JP4732986B2 - 伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板とその製法 - Google Patents

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本発明は、高強度・高延性で自動車用鋼板などとして優れた適性を有し、特に伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板とその製法に関するものである。
自動車用鋼板に求められる代表的な要求特性に高強度と高延性があり、これら両特性を兼ね備えた鋼として、金属組織がフェライト(α)とマルテンサイト(α’)からなる複合組織鋼(DP鋼;デュアルフェーズ鋼)や、TRIP現象(TRansformation Induced Plasticity:変態誘起塑性)を活用したTRIP鋼などが知られている(特許文献1,2など)。
この種の鋼では、変形中にオーステナイト(γ)がマルテンサイトに変態することで優れた延性(伸び)を示す。ところが、この際に生成するマルテンサイトは硬質であるため破壊の起点になり易く、伸びフランジ性に欠ける。
ところで自動車用鋼板では、スポット溶接性が重要な要求特性であることから、TRIP鋼全体としてのC(炭素)含有量は低く抑えられている。しかしTRIP現象を活用するには、室温においてもオーステナイトを残留オーステナイトとして残存させる必要があるため、熱処理によってオーステナイト中にCを濃化させている。そのため、オーステナイトの変態により生成するマルテンサイトはC含有量が高く非常に硬質であり、周囲の組織との強度差(硬度差)が大きくて破壊の起点になり易く、局部変形能を必要とする伸びフランジ性は劣悪となる。
一方、DP鋼は、軟質なフェライトと硬質なマルテンサイトを共存させることで強度と延性の両立を可能にした鋼種であるが、軟質なフェライトと硬質なマルテンサイトが隣接しているため、変形時に両組織の境界部に歪(応力)が集中して破壊の起点になり易い。そのため局部変形能が悪く、満足のいく伸びフランジ性が得られ難い。
こうした問題を改善して伸びフランジ性に優れたDP鋼を得るには、軟質なフェライトと硬質なマルテンサイトの強度差(硬度差)を少なくすればよく、焼戻し熱処理を十分に施してマルテンサイトの硬度を低く抑えれば、伸びフランジ性を高めることができる。しかしこの方法では強度が不十分となり、強度/延性/伸びフランジ性の3つの特性を全て満足させることはできない。
他方、DP鋼を一般的な方法で製造する際には、一旦オーステナイト単相温度域まで加熱した後、オーステナイト+フェライト(γ+α)2相温度域まで降温し、次いで急冷することにより、フェライト+マルテンサイト(α+α’)の複合組織を得ている。この場合、生産性の要請から2相温度域の平衡状態まで保持することはせず、フェライト変態の進行途中で急冷することにより、フェライトとマルテンサイトの2相組織を有するDP鋼を得ることが多い(前掲の特許文献1など)。
そのため、フェライト変態により押し出されたC(炭素)がオーステナイト側へ移動中に急冷されてオーステナイトがマルテンサイトに変化する。マルテンサイトの硬さはC量の増加に伴って上昇することが知られている(日本金属学界偏「鉄鋼材料」第99頁参照)が、このため、上述した様な手法で製造されたDP鋼のマルテンサイト中の硬さ分布は、フェライトとマルテンサイトの粒界近傍になるほど硬くなり、より一層粒界近傍に歪(応力)が集中し易い形態となっている。
この状態を概念図で示すと次の通りとなる。
即ち図1は、オーステナイト単相温度域からオーステナイト+フェライト(γ+α)2相温度域まで降温したときの変態によって生じるフェライト(α)と未変態オーステナイト(γ)の炭素濃度の変化を示した説明図である。フェライト中のCの最大固溶量(約0.02%以下)はオーステナイト中のCの最大固溶量(約2%)よりも著しく低いので、2相温度域でフェライト変態が起こると、フェライト(α)中に固溶しきれなくなったC(炭素)は未変態のオーステナイト(γ)方向へ押し出され、フェライト(α)との境界側でオーステナイト(γ)の炭素濃度が上昇し、その後、境界部の炭素は逐次未変態オーステナイト(γ)方向へ拡散していく[図1(A),(B)]。
