JPH0664369U - 組立式導線接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 導線の接続および離脱作業を容易に行うこと
ができ、かつ外部からの衝撃や振動が加わった場合にも
導線を堅固に保持すること。 【構成】 接続端子台１のヒンジ軸４上にその下端が内
側に傾斜を持つように導線接続用逆止片１０２を揺動可
能に支承させるとともに、この逆止片１０２を外方に押
圧するべく接続端子台１の傾斜凹溝６にスプリング１０
１を配置し、該導線接続用逆止片１０２と導電板２０
１，２０２との間に導線３００を圧接保持させるように
している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、接続端子台の口部を通して挿入される導線がスプリングに軽く押圧 されたヒンジ軸上の導線接続用逆止片の下端と導電板との間に圧接保持されるよ うにした導線接続装置に関するもので、接続端子台の一側開口部を通してスプリ ングに押圧される導線接続用逆止片および導電板を簡単に組立てた後、用途に合 う一定な大きさの接続端子台を互いに組立てて導線接続作業に便利に使用するこ とができるようにした組立式導線接続装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

従来より、導線締結用ボルトを用いて導線を接続するもの等、各種導線接続装 置が使用されてきた。

【０００３】 しかしながら、この種の導線接続装置は、導線を接続するにおいて必ずドライ バーなどの工具を用意し、導線を保持しながらその工具で導線締結用ボルトの締 結作業を並行しなければならず、不便さと難しさとを伴ったものである。

【０００４】 また、外部からの衝撃や振動などが加わった場合、導線を締めていた導線締結 用ボルトがたやすくゆるんでしまい、長期間にわたって導線の堅固な接続状態を 期待することができなかったのである。

【０００５】 前述した導線締結用ボルトの諸般的な問題点を勘案して改良された弾性板を導 線接続片に内蔵した導線接続装置があったものの、これは強い弾力性を持つ板状 の弾性板に導線を堅固に噛み合うようにすることにより、外部からの衝撃や振動 などによって導線が離脱しないようにするものであり、接続された導線が離脱し ないようにするのに相応する強い弾力性を持った高級素材の材質と構造とを有し ていなければならない。

【０００６】 したがって、導線を接続する時や離脱させる時には、導線接続用弾性板を開く ために加えなければならない力として上記弾性板が持つ強い弾力性以上の力を要 求するようになり、作業に骨が折れ、非能率的な矛盾を伴う。

【０００７】 本考案の目的は、上記実情に鑑みて、導線の接続および離脱作業を容易に行う ことができ、かつ外部からの衝撃や振動が加わった場合にも導線を堅固に保持す ることのできる組立式導線接続装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような従来の諸般的な問題点を勘案し、これを解決するために 考えられたものであって、多数の凹入溝、並びにこれら凹入溝に結合できるヒン ジ軸および凸軸を両側面に形成し、かつ口部を有した接続端子台と、この接続端 子台のヒンジ軸上にその下端が内側に傾斜を持つように支承され、かつ傾斜凹溝 内に配置されたスプリングに押圧される導線接続用逆止片と、前記接続端子台の 一側面部に形成され、前記導線接続用逆止片の下端に相接するようになるＴ形導 電板またはＺ形導電板が選択的に結合できるガイド溝とを備えている。

【０００９】

【作用】

上記構成によれば、接続端子台の口部から導線を挿入して導線接続用逆止片を スプリングの弾性力に抗して内側に押し、該導線をこの逆止片と導電板との間に 配置すれば、スプリングの弾性力によってこれら逆止片および導電板間に導線が 挟持される。

【００１０】

【実施例】

添付された図面によって本考案に係る組立式導線接続装置を詳細に説明すれば 次の通りである。

【００１１】 接続端子台１は、直方体状を成しており、その一方の側面における四つの角部 分にそれぞれ凹入溝５を有しているとともに、他方の側面におけるこれら凹入溝 ５に対応する部位に唯一のヒンジ軸４および３つの凸軸４′を有し、さらにその 一方の側面に開口部１０を有している。上記凹入溝５と上記ヒンジ軸４および凸 軸４′は、互いに嵌合することができる大きさに形成されたもので、相互に嵌合 することによって複数の接続端子台１を互いに堅固に連結する作用を成す。開口 部１０は、図２に示すように、上記ヒンジ軸４を含む部位に略Ｌ字状に形成され 、かつ対角上に配置された凸軸４′間に傾斜凹溝６を有しており、該Ｌ字の角部 において上記接続端子台１の一端面１ａに口部２を介して開口されている。

