JPH0663244U - ワーク取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ワイヤカット放電加工機における
ワークを取付けて放電加工するワーク取付装置に係り、
ワークをワイヤ電極の加工面へ位置決めを簡素化して取
付時間を短縮し、放電加工効率の向上を図るものであ
る。 【構成】 本考案は、額縁状をなす本体１の直交する各
側枠１ａ、１ｂにＸ方向に対応する第１基準面２及びＹ
方向に対応する第２基準面３を形成し、この両基準面の
直下にＺ方向に対応する第３基準面４を形成した各保持
部材５を着脱自在に設け、上記各側枠に対し互いに向合
った他の各側枠１ｃ、１ｄに各長孔６、７を長手方向へ
穿設し、この各長孔に可動調整部材９を各取付部材１０
で固定するように設け、この可動調整部材９にワークを
固定する操作螺杆１１を螺装したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、ワイヤカット放電加工機におけるワーク（被加工物）を取 付けて放電加工するワーク取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のワークの取付装置は、図５に示されるように構成されている。

【０００３】 即ち、図５において、扁平な基板ａ上には、複数の支持テーブルｂがコ字状に 囲むように取付けられており、この各支持テーブルｂの上面には、複数の取付孔 ｂ1 がそれぞれ一列にして穿設されている。又、この支持テーブルｂには、保持 板ｃが各取付ボルトｄで各長孔ｃ1 と上記各取付孔ｂ1 とを引き通して固定され ており、上記保持板ｃの内端部には、Ｖ溝部ｅが形成されている。さらに、上記 保持板ｃの内端部には、一対の案内杆ｆが水平に平行して植設されており、この 両案内杆ｆの端部には、連結部材ｇが取付けられている。さらに又、この連結部 材ｇの内側の上記両案内杆ｆには、可動支持部材ｈが摺動可能に嵌装されており 、この可動支持部材ｈは上記連結部材ｇに螺装された緊締螺杆ｉでワークＷを緊 締して固定している。

【０００４】 従って、上述したワークの取付装置は、ワークＷを把持する際、このワークＷ をＶ溝部ｅに当接し、しかる後、上記緊締螺杆ｉを螺進して上記可動支持部材ｈ で上記ワークＷの一部を押圧して、ワークＷを上記Ｖ溝部ｅと上記可動支持部材 ｈとで緊締して固定する。

【０００５】 このように上述したワークの取付装置は、上記ワークＷを緊締固定し、ワイヤ カット放電加工機ｊにおけるワイヤ電極ｋで上記ワークＷを放電加工している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上述したワークの取付装置は、ワークＷを上記Ｖ溝部ｅと上記 可動支持部材ｈとで緊締して固定する関係上、上記ワークＷの大きさが上記Ｖ溝 部ｅや一対の案内杆ｆの幅で制限され、大きいワークＷをワイヤ電極ｋで放電加 工することが困難になるばかりでなく、上記ワイヤ電極ｊによるワークＷへの移 動操作が面倒になり、多くの時間を費やす等の問題がある。

【０００７】 本考案は、上述した問題を解消するために、ワークの大きさが一対の案内杆の 幅で制限されることなく、ワークの加工面への位置決めを簡素化して取付時間を 短縮し、放電加工によるワークの加工効率の向上を図るようにしたワーク取付装 置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、額縁状をなす本体の直交する各側枠にＸ方向に対応する第１基準面 及びＹ方向に対応する第２基準面を形成し、この両基準面の下にＺ方向に対応す る第３基準面を形成した各保持部材を着脱自在に設け、上記各側枠に対し互いに 向合った他の各側枠に各長孔を長手方向へ穿設し、この各長孔に可動調整部材を 各取付部材で固定するように設け、この可動調整部材にワークを固定する操作螺 杆を螺装したものである。