そして、この温度域で平衡状態に達するまで保持すれば、図1(C)に示す如く、フェライトから押し出されたC(炭素)は未変態オーステナイト(γ)全体に均等に拡散し、平衡炭素濃度で安定化する。この状態でMs点以下の温度まで急冷すると、残留オーステナイトの殆どは上記と同じ炭素濃度分布を有するマルテンサイトに変態し、フェライトとマルテンサイト主体のDP鋼が得られる。この場合でも、フェライト(α)とマルテンサイト(α’)の強度差(硬度差)はかなり大きいので、この部分への応力集中は避けられない。
ところが2相温度域で平衡状態に達するまでの間に急冷すると、未変態オーステナイト方向への炭素の拡散が凍結された状態でマルテンサイト変態が生じることになり、得られるDP鋼は、例えば図1(A),(B)に示したのと同様にフェライトとマルテンサイト(α’:未変態オーステナイトから変態したもの)の境界部では、マルテンサイトのフェライトとの境界部でC濃度が急激に立ち上がった状態となり、この部分が極端に硬質化して応力集中の起点となる。
こうしたことが、DP鋼の特に伸びフランジ性を劣化させる大きな要因になっていると考えられる。
特開昭61−3843号公報 特開昭60−43425号公報
本発明は上記の様な状況の下で、特にフェライトとマルテンサイトを主体とする複合組織鋼板を対象とし、鋼板全体としては高強度を確保しつつ、特にフェライトとマルテンサイトとの境界部における炭素濃度(硬さ)の極端な上昇を抑えることによって、境界部での歪(応力)の集中を抑制し、優れた強度と延性、更には伸びフランジ性を兼ね備えた冷延鋼板を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明に係る高強度冷延鋼板は、フェライトの占積率(Vα)とマルテンサイトの占積率(Vα’)の総和が80%以上を占める複合組織鋼板であって、板厚表面から深さ方向1/4位置の断面において、200μm×200μmの視野内に観察されるマルテンサイトの結晶粒内に引ける最も長い直線の線分を引き、その長さが4μm以上であるとき、該線分上における、フェライトとマルテンサイトの粒界(前記線分の端部)から0.3μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hb)と、同粒界から2μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hc)が、下記式(1)の関係を満たし、好ましくは更に下記式(2)の関係を満たすところに特徴を有している。
Hc−Hb>0……(1)
Hc/Hb≧1.1……(2)
本発明の冷延鋼板において、前記線分の長さが4μm未満であるときは、前記硬さ(Hb)と、前記線分の中間点における硬さ(Hd)が、下記式(3)の関係を満たし、好ましくは更に下記式(4)の関係を満たすことが、優れた特性を確保するための要件となる。
Hd−Hb>0……(3)
Hd/Hb≧1.1……(4)
本発明では、上記の様に金属組織を特定すると共に、マルテンサイトのフェライトとの境界部近傍の硬さ(Hb)とマルテンサイト内部の硬さ(HcやHd)の関係を特定したところに特徴を有しており、鋼材の成分組成は特に制限されないが、鋼材の好ましい成分組成は、C:0.02〜0.3%(化学成分の場合は質量%を意味する、以下同じ)、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%、Al:0.010〜0.100%を含み、残部がFeおよび不可避不純物からなるものである。
また本発明においては、上記基本元素に加えて、要求特性に応じて、Pを0.01〜0.15%含有させたり、あるいはCr:0.003〜1.0%および/またはMo:0.003〜0.6%を含有させたり、あるいは更に、Ti:0.003〜0.2%、Nb:0.003〜0.2%、V:0.003〜0.2%よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有させることによって、物理的特性を更に改善したものであってもよい。
また、高強度冷延鋼板の強度基準は用途によっても変わってくるので一律に決めることはできないが、本発明で意図する具体的な強度の基準は、引張強度で590MPa以上、より一般的には780MPa以上である。
