JPH0663364A - 酸およびアルカリの製造方法 - Google Patents

酸およびアルカリの製造方法

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JPH0663364A
JPH0663364A JP22412192A JP22412192A JPH0663364A JP H0663364 A JPH0663364 A JP H0663364A JP 22412192 A JP22412192 A JP 22412192A JP 22412192 A JP22412192 A JP 22412192A JP H0663364 A JPH0663364 A JP H0663364A
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篤志 冨田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、バイポーラ膜を使用した塩水溶液の
電気透析をフィルタープレス型電気透析槽により実施す
る場合において、締付枠に接する膜が該締付枠の枠内に
組み込まれている格子状物との接触部において破損して
いても、電気透析の運転中における電流効率の低下が防
止される方法を提供することを目的とする。 【構成】陽極と陰極の間に締付枠によって陽イオン交換
膜、バイポーラ膜および陰イオン交換膜を順に配列させ
て締付け、塩室、酸室およびアルカリ室を形成させたフ
ィルタープレス型電気透析槽を使用し、塩室に塩水溶液
を供給して酸室およびアルカリ室から酸およびアルカリ
をそれぞれ取り出す酸およびアルカリの製造方法におい
て、締付枠の枠内に形成される透析室と該締付枠に隣接
した透析室のそれぞれの透析室を形成する膜の配列を任
意に組み合わせることにより、該隣接する透析室に酸ま
たはアルカリのうち同じ液種を供給することを特徴とす
る酸およびアルカリの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩水溶液のバイポーラ
膜電気透析により酸およびアルカリを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラ膜を使用した塩水溶液の電気
透析により、酸およびアルカリを生成させることは公知
である。例えば、陽イオン交換膜、バイポーラ膜および
陰イオン交換膜を順に複数配列させてなる三室式セル方
式は、特公昭32−3962号公報、特公昭33−69
63号公報、特開昭63−65912号公報などで知ら
れている。
【0003】従来、こうしたバイポーラ膜を使用した塩
水溶液の電気透析は、フィルタープレス型電気透析槽を
用いて行うのが一般的である。即ち、フィルタープレス
型電気透析槽とは、一定枚数の膜をガスケットを介して
交互に重ね合わせ、これを両側から締付枠により締付け
た積層物を、陽極と陰極の間に設置した透析槽である。
この時、上記締付枠の枠内には透析槽の電極間での適度
な導電性を保つために酸またはアルカリが供給される。
そのため、上記透析槽では、締付枠の枠内に形成される
室も、酸室またはアルカリ室の透析室として利用されて
いる。この場合、バイポーラ膜を使用した塩水溶液の電
気透析では透析室は、陽イオン交換膜とバイポーラ膜の
間に形成されるアルカリ室、バイポーラ膜と陰イオン交
換膜の間に形成される酸室、陰イオン交換膜と陽イオン
交換膜の間に形成される塩室が順に繰り返されているか
ら、かかる締付枠の枠内に形成される酸室またはアルカ
リ室は、別の液種の透析室と隣接している。例えば、図
3の従来のバイポーラ膜を使用した電気透析槽に設置さ
れている締付枠のうち、陽極室6の隣に設置されている
締付枠8は、枠内の透析室にアルカリが供給されてい
る。そして、この締付枠8に隣接する室は、上記陽極室
6の側は陽極液として同じアルカリが供給される室とな
っているが、透析室の側は酸室4となっており透析液と
して酸が供給されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、上記フ
ィルタープレス型電気透析槽に用いる締付枠には、該締
付枠に接する膜を保持する目的で、通電部となる枠内に
格子状物等の支持物が組み込まれている。ところが、こ
の格子状物は剛性であるため、締付枠に接する膜は該格
子状物との接触部において破損することがある。そし
て、このような膜の破損が生じた場合、締付枠内に供給
されている酸またはアルカリが該締付枠に隣接する他の
液種の透析室に混入し、その結果、電気透析の運転中に
