JPH0665297B2 - 新規細胞株 - Google Patents
新規細胞株Info
- Publication number
- JPH0665297B2 JPH0665297B2 JP60246670A JP24667085A JPH0665297B2 JP H0665297 B2 JPH0665297 B2 JP H0665297B2 JP 60246670 A JP60246670 A JP 60246670A JP 24667085 A JP24667085 A JP 24667085A JP H0665297 B2 JPH0665297 B2 JP H0665297B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cell line
- cells
- human
- bone morphogenetic
- osteosarcoma
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規細胞株に関する。
従来の技術 骨形成を誘導する物質の一つである骨形成因子(以下B
MPと略記することがある)は、未分化な間葉系細胞に
細胞外から作用してその細胞を軟骨細胞や骨芽細胞へと
誘導する作用をもつ[ジャーナル・オブ・デンタル・リ
サーチ(J.Dent.Res.)50:1392(1971)]。このような因
子が骨組織に存在することは古くから推測されており、
たとうばディフユージョン・チャンバーに封入され、マ
ウス筋膜下に移植されたマウス頭蓋骨が異所性骨形成を
誘導することが知られていた[サイエンス(Science)13
3:2065(1965)]。さらに同様の骨誘導物質がある種の
骨肉腫、例えばマウスDunn骨肉腫からも産生されている
ことが見い出された[ジャーナル・オブ・ボーン・アン
ド・ジョイント・サージェリー(J.Bone&Joint Surg.)5
0:311(1968)]。これらの実験事実は骨形成因子が骨疾
患治療剤として用いられる可能性を示すものである。
MPと略記することがある)は、未分化な間葉系細胞に
細胞外から作用してその細胞を軟骨細胞や骨芽細胞へと
誘導する作用をもつ[ジャーナル・オブ・デンタル・リ
サーチ(J.Dent.Res.)50:1392(1971)]。このような因
子が骨組織に存在することは古くから推測されており、
たとうばディフユージョン・チャンバーに封入され、マ
ウス筋膜下に移植されたマウス頭蓋骨が異所性骨形成を
誘導することが知られていた[サイエンス(Science)13
3:2065(1965)]。さらに同様の骨誘導物質がある種の
骨肉腫、例えばマウスDunn骨肉腫からも産生されている
ことが見い出された[ジャーナル・オブ・ボーン・アン
ド・ジョイント・サージェリー(J.Bone&Joint Surg.)5
0:311(1968)]。これらの実験事実は骨形成因子が骨疾
患治療剤として用いられる可能性を示すものである。
しかし骨形成因子の分離精製は、現在、塩酸で脱灰した
骨基質を材料に進められている[クリニカル・オルソペ
ディックス・アンド・リレーテッド・リサーチ(Clin.Or
thop.Rel.Res.)171:213(1982)]ものの未だ精製には至
っておらず製造法も確立していない。その最大の原因は
骨形成因子を豊富に含む材料、特にヒト材料が十分得ら
れないことにある。
骨基質を材料に進められている[クリニカル・オルソペ
ディックス・アンド・リレーテッド・リサーチ(Clin.Or
thop.Rel.Res.)171:213(1982)]ものの未だ精製には至
っておらず製造法も確立していない。その最大の原因は
骨形成因子を豊富に含む材料、特にヒト材料が十分得ら
れないことにある。
発明が解決しようとする問題点 骨形成因子は各種疾患の治療など臨床上非常に有効であ
ると考えられるが、前記のとおり骨形成因子を含む材料
を得るのが難しく精製もなされていない。本発明はヒト
骨形成因子の大量生産の途を開く、ヒト骨肉腫由来の新
しい細胞株を得、クローニングすることにより骨形成因
子産生細胞株を樹立し、この細胞株を用いた骨形成因子
の製造法を提供することにある。
ると考えられるが、前記のとおり骨形成因子を含む材料
を得るのが難しく精製もなされていない。本発明はヒト
骨形成因子の大量生産の途を開く、ヒト骨肉腫由来の新
しい細胞株を得、クローニングすることにより骨形成因
子産生細胞株を樹立し、この細胞株を用いた骨形成因子
の製造法を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明は、ヒト骨形成因子を産生する樹立されたヒト骨