また本発明の製法は、上記特性を備えた高強度鋼板を得るための有用な方法として位置付けられる発明であり、第一の製法は、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac〜(Ac−50℃)の温度(T)に加熱してから30秒以上保持した後、(T+50℃)〜Ac点まで再加熱し、次いでMs点以下の温度まで急冷(例えば水冷)するところに特徴を有し、第二の製法は、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac点以上の温度に加熱して30秒以上保持した後、550℃〜Ac点の温度(T)まで冷却し、次いで(T+50℃)〜Ac点の温度に再加熱した後、Ms点以下の温度まで急冷するところに特徴を有し、第三の製法は、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac〜Acの温度(T)に加熱してから30秒以上保持した後、550℃〜(T−50℃)の温度(T)まで冷却し、その後(T+50℃)〜Ac点まで再加熱し、次いで、例えば水冷によりMs点以下の温度まで急冷するところに特徴を有している。
本発明によれば、フェライトとマルテンサイトの境界部における炭素濃度の局部的な上昇による硬度アップを無くし、特に、マルテンサイトのフェライトとの境界部側近傍の炭素濃度を漸減させることによって、当該境界部付近の硬度を「フェライト>境界部>マルテンサイト」とすることができる。それに伴って、境界部への応力の集中が抑えられ、強度、延性、伸びフランジ性の全ての要求特性を満たす複合組織鋼板を得ることができる。
また本発明の製法によれば、冷延鋼板を用いて複合組織鋼板を製造する際に、熱処理条件をうまくコントロールすることで上記境界部近傍の炭素濃度を所望通りに適正に制御することができ、上記特性を備えた高強度冷延鋼板を効率よく製造できる。
本発明者らは前述した様な解決課題の下で、フェライトとマルテンサイトの境界部における炭素濃度の局部的な上昇を無くし、むしろ、マルテンサイトのフェライト側境界部の炭素濃度をマルテンサイト中央部よりも低減させて、当該境界部付近の硬度を「フェライト>境界部>マルテンサイト」とすることができれば、境界部への応力集中が抑えられて伸びフランジ性が高められるのではないかと考え、鋭意研究を進めてきた。
その結果、逆変態を活用し、逆変態の進行中に、たとえば水冷などでMs点以下の温度まで急冷すれば、上記硬度差の要求を満たす複合組織鋼板が得られることを突き止めた。その原理を図面で説明すると次の通りである。
即ち図2は、図1で説明した2相温度域での変態とそれに伴う炭素濃度の変化に引き続いて、本発明に特有の熱処理を付加することで、フェライト(α)と未変態オーステナイト(γ)[急冷でマルテンサイト(α’)となる]の境界部における炭素濃度の急激な変動を抑えるための原理を示す説明図であり、図2(A),(B),(C)は図1(A),(B),(C)に対応する。
本発明では、2相温度域でフェライト(α)の生成と未変態オーステナイト(γ)方向への炭素の移動が起こった後、保持温度を2相温度域のより高い温度域に上昇させる。そうすると、変態により生成したフェライト(α)の一部が、温度の上昇によってオーステナイトに逆変態し、フェライト(α)の体積比率が減少すると共に、フェライト(α)からオーステナイト(γ)に逆変態した部分では、不足分のC(炭素)を、図2の右側に存在する元々の未変態オーステナイトから奪って安定化しようとする。その結果、逆変態を起こしたオーステナイト(γ)のフェライト(α)との境界側では、図2(D)に示す如く炭素濃度がフェライト(α)側になるほど低くなり、結果的に未変態オーステナイトからフェライト方向に炭素濃度が漸減する濃度勾配ができる。
この状態で同温度に保持すると、漸減した濃度勾配部に図面右側の未変態オーステナイトから炭素が拡散補充され、最終的に同一炭素濃度で安定化する。しかし、こうした炭素の拡散が進み切らないうちにMs点まで急冷すると、その時点で炭素の拡散は凍結され、生成するマルテンサイトとフェライトとの境界部では、フェライト側に炭素濃度が漸減する濃度勾配を有するものとなる。そして、こうした炭素濃度の差は各部位の硬さの差となって現れる。
この様に、フェライトとマルテンサイトとの境界部でフェライト側に炭素濃度が漸減する濃度勾配を与えることで、図2(A),(B)に示す如く境界部で急激に立ち上がった高炭素濃度部を有する従来材は勿論のこと、平衡状態になるまでCが拡散した図2(C)に示す矩形階段状の炭素濃度差を有する複合組織鋼板に比べても、境界部における硬さの急変が抑えられ、応力集中を最小限に抑えることが可能となる。
こうした知見を下に本発明者らは、最終的に得られる複合組織鋼板のフェライトとマルテンサイトの境界部における炭素濃度の変化を、その変化に伴う硬さの変化として定量化すべく研究を進めた。
その結果、上記炭素濃度の変化に伴う各部位の硬さの変化値として次の様に現わすことができることを知った。