おける電流効率の低下や、該透析室での透析液の純度を
低下させてしまう。
【0005】こうした背景から、本発明は、バイポーラ
膜を使用した塩水溶液の電気透析をフィルタープレス型
電気透析槽により実施する場合において、電気透析の運
転中における電流効率の低下や、締付枠に隣接する透析
室における透析液の純度の低下を防止する方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するべく鋭意研究した結果、締付枠の枠内に形
成される透析室と該締付枠に隣接した透析室とに酸また
はアルカリのうち同じ液種を供給することによって、上
記目的を達成することができること見出し、本発明を提
供するに到った。
【0007】即ち、本発明は、陽極と陰極の間に締付枠
によって陽イオン交換膜、バイポーラ膜および陰イオン
交換膜を順に配列させて締付け、塩室、酸室およびびア
ルカリ室を形成させたフィルタープレス型電気透析槽を
使用し、塩室に塩水溶液を供給して酸室およびアルカリ
室から酸およびアルカリをそれぞれ取り出す酸およびア
ルカリの製造方法において、締付枠の枠内に形成される
透析室と該締付枠に隣接した透析室とに酸またはアルカ
リのうち同じ液種を供給することを特徴とする酸および
アルカリの製造方法である。
【0008】本発明においてバイポーラ膜を組み込んだ
電気透析槽としては、フィルタープレス型のものであれ
ば公知のものが何ら制限なく使用できる。こうしたフィ
ルタープレス型電気透析槽としては、例えば図1に示す
ような構造のものがある。即ち、図1の電気透析槽にお
いて陽極1と陰極2との間には、陽イオン交換膜
(C)、バイポーラ膜(B)および陰イオン交換膜
(A)の3種類がガスケットを介して順に配列されてい
る。ここで、この電気透析槽には、陽イオン交換膜
(C)とバイポーラ膜(B)の間にアルカリ室3が、バ
イポーラ膜(B)と陰イオン交換膜(A)の間に酸室4
が、陰イオン交換膜(A)と陽イオン交換膜(C)の間
に塩室5が形成されている。そうして、かかる電気透析
槽には、陽極室6並びに陰極室7の隣、および上記積層
される膜の配列の途中に締付枠8、9、10が設置さ
れ、該積層物を締付けている。なお、バイポーラ膜は、
通常、陰イオン交換体側を陽極側に、また、陽イオン交
換体側を陰極側に向けて使用される。また、締付枠の枠
内に形成される室には、透析槽の電極間での適度な導電
性を保つために酸またはアルカリが供給されている。
【0009】本発明の最大の特徴は、上記の様なフィル
タープレス型電気透析槽において、締付枠の枠内に形成
される透析室と該締付枠に隣接した透析室とに酸または
アルカリのうち同じ液種を供給するようにした点にあ
る。この構成により、本発明では上記の如く締付枠に接
して配列される膜が破損しても、違う液種の透析液の混
合による電流効率の低下等の問題が生じない。
【0010】本発明において、上記の如く締付枠の枠内
に形成される透析室と該締付枠に隣接した透析室とに酸
またはアルカリのうち同じ液種を供給するには、この隣
接するそれぞれの透析室を形成する膜の配列を任意に組
み合わせて、各透析室が酸室またはアルカリ室の同じ液
種の透析室になるようにすれば良い。このように締付枠
の枠内に形成される透析室と該締付枠に隣接した透析室
とが同じ透析室になっている透析槽の例を図1により説
明する。まず、図1の電気透析槽において、締付枠8は
陽極液としてアルカリが供給される陽極室6aの隣に陽
イオン交換膜(C)を介して設置され、枠内の室にアル
カリが供給されている。そして、この締付枠8には、該
締付枠からみて順に陽イオン交換膜(C)、バイポーラ
膜(B)、陰イオン交換膜(A)が配列されている。こ
の場合、締付枠8に隣接した透析室は上記締付枠内の室
と同じくアルカリが供給される透析室となる。また、図
1の電気透析槽において、締付枠9は陰極液としてアル
カリが供給される陰極室7の隣に陽イオン交換膜(C)
を介して設置され、枠内の室にアルカリが供給されてい
る。この締付枠9には、該締付枠からみて順に陽イオン
交換膜(C)、陽イオン交換膜(C)、陰イオン交換膜
(A)が配列されている。この場合、締付枠9に隣接し
た透析室は上記締付枠の枠内の室と同じくアルカリが供
給される透析室となる。さらに、図1の電気透析槽にお
いて、締付枠10は積層される膜の配列の途中に挿入さ
れ、枠内の室にアルカリが供給されている。そして、こ
の締付枠10には、該締付枠からみて順に陽極1側に陽
イオン交換膜(C)、陽イオン交換膜(C)、陰イオン
