JP3370875B2 - 耐衝撃性に優れた高強度鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐衝撃性に優れた高強度鋼板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば自動車部品
用鋼板のように、プレス加工時には優れた成形性が要求
され、自動車走行時の衝突に代表されるような衝撃に対
して優れた防護作用すなわち耐衝撃性が要求される部材
に好適な高強度鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車体の軽量化は主に鋼板の高強度
化による板厚の低減により実現されてきた。従来の自動
車用鋼板の高強度化方法としては、例えば、特開昭57
−41849号公報には低CでNb、Ti等の炭化物形
成元素に加えて、P、Si等の固溶強化元素の添加によ
る方法が開示されている。また、特開昭60−5252
8号公報には高温焼鈍・急冷にてマルテンサイト相を析
出させて延性に優れた高強度鋼板を得る方法が開示され
ている。
【0003】これらの技術はプレス成形性は考慮されて
いるが、フロントサイドメンバーのような部品に要求さ
れる耐衝撃特性については、衝突の際には高歪み速度の
変形が問題になるにもかかわらず、低歪み速度での静的
引張強度を基に考慮されていたに過ぎない。すなわち、
従来、鋼板の強度は低歪み速度での静的引張強度に基づ
いて決定されており、衝突事故のような衝撃状態の場
合、すなわち高歪み速度で変形が進行する場合に鋼板が
塑性変形することによって吸収する吸収エネルギーにつ
いてはあまり考慮されておらず、高速変形時の鋼板の吸
収エネルギーに対する静的強度の寄与率については一定
のものとしていた。
【0004】しかし、本発明らの検討によると、高速変
形時の鋼板の吸収エネルギーに対する静的強度の寄与率
は必ずしも一定ではなく、静的強度の向上がそのまま高
速変形時の鋼板の吸収エネルギーの向上につながらない
ことがわかった。図1は発明者らが、種々の鋼板に対し
て、静的引張時(歪み速度=0.01s-1)の吸収エネ
ルギーに対する動的引張時(歪み速度=800s- 1
の吸収エネルギーの比(静動比)を静的強度で整理した
ものであり、静的強度が増加するほど、吸収エネルギー
静動比は低下することが認められる。この吸収エネルギ
ーは、図2に示すように、引張試験により得られた応力
−歪み曲線に基づき、歪み量=5%までの単位体積当た
りの吸収エネルギーとして算出したものである。
【0005】なお、本発明者らの研究では、鋼板の耐衝
撃性を評価する場合、実際に行われた部材衝撃圧壊テス
トで得られた圧壊吸収エネルギーは、鋼板の高速引張試
験により得られた応力−歪み曲線に基づく、降伏応力付
近での加工硬化特性との相関が非常に高いことが知見さ
れており、この特性を代表する値として、引張り時の歪
み量が5%程度までの単位体積当たりの吸収エネルギー
を用いている。
【0006】したがって、板厚低減による軽量化を図る
場合、単に静的強度で評価した場合には、衝撃的な変形
では、期待されるほどの耐衝撃特性の向上効果が得られ
ておらず、耐衝撃特性が不足する。
【0007】耐衝撃特性は、低歪み速度変形および高歪
み速度変形のどちらの場合でも、変形時の吸収エネルギ
ーにより評価されるべきであり、吸収エネルギーが高い
ことが望ましい。この場合、低歪み速度での吸収エネル
ギーを向上させるためには、鋼材を静的強度について高
強度化することになり、加工性の観点から、高強度化に
は限界がある。したがって、プレス加工性と耐衝撃性の
向上を図るには、同一の引張強度(静的強度)におい
て、高歪み速度変形での吸収エネルギーが高いこと、す
なわち、低歪み速度変形時の吸収エネルギー(静的吸収
エネルギー)に対する高歪み速度変形時の吸収エネルギ
ー(動的吸収エネルギー)の割合(静動比)を高くする
ことが重要である。
【0008】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、プレス成形性を損なうことなく、優れた耐衝撃性を
有する高強度鋼板及びその好適な製造方法を提供するも
のである。
【0009】なお、耐衝撃特性に優れる鋼板として、例
えば、特開昭52−86919号公報には、鋳造過程で
溶鋼の注入操作を調整するとともに、鋳型内の溶鋼中に
合金元素を添加し、特定の成分組成をもつ内外2層を有
する高強度鋼板が開示されているが、この鋼板の特徴は
溶接部の酸化物組成を制御し、溶接部に生じた溶融金属