即ち、主たる組織がフェライトとマルテンサイトからなる複合組織鋼板について、板厚表面から深さ方向1/4位置の断面写真において、例えば図3に示す如く、200μm×200μmの視野内に観察されるマルテンサイトの結晶粒内に引ける最も長い直線の線分を引き、その長さが4μm以上であるとき、該線分上における、フェライトとマルテンサイトの粒界(前記線分の端部)から0.3μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hb)と、同粒界から2μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hc)を求めたとき、HbとHcが下記式(1)の関係を満たすものは、フェライトとマルテンサイトとの境界部における応力の集中が有意に抑制されており、これが改善された伸びフランジ性の値として明確に現われることを知った。
Hc−Hb>0……(1)
ちなみに従来の複合組織鋼板では、前掲の図1や図2でも明らかにした通り、Ms点以下の温度まで急冷することによって生成するマルテンサイトのフェライトとの境界部近傍の炭素濃度は、マルテンサイト中央部側の炭素濃度よりも高く(即ち、Hc−Hb<0)[図1,2の(A),(B)参照]、上記式(1)の関係は、従来の複合組織鋼板を明確に排除する本発明に特有の関係である。
また本発明では、上記式(1)の関係に加えて下記式(2)の関係をも満たすものは、フェライトとの境界部において硬度差がより傾斜的に変化していることを表わしており、応力集中を抑える本発明の趣旨によりマッチした特性を有するものと言える。
Hc/Hb≧1.1……(2)
応力集中防止の観点からより好ましいのは「Hc/Hb≧1.2」、更に好ましくは「Hc/Hb≧1.3」である。
また、複合組織鋼板においてマルテンサイトのサイズが相対的に小さく、マルテンサイトの結晶粒内に引ける最も長い直線の線分の長さが4μm未満であるときは、例えば図4に示す如く、前記マルテンサイトのフェライトとの境界部近傍の硬さ(Hb)と前記線分の中間点における硬さ(Hd)が、下記式(3)の関係を満たし、あるいは更に下記式(4)の関係を満たすものが好ましい。
Hd−Hb>0……(3)
Hd/Hb≧1.1……(4)
応力集中防止の観点からより好ましい式(4)の関係は、「Hc/Hb≧1.2」、更に好ましくは「Hc/Hb≧1.3」である。
次に、本発明で使用する鋼材の好ましい成分組成を定めた理由は下記の通りである。
C:0.02〜0.3%
Cは、冷延鋼板の強度を高める上で重要な元素であり、マルテンサイト組織の生成によって高強度を確保するには0.02%以上の添加を必須とする。高強度化の観点からするとC量は多いほど好ましいが、多過ぎるとマルテンサイト組織が多くなり過ぎて加工性が悪くなる他、溶接性にも悪影響を及ぼす様になるので、0.3%を上限とする。Cのより好ましい含有率は0.05%以上、0.2%以下である。
Si:0.01〜2.5%
Siは、鋼を溶製する際に脱酸性元素として有効に作用する他、鋼の延性を劣化させることなく強度を高める有効な元素であり、更には伸びフランジ性を劣化させる鉄炭化物の析出を抑える作用も有している。これらの効果を有効に発揮させるには0.01%以上の含有を必須とするが、これらの添加効果は約2.5%で飽和するので、上限を2.5%と定めた。Siのより好ましい含有率は0.1%以上、2.0%以下である。
Mn:0.5〜2.5%
Mnは焼入れ性を高めて高強度を確保するうえで不可欠の元素であり、0.5%以上の添加を必須とする。しかしMn含量が多過ぎると、延性を低下させて加工性に悪影響を及ぼす様になるので、2.5%を上限とする。より好ましいMn含量は0.7%以上、2.3%以下である。
Al:0.010〜0.100%
Alは脱酸作用を有する元素であり、Al脱酸を行う場合は0.010%以上のAlを添加する必要がある。しかしAl含量が多過ぎると、上記効果が飽和するばかりか、非金属系介在物源となって物性や表面性状を劣化させるので、0.100%を上限とする。Alのより好ましい含有率は0.03%以上、0.08%以下である。
本発明で使用する鋼の残部成分はFeと不可避不純物であり、不可避不純物としては、鋼原料もしくはその製造工程で混入し得るS,N,Oなどが挙げられる。しかし、このほか本発明では、以下に示す如く要求特性に応じてP,Cr,Mo,Ti,Nb,Vなどを適量含有させることも有効である。
P:0.01〜0.15%
Pは、Siと同様に鋼の強化に有効な元素であり、0.01%以上含有させることでその効果が有効に発揮されるが、多過ぎるとスポット溶接性を著しく害するので0.15%以下、より好ましくは0.10%以下に抑えるべきである。
