JPH0663699A - 減衰性能の優れた鋼板の製造方法 - Google Patents

減衰性能の優れた鋼板の製造方法

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JPH0663699A
JPH0663699A JP21494692A JP21494692A JPH0663699A JP H0663699 A JPH0663699 A JP H0663699A JP 21494692 A JP21494692 A JP 21494692A JP 21494692 A JP21494692 A JP 21494692A JP H0663699 A JPH0663699 A JP H0663699A
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steel plate
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JP21494692A
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Hisashi Inoue
尚志 井上
Koji Tanabe
康児 田辺
Yoshimichi Kawai
良道 河合
Nobuyoshi Uno
暢芳 宇野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、鋼構造物(橋梁、建築物など)に
おいて、風、地震などの振動に対して減衰性能の優れた
鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 極軟鋼の成分の表層部と高張力鋼の成分の内
層部を連続鋳造で製造し、該スラブを圧延後表層部は変
態終了後、内層部は未変態の状態から直接焼入れするこ
とにより、内層の弾性範囲内の震動荷重に対して表層の
塑性変形によるエネルギー吸収のため減衰性能を著しく
向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼構造物(橋梁、建築
物など)において、風、地震などの振動に対し減衰特性
の優れた鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来はダンパーなどの制振装置を別に設
置して、構造物の振動に対処してきた。また特開平3−
233083号公報においては構造物の接合部等曲げモ
ーメントの大きい部分に普通鋼または高張力鋼に鉛また
は低強度鋼を一体に重ね合わせることによって低強度鋼
の応力−ひずみに沿うヒステリシス変形により振動エネ
ルギーを吸収することを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法はいずれも
構造による方法であり、その構造に種々の配慮を必要と
し、どうしても高価なものとなるばかりかメンテナンス
費用もかさむことになる。例えば大型構造物にダンパー
などを取り付けるのはそれ自体コストのかかるものであ
るし、さらにメンテナンス費用もかさむことになる。ま
た特開平3−233083号公報に示された構造は2枚
の材料を用いて一体化形成または重ね合わせ一体化が必
要で、接合部が複雑な構造となる上、材料を含めた構造
が非常に高価なものとなる。さらに曲げモーメントの制
振性には効果があると考えられるが、スパンが大きい場
合の荷重による振動の場合には効果が小さいなどの欠点
を有す。本発明はこのような現状に鑑み溶接構造物とし
て使用される一枚の鋼板自体に振動エネルギーを吸収さ
せる機能をもたせた全く新しい鋼板の製造方法を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決すべく、その要旨とするところは1枚の鋼板であっ
て、その表層と内層の成分が異なることを特徴とし、極
低C、低Si、低Mnとした表層と、設計応力に対応す
べくC,Si,MnとさらにCr,Moを添加した高強
度、高靱性とした内層とから構成することによって、安
価でしかも鋼板自体に減衰性能をもたせた鋼板の製造方
法に関するものである。すなわち、表層と内層を上記の
ごとき成分とした溶鋼をたとえば特開昭63−1089
47号公報で示すような方法で複層鋳片として連続鋳造
し、熱間圧延後表面は変態し、内層は未変態の状態から
水冷して直接焼入れした後、焼戻し処理を行って、表層
は低強度、内層は強度、靱性の優れた鋼板を得るもので
ある。
【0005】すなわち (1)重量(%)でC:0.01%以下,Si:0.0
5%以下,Mn:0.5%以下,Al:0.005〜
0.07%を含み残部がFe及び不純物からなる表層
と、重量(%)でC:0.04〜0.2%,Si:0.
05〜0.4%,Mn:0.5〜1.5%,Cr:0.
