JPH0665117U - リヤウインドウ用エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】乗員がリヤウインドウ３を突き破って車外に放
り出される事を確実に防止し、しかもこの乗員が鞭打ち
症等を負う事も防止する。 【構成】後部座席４部分に加わる加速度を検出するセン
サ７が車体の後ろ向きの加速度を検出した場合に制御器
８が起動信号を出す。起動信号に基づいてリヤウインド
ウ３の前側に設けたエアバッグ５が、上記後部座席４の
背後部分から上記リヤウインドウ３に向け、後方に膨ら
む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案に係るリヤウインドウ用エアバッグ装置は、交通事故の際、乗員がリ ヤウインドウを突き破って車外に放り出されるのを防止するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば自動車が他の自動車に勢い良く追突された場合、慣性力に基づいて、車 体に対し乗員を後方に移動させようとする、大きな力が加わる。又、高速走行時 に勢い良くスピンした場合、回転中心よりも後方に存在する後部座席の乗員には 、遠心力に基づいて、やはり車体に対して後方に移動させようとする大きな力が 加わる。この様な大きな力に基づき、シートベルトを着用していない乗員が、リ ヤウインドウを突き破って車外に放り出される事故の存在が、近年報告されてい る。

【０００３】 通常時に於ける後方視界を確保しつつ、事故発生時に乗員がリヤウインドウを 突き破る事を防止する為には、リヤウインドウと座席との間にエアバッグを設け 、事故発生時にこのエアバッグを膨らませて、乗員の体を受け止める事が考えら れる。

【０００４】 追突事故の際、リヤウインドウの前側でエアバッグ膨らませるリヤウインドウ 用エアバッグ装置として、実開昭６４−７０５３号公報には、図２〜３に示す様 な装置が記載されている。このリヤウインドウ用エアバッグ装置は、追突に基づ く衝撃を検出するセンサ１、２と、リヤウインドウ３と後部座席４との間に設け られたエアバッグ５とを備えている。

【０００５】 上記センサ１、２が大きな衝撃を検知した場合には、エアバッグ５に付属のイ ンフレータ６が、瞬時に高圧のガスを発生し、通常時は図２に示す様に小さく折 り畳まれているエアバッグ５を、図３に示す様に膨らませる。この結果、後部座 席４に座っている乗員がリヤウインドウ３に迄達する事はなくなり、この乗員が 車外に放り出される事が防止される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、図２〜３に示した従来構造の場合、追突事故の際にエアバッグ５が 、リヤウインドウ３から後部座席４の上方に向け、勢い良く膨らむ。この結果、 このエアバッグ５が、後部座席４に座っている乗員の頭部を勢い良く押し、この 乗員が鞭打ち症等の損傷を受ける可能性がある。

【０００７】 本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置は、上述の様な事情に鑑み、勢い良 く膨らむエアバッグにより、乗員が負傷するのを防止するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置は、リヤウインドウの直前に設けら れた座席部分に加わる加速度を検出するセンサと、このセンサが車体の後ろ向き の加速度を検出した場合に起動信号を出す制御器と、この起動信号に基づいてリ ヤウインドウの前側部分で膨らむエアバッグとを備えている。

【０００９】 特に、本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置に於いては、上記エアバッグ は上記起動信号に基づき、上記座席の背後部分から上記リヤウインドウに向け、 後方に膨らむ事を特徴としている。

【００１０】

【作用】

上述の様に構成される本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置の場合、リヤ ウインドウの直前に設けられた座席部分に車体の後ろ向きの加速度が加わると、 リヤウインドウの前側部分でエアバッグが膨らみ、上記座席に座った乗員がリヤ ウインドウを突き破って車外に放り出されるのを防止する。

【００１１】 特に、本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置の場合、上記エアバッグは後 方に膨らむから、このエアバッグが膨らむ過程で、上記座席に座った乗員の頭部 を勢い良く押す事がない。従って、エアバッグが膨らむ事に起因して、この乗員 が鞭打ち症等の損傷を負う事がなくなる。

【００１２】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示している。リヤウインドウ３の直前に設けられた後 部座席４の直下には、この後部座席４に加わる加速度を検出するセンサ７を設け ている。このセンサ７の検出信号は制御器８に入力しており、この制御器８は、 上記センサ７が車体の後ろ向き（図１の右向き）の加速度を検出した場合に起動 信号を出す。

【００１３】 上記後部座席４を構成する背もたれの上端部に設けたヘッドレスト９には、イ ンフレータ６を付属させたエアバッグ５を設けている。このインフレータ６は、 上記制御器８からの起動信号に基づいて発火し、高圧のガスを上記エアバッグ５ に吹き込んで、このエアバッグ５を勢い良く膨らませる。

【００１４】 上記ヘッドレスト９の後面には、適当な蓋体により塞がれた開口部が設けられ ている。インフレータ６の発火時に上記エアバッグ５は、上記蓋体を開いて（或 は破って）から、図１に示す様に、上記リヤウインドウ３に向けて後方に膨らむ 。

【００１５】 上述の様に構成される本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置の場合、追突 事故、或はスピン等に伴なって後部座席４部分に車体の後ろ向きの加速度が加わ ると、この加速度を検知したセンサ７が制御器８に信号を送り、この制御器がイ ンフレータ６に向けて起動信号を出す。この起動信号に基づいて上記インフレー タ６が発火し、上記エアバッグ５がリヤウインドウ３の前側部分で膨らむ。この 結果、上記後部座席４に座った乗員が、リヤウインドウ３を突き破って車外に放 り出される事が防止される。

【００１６】 上記エアバッグ５はヘッドレスト９の後背面からリヤウインドウ３に向け、後 方に膨らむから、このエアバッグ５が膨らむ過程で、上記後部座席４に座った乗 員の頭部を勢い良く押す事がない。従って、エアバッグ５が膨らむ事に起因して 、この乗員が鞭打ち症等の損傷を負う事がなくなる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のリヤウインドウ用エアバッグ装置は、以上に述べた通り構成され作用 する為、乗員がリヤウインドウを突き破って車外に放り出される事を確実に防止 し、しかもこの乗員が鞭打ち症等を負う事も防止出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す部分略縦断側面図。

【図２】従来構造の１例を、未作動時の状態です部分縦
断側面図。

【図３】同じく作動時の状態で示す部分縦断側面図。

【符号の説明】

１ センサ ２ センサ ３ リヤウンドウ ４ 後部座席 ５ エアバッグ ６ インフレータ ７ センサ ８ 制御器 ９ ヘッドレスト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リヤウインドウの直前に設けられた座席
   部分に加わる加速度を検出するセンサと、このセンサが
   車体の後ろ向きの加速度を検出した場合に起動信号を出
   す制御器と、この起動信号に基づいてリヤウインドウの
   前側部分で膨らむエアバッグとを備えたリヤウインドウ
   用エアバッグ装置に於いて、上記エアバッグは上記起動
   信号に基づき、上記座席の背後部分から上記リヤウイン
   ドウに向け、後方に膨らむ事を特徴とするリヤウインド
   ウ用エアバッグ装置。