肉腫由来の細胞株,および該細胞株を培養培地中または
哺乳動物の生体内で増殖させ、ヒト骨形成因子を生成,
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするヒト骨形
成因子の製造法を提供するものである。
肉腫由来の細胞株,および該細胞株を培養培地中または
哺乳動物の生体内で増殖させ、ヒト骨形成因子を生成,
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするヒト骨形
成因子の製造法を提供するものである。
上記ヒト骨肉腫としては少くとも骨形成因子を産生する
腫瘍ならいかなるものでもよく、たとえば骨肉腫患者の
切除部位、とりわけ切断肢から有利に取得できる。また
所望により、上記ヒト骨肉腫をマウス等で移植,維持し
たヒト骨肉腫として用いてもよい。これらの腫瘍から細
胞株を得るには、たとえば (イ)腫瘍を細切し、 (ロ)該細切片を適当なプロテアーゼ、例えばトリプシ
ン、コラゲナーゼで処理して腫瘍を形成している細胞を
1個ずつに分離し、 (ハ)動物細胞培養用培地など適当な培地を用いて培養
を続け、 (ニ)6ケ月以上に渡り数十代以上培養を続けて細胞株
とした後、リミテッドダイリーション法(限界希釈法)
など公知の方法でクローニングすることにより得られ
る。
腫瘍ならいかなるものでもよく、たとえば骨肉腫患者の
切除部位、とりわけ切断肢から有利に取得できる。また
所望により、上記ヒト骨肉腫をマウス等で移植,維持し
たヒト骨肉腫として用いてもよい。これらの腫瘍から細
胞株を得るには、たとえば (イ)腫瘍を細切し、 (ロ)該細切片を適当なプロテアーゼ、例えばトリプシ
ン、コラゲナーゼで処理して腫瘍を形成している細胞を
1個ずつに分離し、 (ハ)動物細胞培養用培地など適当な培地を用いて培養
を続け、 (ニ)6ケ月以上に渡り数十代以上培養を続けて細胞株
とした後、リミテッドダイリーション法(限界希釈法)
など公知の方法でクローニングすることにより得られ
る。
上記で得られる本発明のクローン化された細胞株は、多
量にヒト骨形成因子を産生し、すぐれた増殖性を有し、
ヒト染色体を維持し、また高いアルカリフォスファター
ゼ活性を示す。
量にヒト骨形成因子を産生し、すぐれた増殖性を有し、
ヒト染色体を維持し、また高いアルカリフォスファター
ゼ活性を示す。
従って、本発明の細胞株は、骨肉腫そのものや単にそれ
を動物で継代移植して得た骨肉腫などに比べ、安定に、
高純度にまた効率よくヒト骨形成因子を産生する。
を動物で継代移植して得た骨肉腫などに比べ、安定に、
高純度にまた効率よくヒト骨形成因子を産生する。
本発明の細胞株を用いてヒト骨形成因子を製造するにあ
たっては、該細胞を培養培地中または哺乳動物の生体内
で増殖させる。
たっては、該細胞を培養培地中または哺乳動物の生体内
で増殖させる。
培養培地で増殖させる場合は、組織培養等に用いる固体
培地または動物細胞培養培地等の液体培地を用いて培養
する。液体培地による培養は、自体公知の動物細胞用培
地、たとえば5〜20%の胎児牛血清を含むRMI1640
培地あるいはMEM培地中、30〜40℃で1日−10
日間行う。
培地または動物細胞培養培地等の液体培地を用いて培養
する。液体培地による培養は、自体公知の動物細胞用培
地、たとえば5〜20%の胎児牛血清を含むRMI1640
培地あるいはMEM培地中、30〜40℃で1日−10
日間行う。
哺乳動物の生体内での増殖は、好ましくは純系ヌードマ
ウス,ヌードラットなど抗体非産生哺乳動物の、例えば
皮下に接種して腫瘍をつくらせることにより行う。なお
一旦生じた腫瘍は、継代移植することができる。
ウス,ヌードラットなど抗体非産生哺乳動物の、例えば
皮下に接種して腫瘍をつくらせることにより行う。なお
一旦生じた腫瘍は、継代移植することができる。
また本発明の細胞株あるいは細胞株由来の腫瘍はヒト骨
形成因子以外の種々の因子、例えば細胞増殖因子、細胞
分化に関与する因子、を産生している場合があり、必要
に応じこれらの因子の製造にも使用することが出来る。
形成因子以外の種々の因子、例えば細胞増殖因子、細胞
分化に関与する因子、を産生している場合があり、必要
に応じこれらの因子の製造にも使用することが出来る。
培養物中あるいは腫瘍中に生成蓄積した因子は、細胞を
破砕した後、自体公知の分離精製法を適切に組合わせて
分離精製することができる。
破砕した後、自体公知の分離精製法を適切に組合わせて
分離精製することができる。
これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱
法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、
ゲルろ過法およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方
法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親
和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィー
などの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法な
どの等電点の差を利用する方法などが挙げられる。
法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、
ゲルろ過法およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方
法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親
和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィー
などの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法な
どの等電点の差を利用する方法などが挙げられる。
ここで得られる骨形成因子含有溶液は所望によりこれを
凍結乾燥により粉末とすることができる。凍結乾燥に際
しては、ソルビトール、マンニトール、デキストロー
ス、マルトース、グリセロール、ヒト血清アルブミンな
どの安定剤を加えることができる。
凍結乾燥により粉末とすることができる。凍結乾燥に際
しては、ソルビトール、マンニトール、デキストロー
ス、マルトース、グリセロール、ヒト血清アルブミンな
どの安定剤を加えることができる。
本発明の骨肉腫由来細胞株を使用するヒト骨形成因子の
製造法によれば、グリコシル化ヒト骨形成因子を容易に
大量に製造することができる。この場合、遺伝子組み換
え技術により大腸菌などで生産される蛋白質に比し、グ
リコシル化されている蛋白質は安定で水に対する溶解度
が高く、有利に精製され有利に利用できる。
製造法によれば、グリコシル化ヒト骨形成因子を容易に
大量に製造することができる。この場合、遺伝子組み換
え技術により大腸菌などで生産される蛋白質に比し、グ
リコシル化されている蛋白質は安定で水に対する溶解度
が高く、有利に精製され有利に利用できる。
本発明の製造方法により得られる骨形成因子は15000〜3
0000の範囲の分子量を有する。
0000の範囲の分子量を有する。
骨形成因子の活性は異所性に骨形成を引きおこす反応で
検定したものである。これはこの因子の疎水性によるも
のである。すなわち活性を検定すべき標品を筋肉内に移
植すると、骨形成因子が存在する場合因子はそこに止ま
りその局所で作用する。標品は通常凍結乾燥してマウス
の背部筋肉に移植し、3週間後に骨化の有無を検査し
た。
検定したものである。これはこの因子の疎水性によるも
のである。すなわち活性を検定すべき標品を筋肉内に移
植すると、骨形成因子が存在する場合因子はそこに止ま
りその局所で作用する。標品は通常凍結乾燥してマウス
の背部筋肉に移植し、3週間後に骨化の有無を検査し
た。
本発明により製造されるヒト骨形成因子はクリニカル・
オルソペディックス・リレーテッド・リサーチ(Clin.Or
thop.Rel.Res.)154:291(1981)などに記載された物質と
同様の生理活性を有し、骨粗鬆症など骨代謝異常疾患の
治療、骨折の治癒促進、虫歯など歯科疾患の治療、ある
いは生体移植材料、特に骨誘導能をもつ生体材料の開発
に利用できる。
オルソペディックス・リレーテッド・リサーチ(Clin.Or
thop.Rel.Res.)154:291(1981)などに記載された物質と
同様の生理活性を有し、骨粗鬆症など骨代謝異常疾患の
治療、骨折の治癒促進、虫歯など歯科疾患の治療、ある
いは生体移植材料、特に骨誘導能をもつ生体材料の開発
に利用できる。
作用および実施例 以下の実施例により、本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお実施例に開示する細胞株は、財団法人発酵研究所(I
nstitute for Fermentation,Osaka,IFO)に下記の寄託番