【００１２】 また、この接続端子台１には、上記ヒンジ軸４に導線接続用逆止片１０２が軸 設されている。導線接続用逆止片１０２は、その先端部外側面に凹部１０３を有 しており、その下端を内側に傾斜させる態様で上記ヒンジ軸４に揺動可能に支承 され、かつ上記接続端子台１の傾斜凹溝６内に配置されるスプリング１０１によ って外側に押圧されている。図２からも明らかなように、上記導線接続用逆止片 １０２は、上記開口部１０のＬ字を成す一辺よりもわずかに長く形成されており 、通常状態においてはその先端が当該開口部１０の内壁面１０ａに圧接されてい る。

【００１３】 さらに、上記接続端子台１には、２つのガイド溝７，８が形成されている。一 方のガイド溝７は、上記導線接続用逆止片１０２の先端が圧接される内壁面１０ ａの最奥端部から一旦内方に向けて略直角に屈曲され、さらにこの屈曲部の先端 から外方に向けて略直角に屈曲することにより、上記接続端子台１において上記 口部２が開口する一端面１ａに平行した第１取付面１ｂの中央部に開口されてい る。他方のガイド溝８は、上記内壁面１０ａの中央部から外方に向けて延在され ており、上記接続端子台１において上記口部２が開口する一端面１ａに隣接した 第２取付面１ｃに開口されている。

【００１４】 一方、上記組立式導線接続装置には、接続端子台１の設置態様に応じて選択的 に配置される２種類の導電板２０１，２０２が用意されている。すなわち、上記 開口部１０の内壁面１０ａおよび上記一方のガイド溝７に渡って配置され、該ガ イド溝７を介して上記第１取付面１ｂから突出するべく略Ｚ形に形成されたＺ形 導電板２０２と、上記内壁面１０ａおよび上記他方のガイド溝８に渡って配置さ れ、該ガイド溝８を介して上記第２取付面１ｃから突出するべく略Ｔ字状に形成 されたＴ形導電板２０１とが用意されており、上記Ｚ形導電板２０２を配置した 場合には図３に示すように、口部２が上方を向く態様で接続端子台１を印刷回路 基板４００に配置することができ、また上記Ｔ形導電板２０１を配置した場合に は図２に示すように、口部２が一側方を向く態様で接続端子台１を印刷回路基板 ４００に配置することができるようになる。

【００１５】 なお、図面の中で説明されていない符号３は凸段差、９は蓋、４０１は半田付 け部である。

【００１６】 上記のように構成された組立式導線接続装置において通常的な印刷回路基板４ ００上に設置された接続端子台１に先端被覆材が剥皮された導線３００を接続す る場合には、スプリング１０１の弾性力に抗して導線接続用逆止片１０２の下端 を導線３００の先端によって押圧すればよい。このとき、ヒンジ軸４を中心とし て内側に揺動された導線接続用逆止片１０２の下端がＴ形導電板２０１、または Ｚ形導線板２０２から離れ、これら逆止片１０２と導電板２０１，２０２との間 に一定した間隔が確保されることになるので、図２（ａ）および図３に示すよう に、スプリング１０１に押圧された導線接続用逆止片１０２の下端を通して導線 ３００を挿入配置することができる。

【００１７】 一旦導線接続用逆止片１０２の下端を押してから挿入された導線３００は、ス プリング１０１の押圧力により、導線接続用逆止片１０２と導電板２０１，２０ ２との間に圧接保持された状態になるため、外部に離脱されないようになる。