の流動性を改善することで、ナゲット接着力の向上を図
り、衝撃時の吸収エネルギーを改善するものであり、鋼
板自体の耐衝撃特性の向上を図るものではなく、また鋳
造工程での2層化は生産性を低下させ、経済的に不利で
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の高強度鋼板は、
後述の鋼成分を有し、マルテンサイト相と残部が実質的
にフェライト相からなる2相組織鋼板であり、マルテン
サイト相の体積率が5〜30%で、マルテンサイト相の
硬さHv(M) とフェライト相の硬さHv(F) の比Hv
(M) /Hv(F) が3.0〜4.5とされたものである。
ここに、「実質的にフェライト相からなる」とは、フェ
ライト相のみ、あるいはフェライト相中に必要により添
加されたTi、Nb等の炭化物生成元素の析出炭化物を
含むことを意味する。
【0011】本発明鋼板の2相組織、硬さ比に基づく耐
衝撃特性の向上理由については、必ずしも明確ではない
が、マルテンサイト体積率を適正な範囲に制御した上
で、マルテンサイト相とフェライト相の硬さの比を大き
くすることにより、静的変形時には、大部分を占める軟
質なフェライト相およびマルテンサイト周辺の可動転位
の存在により降伏応力が低くなり、プレス加工性が確保
される。一方、動的変形時には、フェライト相とマルテ
ンサイト相の界面が転位運動の障害となり、セル状転位
構造の形成を遅延させるため、降伏応力が大きく上昇
し、静的吸収エネルギーに対する動的吸収エネルギーの
向上効果が大きくなるものと考えられるが、特にフェラ
イト相とマルテンサイト相の硬さの比を大きくすること
で、界面での転位運動の障害効果が大きくなり、Hv
(M) /Hv(F) が3.0以上で降伏応力の顕著な上昇が
得られるようになる。
【0012】マルテンサイト相の体積率の限定理由は、
マルテンサイト量が5%未満では動的吸収エネルギーが
低くなり、耐衝撃特性が低下する。一方、30%を超え
ると、静的吸収エネルギーだけが高くなり、耐衝撃特性
を低下させるとともに硬質化が過ぎてプレス成形性を劣
化させる。従って、マルテンサイト量の下限を5%、上
限を30%とする。なお、マルテンサイト量の調整はC
含有量の調整や熱延または焼鈍時の急冷開始温度の調整
等によって行うことがてきる。
【0013】また、マルテンサイト相の硬さHv(M) と
フェライト相の硬さHv(F) の比Hv(M) /Hv(F) の
限定理由は、Hv(M) /Hv(F) は耐衝撃特性の向上に
寄与するものであり、3.0未満では十分な吸収エネル
ギーの静動比の向上が得られない。また、硬さ比の増加
にともない伸びフランジ性が低下し、4.5を超えると
十分な伸びフランシ性が得られず、プレス成形性が劣化
する。従って、Hv(M) /Hv(F) の下限を3.0、上
限を4.5とする。好ましくは3.2〜4.0とするの
がよい。
【0014】ところで、自動車部材ではプレス成形後に
焼付塗装が施される場合が多い。このような歪み時効処
理が付与される場合、フェライト相中に固溶Cが残存し
ていると、焼付硬化性(BH性)すなわち時効処理後に
降伏応力が増加することが知れている。
【0015】本発明者らの研究により、本発明鋼板の場
合、所要の固溶C量をフェライト中に残存させることに
より、焼付硬化による降伏応力の上昇が低速変形に比較
して高速変形で著しいことがわかった。請求項4に記載
されたは発明は、かかる知見に基づきなされたものであ
り、2相組織におけるマルテンサイト量およびマルテン
サイト相とフェライト相との硬さ比を規定するほか、さ
らにフェライト相中の固溶C量を10〜30ppm に制御
することにより、マルテンサイト相の近傍の可動転位の
導入により降伏点伸びを発生させることなく、自動車部
材のようにプレス成形後に焼付塗装される際の時効処理
により、さらに吸収エネルギーの向上、耐衝撃特性の向
上を図ることができる。固溶C量が10ppm 未満ては吸
収エネルギーの向上効果は小さく、30ppm を超えると
降伏点伸びが発生し、プレス成形性が低下する。
【0016】本発明鋼板は、所定量のマルテンサイト相
と残部実質的にフェライト相からなる2相組織とし、2
相の硬さ比、あるいは更にフェライト中の固溶C量を前
記所定の値に調整されるが、化学成分(質量%)を下記
の範囲に限定することにより、プレス成形性等の各種特
性を低下させることなく、耐衝撃特性を効果的に向上さ
せることができる。
【0017】C :0.05〜0.20%、Si:2.
