JPH0664326B2 - 写真処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、帯状の感光材料を焼付露光した後、これを複
数の処理槽に案内して現像処理する写真焼付・処理装置
等で用いられる写真所理想値に係り、特に、複数の処理
槽内に感光材料を案内するためのラックの縁ガイド幅を
容易に変更することのできる写真処理装置に関する。

〔従来の技術〕

第６図に示されるように写真焼付・処理装置は、大きく
分けて、カラーペーパー１をロール状に収納したマガジ
ン２からカラーペーパー１を引き出し、これに現像済み
のネガフイルム等に記録された画像を焼き付けるプリン
ト部３と、焼き付けられたカラーペーパー１を現像処理
するプロセス部４と、現像処理したペーパー１を乾燥す
る乾燥部５と、乾燥したペーパー１を１コマ毎に所定の
寸法に切断するカット部６とを備えている。

前記プロセス部４は、現像処理の各処理液が入れられた
複数の処理槽7a〜7eと、これら各処理槽7a〜7e内に着脱
自在に吊り下げられ、処理槽7a〜7eの処理液内に露光済
のカラーペーパー１を案内するための案内ラック8a〜8e
とから構成されている。

前記各案内ラック8a〜8eは、第７図に示されるように、
処理槽にラックを吊り下げる際に処理槽の両縁部に係止
する係止部9a,9bを備えた一対の側板10a,10bと、この側
板10a,10b間に軸架され、カラーペーパー１をループ状
にして処理槽内へ案内するガイドローラ11a,11bと、こ
れらガイドローラ11a,11b間でカラーペーパー１の両側
縁を案内する一対の縁ガイド12a,12bと、この縁ザイド1
2a,12bをカラーペーパー１の幅に応じてその幅方向に移
動させるガイド幅変更手段14とを備えている。

ガイド幅変更手段14は、側板10aの上端部に設けられた
縁ガイド幅変更ダイヤル15と、縁ガイド幅を表示する目
盛り装置16と、ダイヤル15に連結された回動軸17と、前
記側板10a,10b間に軸架され、且つ回動軸17にベベルギ
ヤ18,19を介し連結される移動ネジ棒20と、縁ガイド10
a,10bに設けられており、移動ネジ棒20の雄ネジ部20a,2
0bに螺合する雌ネジ部21とから構成されている。前記移
動ネジ棒20の雄ネジ部20a,20bは一方に対し他方が逆向
きのネジとされている。従って、ダイヤル15が回動され
て、移動ネジ棒20が一方向に回転すると、雌ネジ部21を
介し一対の縁ガイド12a,12bが離反し、他方向に回転す
ると縁ガイド12a,12bが接近するようになり、カラペー
パー１の幅に対応して縁ガイド12a,12bを希望の幅に設
定することができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の写真焼付・現像装置にあっては、
各ラック毎にガイド幅変更手段が設けられており、メン
テナンス等のためにラックを処理槽から取り外した場
合、縁ガイドの幅を元に戻すことを忘れて変更されたま
まラックが処理槽内にセットされることもある。このよ
うな場合、戻したラックの縁ガイドの幅が他のラックの
それよりも大きいときには、カラーペーパーをガイドロ
ーラに案内することができず、また、逆のときには、こ
の縁ガイド位置でカラーペーパーが詰まってしまう。

また、使用するカラーペーパーの幅が変更される場合に
は、全てのラックに対して縁ガイド幅の変更操作が必要
になり、面倒であるという問題点がある。

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであ
り、縁ガイド幅の戻し忘れを確実に防止すると共に、各
ラックの縁ガイド幅を同時に調整することのできる写真
処理装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明は、各案内ラックそ
れぞれに、縁ガイドを感光材料の幅に応じてその幅方向
に移動させるための回動軸を設け、この回動軸にトルク
を伝達するための共通駆動部材を処理槽側に各処理槽に
渡って設け、この共通駆動部材と各案内ラックの回動軸
との間に共通駆動部材から各案内ラックの回動軸にトル
クを伝達する伝達手段を設け、この伝達手段に、案内ラ
ックを処理槽に取り付ける際に共通駆動部材と回動軸と
が特定位置の時にこれらの連結を許容する規制手段を設
けたものである。

