JPH0665409B2 - 形状記憶合金棒・線材の製造方法 - Google Patents

形状記憶合金棒・線材の製造方法

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JPH0665409B2
JPH0665409B2 JP59139565A JP13956584A JPH0665409B2 JP H0665409 B2 JPH0665409 B2 JP H0665409B2 JP 59139565 A JP59139565 A JP 59139565A JP 13956584 A JP13956584 A JP 13956584A JP H0665409 B2 JPH0665409 B2 JP H0665409B2
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memory alloy
wire
rod
alloy
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孝純 清水
保 西中川
重信 関谷
博 橋本
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は形状記憶合金、特にNi-Ti系合金の棒・線材を
製造する方法に関するものである。
このような形状記憶合金の棒・線材は、一般に次の工程
によって製造される。
1.二種以上の所定の金属を所定の比率で混合して溶解
し鋳塊を得る工程1. 2.該鋳塊を700〜900℃に加熱して鋳造および圧
延を行い(熱間加工)素棒・線材を得る工程2. 3.該素棒・線材の冷間引抜き加工によって棒・線材を
得る工程3. しかしながら上記工程3の冷間引抜き加工においては形
状記憶合金材料は加工性が悪く10〜20%減面加工した時
点で中間焼鈍を行い再び冷間引抜き加工を行う方法がと
られており、したがって加工コストが大巾に増加して形
状記憶合金棒・線材を安価に提供することが出来ない。
このような形状記憶合金材料の冷間加工性の悪さは加工
硬化の大きいこと、加工時の変形抵抗が大きいことが主
因をなすと考えられる。形状記憶合金の形状記憶効果は
例えばNi-Ti系合金の場合逆マルチテンサイト変態によ
って生ずることは周知である。そしてオーステナイト相
よりもマルテンサイト相の方が柔かく加工し易いので材
料を臨界温度以下に冷却してマルテンサイト相の領域で
冷間加工する方法が提案されている(特公昭44−95
68号公報)。しかしこの方法によっても限界加工率即
ち減面率は高々25%程度であり充分な加工性が得られ
るとは言えない。
本発明は上記従来の問題点を解消して形状記憶合金を能
率よく、しかも容易に加工することを目的とし、上記工
程3において素棒・線材を600〜1000℃に加熱し
て引抜き加工を行うことを骨子とするものである。
即ち本発明者等は上記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、形状記憶合金、特にNi-Ti系合金について
の高速引張り試験において破断時の絞り値(減面率)と
温度との関係を求めると600〜1000℃の温度範囲
で該絞り値が一定以上になることを見出し本発明を完成
した。
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明の対象とする形状記憶合金とは主としてNi-Ti合
金、あるいは該Ni-Ti合金に更にCu,A,Zr,Co,Cr,Ta,
V,Mo,Nb,Pd,Pt,Mn,Fe等の第三成分の一種もしくは二種
以上を添加したNi-Ti系合金であるが、更にAu-Cd合金、
Ag-Cd合金,Au-Ag-Cd合金,Cu-A−Ni合金、Cu-Zn合
金等すべての種類の形状記憶合金を含むものである。
本発明は上記形状記憶合金からなる素棒・線材を600
〜1000℃に加熱して引抜き加工を行うことを骨子と
するものである。そして該素棒・線材は通常上記形状記
憶合金の成分となるべき二種以上の所定の金属を所定の
比率で混合して溶解し鋳塊を得たる後、該鋳塊を熱間加
工することによって得られる。上記鋳塊製造工程におい
ては金属の溶解に通常高周波誘導加熱が適用される。更
に該鋳塊より素棒・線材を得るには該鋳塊を700〜9
00℃に加熱して鍛造を行い、更に700〜900℃に
加熱して圧延を行い、このような熱間加工によって素棒
・線材を得、該素棒・線材を600〜1000℃に加熱
して引抜き加工を行い棒・線材を得る。引抜き加工を行
うにはスウェージング,ローラーダイス,マイクロミ
ル,固定ダイス等を用いる。またNi-Ti系合金ではTiが4
5重量%前後含まれるから800℃以上を越えると酸化
のおそれがある。したがってTi-Ni系合金の場合は60
0〜800℃の温度範囲を適用することが望ましい。上
記温度範囲における加熱によって形状記憶合金材料は引
抜き加工の間に生ずる歪が除去されるから中間焼鈍する
ことなくして98%以上の減面率まで加工が可能にな
る。
上記本発明において素棒・線材の表面に潤滑剤を塗布す
ると特に固定ダイスを用いる引抜き加工では好結果が得
られる。上記潤滑剤としては植物油,鉱物油,高級脂肪
酸塩,パラフィン,ワックス等があるが、上記温度範囲
で溶融して材料表面に良好な密着性を有する被膜を形成
するものが望ましく、このような潤滑剤を例示すればビ
ーズワックス,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸
ナトリウム,オレイン酸カルシウム,オレイン酸ナトリ
ウム,リン酸ナトリウム等である。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例につ
いて述べる。
実施例 工程1. Ni:Ti=44:56重量比の混合金属粉を高周波誘導炉
で溶解して3kgのNi-Ti合金鋳塊を得る。
工程2. 該鋳塊を900℃に加熱して30mmφの棒状に鍛造し、
更に900℃に加熱して圧延を行い8mmφの素棒・線材
を得る。
工程3. 該素棒・線材を長さ2mの環状炉に通じて600℃に加
熱し、次いでステアリン酸カルシウム粉末を該素棒・線
材表面に塗布した後固定ダイスによって中間焼鈍するこ
となくして引抜き加工を行い1.2mmφの棒・線剤を得
る。
該引抜き加工は円滑に行われ、引き切れ等の不具合は皆
無であった。
比較例 実施例において工程2によって得られた8mmφの素棒・
線材の表面に黒鉛を塗布した後固定ダイスによって冷間
で引抜き加工を行う。
この方法では減面率が15%を越えると引き切れを生ず
るから減面率15%加工の時点で800℃の焼鈍を行い、
その後更に引抜き加工を行って1.2mmφの棒・線材を得
た。
本比較例の工程では焼鈍を10回以上行うことになり、
実施例の工程に比してはるかに長い工程となっている。
試験 実施例の棒・線材と比較例の棒・線材との機械的性質を
第1表に示す。
第1表によれば実施例の棒・線材の伸びは比較例に比し
てはるかに大きくなっている。したがって本発明の方法
によれば冷間加工性が容易になり製造工程が著しく短縮
されるのみならず得られる棒・線材の機械的性質も大巾
に改良される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状記憶合金からなる素棒・線材を600
    〜1000℃に加熱して引抜き加工を行うことを特徴と
    する形状記憶合金棒・線材の製造方法
  2. 【請求項2】形状記憶合金からなる素棒・線材の表面に
    潤滑油を塗布するとともに600〜1000℃に加熱し
    て引抜き加工を行うことを特徴とする形状記憶合金棒・
    線材の製造方法
JP59139565A 1984-07-05 1984-07-05 形状記憶合金棒・線材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0665409B2 (ja)

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