JPH0664653A - 圧潰性容器 - Google Patents

圧潰性容器

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JPH0664653A
JPH0664653A JP21605492A JP21605492A JPH0664653A JP H0664653 A JPH0664653 A JP H0664653A JP 21605492 A JP21605492 A JP 21605492A JP 21605492 A JP21605492 A JP 21605492A JP H0664653 A JPH0664653 A JP H0664653A
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resin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形容器に押圧したときの塑性変形性を付与
することが可能となり、押出チューブ等に望まれるエア
バック防止性(非復元性)を有し、酸素、水分、香気成
分等に対する遮断性(バリアー性)を有する液晶樹脂含
有圧潰性容器を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂と液晶ポリエステルとを含有す
るブレンド物の溶融成形で形成され、且つ液晶ポリエス
テルが熱可塑性樹脂の連続相中に粒子状に分散している
構造を有する圧潰性容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ポリエステルを用
いた圧潰性容器に関するもので、より詳細には押出チュ
ーブ等に望まれるエアバック防止性(非復元性)を有
し、更に酸素、水分、香気成分等に対する遮断性(バリ
アー性)を有する液晶樹脂含有圧潰性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】圧潰性容器、例えば、練り歯磨き、化粧
料、或いは食品等の高粘度液性物品を収容するための押
出チューブや、ケッチャプ、マヨネーズ、ジャム、チョ
コレート等の粘性食品を収容するための絞り出し(スク
イズ)ボトルとしては、種々の可撓性積層体からなるも
のが知られている。
【0003】圧潰性容器を構成するプラスチック積層体
としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体やナイ
ロン等の酸素バリアー性樹脂を中間層とし、この両側に
ポリエチレン等のオレフィン系樹脂を積層したものが一
般的に用いられている(特開昭55−5311号公
報)。
【0004】しかしながら、プラスチック製圧潰性容器
は、アルミ箔或いはアルミ箔プラスチック積層体からな
る圧潰性容器とは異なり、一定の押圧変形を与え、次い
でこれを解除したとき元の容器形状に速やかに復帰する
など、エアバック性、即ち復元性が過度に大きいのが問
題であり、このために使用後、蓋で密封し再保存する
際、容器内に大量の空気が吸入され、その結果内容物が
容器内酸素により劣化するという欠点を生じる。
【0005】特公昭62−41942号公報には、酸素
バリアー性熱可塑性樹脂層と耐湿性熱可塑性樹脂層と層
状に分布したフレーク状顔料乃至フレーク状充填剤を有
する熱可塑性樹脂ブレンド層とを含む多層積層構造物か
らなるエアバック防止性に優れた絞り出し容器が記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】上記先行技術によれ
ば、熱可塑性樹脂にフレーク状顔料等を配合したものを
層状として、酸素バリアー性樹脂層及び耐湿性樹脂層と
共に同時溶融押出すると、フレーク状顔料等は、押出方
向に沿って且つ器壁面方向に沿って配向し、これにより
応力によって、可塑変形する傾向が与えられるものであ
る。
【0007】しかしながら、この先行技術の積層形成で
は、器壁厚みに対するフレーク状顔料配合樹脂層の厚み
の比をかなり大きく取らなければ、満足すべきエアバッ
ク防止性が得られない傾向があり、容器の軽量化という
点で未だ満足し得るものではない。また、熱可塑性樹脂
にフレーク状顔料を配合するとその溶融粘度が高くな
り、エアバックが防止されるような配合量では溶融成形
性が低下し、フレーク状顔料配合樹脂層が成形中に破断
したり、或いは厚みが大きく変動したりして、安定した
エアバック防止性を得ることがしばしば困難となる。
【0008】更に、上記押出容器で使用するフレーク状
顔料配合樹脂層は、それ自体酸素や水蒸気に対するガス
バリアー性を有していなく、それ以外に酸素バリアー性
樹脂層を必要とし、積層構成が複雑化するという難点も
ある。
【0009】本発明者らは、熱可塑性樹脂と液晶ポリエ
ステルとを含有するブレンド物を溶融成形し、この溶融
成形に際して、液晶ポリエステルが熱可塑性樹脂の連続
相中に粒子状に分散している分散構造とするときには、
形成される容器は、塑性変形性を有するようになり、し
かも水蒸気に対するバリアー性も向上することを見いだ
した。
【0010】即ち、本発明の目的は、液晶ポリエステル