交換膜(A)が配列され、陰極2側に陽イオン交換膜
(C)、バイポーラ膜(B)、陰イオン交換膜(A)が
配列されている。この場合、締付枠10の両側に隣接し
た透析室は、いずれも上記締付枠の枠内の室と同じくア
ルカリが供給される透析室となる。
【0011】次に、別の透析槽の例を図2により説明す
る。まず、図2の電気透析槽において、締付枠8は陽極
液として酸が供給される陽極室6bの隣に陽イオン交換
膜(C)を介して設置され、枠内の室に酸が供給されて
いる。そして、この締付枠8には、該締付枠からみて順
に陰イオン交換膜(A){陽イオン交換膜(C)であっ
ても良い}、陰イオン交換膜(A)、陽イオン交換膜
(C)が配列されている。この場合、締付枠8に隣接し
た透析室は上記締付枠の枠内の室と同じく酸が供給され
る透析室となる。また、図2の電気透析槽において、締
付枠9は陰極液としてアルカリが供給される陰極室7の
隣に陽イオン交換膜(C)を介して設置され、枠内にア
ルカリが供給されている。そして、この締付枠9には、
前記図1の透析槽の場合と同様に該締付枠からみて順に
陽イオン交換膜(C)、陽イオン交換膜(C)、陰イオ
ン交換膜(A)が配列されている。この場合、締付枠9
に隣接した透析室は上記締付枠の枠内の室と同じくアル
カリが供給される透析室となる。さらに、図2の電気透
析槽において、締付枠10は積層される膜の配列の途中
に挿入され、枠内に酸が供給されている。そして、この
締付枠10には、該締付枠からみて順に陽極1側に陰イ
オン交換膜(A){陽イオン交換膜(C)であっても良
い}、バイポーラ膜(B)、陽イオン交換膜(C)が配
列され、陰極2側に陰イオン交換膜(A){陽イオン交
換膜(C)であっても良い}、陰イオン交換膜(A)、
陽イオン交換膜(C)が配列されている。この場合、締
付枠10の両側に隣接した透析室は、いずれも上記締付
枠の枠内の室と同じく酸が供給される透析室となる。な
お、上記図1および図2に示すような電気透析装置にお
いて、積層される膜の配列の途中に挿入される締付枠1
0は、膜の配列枚数が多い場合には膜の配列の1箇所だ
けでなく必要に応じて複数箇所に設置しても良い。
【0012】なお、上記図1の電気透析槽では、陽極室
6aに供給された陽極液のアルカリは透析中に消費され
濃度が減少していくため、該陽極液を循環させて使用す
る際には、新たに消費された量のアルカリを補充しなけ
ればならない。これに対して、図2の電気透析槽では、
陽極室6bに供給された陽極液の酸は透析中において濃
度変化がなく、排出された液をそのまま再度循環させて
使用できる。こうした点から本発明では、図2の電気透
析槽を用いて電気透析を行う方がより好ましい。
【0013】上記の電気透析槽において、陽極および陰
極は水電解、食塩電解など電気化学工業で用いられる電
極が、何等制限なく用いられる。例えば、陽極材料とし
てはニッケル、鉄、鉛、白金または黒鉛等が、また、陰
極材料としてはニッケル、鉄、ステンレススチールまた
は白金等が好適に使用できる。
【0014】陽極室に供給する陽極液の種類は、陽極材
料の種類に応じて適宜選択することができる。これらの
組合せとして好ましいものを例示すると、例えば、次の
とおりである。ニッケルまたは鉄−水酸化ナトリウム水
溶液、鉛−硫酸水溶液、白金−硫酸または硫酸ナトリウ
ム水溶液、黒鉛−食塩水溶液を挙げることができる。ま
た、陰極材料と陰極液の組合せとして好ましいものは以
下のようである。ニッケル、鉄、またはステンレススチ
ール−水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムまたは食塩水
溶液を挙げることができる。
【0015】本発明で用いる陽イオン交換膜は、特に限
定されず公知の陽イオン交換膜を用いることが出来る。
例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、
硫酸エステル基、リン酸エステル基を有するもの、さら
にこれらのイオン交換基の複数種類が混在した陽イオン
交換膜を使用できる。また、陽イオン交換膜は重合型、
縮合型、均一型、不均一型の別なく、また、補強心材の
有無や、炭化水素系のもの、フッ素系のもの、材料・製
造方法に由来する陽イオン交換膜の種類、型式などの別
なく如何なるものであってもよい。さらに、2N−食塩
水溶液を5A/dmの電流密度で電気透析し、電流効率
が70%以上の実質的に陽イオン交換膜として機能する
ものであれば、一般に両性イオン交換膜と称されるもの
であっても本発明の陽イオン交換膜として使用できる。