号により寄託されている。
nstitute for Fermentation,Osaka,IFO)に下記の寄託番
号により寄託されている。
ヒトH-OS-Osaka−3細胞:IFO−50064 ヒトH-OS-Osaka−15細胞:IFO−50065 実施例1 ヒト骨肉腫の採取と細胞培養 骨肉腫患者の切断肢から無菌的操作で骨肉腫組織片(1
グラム)を採取した。これを約2×2×2mmの細片と
し、これをBalb/C nu/nuマウス皮下に移植した。2ケ月
後に移植部に増生した腫瘍を採取し、再度細片化して、
同系のマウスに継代移植した。この操作で4年以上骨肉
腫を維持した。4年後にその骨肉腫の一部を無菌的に採
取し、細片化したのち、コラゲナーゼ溶液(0.2%)に
浮遊させて、約1時間37℃に保温し、かく拌して細胞を
遊離させた。これを遠心分離(500×G)し、RPMI−19
40培地(牛胎児血清20%を含む)に再度浮遊させ、これ
をファルコン社製組織培養用ディシュに入れ、37℃で培
養した。7〜10日で単層に増殖した細胞をトリプシン
液(0.02%)で培養皿からはがしサブカルチャーを行っ
た。
グラム)を採取した。これを約2×2×2mmの細片と
し、これをBalb/C nu/nuマウス皮下に移植した。2ケ月
後に移植部に増生した腫瘍を採取し、再度細片化して、
同系のマウスに継代移植した。この操作で4年以上骨肉
腫を維持した。4年後にその骨肉腫の一部を無菌的に採
取し、細片化したのち、コラゲナーゼ溶液(0.2%)に
浮遊させて、約1時間37℃に保温し、かく拌して細胞を
遊離させた。これを遠心分離(500×G)し、RPMI−19
40培地(牛胎児血清20%を含む)に再度浮遊させ、これ
をファルコン社製組織培養用ディシュに入れ、37℃で培
養した。7〜10日で単層に増殖した細胞をトリプシン
液(0.02%)で培養皿からはがしサブカルチャーを行っ
た。
実施例2 細胞株の樹立とクローニング 実施例1で得たヒト骨肉腫由来細胞を20%牛胎児血清
を含むRPMI−1640培地で4〜7日に一度継代して1
2ケ月以上培養した後、リミテッド ダイリューション
法により細胞のクローニングをおこなった。その結果2
1個のクローン(ヒトH-OS-Osaka1〜−21)を得た。
を含むRPMI−1640培地で4〜7日に一度継代して1
2ケ月以上培養した後、リミテッド ダイリューション
法により細胞のクローニングをおこなった。その結果2
1個のクローン(ヒトH-OS-Osaka1〜−21)を得た。
実施例3 本発明のヒト細胞株の性質 (1)増殖性 実施例2で得たヒト骨肉腫由来細胞株ヒトH-OS-Osaka-3
について、経時的に細胞数を測定した。直径3.5cmのフ
ァルコンディッシュに3×105個の細胞株をシードし、
20%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地2mlで37
℃CO2インキュベーターで培養した。培養開始後一日
目より毎日細胞数を測定した(第1図)。
について、経時的に細胞数を測定した。直径3.5cmのフ
ァルコンディッシュに3×105個の細胞株をシードし、
20%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地2mlで37
℃CO2インキュベーターで培養した。培養開始後一日
目より毎日細胞数を測定した(第1図)。
その結果、細胞の倍加時間は41〜48時間であった。
(2)染色体 実施例2で得たクローン(ヒトH-OS-Osaka−1〜−2
1)を培養中の培養液それぞれに最終濃度0.2μg/mlの
コルヒチンを添加し、37℃で1時間静置した後、細胞
を0.25%のトリプシンで分散した。次に0.075M KClで室
温15分間の低張液処理を施し、その後酢酸1:エタノ
ール3のカルノイ(Carnoy)氏液で固定した。染色体標本
は、通常の空気乾燥法により作製し、3%ギムザ液で染
色して顕微鏡観察した。その結果、染色体数はいずれの
細胞株においても200以上のモードを示した。また染色
体の形態あるいは構成もほぼ共通しており、どのクロー
ンもヒト由来と判断された。
1)を培養中の培養液それぞれに最終濃度0.2μg/mlの
コルヒチンを添加し、37℃で1時間静置した後、細胞
を0.25%のトリプシンで分散した。次に0.075M KClで室
温15分間の低張液処理を施し、その後酢酸1:エタノ
ール3のカルノイ(Carnoy)氏液で固定した。染色体標本
は、通常の空気乾燥法により作製し、3%ギムザ液で染
色して顕微鏡観察した。その結果、染色体数はいずれの
