剤や、アルキルサッカラ
イド系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル系界面活性剤等の非イオン性界面活性剤が好ましく用
いられる。

【００１２】

【発明の効果・目的・用途】本発明の界面活性剤組成物
は、界面活性剤成分（Ａ）及び（Ｂ）を混合組成物にし
たことにより、単独の界面活性剤では得られなかった優
れた浸透力等の界面活性能を発揮するものであり、洗浄
性、湿潤性等が求められる工業品、化粧品、家庭品、医
療品等の各種分野において有用である。

【００１３】本発明の界面活性剤組成物は、低刺激性を
有し、特に、人体の少なくとも一部に接触した態様にお
いて適用される用途、すなわち、硬質表面用、木質表面
用、皮革表面用、皮膚用及び毛髪用の洗浄剤組成物とし
て好ましく適用される。この場合、硬質表面としては、
食器、自動車のボディー等の金属表面や、プラスチック
表面、セラミックス表面等がある。木質表面としては、
家具や、柱の表面がある。皮革表面としては、ハンドバ
ックやブーツ等の表面がある。従って、本発明の洗浄剤
組成物は、人体と接触する用途に用いる洗浄剤、例え
ば、ボディシャンプー、シャンプー等の皮膚毛髪用液体
洗浄剤や、食器用液体洗浄剤、住居用の壁や床用の液体
洗浄剤等として好適のものである。本発明の洗浄剤組成
物は、固形状、粉体状、ペースト状又は液体状であるこ
とができる。本発明の界面活性剤組成物は、その高い浸
透力に基づき、湿潤剤及び衣料用洗浄剤として有利に用
いることができる。

【００１４】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定される物では
ない。

【００１５】実施例１ トリエチレングリコール／α−スルホステアリン酸モノ
エステルナトリウム塩（界面活性剤１）と、トリエチレ
ングリコール／α−スルホステアリン酸ジエステルジナ
トリウム塩（界面活性剤２）を、０対１００から１００
対０までの任意の重量比率で混合し、各混合比の界面活
性剤組成物を調製し、その浸透力を測定した。浸透力の
測定はフェルトディスク浸透法により行った。即ち、各
組成物の１ｗｔ％水溶液を１００ｍｌ作り、これをビー
カーに入れ、２５℃にした後、１ｃｍ×１ｃｍのフェル
トディスク（ＡＷ−８０２０）を水溶液面に静かに置
き、それが沈むまでの時間を測定し、その要した時間
（秒）を浸透力とした。よって、値が小さいほど浸透力
が優れていることを意味する。また、浸透に要する時間
が１０分を超える場合は、すべて浸透力＝６００秒とす
る。その結果を図１に示した。図１の結果からわかるよ
うに、界面活性剤（１）及び（２）は、混合組成物にす
ることにより、その浸透力は単独の界面活性剤に比べ著
しく向上した。

【００１６】実施例２ ジエチレングリコール／α−スルホパルミチン酸モノエ
ステルナトリウム塩（界面活性剤３）と、ジエチレング
リコール／α−スルホパルミチン酸ジエステルジナトリ
ウム塩（界面活性剤４）を、０対１００から１００対０
までの任意の重量比率で混合し、各混合比の界面活性剤
組成物を調製し、その浸透力を実施例１と同様にして測
定した。その結果を図２に示す。図２の結果からわかる
ように、多価アルコールを含む界面活性剤混合組成物に
することにより、浸透力はさらに著しく向上した。

【００１７】実施例３ グリセリン／α−スルホパルミチン酸モノエステルナト
リウム塩（界面活性剤５）と、グリセリン／α−スルホ
パルミチン酸ジエステルジナトリウム塩（界面活性剤
６）を、１対３の重量比率で混合した界面活性剤組成物
を調製した。この界面活性剤組成物とグリセリンを０対
１００から１００対０までの任意の重量比率で混合し、
その浸透力を実施例１と同様にして測定した。その結果
を図３に示す。図３の結果からわかるように、界面活性
剤混合組成物中に多価アルコールを１〜８０ｗｔ％の割
合で配合することにより、その浸透力は著しく向上し
た。