0%以下、Mn:0.3〜3.0%、P :0.1%以
下、Al:0.1%以下、を含み、残部Feおよび不可
避的不純物からなる。
【0018】あるいは前記基本成分のほか更に〔Mo:
1.0%以下、Cr:2.5%以下、B:0.002%
以下〕のいずれか1種以上、及び/又は〔Ti,Nb,
Zr,V:合計で0.4%以下、Cu:2.5%以下、
Ni:1.5%以下、、Ca:0.02%以下〕のいず
れか1種以上を含むことができる。
【0019】以下、成分限定理由について説明する。 C:0.05〜0.20% Cは含有量が少ないほど加工性が向上するが、0.05
%未満ではマルテンサイト相の体積率が少なくなり、十
分な強度の確保が困難になるばかりか、高い衝撃吸収エ
ネルギーの向上効果が得られないようになる。一方、
0.20%を超えて添加すると、スポット溶接性、プレ
ス成形性、特に伸びフランシ性が低下する。したがっ
て、添加量の下限を0.05%、上限を0.20%とす
る。
【0020】Si:2.0%以下 Siはフェライトを固溶強化し、鋼板の高強度化に有効
あるとともに鋼板の延性も改善する。したがって、鋼
板の要求される強度に応して添加すればよいが、2.0
%を超えて添加すると表面疵が生じやすくなるので、そ
の上限を2.0%とする。
【0021】Mn:0.3〜3.0% Mnは鋼板を強化するとともに焼入れ性を向上させるた
めに添加される。しかし、0.3%未満ではその効果が
過少であり、一方3.0%を超えて添加すると、プレス
成形性を劣化させるとともにスポット溶接性をも低下さ
せる。したがって、その上限を3.0%とする。
【0022】P :0.1%以下 Pは固溶強化により鋼板の強度を高めるので、鋼板の要
求される強度に応じて添加すればよい。しかし、0.1
%を超えて添加すると、結晶粒界強度の低下により2次
加工脆化が著しくなるばかりか、耐衝撃特性の低下を招
く。したがって、その上限を0.1%とする。
【0023】Al:0.1%以下、 Alは脱酸元素として添加されるが、多量に添加する
と、C系介在物か増加して表面疵の原因になるとともに
加工性を低下させるので、その上限を0.1%とする。
【0024】不可避的な不純物としてのS、Nは、多量
に添加すると材料特性を劣化させる。すなわち、Sは多
量に添加すると、伸びフランジ性が低下するので、好ま
しい範囲として、その上限を0.01%とするのがよ
い。また、Nは多量に添加すると常温時効性を低下さ
せ、降伏点伸びを発生させるので、好ましい範囲とし
て、その上限を0.01%とするのがよい。
【0025】以上の基本成分のほか、焼入性を向上させ
るために、Mo:1.0%以下、Cr:2.5%以下、
B:0.002%以下の内から1種以上添加することが
できる。
【0026】Mo:1.0%以下 Moは焼入性を向上させるとともに析出強化や組織強化
により鋼板の高強度化に有効である。しかし、1.0%
を超えて添加しても効果が飽和するばかりか、延性を低
下させるので、その上限を1.0%とする。好ましく
は、0.05%以上の添加がよい。
【0027】Cr:2.5%以下 Crは焼入性を向上させるとともに固溶強化により鋼板
の高強度化に有効である。しかし、多量に添加すると、
効果が飽和するばかりか延性を低下させるので、その上
限を2.5%とする。好ましくは、0.05%以上の添
加がよい。
【0028】B:0.002%以下 Bは焼入性を向上させるとともに鋼板の強度上昇や粒界
強化による2次加工脆化の防止に有効であるが、多量に
添加すると、延性を低下させるので、その上限を0.0
02%とする。好ましくは、0.0003%以上の添加
がよい。
【0029】また、更に本発明の効果を阻害することな
く、下記の元素を1種以上添加することができる。
【0030】Ti,Nb,Zr,V:合計で0.4%以
下 Ti,Nb,Zr,Vは析出強化により鋼板の高強度化
有効である。しかし、過多に添加すると、効果が飽和