を用いた圧潰性容器であって、押出チューブ等に望まれ
るエアバック防止性(非復元性)を有し、更に酸素、水
分、香気成分等に対する遮断性(バリアー性)を有する
液晶樹脂含有圧潰性容器を提供するにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、熱可
塑性樹脂と液晶ポリエステルとを含有するブレンド物の
溶融成形で形成され、且つ液晶ポリエステルが熱可塑性
樹脂の連続相中に粒子状に分散している構造を有するこ
とを特徴とするを圧潰性容器が提供される。
【0012】本発明において、熱可塑性樹脂と液晶ポリ
エステルとを99:1乃至40:60の重量比で含有す
るブレンド物で容器を形成させるのが好ましく、且つ熱
可塑性樹脂は、メルトフローレート(MFR−融解指
数)が0.1乃至20g/10minの範囲内にあるオ
レフィン系樹脂、特にポリエチレンからなることが好ま
しい。更に、液晶ポリエステルは、粒子サイズ0.1乃
至50μmの球状乃至フレーク状粒子として存在するの
がよい。
【0013】
【作用】本発明では、液晶ポリエステルとオレフィン系
樹脂等の熱可塑性樹脂とを、ブレンド物の形で溶融成形
に付することが第一の特徴である。液晶ポリエステルに
対して、オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂をブレンド
すると、その溶融成形性が向上し、例えば押出成形の場
合、従来の液晶ポリエステルや液晶ポリエステル含有樹
脂組成物に見られるドローダウン性が顕著に改善される
ことが分かった。
【0014】また、射出成形の場合でも、液晶ポリエス
テルやそのブレンド物の溶融物は、溶融流動配向性がき
わめて大きいため、この溶融物は一次元状に流動しよう
とする傾向があり、射出型内に一様に分布させることが
困難で、一様な肉厚の成形品を得ることがむずかしいと
いう問題があるが、液晶樹脂とオレフィン系樹脂等の熱
可塑性樹脂とのブレンド物を射出成形に用いると、射出
型の形状及び寸法通りの精度の高い成形物(容器)を製
造することができる。
【0015】本発明では、この様に、形状及び寸法の再
現性に優れた容器が得られるが、それと同時に、液晶ポ
リエステルが、オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂の連
続相中に粒子状に分散している分布構造を発現させるこ
とが、第二の特徴であり、最大の特徴でもある。即ち、
本発明の圧潰性容器では、熱可塑性樹脂が連続相、液晶
ポリエステルがこの中に粒子状に分散した構造をとるこ
とにより、容器壁にこれを押圧したときの塑性変形性が
付与され、圧潰性容器として用いたときエアバック防止
性が顕著に向上する。また、本発明の圧潰性容器では、
上記の分布構造をとることにより、水蒸気や酸素に対す
るバリアー性(耐気体透過性)を顕著に向上させること
ができる。
【0016】「図1」は、高密度ポリエチレン(HDP
E)並びにHDPEに液晶ポリエステルを10重量%配
合して成形したチューブ状容器の胴部から切り出した切
片について、180度折曲げからの復元角度と経過時間
(秒)との関係をプロットしたグラフである(詳細は後
述する実施例の項参照)。HDPEのメルトフローレー
ト(MFR−融解指数)は、比較例1、実施例1、実施
例2の順に大きくなっているが、それに伴って復元角度
は小さくなる事が分かる。MFRが0.1より小さいと
液晶ポリエステルは繊維状に分散し、液晶ポリエステル
自身の剛性のために十分な圧潰性の向上は得られない。
MFRが0.1から20の間では液晶ポリエステルはご
く短い繊維状、または粒子状に分散し、塑性変形性が発
現する。また、射出成形用の高いMFRのものでも液晶
ポリエステルを配合する事によってドローダウン性が改
善され、押出ブロー成形が可能となる。しかし、MFR
が20より更に大きくなるとドローダウンを防ぐことが
出来なくなり、押出ブロー成形による均一な肉厚を持つ
容器の成形は非常に困難になる。
【0017】「図2」は、HDPE並びにHDPEに液
晶ポリエステルを10及び30重量%配合して成形した
チューブ状容器の胴部から切り出した切片について、1
80度折曲げからの復元角度と経過時間(秒)との関係
をプロットしたグラフである(詳細は後述する実施例の
項参照)。液晶ポリエステルが1重量%より少ないとエ
アバックを十分防ぐことが出来ず、ガスバリア性も得ら
れない。また、60%を越えると液晶ポリエステルの方
が連続相となるため成形される容器は非常に硬く脆いも
のになり、チューブやスクイズボトルとしての実用には
耐えられない。
【0018】「図3」はHDPE、低密度ポリエチレン
(LDPE)並びにLDPEに液晶ポリエステルを50
重量%配合して成形したチューブ状容器の胴部から切り
出した切片について、180度折曲げからの復元角度と
経過時間(秒)との関係を同様にプロットしたグラフで
ある(詳細は後述する実施例の項参照)。LDPEはそ
のしなやかさ(弾性率が低いこと)のため、押出チュー
ブやスクイズボトルの主材として最も広く使用されてい