細胞株においても200以上のモードを示した。また染色
体の形態あるいは構成もほぼ共通しており、どのクロー
ンもヒト由来と判断された。
(3)アルカリフォスファターゼ活性 実施例2で得たヒト骨肉腫由来細胞株それぞれについ
て、アルカリフォスファターゼ活性を測定した。直径1
0cmのファルコンディッシュに細胞をシードし、20%
牛胎児血清を含むRPMI−1640培地15mlで37℃C
O2インキュベーターで細胞が一面に広がるまで培養し
た後ポリスマンで細胞を剥がして1mlの、リン酸緩衝液
(ダルベッコの組成)に懸濁した。懸濁液中の全細胞数
をコールターカウンターで算出した後、細胞を氷冷しな
がら超音波で10秒間破砕した。この懸濁液のアルカリ
フォスファターゼ活性を“アルカリ性ホスファターゼ測
定用試薬S(ALP−S),ヤトロン社製”を用いて測
定した。活性値と細胞数をもとに各細胞株の細胞104
個当りの活性値を算出しこれを株固有の活性値とした
(第1表)。
て、アルカリフォスファターゼ活性を測定した。直径1
0cmのファルコンディッシュに細胞をシードし、20%
牛胎児血清を含むRPMI−1640培地15mlで37℃C
O2インキュベーターで細胞が一面に広がるまで培養し
た後ポリスマンで細胞を剥がして1mlの、リン酸緩衝液
(ダルベッコの組成)に懸濁した。懸濁液中の全細胞数
をコールターカウンターで算出した後、細胞を氷冷しな
がら超音波で10秒間破砕した。この懸濁液のアルカリ
フォスファターゼ活性を“アルカリ性ホスファターゼ測
定用試薬S(ALP−S),ヤトロン社製”を用いて測
定した。活性値と細胞数をもとに各細胞株の細胞104
個当りの活性値を算出しこれを株固有の活性値とした
(第1表)。
(4)腫瘍原性 ファルコンディッシュでふやした各クローンをトリプシ
ン−EDTA処理ではがし、RPMI−1640培地に5×
107細胞/mlになるように浮遊させ、ヌードマウスの
皮下にその0.2ml(1×107細胞)を接種した。移植
局所に生じた腫瘍の判定は通常2ケ月後に行った(第1
表)。
ン−EDTA処理ではがし、RPMI−1640培地に5×
107細胞/mlになるように浮遊させ、ヌードマウスの
皮下にその0.2ml(1×107細胞)を接種した。移植
局所に生じた腫瘍の判定は通常2ケ月後に行った(第1
表)。
実施例4ヒト骨形成因子の製造 (1)細胞株由来脱脂乾燥粉末の製造 実施例2で得た細胞株の各クローンをファルコンシャー
レ(直径9cm)5枚に20%牛胎児血清を含むRPMI
−1640培地を用いてまき37℃で培養した。細胞がコン
フルエントになった時、ポリスマンで細胞をかき取り、
10mlのリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した。遠心(150
0rpm5分間)により、細胞を集めた後、−20℃のアセ
トン10mlに懸濁した。遠心後さらに、蒸留水でこの細
胞を洗い、ドライアイス−エタノールバスに30分間置
いてフリーズさせた後、凍結乾燥した。
レ(直径9cm)5枚に20%牛胎児血清を含むRPMI
−1640培地を用いてまき37℃で培養した。細胞がコン
フルエントになった時、ポリスマンで細胞をかき取り、
10mlのリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した。遠心(150
0rpm5分間)により、細胞を集めた後、−20℃のアセ
トン10mlに懸濁した。遠心後さらに、蒸留水でこの細
胞を洗い、ドライアイス−エタノールバスに30分間置
いてフリーズさせた後、凍結乾燥した。
(2)腫瘍由来脱脂乾燥粉末の製造 1×107個/0.2mlの培地に懸濁したヒトH-OS-Osaka
−3細胞株をヌードマウス1匹当り0.2mlづつ皮下に接
種して40〜60日で腫瘍化させた。腫瘍化したヒト骨肉腫
由来の細胞株を外科的に摘出して−70℃で冷凍保存し
た。湿重量約50grの腫瘍に対し解凍後、冷蒸留水50
mlを加え、ホモゲナイザーで破砕した後、2〜3000gで
15分間遠心した。上澄は捨て、水不溶の沈査に−20
℃のアセトンを40ml加え、よく攪拌し、これを2〜30
00gで3分間遠沈し、上澄を捨てた。このアセトン処理
を3回繰り返した後、−20℃のジエチルエーテル40
mlを加えて同様に処理した。沈査を15分程度エバポレ
ーターにかけてアセトンとエーテルを揮発させてできる
粉末を脱脂乾燥粉末とした。その重量は湿重量の7〜8
%であった。
−3細胞株をヌードマウス1匹当り0.2mlづつ皮下に接
種して40〜60日で腫瘍化させた。腫瘍化したヒト骨肉腫