【０００９】

【作用】

本考案は、ワークを把持する際、予め、Ｘ方向に対応する第１基準面及びＹ方 向に対応する第２基準面へワークを当接すると共に、Ｚ方向に対応する第３基準 面にワークを載置し、しかる後、他の各側枠の各長孔に可動調整部材を各取付部 材で固定し、この可動調整部材の操作螺杆を螺進してワークを緊締して固定し、 このワークをワイヤ電極の加工面への位置決めを簡素化して取付時間を短縮し、 放電加工の加工効率の向上を図るものである。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図示のー実施例について説明する。 図１乃至図３において、符号１は、額縁状をなす本体であって、この本体１の の直交する各側枠１ａ、１ｂには、Ｘ方向に対応する第１基準面２及びＹ方向に 対応する第２基準面３が水平方向へ形成されており、この両基準面２、３の直下 の各側枠１ａ、１ｂには、Ｚ方向（垂直方向）に対応する第３基準面４を形成し た各保持部材５が着脱自在に設けられている。又、上記各側枠１ａ、１ｂに対し 互いに向合った他の各側枠１ｃ、１ｄには、各長孔６、７が各側枠１ｃ、１ｄの 長手方向へ穿設されており、この各長孔６、７には、例えば、スロットナットの ような各止めナット８が嵌装されている。さらに、上記各長孔６、７の位置する 上記各側枠１ｃ、１ｄには、断面が四角形をなす可動調整部材９が跨がって載置 されており、この可動調整部材９には、各長孔９ａ、９ｂが長手方向へ穿設され ている。さらに又、この各長孔９ａ、９ｂには、例えば、有頭ボルトのような各 取付部材１０が貫通して上記各止めナット８に螺装されており、上記可動調整部 材９は各取付部材１０で固定するように設けられている。又、この可動調整部材 ９の中程には、操作螺杆１１がワークＷを固定するように螺装されており、この 操作螺杆１１はこれを回転して内方へ螺進することにより、この操作螺杆１１の 内端部１１ａでワークＷを押圧している。

【００１１】 以下、本考案の作用について説明する。 従って、ワークＷを把持する際、予め、Ｘ方向に対応する第１基準面２及びＹ 方向に対応する第２基準面３へワークを当接すると共に、Ｚ方向に対応する第３ 基準面４にワークＷを載置してワークＷを水平に保持する。しかる後、他の各側 枠１ｃ、１ｄの各長孔６、７に可動調整部材９を各取付部材１０で固定する。

【００１２】 次に、この可動調整部材９の操作螺杆１１を内方へ螺進して、第１基準面２、 第２基準面３及び操作螺杆１１による三点支持でワークＷを緊締固定する。

【００１３】 次に、図５に示されるように、上記各ワークＷをワイヤカット放電加工機ｉに おけるワイヤ電極ｊで放電加工する。

【００１４】 このように本考案は、ワークＷの大きさが一対の案内杆の幅で制限されること なく、ワークＷをワイヤ電極の加工面への位置決めを簡素化して取付時間を短縮 し、放電加工の加工効率の向上を図ることができる。

【００１５】 次に、図４に示される本考案の他の実施例は、同形等大の２個のワークＷを一 工程で放電加工するために、本考案のワーク取付装置を２組連設して構成したも のであり、上述した具体例と同じ構成をなすものである。 なお、本考案のワークＷは円柱状のものについて説明したけれども、多角形の ワークであっても差支えないこと勿論である。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたように本考案は、額縁状をなす本体の直交する各側枠にＸ方向に対 応する第１基準面及びＹ方向に対応する第２基準面を形成し、この両基準面の直 下にＺ方向に対応する第３基準面を形成した各保持部材を着脱自在に設け、上記 各側枠に対し互いに向合った他の各側枠に各長孔を長手方向へ穿設し、この各長 孔に可動調整部材を各取付部材で固定するように設け、この可動調整部材にワー クを固定する操作螺杆を螺装してあるので、比較的に大きいワークをワイヤ電極 の加工面への位置決めを簡素化して取付時間を短縮できるばかりでなく、放電加 工による加工効率の向上を図ることができる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のワークの取付装置を示す斜視図。

【図２】同上平面図。

【図３】図２の鎖線Ａ−Ａに沿う断面図。

【図４】本考案の他の実施例を示す斜視図。

【図５】従来のワークの取付装置を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 第１基準面 ３ 第２基準面 ４ 第３基準面 ５ 保持部材 ６，７ 長孔 ９ 可動調整部材 １０ 取付部材 １１ 操作螺杆

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】額縁状をなす本体の直交する各側枠に形成
   されたＸ方向に対応する第１基準面及びＹ方向に対応す
   る第２基準面と、この両基準面の下に着脱自在に設けら
   れると共にＺ方向に対応する第３基準面を形成した各保
   持部材と、上記各側枠に対し互いに向合った他の各側枠
   に長手方向へ穿設された各長孔と、この各長孔に各取付
   部材で固定するように設けられた可動調整部材と、この
   可動調整部材に螺装される共にワークを固定する操作螺
   杆とを具備したことを特徴とするワーク取付装置。