〔作用〕

メンテナンス等のために処理槽から取り出されたラック
をメンテナンス等の終了後に処理槽内に戻す場合には、
共通駆動部材と各案内ラックの回動軸との間の伝達手段
に設けられた規制手段により、共通駆動部材と回動軸と
が特定位置の時にのみ、これらの連結が許容される。従
って、案内ラックが処理槽から取り出されて、その縁ガ
イド幅が変更されてしまった場合等には、共通駆動部材
と回動軸とが特定位置にないため、ラックを処理層に正
規の状態でセットすることができなくなる。このため、
ラックのセット状態から縁ガイドが所定の位置にないこ
とがわかる。また、ラックが正しくセットされた場合に
は、このラックの縁ガイドは他のラックと共通な調節幅
になっている。各ラックのセット後に、共通駆動部材を
モータまたは手動で所定量変位させることにより、各ラ
ックの縁ガイドが同時に所望の幅に調節される。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。なお、第６図及び第７図に示される従来の写真焼付
・処理装置と同一部材には同一符号を付してその説明を
省略する。

第１図は、ラックの縁ガイド12a,12bと、これらを移動
するためのガイド幅変更手段30の概略構成を示す斜視図
である。なお、ラックは、第７図に示される従来のラッ
クとほぼ同様の構成であり、相違点は、第１図ないし第
３図に示されるように、回動軸17の途中に駆動ギヤ31が
固着されており、この駆動ギヤ31に噛合するように中間
ギヤ32がラックの縁部に軸支され、この中間ギヤ32の下
部軸端には嵌合突起33を備えた雄形嵌合部材34が設けら
れている点である。この駆動ギヤ31,中間ギヤ32,雄形嵌
合部材34は、後述する共通回動軸（共通駆動部材）32か
ら縁ガイド12a,12b移動用の回転駆動力を得るためのも
のである。

処理槽側には、前記ラックが処理槽内に装着される時
に、このラックの雄形嵌合部材34に嵌合する処理槽側雌
形嵌合部材36がブラケット39を介し取り付けられてい
る。この雌形嵌合部材36と前記雄形嵌合部材34により、
特許請求の範囲の請求項でいう規制手段が構成されるこ
とになる。雌形嵌合部材36の上端部には、前記嵌合突起
33が嵌合する切欠き37が形成されている。また、この雌
形嵌合部材36の下部軸端には、ベベルギヤ38が固着され
ている。

また、処理槽の上部には、各処理槽間に渡って共通回動
軸32が軸架されている。この共通回動軸32には、各ラッ
クの回動軸17にトルクを伝達するために前記ベベルギヤ
38に噛合する共通回動軸側ベベルギヤ40が取り付けられ
ている。

前記共通回動軸32には、モータ50の駆動軸が連結されて
いる。モータ50は、コントローラ51により制御される。
コントローラ51は、後述するように、カラーペーパー幅
信号等に基づき、モータ55を正逆回転するように構成さ
れている。

なお、カラーペーパー１の幅信号は、カラーペーパー１
のマガジンの表面に、例えばフイルムのパトローネに形
成されたDXコード等と同様の接触検出式の幅コードを形
成しておき、これを接触式の幅信号検出装置等により読
み取ることで得ることができる。また、これに替えて、
キーボード操作によりオペレーターが直接入力するよう
にしてもよい。