Cr:0.003〜1.0%および/またはMo:0.003〜0.6%
CrとMoは、いずれもオーステナイト相を安定化し、冷却過程での低温変態生成物の生成を容易にするのに有効な元素であり、その効果は、それぞれ0.003%以上添加することによって有効に発揮される。より好ましい含有量は各々0.005%以上である。しかしこれらの元素は高価であり、且つ多過ぎると延性を劣化させるので、Crは1.0%以下、より好ましくは0.8%以下、Moは0.6%以下、より好ましくは0.4%以下に抑えるべきである。
Ti0.003〜0.2%、Nb:0.003〜0.2%、V:0.003〜0.2%から選ばれる1種もしくは2種以上
これらの元素は、CやNと炭化物、窒化物、炭窒化物などの析出物を形成し、強度向上に寄与する他、熱延時における結晶粒を微細化して延性を高める作用も有しており、それらの効果は、それぞれ0.003%以上添加することによって有効に発揮される。より好ましい含有量は各々0.005%以上である。しかし、多過ぎると延性を却って劣化させるので、それぞれ0.2%以下、より好ましくは0.17%以下に抑えるべきである。
尚、本発明に係る冷延鋼板の強度は、用途に応じてC,Si,Mn,Moなどの含有率を変えることで600MPaレベル以上、更には900MPaレベル以上、あるいは更に1000MPa以上の任意の強度に調整できる。
本発明に係る複合組織鋼板は、主たる組織がフェライトとマルテンサイトからなるもので、その総和が占積率で80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であり、残部組織はベイナイト、パーライト、残留オーステナイトなどである。
前述した如く本発明では、フェライトとマルテンサイト主体の複合組織鋼板において、加工性は延性に優れたフェライトによって確保し、強度は硬質のマルテンサイトによって確保することを前提とし、更に加えて、マルテンサイト結晶粒内における粒界側と内部側の硬度差や硬度比を規定し、具体的には、マルテンサイト結晶粒内の炭素量が、中央部よりもフェライトとの境界部近傍側で低くなる様に制御することで、硬さを「マルテンサイト中央部領域>フェライトとの境界部>フェライト」と段階的に低くし、それによって境界部での応力集中を無くし、強度/延性/伸びフランジ性を兼備させるところに特徴があり、この様な硬さ調整を実現するには、既に図2でも説明した如く、2相温度域で保持し主としてオーステナイトとフェライトの2相が共存する組織とした後、フェライトの一部をオーステナイトに逆変態させ、その直後にMs点以下の温度に急冷することによってオーステナイトをマルテンサイトに変態させることが有効な手段となる。
こうした手段に叶う好ましい製造条件としては、次の様な方法が挙げられる。
第一の方法は、図5(A)に示す如く、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac〜(Ac−50℃)の温度(T)に加熱してから30秒以上保持した後、(T+50℃)〜Ac点まで再加熱し、次いでMs点以下の温度まで急冷する方法である。
この方法によれば、まず2相域温度(T)に加熱保持することでフェライトとオーステナイトの2相組織を得る。次いで(T+50℃)〜Ac点まで再加熱し、フェライトの一部をオーステナイトに逆変態させることで、炭素濃度の低いオーステナイトを生成させる。不足分の炭素はオーステナイト中央部側から直ぐに拡散移行してくるが、その拡散移行が完了するまでの短時間のうちにMs点以下の温度まで急冷すると、逆変態により生成したオーステナイトは急冷により炭素拡散を起こす暇なくマルテンサイトに変態し、急冷後の組織はマルテンサイトとフェライトとの境界側に、前記図2(D)に示した如く相対的に炭素濃度の低い部分ができる。
その結果、鋼板組織の炭素濃度は、マルテンサイトの中央部側で最も高く、マルテンサイトのフェライトとの境界側では前記逆変態による炭素不足によって炭素濃度はやや低くなり、フェライト組織の部分では前記境界部よりも更に低炭素濃度となり、こうした傾斜的炭素濃度の変化によって硬度も傾斜的に低くなる。その結果、該境界部における応力の集中がなくなり、得られる鋼板は優れた伸びフランジ性を発揮し得るものとなる。
尚この方法で、加熱温度(T)の上限を(Ac−50℃)とし、且つ再加熱温度の下限を(T+50℃)と定めたのは、これら加熱と再加熱の温度を2相温度域内に納め、逆変態を進めるための2相域内の温度として「少なくとも50℃」の温度差を確保するためである。逆変態の効果をより効率よく発現させるためのより好ましい温度は80℃以上であることから、加熱温度(T)のより好ましい上限温度は(Ac−80℃)以下、再加熱温度のより好ましい下限温度は(T+80℃)以上である。