また、陽極室に接する陽イオン交換膜は、フッ素系のも
のを使用することが好ましい。
【0016】本発明で使用されるバイポーラ膜は、陽イ
オン交換膜と陰イオン交換膜とが張り合わさった構造を
した複合イオン交換膜である。そのようなバイポーラ膜
としては、特に制限されず公知の膜を使用することがで
きる。その製造方法としては、次のようなものが知られ
ている。例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを
ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリンの混合物で張
り合わせ硬化接着する方法(特公昭32−3962号公
報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とをイオン交換
性接着剤で接着させる方法(特公昭34−3961号公
報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを微粉のイオ
ン交換樹脂、陰または陽イオン交換樹脂と熱可塑性物質
とのペースト状混合物を塗布し圧着させる方法(特公昭
35−14531号公報)、陽イオン交換膜の表面にビ
ニルピリジンとエポキシ化合物とからなる糊状物質を塗
布し、これに放射線照射することによって製造する方法
(特公昭38−16633号公報)、陰イオン交換膜の
表面にスルホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付
着させた後、電離性放射線を照射架橋させる方法(特公
昭51−4113号公報)、イオン交換膜の表面に反対
電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との
混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公
報)、ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベン
ゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製の枠には
さみつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取
り外して残りの部分にクロルメチル化、次いでアミノ化
処理する方法(米国特許3562139号明細書)、ま
た陰イオン交換膜と陽イオン交換膜との界面を無機化合
物で処理し、両膜を接合する方法(特開昭59−472
35号公報)などである。
【0017】本発明で用いる陰イオン交換膜は、特に限
定されず公知の陰イオン交換膜を用いることが出来る。
例えば、4級アンモニウム基、1級アミノ基、2級アミ
ノ基、3級アミノ基、さらにこれらのイオン交換基が複
数混在した陰イオン交換膜を使用できる。また該陰イオ
ン交換膜は重合型、縮合型、均一型、不均一型の別な
く、また、補強心材の有無や、炭化水素系のもの、フッ
素系のもの、材料・製造方法に由来する陰イオン交換膜
の種類、型式などの別なく如何なるものであってもよ
い。さらに2N−食塩溶液を5A/dm2の電流密度で
電気透析し、電流効率が70%以上の実質的に陰イオン
交換膜として機能するものであれば、一般に両性イオン
交換膜と称されるものであっても本発明の陰イオン交換
膜として使用できる。陰イオン交換膜は酸を透過させ易
い傾向があるので、酸を透過させにくい陰イオン交換膜
使用することが好ましい。
【0018】本発明において電気透析の対象として使用
される塩は、電気透析により塩分解を行って生成する酸
およびアルカリが水溶液を形成するものであれば、有機
塩および無機塩を問わず何等制限なく使用できる。塩を
構成する陽イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、アンモニウムイオン等がある。また塩
を構成する陰イオンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素の各ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸
イオン、乳酸イオン等がある。
【0019】本発明における電気透析の方法としては、
酸室およびアルカリ室は、それぞれの室に供給する液の
タンクを設けて、それぞれの室と液のタンクの間でそれ
ぞれの液を循環させる方法を好適に採用することができ
る。
【0020】生成してきた酸またはアルカリを抜き出す
方法としては、下記に示す方法を好適に採用できる。
