JPH0663842B2 - 偏光変調赤外分光光度計 - Google Patents

偏光変調赤外分光光度計

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JPH0663842B2
JPH0663842B2 JP61123347A JP12334786A JPH0663842B2 JP H0663842 B2 JPH0663842 B2 JP H0663842B2 JP 61123347 A JP61123347 A JP 61123347A JP 12334786 A JP12334786 A JP 12334786A JP H0663842 B2 JPH0663842 B2 JP H0663842B2
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infrared light
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は赤外分光光度計に係り、特に、厚さがナノメー
トル(nm)オーダの薄膜の赤外吸収スペクトルを測定す
るのに好適な偏光変調赤外分光光度計に関する。
〔従来の技術〕
第3図に、ロックインアンプを用いた従来の赤外分光光
度計を示す。第3図において、赤外光源1から放射され
た赤外線は、2枚の平面反射鏡2,2′で夫々偏向され、
平面反射鏡2で偏向された赤外線は試料7で反射された
後チョッピングミラー19に入射され、平面反射鏡2′で
偏向された赤外線は参照試料(通常は平面鏡)18で反射
された後チョッピングミラー19に入射される。チョッピ
ングミラー19は、斜線で示した部分が反射鏡になってお
り、他の部分は光がそのまま透過するようになってい
る。このチョッピングミラー19の回転により、試料7か
らの赤外線と参照試料18からの赤外線とは交互に回折格
子20に入射される。回折格子20は赤外光を各波長毎に分
散し、検出器9は分散された赤外光を検出する。即ち、
試料7からの赤外線と参照試料18からの赤外線は光の強
度が異なるため、検出器9は強度違いが周期的に現われ
る信号を検出する。そして、ロックインアンプ12がこの
周期的に現れる信号を位相検波して増幅し、A/D変換
器15とデータ処理器17でデータ処理をする。
尚、ロックインアンプを用いる従来の赤外分光光度計に
関連するものとして、例えば特開昭57−16338号があ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
第3図に示す従来技術では、平面鏡2,2′を用いて光路
を2分割し、一方の光路中に試料7を置き、他方の光路
中に参照試料18を置いている。これは、試料7を通る赤
外線中に含まれる試料信号及びこれに重畳するノイズか
ら、参照試料を通る赤外線中に含まれるノイズを相殺す
るためであり、ロックインアンプ12は試料信号に相当す
る光の強度差分だけ大きく増幅する。
上記ノイズは、主として測定系に存在する水蒸気や炭酸
ガス等の様々な物質に起因し、2枚の分割ミラー2,2′
の反射率の不一致2分割した光路長の不一致、チョッピ
ングミラー19の反射率等によって両光路中に含まれるノ
イズの大きさが異なってくる。上述した光路長,反射率
の不一致等の問題は完全に除去することが困難である。
このため、従来の赤外分光光度計では、厚さナノメート
ル(nm)オーダの薄膜や吸着物について高精度の赤外吸
収スペクトルの測定ができないという問題がある。
本発明の目的は、測定系から生ずる試料に関係しない信
号を完全に除き、試料に係る信号による赤外吸収スペク
トルのみを高感度に測定する偏光変調赤外分光光度計を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、赤外線を水平偏光と垂直偏光との間で変調
する光学素子と、該光学素子から射出した変調赤外光を
試料に当てて得られた赤外光を検出する検出器と、該検
出器出力を位相検波して増幅する手段と、前記検出器出
力のうち変調赤外光の変調周波数成分を除去するフィル
タ手段と、前記検出器出力を前記増幅手段または前記フ
ィルタ手段に交互に入力するスイッチ手段と、前記増幅
手段からの出力と、前記フィルタ手段の出力より前記試
料の信号を取り出して処理するデータ処理手段とを備え
てなることを特徴とするフリーエ変換による偏光変調赤
外分光光度計を構成することで達成される。
〔作用〕
水平偏光と垂直偏光を交互にとる変調赤外線が試料に入
射すると、試料の化学構造に応じた波長の光の吸収が水
平偏光で起こり、垂直偏光と水平偏光との間に強度差が
生じる。この強度差を増幅手段、例えばロックインアン
プで増幅しデータ処理することで試料の赤外吸収スペク
トルが得られる。光学素子から射出される水平偏光と垂
直偏光の強度が全く同一であれば、この赤外吸収スペク
トルには測定系のノイズは含まれない。しかし、実際に
は光学素子から射出される水平偏光と垂直偏光には強度
差があるため、前記赤外吸収スペクトルにはノイズが重
畳されている。そこで、本発明では、フィルタ手段によ
り、変調周波数成分を除いた信号、即ち、試料信号を含
まない雰囲気中の水蒸気,炭酸ガス等に起因するノイズ
のみを別に取り出し、これを考慮して増幅手段、例えば
ロックインアンプの出力信号をデータ処理することで高
精度な赤外吸収スペクトルを得る。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図及び第2図を参照して
説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る偏光変調赤外反射分光
光度計の構成図である。第1図において、光源1から出
た赤外線は放物面反射鏡2で平行光にされ、マイケルソ
ル干渉計3に入る。マイケルソル干渉計3から射出され