するばかりか、延性を低下させるので、その上限を合計
で0.4%とする。
【0031】Cu:2.5%以下、Ni:1.5%以下 Cu、Niは固溶強化・析出強化により鋼板の高強度化
有効であり、耐食性の向上にも寄与する。しかし、多
量に添加すると延性を低下させるので、その上限をCu
添加量では2.5%とし、Niは1.5%とする。な
お、Cuの単独添加では添加量によっては鋼板に表面疵
を発生させるおそれがあるが、Niを複合添加すること
により改善される。
【0032】Ca:0.02%以下 Caは鋼の介在物形態を改善する作用を有し、鋼板の加
工性や靱性の改善に有効である。しかし、多量に添加す
ると、介在物量が増加して、逆に鋼板の冷間加工性や靱
性を低下させるので、その上限を0.02%とする。
【0033】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明の製造方法は、前記成分を有する鋼を熱間圧
延した後、冷間圧延を行い、その後760〜920℃の
均熱温度で焼鈍した後、均熱温度から700〜600℃
まで15℃/s以下で冷却し、引き続き常温まで100
℃/s以上で冷却した後、再加熱して150〜250℃
で保持した後、冷却することを特徴とする。再加熱保持
後の冷却においては、100℃以下まで5℃/s以上で
冷却することにより、所定量の固溶Cを確保することが
できる。
【0034】本発明においては、熱間圧延、冷間圧延は
常法に従って行えばよいが、熱延仕上温度をAr3点以上
とし、巻取温度を600℃以下とすることが好ましい。
また、冷間圧延の圧下率は、冷延後の焼鈍により再結晶
させるため30%以上とするのがよい。この場合の焼鈍
は、特に限定されないが、生産性および品質安定性の観
点から連続焼鈍が好ましい。
【0035】焼鈍時の均熱温度は760〜920℃とす
る。760℃未満では十分な量のマルテンサイト相が得
られないようになり、一方920℃を超えると結晶粒の
粗大化が発生し、プレス成形性を劣化させるようにな
る。
【0036】焼鈍後、均熱温度から700〜600℃の
範囲まで15℃/s以下で冷却する。700℃より高い
と、フェライト相からオーステナイト相へのCの拡散が
不十分となり、硬質なマルテンサイト相が得られず、フ
ェライト中の固溶Cも過多になる。一方、600℃より
低いと、炭化物の析出が促進され、マルテンサイト相が
減少する。また、その時の冷却速度が15℃/sを超え
ると、上記と同様に、フェライト相からオーステナイ相
へのCの拡散が不十分となり、マルテンサイト量が減少
する。
【0037】均熱温度からの徐冷後、引き続き、常温ま
で100℃/s以上で急冷するのは、ベイナイトの生成
によるマルテンサイト量の減少を防止するためである。
一旦常温まで冷却後、再加熱して150〜250℃で保
持するのは、マルテンサイトを焼戻して延性を改善する
ためであり、再加熱温度が150℃よりも低いと延性が
改善されず、強度−延性バランスが低下する。一方、2
50℃よりも高いとマルテンサイト相の軟化が大きく、
所望の硬さが得られないようになり、高速変形時の吸収
エネルギーが低下する結果となる。なお、保持時間は特
に制限されないが、通常5秒以上、生産性の点から18
0s以下が好ましい。
【0038】再加熱保持後の冷却速度は、100℃以下
まで5℃/s以上で冷却することにより、適正な固溶C
(10〜30ppm )を確保することができる。冷却速度
が5℃/s以上でも冷却下限温度が100℃を越える場
合、あるいは5℃/s未満の冷却速度では固溶Cが減少
して、適正な量の固溶C量を確保できない。
【0039】本発明鋼板は熱延鋼板のみならず、冷延鋼
板においてもその効果を発揮し、さらには溶融亜鉛めっ
き等の各種のめっき鋼板の原板としても好適である。ま
た、本発明の製造方法は、冷延鋼板の製造方法に関する
ものであるが、溶融亜鉛めっき等の各種のめっき鋼板の
原板の製造方法としても使用できることは勿論である。