2〜1.5%,Mo:0.1〜1.0%,Al:0.0
05〜0.08%を含み残部がFe及び不純物からなる
内層とからなる複層鋳片を連続鋳造で製造し、該鋳片を
930〜1300℃に加熱し、次いで熱間圧延を仕上げ
温度650℃以上で行った後、表面温度で650〜88
0℃の範囲から水冷し、その後400〜650℃で焼戻
し処理することを特徴とする減衰性能の優れた鋼板の製
造方法
【0006】(2)表層に重量(%)でTi:0.00
5〜0.05%,Nb:0.005〜0.05%,C
a:0.001〜0.01%のうち少なくとも1種を含
有することを特徴とする請求項1記載の減衰性能の優れ
た鋼板の製造方法 (3)内層に重量(%)でNi:0.2〜2.0%,C
u:0.1〜1.5%,Nb:0.005〜0.1%,
V:0.01〜0.1%,Ti:0.005〜0.1
%,B:0.0003〜0.003%,Ca:0.00
1〜0.01%のうち少なくとも1種を含有することを
特徴とする請求項1または2記載の減衰性能の優れた鋼
板の製造方法である。
【0007】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。まず本発明に
おいて、減衰性能の優れた鋼板とは、風、地震などの振
動に対して、内層は弾性範囲内であるが、表層の極軟鋼
では塑性変形し、これによるエネルギー吸収を伴って応
答するため通常材を用いた場合に比して減衰性能が優れ
た鋼板をいう。
【0008】以下に本発明における限定理由を説明す
る。本発明の限定要件は上記した通り、表層は極低C,
低Si,低Mnとし、熱間圧延後表層の変態がほぼ終了
した後、直接焼入れを行い、表層部はフェライト主体の
柔らかい組織であることが必須である。また内層は焼入
れ性元素が多く表層に比して変態温度が低いこと及び圧
延中に表面から冷却されるため表層に比して高温である
ことを利用して、まだオーステナイトの状態から水冷す
ることにより、強度、靱性の優れた焼入焼戻し組織の内
層とする。このため降伏点が表層に比して数倍以上とな
ることにより、風、地震などの振動に対して、内層は弾
性範囲内であるが、表層の極軟鋼では塑性変形し、これ
によるエネルギー吸収を伴って応答するため通常材を用
いた場合に比して減衰性能が優れた鋼板が得られる。
【0009】まず、表層の合金元素含有量を前記範囲に
限定した理由をのべる。Cは低いほど良いが、製鋼上含
まれるものである。Cが0.01%を超えると変態温度
が低下し焼入性が上昇して強度上昇するので、0.01
%以下とした。Siは製鋼時の脱酸元素として添加する
が、Alと同時に添加する時は0.05%で十分なの
で、0.05%以下とした。Mnは鋼中不純物として存
在するSをMnSとして固定するため添加するが、その
量は0.5%で十分なので、0.5%以下とした。Al
は脱酸に有効であるのみでなく、不純物としてのNを固
定するのに有効な合金元素である。その効果は0.00
5%以上0.07%未満で十分なので0.005〜0.
07%とした。
【0010】さらに必要に応じて添加されるTi,Nb
はC,Nを固定してC,Nによる強度上昇を抑制するの
に有効である。その効果はそれぞれ0.005〜0.0
5%で十分なので、0.005〜0.05%とした。ま
たCaは不純物としてのSを固定するのに有効な元素で
ある。その効果は0.001〜0.01%で十分なので
0.001〜0.01%とした。
【0011】つぎに、内層の合金元素含有量を前記範囲
に限定した理由をのべる。Cは強度を得るのに必要であ
るが、0.04%未満では変態温度が上昇してその効果
が不足し、0.20%超では鋼材の靱性、溶接性を損な
うので0.04〜0.20%とした。Siは製鋼時の脱
酸元素としてまた高強度化のため添加するが、0.05
%未満ではその効果が不足し、0.4%を超えると靱性
が低下するので0.05〜0.4%とした。Mnは焼入
れ性確保に有効な元素で、0.5%未満では効果が不足
し、1.5%超の添加は溶接性を損なうので0.5〜
1.5%とした。
【0012】Cr,Moは焼入性を向上させ、強度、靱
性向上に有効であるが、それぞれ0.2%及び0.1%
未満ではその効果が不足し、またそれぞれ1.5%,
1.0%を超えて添加すると溶接性を低下させるのでそ
れぞれ0.2〜1.5%及び0.1〜1.0%とした。
Alは脱酸に有効であるのみでなく、Nを固定してAl
Nとなって結晶粒細粒化の役目も果たす有効な元素であ
る。その効果は0.005〜0.08%で十分なので、
0.005〜0.08%とした。
【0013】さらに、必要に応じて添加されるNi,C
u,Nb,V,Ti,B,Caは強度上昇または靱性向
上に有効な元素であり、その効果が不足しない範囲とし
て前記の量を下限とし、また溶接性を劣化しない範囲と
して前記の量を上限とした。さらに、製造方法として連
続鋳造により複層鋳片を製造し、該鋳片に熱間圧延を施
す。鋳片の加熱温度を930〜1300℃としたのは1
300℃を超えるとオーステナイト粒が粗大化して靱性
を劣化させるので、上限を1300℃とした。またその
下限は表層部を十分オーステナイト化させるために93
0℃とした。
【0014】次ぎに仕上げ温度が650℃未満になると
表層のフェライト組織が加工を受け延性が劣化する。ま
た同時に内層と表層の変形能の差が大きくなり圧延後の
鋼板形状が不良となるので下限を650℃とした。水冷
開始温度は表層をオーステナイト領域から水冷すると、