次に、本実施例の作用を説明する。メンテナンス等によ
りラックが処理槽から取り出され、その後ラックを処理
槽に戻す場合に、ラックの縁ガイド12a,12bが移動され
たときには、この縁ガイド12a,12bの移動に伴い雄形嵌
合部材34の嵌合突起33の位置も変更されることになる。
このため、この縁ガイド幅状態でラックを処理槽内に戻
そうとするときは、嵌合突起33と雌形嵌合部材36の嵌合
切欠き37との位置が合わなくなる。従って、嵌合部材3
4,36を嵌合することができず、ラックを処理槽内に正規
の状態で戻すことができなくなる。

この場合には、ラックの幅変更ダイヤル15を回動するこ
とにより、縁ガイドがラック取り外し前の位置となるよ
うにする。これにより、嵌合突起33と嵌合切欠き37との
位置が合うようになり、嵌合部材34,36が嵌合される。
このように嵌合部材34,36が嵌合することにより、全て
のラックの縁ガイド12a,12bが統一された同一位置に位
置することになる。この後に、共通回動軸32をカラーペ
ーパー１の幅信号に基づいた所定の量だけ回転すること
により、各ラックの縁ガイド12a,12bをカラーペーパー
１の幅に対応して一斉に変更することができる。従っ
て、カラーペーパー１の幅を変更する場合でも、各ラッ
クの縁ガイド幅を同時に変更することができる。

なお、上記実施例は、共通駆動部材として共通回動軸32
が用いられ、また規制手段として、嵌合突起33及びこれ
が嵌められる嵌合切欠き37からなる嵌合部材34,36が用
いられたが、本発明はこれに限定されることなく、第４
図及び第５図に示される第２実施例のように、往復動さ
れるラックギヤ60を共通駆動部材とし、このラックギヤ
60及びこのラックギヤ60に噛合するピニオンギヤ62それ
ぞれに設けた位置合わせ部材64,66から規制手段を構成
するようにしてもよい。なお、図中の符号67は、ピニオ
ンギヤ62に噛合する駆動ギヤを示す。この駆動ギヤ67
は、縁ガイドを移動するために回動する回動軸68に固定
されている。

処理槽側の位置合わせ部材64は、ラックを処理槽内に取
り付ける際に、ラックの縁ガイドが所定の位置にない時
にこの取り付けを規制する取付規制用突起70から構成さ
れている。この突起70は、ラックの上側位置で処理槽に
ブラケット71を介し取り付けられている。ブラケット71
はラックギヤ62のレールも兼ねている。

ラック側の位置合わせ部材66は、ピニオンギヤ62の上側
にこのピニオンギヤよりも外径の大きい円板72を固着
し、この円板72の周縁の一部に切欠き74を形成すること
で構成されている。切欠き74は、ラックが処理槽内に取
り付けられる時、前記突起70に当たることのないように
これを避けることのできる大きさに形成されている。そ
して、縁ガイド12a,12bが移動限界である基準位置にあ
る時に、前記突起70と切欠き74とが合致するように位置
合わせされている。

従って、この第２実施例の場合は、円板72の切欠き74と
処理槽側の突起70とが合致する位置のときだけ、突起70
を切欠き74を介して避けることにより、ラックが処理槽
内に正規の状態で挿入されることになる。そして、突起
70と切欠き74とが合致する位置にない場合には、突起70
が円板72の周縁部に当たるため、ラックの処理槽への取
り付けが規制されることになる。

なお、突起70に対して、切欠き74の位置が合致していな
い場合には、ラックを処理槽から取り出すことができな
いので、これら切欠き74と突起70とを位置合わせするよ
うにラックギヤ60を基準となる位置に移動させるように
する。この場合には、ラックギヤ60を移動させるモータ
（図示せず）を回転させることにより行う。また、電源
が切られた後でも、ラックギヤ60を移動することができ
るように、ラックギヤ60とモータとの間には、ラックギ
ヤを往復動させるための手回し用のハンドルを設けてお
くことが望ましい。