【００１８】 この状態において導線３００を抜去させる方向に外部の力が作用した場合にも 、導線接続用逆止片１０２がスプリング１０１によって押圧され、かつ該逆止片 １０２がヒンジ軸４を中心とした回転半径より短い方向へ回転運動することがな いため、結局導線３００は離脱せず、導線接続用逆止片１０２の下端と導電板２ ０１，２０２との間に堅固に圧接保持された状態を維持することになる。

【００１９】 一方、前述の導線３００を離脱させる場合には、図２（ｂ）のように工具など を利用して導線接続用逆止片１０２を内側に押し出し、導電板２０１，２０２か ら広い間隔が形成されるようにすれば、これら導線接続用逆止片１０２の下端と 導電板２０１，２０２との間に圧接保持されていた導線３００を初めて外部にた やすく抜くことができる。

【００２０】 また、上記接続端子台１は、使用される容量によってその大きさを任意に設定 し組立てることができる。つまり図１および図４に示すように、複数の接続端子 台１を用意し、互いに隣接する接続端子台１のヒンジ軸４および凸軸４′を対応 する凹入溝５に嵌合させれば、使用容量による接続端子台１の可変適用が可能と なる。組立時、相互結合される凹入溝５とヒンジ軸４および凸軸４′とは、その 結合状態が非常に堅固なため、使用途中において接続端子台１が分解したり、揺 れが発生しないようになり、精巧な配線作業に使用することができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係る組立式導線接続装置では、別途ドライバー等の工 具などを利用せず、導線を接続端子台の口部を通して軽く押し入れればスプリン グに押圧されている導線接続用逆止片の下端と導電板との間に該導線を堅固に圧 接保持できるため、接続端子台を通した導線の接続作業がより迅速、かつ簡単に なすことができ、接続端子台を通した導線の延設作業が能率化される。

【００２２】 しかも、一旦圧接保持された導線は、外部からの衝撃などにより離脱したり揺 れることがないばかりでなく、かえって導線を外部から引いたり、衝撃、振動な どを加わるようになれば、スプリングの弾性力によって一層堅固な導線の圧接保 持力を持つようになる。

【００２３】 また、接続端子台に形成された二つの形状のガイド溝にＴ形導電板またはＺ形 導電板を選択的に設置することにより、印刷回路基板上に設置される接続端子台 の口部を用途によって上方または一側方を向くように設定させるようにしたもの であるので、結局接続端子台が使用できる用途を多様化し、導線の接続作業時の 諸般不便解消および導線の接続時、堅固性などを保完した新規有用な実用的考案 である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る組立式導線接続装置の一部を分離
させ、内部構造物を見せるようにした組立状態の全体斜
視図。

【図２】（ａ）は、導線接続用逆止片の下端を通して挿
入された状態の導線がヒンジ軸を中心として広い回転半
径を持つ導線接続用逆止片と導電板との間に圧接保持さ
れた状態を示す側面図、（ｂ）は、導線接続用逆止片を
内側方向に押し出すことによって導線接続用逆止片の下
端と導電板との間に圧接保持された導線が外部に離脱す
ることができる状態を示した側面図。

【図３】印刷回路基板上に付けられた接続端子台にＺ形
導電板を組立て、接続端子台上の口部が上方を向くよう
にした側面図。

【図４】蓋を開き内部構造および全体的な組立て状態を
示した斜視図。

【符号の説明】

１…接続端子台 ２…口部 ３…凸段差 ４…ヒンジ軸 ４′…凸軸 ５…凹入部 ６…傾斜凹溝 ７，８…ガイド溝 ９…蓋 １０１…スプリング １０２…導線接続用逆止片 ２０１…Ｔ形導電板 ２０２…Ｚ形導電板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の凹入溝、並びにこれら凹入溝に結
   合できるヒンジ軸および凸軸を両側面に形成し、かつ口
   部を有した接続端子台と、 この接続端子台のヒンジ軸上にその下端が内側に傾斜を
   持つように支承され、かつ傾斜凹溝内に配置されたスプ
   リングに押圧される導線接続用逆止片と、 前記接続端子台の一側面部に形成され、前記導線接続用
   逆止片の下端に相接するようになるＴ形導電板またはＺ
   形導電板が選択的に結合できるガイド溝と を備えたこ
   とを特徴とする組立式導線接続装置。