る。しかし、エアバック防止の観点からみるとHDPE
に比べ復元角度が非常に大きく、不利である事が分か
る。
【0019】これらの「図1」「図2」及び「図3」か
ら、熱可塑性樹脂に液晶ポリエステルをブレンドし、し
かも熱可塑性樹脂の連続相中に液晶ポリエステルを粒子
状に分散させた構造とすることにより、復元性を著しく
減少させ得ることが了解される。上記事実は、現象とし
て見いだされたものであり、その理由は明かではない
が、熱可塑性樹脂の連続相が柔らかい構造、粒子状に分
散している液晶ポリエステルが硬い構造と成っており、
変形後の液晶ポリエステル分散粒子相互が、熱可塑性樹
脂相を介して噛み合って新たな構造を形成し、変形後の
復元を阻止するように作用しているものと推定される。
【0020】「図4」は、HDPE単独で形成されたチ
ューブ状容器及びHDPEに対して液晶ポリエステルを
10重量%配合したブレンド物から形成され、液晶ポリ
エステルが粒子状に分散しているチューブ状容器に付い
て(詳細は後述する実施例の項参照)、経過時間と容器
内水分の減量との関係をプロットしたグラフである。
【0021】このグラフから、液晶ポリエステルを配合
することにより、容器壁を通しての水蒸気透過量が低い
値に抑制されることが了解される。
【0022】本発明では、熱可塑性樹脂と液晶ポリエス
テルとを99:1乃至40:60の重量比で含有するブ
レンド物で容器を形成させるのが好ましい。液晶ポリエ
ステルの配合量が上記範囲よりも少ないと、エアバック
防止性が不十分であり、一方上記範囲よりも多いと、溶
融成形性が低下する傾向がある。
【0023】また、用いる熱可塑性樹脂は、メルトフロ
ーレート(MFR−融解指数)が0.1乃至20g/1
0minの範囲内にあるオレフィン系樹脂、特に高密度
ポリエチレンからなることが好ましい。MFRがこの範
囲にあるオレフィン系樹脂は、液晶ポリエステルを粒状
の状態で分散させるに適した溶融流動特性を有している
と共に、内容物の押出特性にも優れている。
【0024】更に液晶ポリエステルは、粒子サイズ0.
1乃至50μmの球状乃至フレーク状粒子として存在す
るのがよく、上記範囲外では、エアバック防止性が、上
記範囲内のものより低下する傾向がある。
【0025】
【発明の好適態様】
(液晶ポリエステル)近年液晶ポリマーがその優れた機
械的性質から繊維の分野で注目されている。この液晶ポ
リマーには、溶液(ドープ)の状態で液晶を形成するも
の(リオトロピック)と、溶融物の状態で液晶を形成す
るもの(サーモトロピック)があり、前者はケブラー
(デュポン社)に代表される芳香族ポリアミドであり、
後者はベクトラ(セラニーズ社)に代表される芳香族ポ
リエステルである。本発明では、溶融成形で圧潰性容器
を製造することから、液晶ポリエステルを用いる。
【0026】液晶ポリエステル樹脂としては、芳香族ジ
カルボン酸成分と芳香族ジオール成分とから重縮合によ
り誘導されたポリエステル;芳香族ヒドロキシカルボン
酸の重縮合により得られたポリエステル;上記二つのポ
リエステルの共重合ポリエステル;及びこれらのポリエ
ステルとポリエチレンテレフタレートのコポリエステル
等、サーモトロピックなものを挙げることができる。
【0027】全エステル反復単位中の2価炭化水素基当
りの2価芳香族基の割合は、例えばポリエチレンテレフ
タレートでは50%であるが、本発明に用いる液晶樹脂
では50乃至100%の範囲にあることが望ましい。
【0028】その適当な例は、次の通りである。
【0029】(1)式
【化1】 で表わされる反復単位から成るポリエステル、例えばセ
ラニーズ社のベクトラ、
【0030】(2)式
【化2】 で表わされる反復単位から成るポリエステル、例えばダ
ートコ社のザイダー、
【0031】(3)式
【化3】 の反復単位から成るポリフェニルハイドロキノンテレフ
タレート、
【0032】(4)式
【化4】 の反復単位から成るPHB/PET共重合体。
【0033】勿論、本発明に使用する液晶ポリエステル
は、これらの例に限定されない。本発明に使用する液晶
樹脂は、フィルムを形成するに足る分子量を有するべき
であり、一般に200乃至400℃で熱成形可能なもの
が好ましい。「化4」の液晶ポリエステルが本発明の目
的に特に適したものである。
【0034】(熱可塑性樹脂)熱可塑性樹脂としては、
容器やその他の樹脂成形品の製造に使用されているオレ
フィン系ホモポリマーやコポリマーが好適に使用され
る。例えば、低密度、中密度或いは高密度のポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン−1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン
−1、プロピレン−エチレン共重合体、アイオノマー、
エチレンーアクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等を挙げることができる。勿論これらのオレフィ
ン系樹脂は単独でも二種以上の組み合わせでも使用する
ことができる。
【0035】これらのオレフィン系樹脂は、一般に0.