また、温度(T)での加熱保持時間を「30秒以上」に定めたのは、2相温度域で十分量のフェライトを生成させると共に、フェライトおよびマルテンサイト中の炭素をほぼ平衡状態にまで十分拡散させるためである。加熱保持時間の上限は特に存在しないが、過度に長くすることは処理効率を下げるだけであるから、600秒以上の保持は無駄である。また、再加熱温度を(T+50℃)〜Ac点と定めたのは、フェライトの全てをオーステナイトに変態させることなく上記逆変態を短時間で効率よく進めるためであり、より好ましい再加熱温度は(T+80℃)〜Ac点である。再加熱後の保持時間は特に制限されないが、長過ぎると平衡状態に達してしまい所望のC濃度分布が得られなくなるので、5秒程度以下に抑えるのがよい。
上記再加熱の後にMs点以下の温度まで急冷(水冷など)すると、フェライトとの境界側で炭素濃度の低下したオーステナイトもマルテンサイトに変態し、マルテンサイトのフェライト境界面側に炭素濃度の相対的に低いマルテンサイトが生成することになり、本発明で意図する硬さバランスを有する冷延鋼板が得られる。
第2の方法は、図5(B)に示す如く、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac点以上の温度に加熱して30秒以上保持した後、550℃〜Ac点の温度(T)まで冷却し、次いで(T+50℃)〜Ac点の温度に再加熱した後、Ms点以下の温度まで急冷する方法である。
この方法によれば、先ずAc点以上の温度に30秒以上保持して金属組織をオーステナイト(γ)単相とし、次いでフェライト変態の生じる「550℃〜Ac点」の温度(T)まで降温し、その後、前記第1の方法で説明したのと同様の理由で「(T+50℃)〜Ac点」の温度に再加熱し、フェライトの一部をオーステナイトに逆変態させる。その後Ms点以下の温度まで急冷すると、上記と同様に、フェライトとの境界側で逆変態して炭素不足となったオーステナイトもマルテンサイトに変態し、マルテンサイトのフェライト境界面側に炭素濃度の相対的に低いマルテンサイトが生成し、本発明で意図する硬さバランスの冷延鋼板が得られる。
なお、550℃〜Ac点の温度(T)に降温した後に保持しても特に問題ないが、温度の保持は例えばパーライト変態が生じるなどの不具合が発生し易くなるため、これらの不具合を回避できる範囲で適宜設定すればよい。
第3の方法は、図5(C)に示す如く、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac〜Acの温度(T)に加熱してから30秒以上保持した後、550℃〜(T−50℃)の温度(T)まで冷却し、その後(T+50℃)〜Ac点まで再加熱し、次いでMs点以下の温度まで急冷する方法である。
この方法によれば、冷延鋼板をAc〜Acの2相域温度(T)に加熱してから30秒以上保持することで、フェライトとオーステナイトからなる2相組織を確保し、次いで、「550℃〜(T−50℃)」の温度(T)まで冷却することによって、オーステナイトの更に一部をフェライト変態させる。しかる後に、「(T+50℃)〜Ac点」まで再加熱することによってフェライトの一部をオーステナイトに逆変態させ、その直後にMs点以下の温度まで急冷してマルテンサイト変態させればよい。ここで、温度(T)の上限を(T−50℃)と定め、且つ再加熱温度の下限を(T+50℃)と定めたのは、前記と同様に再加熱時に50℃以上の温度差を確保して逆変態を効率よく進めるためである。従って前記と同様の理由で、温度(T)のより好ましい上限温度は(T−80℃)以下、再加熱のより好ましい下限温度は(T+80℃)以上である。
尚、第3の方法を実施する際に、Tの温度で短時間保持することは特に問題ない。
上記第1乃至第3の方法を採用することで、逆変態を効率よく進めることができ、本発明の目的に叶う強度/延性/伸びバランスの全てに優れた高強度冷延鋼板を得ることができる。また、上記方法の後に焼戻し熱処理を行ってマルテンサイトの硬さを制御すれば、一段と優れた特性の鋼板が得られ易くなることは当然であり、本発明を実施する際にこの様な熱処理を施すことも勿論可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例