【0021】1.始めに薄い酸またはアルカリ水溶液を
仕込んでおいて酸またはアルカリを生成させ、所定の濃
度になったときに酸またはアルカリを所定量抜き出して
水を補充し、初期の酸またはアルカリ濃度にするという
いわゆるバッチ式方法。
【0022】2.予め所定濃度の酸またはアルカリ水溶
液を仕込んでおき、通電時に通電電気量に応じて連続的
に水を添加することにより所定濃度の酸またはアルカリ
水溶液をオーバーフローさせるという連続方法。
【0023】塩水溶液も酸およびアルカリ水溶液と同様
にして、塩室5と塩タンク12とを塩水溶液循環ライン
13で結び、塩室5から排出された塩水溶液を塩タンク
12を通して再び塩室5に循環しながら脱塩していく方
法が採用される。
【0024】通常のイオン交換膜電気透析においては、
塩水溶液、酸水溶液、あるいはアルカリ水溶液は電槽の
下部から供給されて上部から排出される。しかしなが
ら、バイポーラ膜電気透析においては、酸およびアルカ
リ水溶液は電槽の上部から供給し下部から排出するのが
好ましい。なぜならば、酸およびアルカリ水溶液は電槽
内でその濃度が上昇し、それらの溶液は濃度が高くなる
ほど比重が大となる。従来法のように電槽の下部から上
部に液を供給すると、電槽の入口付近より出口付近の方
が比重が大きくなってしまい、電槽内で対流が発生して
しまう。ところが、電槽の上部から下部へ液を供給する
場合は、下部に進むほど濃厚な酸、アルカリ水溶液にな
るため電槽内で内部対流が発生せず、さらに、電槽内で
最も濃度の高い液を外部に取り出すことが可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、締付枠に接して配列さ
れている膜が締付枠の枠内に組み込まれている格子状物
と接触して破損した場合においても、締付枠の枠内に形
成される透析室と該締付枠に隣接した透析室とに同じ液
種が供給されているため、電流効率の低下や、上記締付
枠に隣接する透析室において透析液の純度が低下するこ
とがなく、電気透析を長期にわたって安定して行うこと
ができる。
【0026】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために下記に
実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1 バイポーラ膜は次のようにして得た。即ち、ビニルベン
ジルクロリド50部、スチレン35部、純度50%のジ
ビニルベンゼン15部、ベンゾイルパーオキサイド2
部、スチレンオキサイド2部およびアクリロニトリル−
ブタジエンゴム5部からなる粘稠なポリマー溶液を調製
した。このポリマー溶液をガラス板間において、窒素雰
囲気中の70℃で16時間の加熱重合を行って高分子膜
状物を得た。次に、この高分子膜状物を96%硫酸に6
0度で10分間浸漬し、膜状物の表面にスルホン酸基を
導入した。さらに、トリメチルアミン−アセトン−水
(1:1:8)混合溶液中に置いて、30℃で1日処理
して、膜状物の内部に陰イオン交換基を導入し陰イオン
交換膜を得た。この表面がスルホン化された陰イオン交
換膜と徳山曹達社製陽イオン交換膜(商品名、CM−
1)の間に、5%ポリビニルアルコールと5%グルタル
アルデヒドの等量よりなる混合物を塗り、50℃にて加
熱プレスを1時間行って接着し、バイポーラ膜を得た。
また、陰イオン交換膜および陽イオン交換膜は、徳山曹
達社製のもの(商品名、AMH,CL−25T)を用い
た。
【0028】バイポーラ膜電気透析槽は、前記した図1
に示す構造のものを使用した。なお、かかる電気透析槽
において、一対の陽陰極間に形成される塩室5、酸室4
およびアルカリ室3の透析室の総数は、締付枠8、9、
10内に形成されるアルカリ室の数も含めて305室
(塩室;100室、酸室;100室、アルカリ室;10
5室)とした。この場合、使用した陽イオン交換膜、バ
イポーラ膜、陰イオン交換膜の各枚数は、陽イオン交換
膜が106枚、バイポーラ膜が100枚、陰イオン交換
膜が100枚であった。また、膜の配列の途中に挿入さ
れる締付枠10は、該締付枠内の透析室が陽極室6aの
隣に位置する締付枠8内の透析室(アルカリ室)から数
えて153室めになるように設置した。そして、陽イオ
ン交換膜(C)、バイポーラ膜(B)、陰イオン交換膜
(A)の有効膜面積はいずれも100dm2とした。
【0029】アルカリ室は4%水酸化ナトリウム水溶液
を0.5cm/秒の線速度で電気透析槽の上部から供給
し下部から排出させて循環し、また通電中はイオン交換