【0040】なお、特開平7−90482号公報、特開
平7−188833号公報には、耐衝撃性に優れた薄鋼
板が記載されており、組織がマルテンサイト相とフェラ
イト相との2相組織である点については本発明と軌を一
にするものの、前者はNb、Tiを必須成分とし、しか
も(2Nb+Ti)/Cを0.1〜0.5に制御するこ
とにより静動比の向上を図っており、また後者はフェラ
イト相中の固溶C量を可及的に減少させることにより静
動比の向上を図るものであり、マルテンサイト相の硬さ
とフェライト相の硬さの比を3〜4.5にすることによ
り吸収エネルギーの静動比の向上を図る本発明鋼板と
は、技術的思想が全く別異である。
【0041】
【実施例】
〔実施例A〕表1および表2に示す成分の鋼片を用い
て、常法に従って熱間圧延および冷間圧延後、焼鈍を行
い、マルテンサイト相と実質的にフェライト相の2相組
織からなる、板厚1.2mmの鋼板を得た。焼鈍は、75
0〜900℃で均熱後、700〜600℃まで10℃/
sで冷却し、さらに徐冷後室温まで冷却速度200℃/
sec 以上で水冷し、水冷後200〜600℃の焼戻し処
理を行った。また、焼付硬化性を調べるため、一部の鋼
板については焼鈍後にBH処理(2%予歪み付与後、1
70℃×20分の時効処理)を施した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】得られた鋼板について、マルテンサイト相
の体積率%、マルテンサイト相の硬さHv(M) 及びフェ
ライト相の硬さHv(F) を測定し、硬さ比Hv(M) /H
v(F) を算出した。マルテンサイト相の体積率は圧延方
向に直角な板厚方向断面において、表面から板厚の1/
4の位置での組織のSEM写真から測定した。また、各
相の硬さはビッカース硬度計により、荷重=5gfにて
測定した。
【0045】また、これらの鋼板からJIS7号試験片
を採取し、歪み速度=0.01s-1(静的試験)および
800s-1(動的試験)で引張試験を行い、静的引張強
度および各試験により得られた応力−歪み曲線に基づ
き、歪み量=5%の単位体積当たりの静的および動的吸
収エネルギーを求め、吸収エネルギーの静動比を算出
し、この値により耐衝撃特性を評価した。
【0046】さらに、鋼種Aの鋼板については、プレス
加工性を調べるために、穴拡げ特性を調べた。穴拡げ特
性は、直径10mmの打抜き穴に頂角60°の円錐ポンチ
を装入して押し拡げ、穴縁にクラックが発生した穴(限
界穴)における直径Dを求め、下記式により算出された
λ値により評価した。 λ値(%)={(D−10)/10}×100 また、焼付硬化性の調査対象とした鋼種Fの鋼板につい
ては、フェライト中の固溶C量を内部摩擦試験から求
め、降伏点伸びを静的引張試験から求めた。これらの試
験結果を表3および表4に併せて示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表3における試料No. C1〜C5をみる
と、C1はマルテンサイト体積率が過少であるため耐衝
撃特性を示す吸収エネルギーの静動比が従来レベル(図
1参照)程度となっている。一方、本発明範囲の5〜3
0%を満足する発明例のNo. C2〜C5では吸収エネル
ギーの静動比が向上しており、優れた耐衝撃特性が得ら
れることがわかる。
【0050】プレス成形性としては、伸びフランジ性が
70%以上は欲しいところであるが、試料No. A1〜A
5をみると、硬さ比を本発明範囲内に制御したNo. A2
〜A4では、耐衝撃特性およびプレス成形性がともに良
好な結果が得られていることがわかる。
【0051】試料No. D1〜D4からMn添加量の影響
をみると、No. D1はMn量が低いためにマルテンサイ
ト相の体積率が低くなり、耐衝撃特性もよくないことが
わかる。
【0052】また、試料No. E1〜E4からP添加量の
