JPH0665461U - 真空脱炭処理用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空脱炭処理用容器内の取鍋スライディング
ノズル駆動用装置を簡単に低温に保って保護する真空脱
炭処理用容器を提供することを目的とする。 【構成】 真空脱炭処理用容器において、ＶＯＤ処理用
容器内の取鍋スライディングノズル駆動装置に対峙した
ＶＯＤ処理用容器外面に水冷却部を設けたことにより、
上記の目的を達成することが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製鋼プロセスの真空脱炭処理工程において、真空脱炭処理用容器内 の取鍋のスライディングノズル駆動用装置を冷却する該真空脱炭処理用容器に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、製鋼プロセスの真空脱炭（以後ＶＯＤという）処理工程において、ＶＯ Ｄ処理容器内は、最高1000℃に達する高温となり、温度分布ではＶＯＤ処理容器 内の下部ほど低温となるが、取鍋中部のスライディングノズル駆動用装置付設部 近辺でも250 ℃位の温度となるため、該スライディングノズル駆動用装置の電動 機のコイルやベアリングまたは油圧パッキングが焼付いたりして耐用性が格段に 落ちてしまう。

【０００３】 このため、取鍋のスライディングノズル駆動用装置を取り外し式とし、ＶＯＤ 処理中は該装置を取り外しておいたり、鍋に該装置のカバーを取り付け、このカ バーを水冷するなどの対策を採用している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

しかしながら、取り外し式のスライディングノズル駆動用装置では、ＶＯＤ処 理前に該駆動用装置を外し、ＶＯＤ処理後に駆動用装置を再度取り付けるという ２工程が必要となり、工数と時間を要し作業能率の低下と処理時間の延長を来し ている。

【０００５】 また、スライディングノズル駆動用装置の水冷式カバーを取鍋に取り付けて該 スライディングノズル駆動用装置を保護する方法は、ＶＯＤ処理後取鍋を取り出 すために、水冷式カバーの水冷ホースの脱着作業が生じ、ホース脱着の際冷却系 統に空気が混入し、冷却能力低下や異常高圧などのトラブルが発生し易く、また 、ＶＯＤ処理用容器外から給水用ホースが配管され機構的に複雑で、かつ取鍋口 の直下に水冷箇所があるため、取鍋口から該水冷箇所に溶鋼が逸出流した場合爆 発の恐れがあるなどの問題がある。

【０００６】 本考案は、上記の問題点を解決した真空脱炭処理用容器を提供することを目的 とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、スライディングノズル駆動用装置を付設した取鍋により真空脱炭処 理を行う真空脱炭処理用容器において、該真空脱炭処理用容器内の取鍋のスライ ディングノズル駆動用装置に対峙した真空脱炭処理用容器外面に水冷却部を設け たことを特徴とする真空脱炭処理用容器である。

【０００８】

【作 用】

本考案によれば、スライディングノズル駆動用装置を付設した取鍋により真空 脱炭処理を行う真空脱炭処理用容器において、ＶＯＤ処理用容器内の取鍋スライ ディングノズル駆動用装置に対峙したＶＯＤ処理用容器外面に水冷却部を設けた ことにより、スライディングノズル駆動用装置の熱エネルギーが水冷部へ輻射に より放熱されるため、該スライディングノズル駆動用装置は低温に保持され保護 される。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１(a) はＶＯＤ処理容器内に取鍋を配置した模式図であり、１は処理される べき溶鋼の入った取鍋、２はＶＯＤ処理容器、３はスライディングノズル、４は スライディングノズルの駆動装置、５は冷却部、６は冷却水供給配管、７は排出 水配管、８は保護板で、矢印９はスライディングノズルの駆動装置４から冷却部 ５に向かっての熱流の方向を示す。

【００１０】 図１(b) はＶＯＤ処理容器２の冷却部５のＡ視図である。 図において、取鍋１がＶＯＤ処理容器内に配置された際、冷却部５は取鍋１に 取り付けたスライディングノズルの駆動装置４の正面に対峙するように設けられ 、かつ冷却部５の面積は駆動装置４の正面占有面積と同等の大きさとし、冷却部 ５は冷却水供給配管６を介して冷却水を供給して排出水を排出水配管７を介して 排出する水冷構造となっており、操業中冷却部５はその表面温度を40℃以下に保 つように冷却水量を制御して冷却される。

【００１１】 操業中駆動装置４は雰囲気から対流伝達により加熱され高温になろうとするが 、一方、水冷部５へ輻射により放熱されるため結果的に100 ℃以下となる。 また輻射による放熱がされない駆動装置４の取鍋１側部（駆動装置４の裏側部 ）は、駆動装置４内部の熱伝導により、表側に熱が伝導され低温（100 ℃以下) に保持され、充分に駆動装置４を保護することが可能となる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の真空脱炭処理用容器を使用することにより、スライディングノズルの 駆動用装置に付属冷却装置を設けなくとも簡単に該駆動用装置が冷却され、ＶＯ Ｄ処理に際し安全かつ迅速にＶＯＤ処理が行え、しかも操業者の省力も図ること が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) はＶＯＤ処理容器内に取鍋を配置した模式
図である。(b) は(a) 図におけるＶＯＤ処理容器２の冷
却部５のＡ矢視図である。

【符号の説明】

１ 取鍋 ２ ＶＯＤ処理容器 ３ スライディングノズル ４ スライディングノズルの駆動装置 ５ 冷却部 ６ 冷却水供給配管 ７ 排出水配管 ８ 保護板 ９ 熱流の方向の矢印

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スライディングノズル駆動用装置を付設
   した取鍋により真空脱炭処理を行う真空脱炭処理用容器
   において、該真空脱炭処理用容器内の取鍋のスライディ
   ングノズル駆動用装置に対峙した真空脱炭処理用容器外
   面に水冷却部を設けたことを特徴とする真空脱炭処理用
   容器。