由来の細胞株を外科的に摘出して−70℃で冷凍保存し
た。湿重量約50grの腫瘍に対し解凍後、冷蒸留水50
mlを加え、ホモゲナイザーで破砕した後、2〜3000gで
15分間遠心した。上澄は捨て、水不溶の沈査に−20
℃のアセトンを40ml加え、よく攪拌し、これを2〜30
00gで3分間遠沈し、上澄を捨てた。このアセトン処理
を3回繰り返した後、−20℃のジエチルエーテル40
mlを加えて同様に処理した。沈査を15分程度エバポレ
ーターにかけてアセトンとエーテルを揮発させてできる
粉末を脱脂乾燥粉末とした。その重量は湿重量の7〜8
%であった。
(3)骨形成因子活性の測定 培養細胞各クローン又は腫瘍から得た脱脂乾燥粉末をペ
レット状にし、これをICR系の4週齢の雄性ヌードマ
ウスの背部筋膜下に無菌的に移植した。3週間後に移植
片を取り出し、その軟X線写真を撮影し、X線像を顕微
鏡で3〜5倍に拡大して観察し、骨が形成されているも
のを陽性とした。培養細胞各クローンの活性は第1表に
示した通りである。
レット状にし、これをICR系の4週齢の雄性ヌードマ
ウスの背部筋膜下に無菌的に移植した。3週間後に移植
片を取り出し、その軟X線写真を撮影し、X線像を顕微
鏡で3〜5倍に拡大して観察し、骨が形成されているも
のを陽性とした。培養細胞各クローンの活性は第1表に
示した通りである。
発明の効果 本発明の細胞株は、ヒト骨形成因子を安定に効率よく産
生する。従って該細胞株により大量にヒト骨形成因子を
製造することができる。
生する。従って該細胞株により大量にヒト骨形成因子を
製造することができる。
第1図は、該細胞株の増殖曲線である。 実施例3(1)の方法で細胞を培養し、さらに2日毎に培
地を新しいものに置き換えて、毎日細胞数を数えて10
日間培養を続けた結果を示す。
地を新しいものに置き換えて、毎日細胞数を数えて10
日間培養を続けた結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/00 C12R 1:91) (72)発明者 妹尾 昌治 大阪府吹田市津雲台5丁目18番D73―106 号
Claims (1)
- 【請求項1】ヒト骨形成因子を産生する樹立された骨肉
腫由来の細胞株IFO−50064又はIFO−500
65又はそれらの変異株。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60246670A JPH0665297B2 (ja) | 1985-11-01 | 1985-11-01 | 新規細胞株 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60246670A JPH0665297B2 (ja) | 1985-11-01 | 1985-11-01 | 新規細胞株 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62107783A JPS62107783A (ja) | 1987-05-19 |
JPH0665297B2 true JPH0665297B2 (ja) | 1994-08-24 |
Family
ID=17151866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60246670A Expired - Lifetime JPH0665297B2 (ja) | 1985-11-01 | 1985-11-01 | 新規細胞株 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0665297B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7361360B2 (en) | 2005-07-27 | 2008-04-22 | Lipid Sciences, Inc. | Method of treating cancer cells to create a modified cancer cell that provokes an immunogenic response |
-
1985
- 1985-11-01 JP JP60246670A patent/JPH0665297B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62107783A (ja) | 1987-05-19 |
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