下記表1に示す化学成分の鋼材A〜Pを溶製し、鋳造によりスラブを製造した。このスラブをAc点以上の温度に加熱した後、厚さ3.2mmにまで熱間圧延し、酸洗してから厚さ1.6mmまで冷間圧延した。その後、図6(A),(B)のヒートパターン及び表2に示す条件で熱処理を行って冷延鋼板を得た。
得られた各冷延鋼板について、板厚表面から深さ方向1/4位置を切り出し、表面を清浄化してから光学顕微鏡を用いて組織の同定と占積率を求めると共に、組織中のマルテンサイト組織各部位の硬さを測定し、且つ各鋼板の機械的特性を求めて、結果を表3に示した。
なお断面組織は、各供試鋼板の深さ方向1/4位置の断面をレペラー腐食した後、光学顕微鏡(オリンパス社製の商品名「GX71」)を用いて倍率1000倍で観察することにより、組織の同定と占積率を求めた。また、各供試片の200μm×200μmの視野内に観察されるマルテンサイトの結晶粒内に引ける最も長い直線の線分上で、フェライトとマルテンサイトの粒界(前記線分の端部)から0.3μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hb)と、同粒界から2μm離れた箇所(マルテンサイト結晶粒内に引ける線分の長さが4μm未満であるときは中央部)におけるマルテンサイトの硬さ(Hc、またはHd)を、MTS systems社製の硬さ測定装置(商品名「ナノインデンターXP」)を用いて夫々5箇所測定し、その平均値を求めた。
また、各供試鋼板についてそれぞれ下記の方法で引張試験および穴拡げ試験を行い、結果を表3に併記した。
引張試験:インストロン社製の万能引張試験機を使用し、JIS5号引張試験片を用いて引張強度(TS)と伸び率(El)を求めた。
穴拡げ試験:東京衡機社製の20トン穴拡げ試験機を使用し、鉄鋼連盟規格(JFST1001−1996)に準拠して穴拡げ率(λ)を求めた。
なお物理的特性の評価については、引張強度(TS)が590MPa以上で、且つ強度と伸びの積で表される強度・伸びバランス(TS×El)が18000MPa・%以上(これら2つを併せて特性Aとする)を満たし、且つ伸びフランジ性(λ)が60%以上(これを特性Bとする)を満たすものを◎、特性Aのみを満たすものを○、特性Bのみを満たすものを△、特性A、Bの両方を満たさないものを×とし、◎のみを合格とする。
Figure 0004732986
Figure 0004732986
Figure 0004732986
上記表1〜3から次の様に考えることができる。
実施例として行ったNo.3〜5、7〜15およびNo.18は、本発明の規定要件を満たしているため、いずれも優れた特性が得られている。
これらに対しNo.1,2,6,16,17は、成分や製造条件が規定要件を外れているため、以下の様に満足のいく特性が得られていない。
No.1は、C量が規定範囲に満たないため、強度と強度×伸び特性が悪い。
No.2は、C量が多過ぎるため強度が必要以上に高くなり、伸びが低下して強度×伸び特性が悪くなっている。
No.6は、Mn量が規定範囲を超えているため強度が必要以上に高くなり、やはり伸びが低下して強度×伸び特性が悪くなっている。
No.16は、TとTの温度差が狭すぎるため所望の硬度勾配が得られず、λが低下している。
No.17は、T>Tとなっているため適正な硬度勾配が得られず、λが低下している。
オーステナイト単相温度域からオーステナイト+フェライト(γ+α)2相温度域まで降温したときの変態によって生じるフェライト(α)と未変態オーステナイト(γ)の炭素濃度の変化を示した説明図である。 本発明で活用する、オーステナイト単相温度域からオーステナイト+フェライト(γ+α)2相温度域まで降温したときの変態によって生じるフェライト(α)と未変態オーステナイト(γ)の炭素濃度の変化を示した説明図である。 本発明で実施するマルテンサイト結晶粒内の硬さ測定位置を示す概念図である。 本発明で実施するマルテンサイト結晶粒内の他の硬さ測定位置を示す概念図である。 本発明の製法を実施する際のヒートパターンを示す説明図である。 実施例で採用したヒートパターンを示す説明図である。

Claims (10)

  1. C:0.02〜0.3%(化学成分の場合は質量%を意味する、以下同じ)、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%、Al:0.010〜0.100%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物であるとともに、引張強度が590MPa以上であり、