【００１８】実施例４ 本発明品（Ａ）としてのプルロニックグリコール（ＥＯ
＝６，ＰＯ＝２）／α−スルホ脂肪酸モノエステルナト
リウム塩と、本発明品（Ｂ）としてのプルロニックグリ
コール（ＥＯ＝６，ＰＯ＝２）／α−スルホ脂肪酸ジエ
ステルジナトリウム塩を、２５対７５の重量比率で混合
し、各疎水基鎖長を有する界面活性剤組成物を調製する
とともに、その浸透力を実施例１と同様にして測定し、
アルキル鎖長が浸透力に及ぼす影響を検討した。その結
果を図４に示す。図４の結果からわかるように、疎水基
中のアルキル炭素数が６〜２４の範囲の界面活性剤組成
物において、良好な浸透力が得られた。

【００１９】実施例５ 本発明品（Ａ）のポリエチレングリコール／α−スルホ
ミリスチン酸モノエステルナトリウム塩と、本発明品
（Ｂ）のポリエチレングリコール／α−スルホミリスチ
ン酸ジエステルジナトリウム塩を２５対７５の重量比率
で混合し、各疎水基鎖長の界面活性剤組成物を調製する
とともに、その浸透力を実施例１と同様にして測定し、
ポリオールの重合度が浸透力に及ぼす影響を検討した。
その結果を図５に示す。図５の結果からわかるように、
ポリエチレングリコールにおけるその重合度が１〜５０
の範囲の界面活性剤組成物において、良好な浸透力が得
られた。

【００２０】 応用例１ 〔衣類用洗浄剤（粒状洗浄剤）〕 （成分） （重量％） モノエチレングリコール（α−スルホミリスチン酸）ジエステルＮａ塩 ２０．０％ モノエチレングリコール（α−スルホミリスチン酸）モノエステルＮａ塩 １０．０％ モノエチレングリコール ５．０％ ゼオライト ２１．０％ 炭酸カリウム ５．０％ ケイ酸ナトリウム １２．０％ 炭酸ナトリウム ２０．５％ 酵素 ０．５％ 水分 ６．０％ 上記組成の衣類用粒状洗浄剤を製造した。この衣類用粒
状洗浄剤は浸透性、ぬれ性に優れており、良好な洗浄効
果が得られた。

【００２１】 応用例２ 〔台所用洗浄剤〕 （成分） （重量％） ポリグルコース（３）（α−スルホラウリン酸）ジエステルＮａ塩 １２．０％ ポリグルコース（３）（α−スルホラウリン酸）モノエステルＮａ塩 ８．０％ ラウリン酸ジエタノールアミド ２．５％ ｎ−ドデシルジメチルアミンオキシド １．５％ エタノール １．０％ 黄色２０３号 微量 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成の台所用洗浄剤（ｐＨ７．０）を製造した。こ
の台所用洗浄剤は油状汚垢に対する浸透性が優れてお
り、食器上の汚れ残りもなく、良好な洗浄効果が得られ
た。また、この台所用洗浄剤は使用後の手荒れを感じさ
せないモノであった。

【００２２】 応用例３ 〔シャンプー〕 （成分） （重量％） ポリグリセリン（α−スルホパルミチン酸）ジエステルトリエタノールアンモ ニウム塩 １０．０％ ポリグリセリン（α−スルホパルミチン酸）モノエステルトリエタノールアン モニウム塩 ５．０％ ポリグリセリン ２．０％ ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ３．０％ β−カロチン 微量 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成のシャンプー（ｐＨ６．５）を製造した。この
シャンプーは脂質及び蛋白質汚垢に対する浸透性が優れ
ており、洗浄効果が高い上、使用中にきしみ感がなく、
洗い上がりも良好であった。

【００２３】 応用例４ 〔化粧用液体染顔剤〕 （成分） （重量％） ペンタエリスリトール（α−スルホミリスチン酸）ジエステルＮａ酸 ５．０％ ペンタエリスリトール（α−スルホミリスチン酸）モノエステルＮａ酸 １．０％ ペンタエリスリトール １．５％ 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成の化粧用液体洗顔剤（ｐＨ７．０）を製造し
た。この化粧用液体洗顔剤は油性化粧料に対する湿潤性
が優れており、良好な洗浄効果が得られた。また、この
化粧用液体洗顔剤は皮膚に対する刺激がないものであっ
た。