影響をみると、No. E4はP量が過多であるために、動
的吸収エネルギーが低くなり、耐衝撃特性が劣る。
【0053】また、試料No. F1〜F5からフェライト
中の固溶C量の影響をみると、固溶C量によっては耐衝
撃特性の著しい低下は認められないものの、No. F1は
固溶C量が過少であるため、BH処理前後で耐衝撃特性
の向上効果が少ない。また、No. F5は固溶C量が過多
のため、降伏点伸びが大きくなっており、プレス成形性
が低下する。固溶C量を10〜30ppm に制御したNo.
F2〜F4では、降伏点伸びをほとんど発生させること
なく、吸収エネルギー静動比を著しく増加させ、耐衝撃
特性が大きく向上している。
【0054】また、試料No. H1〜H3、I1〜I2、
J、K1〜K2、L1〜L2、M1〜M2、N1〜N
2、P1〜P2、Q1〜Q5から、補助的元素を請求項
4の範囲で添加しても耐衝撃特性の向上を阻害しないこ
とかわかる。
【0055】〔実施例B〕表5に示す成分の鋼片を12
00〜1250℃に加熱した後、仕上温度を850〜9
00℃として、板厚4.0mmで熱間圧延を終了し、55
0〜600℃にて巻取後、板厚1.2mmに冷間圧延した
後、焼鈍を行った。
【0056】
【表5】
【0057】焼鈍条件は表6および表7に示すとおりで
あり、740〜950℃(均熱温度:ST)で90s均
熱後、800〜600℃(急冷開始温度:TQ)まで4
0℃/s以下(均熱温度から急冷開始温度までの冷却速
度:CR1)で冷却して室温まで水冷した後、一部を除
いて、400℃以下(再加熱温度:QT)に再加熱し、
60〜300s保持し、2〜10℃/s(再加熱温度か
らの冷却速度:CR2)で100℃以下まで冷却した。
また、得られた焼鈍板にBH処理(2%予歪み付与後、
170℃×20分の時効処理)を施した。
【0058】焼鈍後の鋼板から、〔実施例A〕と同様に
して、マルテンサイト相の体積率%(VM )、マルテン
サイト相とフェライト相との硬さ比(Hv(M)/Hv
(F))、固溶C量、静的引張試験における機械的特
性、静的吸収エネルギー(Es)および動的吸収エネル
ギー(Ed )並びにその静動比を求め、さらにBH処理
後の鋼板からBH処理後の動的吸収エネルギー並びにそ
の静動比を求めた。これらの結果を表6、表7に併せて
示す。
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】表6より、実施例にかかる試料は良好なプ
レス加工性、耐衝撃特性が得られている。もっとも、試
料No. E3は、BH処理前には十分な耐衝撃性が得られ
ているが、再加熱温度からの冷却速度が遅いため、固溶
C量が不足し、BH処理後の耐衝撃性の向上作用がやや
不足している。
【0062】これに対して、試料No. A1、A3、A4
およびC3は再加熱温度が適正でないため、プレス加工
性または吸収エネルギー向上が低下している。また、N
o. B1は急冷開始温度が高く、マルテンサイト体積率
が増大しているため、プレス加工性が低下している。
【0063】また、No. G2、G3は焼鈍均熱温度から
の冷却速度は速いために、所望のマルテンサイト体積率
が得られず、耐衝撃性が低下し、一方No. G4は均熱温
度が高いために、結晶粒が粗大化して、プレス加工性が
低下している。
【0064】また、試料No. D、Fは鋼成分が本発明範
囲を外れるために、マルテンサイト体積率が低くなり、
耐衝撃性が低下している。また、No. MはP量が高すぎ
るために、動的吸収エネルギーが低くなり、耐衝撃性が
低下している。一方、試料No. N〜Yから、Mo、C
r、Ti、Nb等の補助的元素の所定量を添加しても、
耐衝撃特性の向上を阻害しないことがわかる。
【0065】なお、本発明鋼板の製造においては、実施
例A、実施例Bの製造条件に限定されるものでないこと
は勿論である。また、本発明鋼板は自動車部品の素材鋼
板として好適であり、衝突安全性を低下させることな