1乃至20g/10min、特に1乃至10g/10m
inのMFRを有しているのがよく、成形法に応じて、
押出グレードのものや射出グレードのものを適宜選択使
用することができる。本発明の目的には、オレフィン系
樹脂として、高密度ポリエチレンが特に適している。高
密度ポリエチレンを含有するブレンド物は、溶融成形性
も特に良好で、前記粒状分布構造の現出性にも特に優れ
ている。高密度ポリエチレンとしては、密度が0.95
乃至0.97g/cm3 のものがよい。
【0036】(圧潰性容器)本発明による圧潰性容器
は、一般に、主として内外表面側に層状に分布し且つ中
心部にも連続相として存在するオレフィン系樹脂のごと
き熱可塑性樹脂と、主として中心側に粒子状に分布した
液晶ポリエステルとから成る。
【0037】本発明の圧潰性容器の一例を示す「図
5」、「図6」及び「図7」において、この圧潰性容器
は、チューブ状容器1と蓋2とから成っており、チュー
ブ状容器1は、パリソンの中空成形により一体に成形さ
れたネジ付き押出口3、これに連なる円錐状肩部4、及
び筒状の胴部5を有している。この筒状胴部5は、切断
された端縁部9を有し、胴部9の対向する内面10、1
0同士が融着されて、底部を形成している。
【0038】胴部の断面構造を拡大して示す「図7」に
おいて、この器壁は、主としてオレフィン系樹脂等の熱
可塑性樹脂から成る内外表面層6と中心部7とから成る
が、この中心部7は、熱可塑性樹脂の連続相8と、その
中に粒子状に分散している液晶ポリエステル11とから
成る。この様な分散構造は、変形後における復元を効果
的に防止するものと認められる。
【0039】(製造法)本発明においては、液晶ポリエ
ステルとオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂とを混合物
の形で押出機のホッパーに供給する。この混合物は、両
者のドライブレンドでもよいし、メルトブレンドでもよ
い。ドライブレンドは、例えばリボンブレンダー、コニ
カルブレンダー、ヘンシェルミキサーのような各種混合
機を用いて行うことができ、一方メルトブレンドは単軸
または二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロ
ール等を用いて行うことが出来る。
【0040】ブレンド物の成形に際しては、射出成形や
押出成形を用いることができる。成形に際しては、前述
したごとく、両樹脂の混合が十分に行われるが、液晶ポ
リエステルの溶融流動配向が十分には行われない条件を
選定すべきであり、しかもブレンド物が十分に流動する
ような条件を選択すべきである。かかる見地から、オレ
フィン系樹脂等の熱可塑性樹脂としては溶融流動性の高
いもの、特に前述した範囲のMFRを有するものを用い
るのがよく、また樹脂の成形温度も比較的高く、一般に
150乃至400℃、特に200乃至300℃の範囲が
好ましい。
【0041】成形に際して、前記混合物を冷却された射
出型中に溶融射出する。射出機としては、射出プランジ
ャーまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが使
用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記混合物
を射出型中に射出する。これにより、樹脂流中に前述し
た分布構造が形成されると共に、液晶樹脂に適当な分散
性が付与されて、射出型キャビティ内に流入し、冷却固
化されて本発明の圧潰性容器となる。射出型としては、
容器形状に対応するキャビティを有するものが使用され
るが、ワンゲート型或いはマルチゲート型の射出型を用
いるのがよい。射出圧力は100乃至2000kg/c
2 程度が好ましい。
【0042】押出成形の場合、押出機としては、任意の
スクリュウを備えた押出機が好適に使用される。ダイス
としては、チューブ、パイプ、パリソンを成形するため
に、リングダイが使用される。押し出されたパリソンを
中空成形することにより、ボトル、チューブ等の圧潰性
容器が成形される。
【0043】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。尚、エアバ
ック防止性の評価方法として、成形したチューブに練り