【００２４】 応用例５ 〔繊維処理用湿潤剤〕 （成分） （重量％） ポリエチレン（１０）ポリプロピレン（３）グリコール（α−スルホパルミチ ン酸）ジエステルナトリウム塩 ２．５％ ポリエチレン（１０）ポリプロピレン（３）グリコール（α−スルホパルミチ ン酸）モノエステルナトリウム塩 ０．５％ ポリエチレン（１０）ポリプロピレン（３）グリコール １．０％ イオン交換水 バランス 上記組成の繊維処理用湿潤剤を製造した。この繊維処理
用湿潤剤は繊維に対する浸透性、湿潤性が優れており、
高い湿潤効果が得られた。またこのものは非常に低泡性
であった。

【００２５】 応用例６ 〔農薬用添着剤〕 （成分） （重量％） プロピレングリコール（α−スルホミリスチン酸）ジエステルＮａ酸 ４．０％ プロピレングリコール（α−スルホミリスチン酸）モノエステルＮａ酸 １．０％ プロピレングリコール ０．５％ イオン交換水 バランス 上記組成の農薬用添着剤を製造した。この農薬用添着剤
は 物表面に対する湿潤性、ぬれ性が優れており、疎水
性の農薬も均一に表面に添着させることが可能であっ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の界面活性剤組成物中の組成比と浸透力
の関係を示すグラフである。

【図２】本発明の界面活性剤組成物中の組成比と浸透力
の関係を示す別のグラフである。

【図３】本発明の界面活性剤中のグリセリンの混合比と
浸透力の関係を示すグラフである。

【図４】本発明の界面活性剤組成物中に含まれる界面活
性剤のアルキル鎖長と浸透力の関係を示すグラフであ
る。

【図５】本発明の界面活性剤組成物中に含まれる界面活
性剤のポリエチレングリコールの重合度と浸透力の関係
を示すグラフである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 正博 東京都墨田区本所１丁目３番７号 ライオ ン株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記一般式（１）で表わされるα−スル
   ホ脂肪酸モノエステル誘導体（Ａ）と、下記一般式
   （２）で表わされるα−スルホ脂肪酸ジエステル誘導体
   （Ｂ）とを必須成分として含有することを特徴とする浸
   透力に優れる界面活性剤組成物。 【化１】 （式中、Ｒ₁は飽和もしくは不飽和のアルキル基又はア
   ルケニル基、Ｒ₂はアルキレン基又は多価アルコール残
   基、Ｍは水素原子、アルカリ金属原子、一価に相当する
   アルカリ土類金属原子又は置換もしくは未置換のアンモ
   ニウム基を示し、ｎは正の数を示す） 【化２】 （式中、Ｒ₃、Ｒ₄は飽和もしくは不飽和のアルキル基又
   はアルケニル基、Ｒ₅はアルキレン基又は多価アルコー
   ル残基、Ｍは水素原子、アルカリ金属原子、一価に相当
   するアルカリ土類金属原子又は置換もしくは未置換のア
   ンモニウム基を示し、ｎは正の数を示す）
2. 【請求項２】 ｎが１〜５０の数であり、（Ａ）の組成
   比が５〜９５ｗｔ％、（Ｂ）の組成比が５〜９５ｗｔ％
   であることを特徴とする請求項１の界面活性剤組成物。
3. 【請求項３】多価アルコールを含有することを特徴とす
   る請求項１又は２の界面活性剤組成物。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかの界面活性剤組
   成物からなる湿潤剤。
5. 【請求項５】 請求項１〜３のいずれかの界面活性剤組
   成物からなる衣類用洗浄剤。
6. 【請求項６】 請求項１〜３のいずれかの界面活性剤組
   成物からなる硬質表面用、木質表面用、皮革表面用、皮
   膚用及び毛髪用の洗浄剤組成物。