く、軽量化を図ることができるが、かかる用途に限定さ
れないことは勿論であり、耐衝撃特性が要求される各種
部材用鋼板として好適である。
【0066】
【発明の効果】本発明の高強度鋼板によれば、鋼板組織
を特定量のマルテンサイト相と残部実質的にフェライト
相の2相組織とし、2相の硬さ比を所定値に規定したの
で、プレス成形性を損なうことなく、優れた耐衝撃特性
を得ることがてきる。また、フェライト相中の固溶C量
を10〜30ppm とすることにより、降伏点伸びをほと
んど生じさせるとなく、耐衝撃特性を著しく向上させる
ことができる。また、本発明の製造方法は、本発明の耐
衝撃特性に優れた高強度鋼板の工業的生産方法として優
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】静的引張吸収エネルギー(歪み速度0.01s
-1下)に対する動的引張吸収エネルギー(歪み速度80
0s-1下)の比(静動比)と静的引張強度との関係を示
すグラフである。
【図2】応力−歪み曲線と歪み量=5%までの単位体積
当たりの吸収エネルギーとの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 享昭 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (56)参考文献 特開 平7−188833(JP,A) 特開 平8−3677(JP,A) 特開 平7−90482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C :0.05〜0.20% Si:2.0%以下 Mn:0.3〜3.0% P :0.1%以下 Al:0.1%以下 を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、体
    積率で5〜30%のマルテンサイト相と残部実質的にフ
    ェライト相からなる2相組織を有し、マルテンサイト相
    の硬さとフェライト相の硬さの比が3.0〜4.5であ
    ることを特徴とする耐衝撃性に優れた高強度鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した成分のほか、さら
    に、Mo:1.0%以下、Cr:2.5%以下、B:
    0.002%以下のいずれか1種以上を含む請求項1に
    記載した耐衝撃性に優れた高強度鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した成分のほか、
    さらに、Ti,Nb,Zr,V:合計で0.4%以下、
    Cu:2.5%以下、Ni:1.5%以下、Ca:0.
    02%以下のいずれか1種以上を含む請求項1又は2に
    記載した耐衝撃性に優れた高強度鋼板。
  4. 【請求項4】 フェライト相中の固溶C量が10〜30
    ppm である請求項1〜3のいずれか1項に記載した耐衝
    撃性に優れた高強度鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載した
    成分を有する鋼を熱間圧延した後、冷間圧延を行い、焼
    鈍均熱温度から700〜600℃まで15℃/s以下で
    冷却し、引き続き常温まで100℃/s以上で冷却した
    後、再加熱して150〜250℃で保持した後、冷却す
    ることを特徴とする耐衝撃性に優れた高強度鋼板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 150〜250℃で保持した後、100
    ℃以下まで5℃/s以上で冷却する請求項5に記載した
    耐衝撃性に優れた高強度鋼板の製造方法。
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