た赤外線は放物面反射鏡4で集光され、光学素子5に入
射される。
光学素子5は、本実施例では垂直偏光変光子5aと、例え
ば複屈折性セレン化亜鉛の結晶で作られる応力偏光変調
子5bから成る。垂直偏光変光子5aは入射する赤外光を直
線偏光に整え、応力偏光変調子5bはこの直線偏光の偏光
面を回転させ、水平偏光と垂直偏光との間を変調させ
る。
この様に変調された赤外光は、次に、金属板上に被着さ
れた薄膜試料7に入射され、試料7で反射された赤外光
は放物面反射鏡8で再び集光されたあと検出器9で検出
される。
検出器9の出力信号は、プレアンプ10を介し同軸ケーブ
ルでスイッチ11の入力端子11aに入力される。スイッチ1
1は2つの出力端子11b,11cを備え、後述するデータ処理
装置17からの制御信号により入力端子11aと出力端子11b
または11cとを切換接続する。
スイッチ11の出力端子11bから出力される検出器9の出
力信号は、ロックインアンプ12で位相検波され増幅され
てから、ポテンショスタット,可変抵抗器等で構成した
アッテネータ14を介してA/D変換器15に入力される。
一方、スイッチ11の出力端子11cから出力される検出器
9の出力信号は、例えば10KHz以下を通すローパスフィ
ルタ13を通った後、A/D変換器15に入力される。
A/D変換器15に入力された信号はフーリエ変換処理器
16でフーリエ変換されデータ処理器17に送られて処理さ
れる。
斯かる構成により、ニッケル金属板上に付けた厚さ5nm
のポリイミトインドロキナゾリンジオン試料の赤外吸収
スペクトルを調べた例について述べる。
試料7に光学素子5から射出した変調赤外光を照射する
と、変調赤外光のうち水平偏光では試料7の化学構造に
応じて光の吸収が起こり、垂直偏光では起きない。この
水平偏光,垂直偏光の測定系に存在する水蒸気や炭酸ガ
ス等の物質による吸収強度は同じである。従って、ロッ
クインアンプ12は、理想的にはノイズを増幅せる試料信
号のみを増幅することになるが、実際には、光学素子5
から射出される変調赤外光の水平偏光と垂直偏光の強度
が同一でないので、ロックインアンプ12の出力をA/D
変換しフーリエ変換して得た赤外吸収スペクトルBac
は、第3図に示すように、ノイズが重畳した信号とな
る。
一方、検出器9の出力信号をローパスフィルタ13を通す
と、該信号から変調信号即ち試料信号を除いたノイズの
みの信号が得られる。このため、ローパスフィルタ13の
出力をA/D変換しフーリエ変換した信号Bdcは、第3
図に示すような信号となる。
そこで、データ処理装置17でBac/Bdcの値をとることに
より、ノイズの影響を排除することが可能となる。第3
図に示すように、本実施例によれば5nmの超薄膜の測定
ができる。
上述した測定において、例えば表面が黒い試料や凹凸が
大きい試料では、Bacに比べBdcが著しく小さくなり、一
般のフーリエ変換赤外分光々度計についたデータ処理装
置では対応出来なくなる。斯かる場合は、アッテネータ
14を調節してBacを減衰させることにより対処する。ま
た、BacとBdcのスペクトルは全く同一の時間に測定する
ことが好ましい。しかし、現実には無理があるため、ス
イッチ11を切換えて、Bac,Bdcを夫々交互に数10回積算
することで測定精度の向上を図るようにしている。
〔発明の効果〕
本発明によれば、光路を分割しないため薄膜試料以外の
反射鏡や大気中の水蒸気や炭酸ガス又は応力偏光変調子
などの影響を全く除く事ができるので、nmオーダーの極
めて薄い層の赤外吸収スペクトルでも高感度に測定する
ことが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る偏光変調赤外反射分光
光度計の構成図、第2図は第1図に示す偏光変調赤外反
射分光光度計で5nm厚のポリイミトインドロキナゾリン
ジオン試料を測定したときの測定グラフ、第3図は従来
の赤外分光光度計の構成図である。 1……赤外光光源、2……放物面反射鏡、3……マイケ
ルソン干渉計、4……放物面反射鏡、5……光学素子、
5a……垂直偏光変光子、 ……応力偏光変調子、7……
試料、8……放物面反射鏡、9……検出器、10……プレ
アンプ、11……自動切換スイッチ、12……ロックインア
ンプ、13……ローパスフィルタ、14……アッテネータ、
15……A/D変換器、16……フーリエ変換器、17……デ
ータ処理装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤外線を水平偏光と垂直偏光との間で変調
    する光学素子と、該光学素子から射出した変調赤外光を
    試料に当てて得られた赤外光を検出する検出器と、該検
    出器出力を位相検波して増幅する手段と、前記検出器出
    力のうち変調赤外光の変調周波数成分を除去するフィル
    タ手段と、前記検出器出力を前記増幅手段または前記フ
    ィルタ手段に交互に入力するスイッチ手段と、前記増幅
    手段からの出力と、前記フィルタ手段の出力より前記試
    料の信号を取り出して処理するデータ処理手段とを備え
    てなることを特徴とするフリーエ変換による偏光変調赤
    外分光光度計。
JP61123347A 1986-05-30 1986-05-30 偏光変調赤外分光光度計 Expired - Lifetime JPH0663842B2 (ja)

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CN103048047B (zh) * 2011-10-11 2015-01-07 中国科学院微电子研究所 包含相位元件的垂直入射宽带偏振光谱仪和光学测量系统

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