歯磨きを120g充填し底部をヒートシールした後、チ
ューブのほぼ中央部分を押さえて充填量の約半分を絞り
出し、その後のエアバックの状態を目視で観察した。ま
た、圧潰性に関してより詳細な比較を行うために、チュ
ーブの胴中央部より高さ方向に沿って長さ7cm、幅2
cmの切片を切り出し、一端より2cmの位置を水平な
台の上に内面側を下にして固定し、180度折り曲げ5
秒間保持した後長い方の端の5、15、30、60秒後
の復元角度を測定した。これを表1に示す。
【0044】水分バリアー性を評価するため、チューブ
の口部にアルミ箔プラスチック積層体をヒートシールし
た後、底部より水を120cc充填し、底部をヒートシ
ールして密封した。これを50℃の乾燥空気中にて保存
し、適当な時間毎に重量の変化を測定した。これを表2
に示す。液晶ポリエステルの分散状態は、チューブの胴
中央部より切片を切り出し、高さ方向と厚み方向を含む
断面からミクロトームを用いて10μmの厚さの試料を
採取し、光学顕微鏡により粒子の形状、大きさを観察し
た。
【0045】実施例1 JIS K 6760に定めるMFRが1.0g/10
minのHDPEと「化4」の構造を持つ液晶ポリエス
テルを90:10の重量比で混合し、220℃の押出温
度でダイレクトブローにより胴部の高さ100mm、胴
部の直径40mm、胴壁の平均の肉厚300μm、内容
積120ccの円筒形状のチューブ容器を成形した。液
晶ポリエステルは高さ方向に引き伸ばされたやや偏平な
楕円形状で分散しており、平均粒径は約1μmであっ
た。このチューブに練り歯磨きを充填し押出性を調べた
ところ、エアバックはほとんど見られなかった。
【0046】実施例2 実施例1において、HDPEにMFRが8.0g/10
minのものを使用し、実施例1と同様の方法でチュー
ブ容器を成形した。液晶ポリエステルはほぼ粒子状に分
散しており、平均粒径は約1μmであった。このチュー
ブに練り歯磨きを充填し押出性を調べたところ、エアバ
ックはほとんど見られなかった。
【0047】実施例3 実施例2において、HDPEと液晶ポリエステルとの重
量混合比を70:30とし、実施例1と同様の方法でチ
ューブ容器を成形した。液晶ポリエステルはほぼ粒子状
に分散しており、平均粒径は約5μmであった。このチ
ューブに練り歯磨きを充填し押出性を調べたところ、エ
アバックはほとんど見られなかった。
【0048】実施例4 MFRが8.0g/10minのHDPEと「化1」の
構造を持つ液晶ポリエテステルを50:50の重量比で
混合し、2軸押出機を用いて290℃で溶融混練したも
のをマスターバッチとし、混練に使用したのと同じHD
PEと20:80の重量比で(最終的に液晶ポリエステ
ルが10重量%となるように)混合し、実施例1と同様
の方法でチューブ容器を成形した。液晶ポリエステルは
ほぼ粒子状に分散しており、平均粒径は約10μmであ
った。このチューブに練り歯磨きを充填し押出性を調べ
たところ、エアバックはほとのど見られなかった。
【0049】比較例1、2 実施例1において、HDPEのMFRを0.1g/mi
nとしたものを比較例1、20g/10minとしたも
のを比較例2とし、実施例1と同様にチューブ容器を成
形した。比較例1においては液晶ポリエステルは高さ方
向に強く引き伸ばされ、繊維状に分散していた。このチ
ューブに練り歯磨きを充填し押出性を調べたところ、実
用に耐える肉厚の均一なチューブは成形できなかった。
【0050】比較例3 MFRが0.3g/10minのHDPE単独で実施例
1と同様の方法によりチューブ容器を成形した。この例
では成形性は良好であったが、明瞭なフローマークが生
じ外観は不良であった。このチューブに練り歯磨きを充
填し押出性を調べたところ、若干のエアバックが見られ
た。
【0051】比較例4 MFRが8.0g/10minのHDPE単独で実施例
1と同様の方法によりチューブ容器を成形した。この例
ではドローダウンが激しく、均一な肉厚のチューブは得
られなかった。
【0052】比較例5 実施例2において、HDPEと液晶ポリエステルとの重
量混合比を40:60とし、実施例1と同様の方法でチ
ューブ容器を成形した。成形されたチューブ容器は脆く
用意に破断し、実用に耐えなかった。