強度が上昇するため表層のフェライト変態が終了した後
水冷する必要があるため、その上限を880℃とした。
また表層温度で650℃より低下すると内層部にも初析
フェライトが生成し、内層の強度が低下するため、下限
を650℃とした。また内層に生成した焼入組織の靱性
を向上するため焼戻し処理を行うが、その温度が400
℃未満では効果が不足するため下限を400℃とした。
また650℃より高温になると内層の強度が低下するた
め650℃を上限とした。以下、本発明の効果を実施例
によりさらに具体的に示す。
【0015】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼A〜Pに対し、表2
に示す製造方法で50mmの鋼板(内層厚さ;40m
m)を製造した。この鋼板から50×50×600mm
の引張試験片を採取し、内層の断面積に対して内層の降
伏点の1/2の荷重まで引張りを行った後除荷し、その
ときに生じた履歴ひずみエネルギーの弾性ひずみエネル
ギーに対する比をもって減衰性能とした。この値は高い
程、減衰性能が優れており、通常の構造物の振動応答に
対し1/3以下にするためにはその値は2%以上あるこ
とが必要である。Al〜K1は本発明例であり、いずれ
も減衰性能2%以上の優れた値を示した。一方A2,C
2,E2,G2,I2,L1,M1,N1,O1及びP
1の比較例においては、最も優れたG2においてもその
値は1.6%であった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】上記実施例からも明かなごとく本発明に
よれば、減衰性能を従来材に比べ改善した鋼板の製造方
法を提供することが可能となるものであり、産業上その
効果は極めて顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 暢芳 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量(%)でC:0.01%以下,S
    i:0.05%以下,Mn:0.5%以下,Al:0.
    005〜0.07%を含み残部がFe及び不純物からな
    る表層と、重量(%)でC:0.04〜0.2%,S
    i:0.05〜0.4%,Mn:0.5〜1.5%,C
    r:0.2〜1.5%,Mo:0.1〜1.0%,A
    l:0.005〜0.08%を含み残部がFe及び不純
    物からなる内層とからなる複層鋳片を連続鋳造で製造
    し、該鋳片を930〜1300℃に加熱し、次いで熱間
    圧延を仕上げ温度650℃以上で行った後、表面温度で
    650〜880℃の範囲から水冷し、その後400〜6
    50℃で焼戻し処理することを特徴とする減衰性能の優
    れた鋼板の製造方法
  2. 【請求項2】 表層に重量(%)でTi:0.005〜
    0.05%,Nb:0.005〜0.05%,Ca:
    0.001〜0.01%のうち少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の減衰性能の優れた鋼
    板の製造方法
  3. 【請求項3】 内層に重量(%)でNi:0.2〜2.
    0%,Cu:0.1〜1.5%,Nb:0.005〜
    0.1%,V:0.01〜0.1%,Ti:0.005
    〜0.1%,B:0.0003〜0.003%,Ca:
    0.001〜0.01%のうち少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の減衰性能の
    優れた鋼板の製造方法
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019518875A (ja) * 2016-04-26 2019-07-04 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 複合防護用鋼板及びその製造方法
JP2019519674A (ja) * 2016-04-26 2019-07-11 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 冷間曲げ加工性能が優れた防護用鋼板及びその製造方法

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US10882277B2 (en) 2016-04-26 2021-01-05 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd.d Protective composite steel plate and method for manufacturing same
US10894388B2 (en) 2016-04-26 2021-01-19 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. Protective steel plate with excellent cold-bend processing performance and method for manufacturing same

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