水を連続的に加えることで水酸化ナトリウムの濃度を4
%に保った。酸室は5%硫酸水溶液を0.5cm/秒の
線速度で電気透析槽の上部から供給し下部から排出させ
て循環し、通電中はイオン交換水を連続的に加えること
で硫酸の濃度を5%に保った。陽極室と陰極室はそれぞ
れ硫酸ナトリウム水溶液5リットル(490gの硫酸ナ
トリウムを含む)を循環した。塩室には14.2%硫酸
ナトリウムを5cm/秒の線速度で供給し、循環した。
【0030】40℃、電流密度10A/dm2で電気透
析を行った。720時間運転後、製造された酸およびア
ルカリの各濃度を測定し、その運転中の電流効率を求め
たところ、該値は酸製造における値が75%で、アルカ
リ製造における値が73%であった。
【0031】比較例1 実施例1において、バイポーラ膜電気透析槽として前記
図3に示すような構造のものを用いたこと以外は、実施
例1と同様な方法により電気透析を行った。なお、かか
る図3の電気透析槽において、一対の陽陰極間に形成さ
れる塩室5、酸室4およびアルカリ室3の透析室の総数
は、締付枠8、9、10内に形成されるアルカリ室の数
も含めて301室(塩室;100室、酸室;100室、
アルカリ室;101室)とした。この場合、使用した陽
イオン交換膜、バイポーラ膜、陰イオン交換膜の各枚数
は、陽イオン交換膜が102枚、バイポーラ膜が100
枚、陰イオン交換膜が100枚であった。また、膜の配
列の途中に挿入される締付枠10は、該締付枠内の透析
室が締付枠8内の透析室(アルカリ室)から数えて15
1室めになるように設置した。
【0032】120時間運転後、製造された酸およびア
ルカリの各濃度を測定し、その運転中の電流効率を求め
たところ、該値は酸製造における値が70%で、アルカ
リ製造における値が68%であった。
【0033】実施例2 実施例1において、バイポーラ膜電気透析槽として前記
図2に示すような構造のものを用いたこと以外は、実施
例1と同様な方法により電気透析を行った。なお、かか
る図2の電気透析槽において、一対の陽陰極間に形成さ
れる塩室5、酸室4およびアルカリ室3の透析室の総数
は、締付枠8、10内に形成される酸室および締付枠9
内に形成されるアルカリ室の数も含めて307室(塩
室;101室、酸室;104室、アルカリ室;102
室)とした。この場合、使用した陽イオン交換膜、バイ
ポーラ膜、陰イオン交換膜の各枚数は、陽イオン交換膜
が104枚、バイポーラ膜が100枚、陰イオン交換膜
が104枚であった。また、膜の配列の途中に挿入され
る締付枠10は、該締付枠内の透析室が締付枠8内の透
析室(酸室)から数えて153室めになるように設置し
た。
【0034】720時間運転後、製造された酸およびア
ルカリの各濃度を測定し、その運転中の電流効率を求め
たところ、該値は酸製造における値が75%アルカリ製
造における値が73%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用する三室式電気透析槽の
模式図である。
【図2】図2は、本発明で使用する三室式電気透析槽の
別の態様の模式図である。
【図3】図3は、従来の三室式電気透析槽の模式図であ
る。
【符号の説明】
A 陰イオン交換膜 B バイポーラ膜 C 陰イオン交換膜 1 陽極 2 陰極 3 アルカリ室 4 酸室 5 塩室 6a アルカリが陽極液の陽極室 6b 酸が陽極液の陽極室 7 陰極室 8、9、10 締付枠 11 塩水溶液供給ライン 12 塩タンク 13 塩水溶液循環ライン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に締付枠によって陽イオン
    交換膜、バイポーラ膜および陰イオン交換膜を順に配列
    させて締付け、塩室、酸室およびアルカリ室を形成させ
    たフィルタープレス型電気透析槽を使用し、塩室に塩水
    溶液を供給して酸室およびアルカリ室から酸およびアル
    カリをそれぞれ取り出す酸およびアルカリの製造方法に
    おいて、締付枠の枠内に形成される透析室と該締付枠に
    隣接した透析室とに酸またはアルカリのうち同じ液種を
    供給することを特徴とする酸およびアルカリの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106139908A (zh) * 2015-05-11 2016-11-23 Agc工程株式会社 压滤型电渗析装置

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