【0053】比較例6 MFRが0.3g/10minのLDPE単独で実施例
1と同様の方法によりチューブ容器を成形した。このチ
ューブ容器に練り歯磨きを充填し押出性を調べたとこ
ろ、かなりのエアバックが生じた。
【0054】比較例7 MFRが8.0g/10minのLDPEと「化4」の
構造を持つ液晶ポリエステルを50:50の重量比で混
合し、実施例1と同様の方法でチューブ容器を成形し
た。このチューブに練り歯磨きを充填し押出性を調べた
ところ、若干のエアバックが見られた。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、液晶ポリエステルとオ
レフィン系樹脂のごとき熱可塑性樹脂とのブレンド物を
溶融成形し、成形容器のほぼ中心の熱可塑性樹脂の連続
相中に粒子状に分散させたことにより、この成形容器に
押圧したときの塑性変形性を付与することが可能とな
り、押出チューブ等に望まれるエアバック防止性(非復
元性)を有し、更に酸素、水分、香気成分等に対する遮
断性(バリアー性)を有する液晶樹脂含有圧潰性容器を
提供するすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高密度ポリエチレン(HDPE)並びにHD
PEに液晶ポリエステルを10重量%配合して成形した
チューブ状容器の胴部から切り出した切片について、1
80度折曲げからの復元角度と経過時間(秒)との関係
をプロットしたグラフである。
【図2】 高密度ポリエチレン(HDPE)並びにHD
PEに液晶ポリエステルを10及び30重量%配合して
成形したチューブ状容器の胴部から切り出した切片につ
いて、180度折曲げからの復元角度と経過時間(秒)
との関係をプロットしたグラフである。
【図3】 HDPE、低密度ポリエチレン(LDPE)
並びにLDPEに液晶ポリエステルを50重量%配合し
て成形したチューブ状容器の胴部から切り出した切片に
ついて、180度折曲げからの復元角度と経過時間
(秒)との関係を同様にプロットしたグラフである。
【図4】 HDPE単独で形成されたチューブ状容器及
びHDPEに対して液晶ポリエステルを10重量%配合
したブレンド物から形成され、液晶ポリエステルが粒子
状に分散しているチューブ状容器について、経過時間と
容器内水分の減量との関係をプロットしたグラフであ
る。
【図5】 本発明の圧潰性容器の一例を示す外観平面図
である。
【図6】 「図5」の圧潰性容器の断面図である。
【図7】 「図5」の圧潰性容器の器壁の拡大断面図で
ある。
【記号の説明】 1はチューブ状容器、2は蓋、3はネ
ジ付き押出口、4は円錐状肩部、5は筒状の胴部、6は
主として熱可塑性樹脂から成る内外表面層、7は中心
部、8は熱可塑性樹脂の連続相、9は切断された端縁
部、10は胴部の対向する内面、11は粒子状に分散し
ている液晶ポリエステル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と液晶ポリエステルとを含
    有するブレンド物の溶融成形で形成され、且つ液晶ポリ
    エステルが熱可塑性樹脂の連続相中に粒子状に分散して
    いる構造を有することを特徴とするを圧潰性容器。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が0.1乃至20g/10
    minの融解指数を有するオレフィン系樹脂である請求
    項1記載の圧潰性容器。
  3. 【請求項3】 オレフィン系樹脂が高密度ポリエチレン
    である請求項2記載の圧潰性容器。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂と液晶ポリエステルとがブ
    レンド物中に99:1乃至40:60の重量比で含有さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の圧潰性容器。
  5. 【請求項5】 液晶ポリエステルが粒子サイズ0.1乃
    至50μmの球状乃至フレーク状粒子として存在する請
    求項1記載の圧潰性容器。
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