    フェライトの占積率(Vα)とマルテンサイトの占積率(Vα’)の総和が80%以上を占める複合組織鋼板であって、板厚表面から深さ方向1/4位置の断面において、200μm×200μmの視野内に観察されるマルテンサイトの結晶粒内に引ける最も長い直線の線分を引き、その長さが4μm以上であるとき、該線分上における、フェライトとマルテンサイトの粒界(前記線分の端部)から0.3μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hb)と、同粒界から2μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hc)が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板。
    Hc−Hb>0……(1)
  2. 前記HbとHcが、更に下記式(2)の関係を満たすものである請求項1に記載の高強度冷延鋼板。
    Hc/Hb≧1.1……(2)
  3. C:0.02〜0.3%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%、Al:0.010〜0.100%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物であるとともに、引張強度が590MPa以上であり、
    フェライトの占積率(Vα)とマルテンサイトの占積率(Vα’)の総和が80%以上を占める複合組織鋼板であって、板厚表面から深さ方向1/4位置の断面において、200μm×200μmの視野内に観察されるマルテンサイトの結晶粒内に引ける最も長い直線の線分を引き、その長さが4μm未満であるとき、該線分上において、フェライトとマルテンサイトの粒界(前記線分の端部)から0.3μm離れた箇所におけるマルテンサイトの硬さ(Hb)と、前記線分の中間点における硬さ(Hd)が、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板。
    Hd−Hb>0……(3)
  4. 前記HdとHbが、更に下記式(4)の関係を満たすものである請求項3に記載の高強度冷延鋼板。
    Hd/Hb≧1.1……(4)
  5. の元素としてP:0.01〜0.15%を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
  6. の元素としてCr:0.003〜1.0%および/またはMo:0.003〜0.6%を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
  7. の元素としてTi:0.003〜0.2%、Nb:0.003〜0.2%、V:0.003〜0.2%よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
  8. 前記請求項1〜7のいずれかに記載された高強度冷延鋼板を製造する方法であって、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac1〜(Ac3−50℃)の温度(T1)に加熱してから30秒以上保持した後、(T1+50℃)〜Ac3点まで再加熱し、次いでMs点以下の温度まで急冷することを特徴とする、伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板の製法。
  9. 前記請求項1〜7のいずれかに記載された高強度冷延鋼板を製造する方法であって、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac3点以上の温度に加熱して30秒以上保持した後、550℃〜Ac3点の温度(T2)まで冷却し、次いで(T2+50℃)〜Ac3点の温度に再加熱した後、Ms点以下の温度まで急冷することを特徴とする、伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板の製法。
  10. 前記請求項1〜7のいずれかに記載された高強度冷延鋼板を製造する方法であって、前記成分組成の要件を満たす鋼からなる冷延鋼板を、Ac1〜Ac3の温度(T3)に加熱してから30秒以上保持した後、550℃〜(T3−50℃)の温度(T4)まで冷却し、その後(T4+50℃)〜Ac3点まで再加熱し、次いでMs点以下の温度まで急冷することを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板の製法。
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