また、上記実施例は、共通駆動部材としての共通回動軸
32やラックギヤ60をモータ50及びコントローラ51等によ
り回動または往復動するようにされたが、本発明はこれ
に限定されることなく、共通回動軸32またはラックギヤ
60を、手回しハンドル等によって手動で回動または往復
動するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、各ラックの縁ガ
イドを移動するための回動軸及びこの回動軸を回動する
ための共通駆動部材それぞれの間に共通駆動部材から各
案内ラックの回動軸にトルクを伝達する伝達手段を設
け、この伝達手段に、案内ラックを処理槽に取り付ける
際に共通駆動部材と回動軸とが特定位置の時にこれらの
連結を許容する規制手段を設けたから、共通駆動部材と
回動軸とが特定位置の時にのみ、これらの連結が許容さ
れることになる。従って、案内ラックが処理槽から取り
出されて、その縁ガイド幅が変更されてしまった場合等
には、共通駆動部材と回動軸とが特定位置にないため、
これらの連結が不可能となり、処理槽内に戻されたラッ
クの縁ガイドが所定の位置にないことがわかるようにな
る。このようにして、ラックが処理槽内にうまく入り込
むか否かにより、縁ガイドが取り出し前の位置にあるか
否かを判別することができ、従来のように縁ガイドの位
置を個別に確認する必要もなく、復帰操作を簡単なもの
にすることができる。したがって、縁ガイドが所定の位
置に戻されずにラックに復帰されることを防止すること
ができ、縁ガイド幅の復帰操作の忘れ等による感光材料
のジャミングの発生を防止することができる。

また、各ラックの縁ガイドは特定幅位置となるように規
制手段を介し共通駆動部材に連結されることにより、ラ
ックを処理槽内に戻した後に、共通駆動部材を感光材料
の幅に対応して所定量だけ変位させることにより、各ラ
ックの縁ガイドを一斉に希望の幅に設定することができ
るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明が実施された写真焼付・処理装置の縁
ガイドとこれの幅変更手段の概略構成を示す斜視図であ
る。 第２図は、同実施例において、処理槽へラックを取り付
けた状態を示す拡大断面図である。 第３図は、同じく処理槽側及びラック側それぞれの嵌合
部材を示す斜視図である。 第４図は、本発明の第２実施例の位置合わせ部材を示す
斜視図である。 第５図は、同実施例の位置合わせ部材を示す側面図であ
る。 第６図は、従来の写真焼付・処理装置を示す断面図であ
る。 第７図は、従来の写真焼付・処理装置のラックの構造を
示す分解斜視図である。 １……カラーペーパー 12a,12b……縁ガイド 17……回動軸 20……移動ネジ棒 32……共通回動軸（共通駆動部材） 33……嵌合突起 34,36……嵌合部材 37……嵌合切欠き 60……ラックギヤ（共通駆動部材） 62……ピニオンギヤ 64,66……位置合わせ部材 70……突起 74……切欠き。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】処理液が入れられた複数の処理槽と、これ
   ら各処理槽内に着脱自在に取り付けられ、処理槽の処理
   液内に露光済の感光材料を案内するための複数の案内ラ
   ックと、これら各案内ラックに設けられ、感光材料の両
   側縁を案内する一対の縁ガイドとを備えた写真処理装置
   において、 前記各案内ラックそれぞれに、縁ガイドを感光材料の幅
   に応じてその幅方向に移動させるための回動軸を設け、
   この回動軸にトルクを伝達するための共通駆動部材を処
   理槽側に各処理槽に渡って設け、この共通駆動部材と各
   案内ラックの回動軸との間に共通駆動部材から各案内ラ
   ックの回動軸にトルクを伝達する伝達手段を設け、この
   伝達手段に、案内ラックを処理槽に取り付ける際に共通
   駆動部材と回動軸とが特定位置の時にこれらの連結を許
   容する規制手段を設けたことを特徴とする写真処理装
   置。