JPH0663041B2 - スティ−ムインジェクション用鋼管の製造法 - Google Patents

スティ−ムインジェクション用鋼管の製造法

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JPH0663041B2
JPH0663041B2 JP63199508A JP19950888A JPH0663041B2 JP H0663041 B2 JPH0663041 B2 JP H0663041B2 JP 63199508 A JP63199508 A JP 63199508A JP 19950888 A JP19950888 A JP 19950888A JP H0663041 B2 JPH0663041 B2 JP H0663041B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、十分な耐高温・高圧性能を備えると共に経
済的にも有利で、例えばオイルサンドからアスファルト
を回収する際に使用される蒸気吹込み管等として好適な
スティームインジェクション用鋼管の製造方法に関する
ものである。
〈従来技術とその課題〉 最近、原油採掘現場のオイルサンドからアスファルトを
回収するために地下のオイルサンド層へ高温・高圧の蒸
気を注入する方法が開発されたが、このとき吹き込まれ
る高温・高圧の蒸気は一般に300〜350℃もの高温である
ため、スティームインジェクション用鋼管として通常成
分鋼から成るものを適用したのでは強度が不足して吹込
み圧力に耐えることができなかった。そのため、上記ア
スファルト回収用のスティームインジェクション用鋼管
には高温用の耐熱鋼(例えばステンレス鋼や高Ni合金
等)が適用されていたが、これらの鋼管は高価であって
経済的に十分満足できるものではなかったことから、よ
り有利な代替品の開発が強く望まれていた。
そこで、上記要求を満たすべく、合金成分としてMoとV
を添加し200〜450℃の中温域における高強度化を図った
蒸気輸送用鋼管が提案された(特公昭60−27731号)。
即ち、この蒸気輸送用鋼管は、MoとVを添加することに
よって炭化物等を形成させ、その炭化物等の析出硬化に
より中温域の強度を高めたものである。
しかしながら、上記提案になる蒸気輸送用鋼管は、合金
成分として非常に高価なNoを添加しているため経済上の
改善の余地は依然として残るものであり、また、マンネ
スマン式製管方法等を適用して継目無鋼管とする際に問
題となる。“中カブレ”やや“外カブレ”と言った管材
不良の発生に対しては何らの配慮もなされておらず、こ
れらの点から決して実用的であると言えるものではなか
った。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上述のような観点から、高圧蒸気の輸送に十
分耐え得る耐高温・高圧性能を備え、かつ“中カブレ”
や“外カブレ”等の管材不良のないスティームインジェ
クション用継目無鋼管を安価に提供すべくなされたもの
であり、 「C:0.05〜0.15%(以降、成分割合を表わす%は重量%
とする), Si:0.01〜0.50%,Mn:0.50〜1.50%, P:0.025%以下,S:0.008%以下, Cr:0.10〜0.30%,V:0.01〜0.10%, sol.Al:0.01〜0.10%,Ti:0.01〜0.05% を含み、残部が実質的にFeから成る鋼の丸ビレットをマ
ンネスマン式製管方法で継目無鋼管とした後、850〜100
0℃に加熱してから焼入れし、続いて500〜700℃で焼戻
すことによって、高温・高圧の蒸気の十分に耐え、かつ
製管時に生じがちな“中カブレ”や“外カブレ”等の管
材不良もない低コストのスティームインジェクション用
鋼管を安定製造し得るようにした点」 に特徴を有している。
ここで、素材鋼の成分組成並びに製造条件を前記の如く
に限定した理由を、各構成要素の作用と共に詳細に説明
する。
A) 素材鋼の成分組成 C Cは鋼の強度確保上最も安価な成分であるが、本発明に
おいてはスティームインジェクション用鋼管の使用温度
である中温域での強度向上にも重要な役割を演じ、Crや
V等の炭化物となって析出することで中温域強度の十分
な確保を保証する。そして、上記作用による十分な効果
を確保するためにはC含有量を0.05%以上とする必要あ
るが、0.15%を超えて含有させると必要以上に強度が高
くなるほか、溶接性をも阻害するようになることから、
C含有量は0.05〜0.15%と定めた。
Si Siは脱酸上必要な元素であり、強度を高める作用もある
ので0.01%以上の含有量を確保することが必要である
が、0.50%を超えて含有させると靭性及び溶接性に悪影
響を及ぼすことから、Si含有量は0.01〜050%と定め
た。
Mn Mn成分には固溶強化及び焼入れ性向上を通じて鋼の強度
を高める作用があるので0.50%以上含有させることが必
要であるが、その含有量が1.50%を超えると偏析を生じ
る傾向が出てくることから、Mn含有量は0.50〜1.50%と
定めた。
P Pは鋼中に不可避的に随伴される不純物元素であり、靭
性に悪影響を与えるのでその含有量は極めて低い方が好
ましいが、鋼の低P化によるコスト上昇との兼ね合いで
割含有量の上限を0.025%と定めた。
S Sも鋼中に不可避的に随される不純物元素であって、や
はり靭性に悪影響を与えるほか、本発明におけるように
マスネスマン方式の製管方法を適用する場合には鋼中の
硫化物は“中カブレ”や“外カブレ”のような管材不良
の原因となるので、S含有量はできるだけ低く抑えるこ
とが望ましい。そして、S含有量が特に0.008%を超え
た場合に上記悪影響を目立つようなることから、S含有
量の上限を0.008%と定めた。
Cr Crは中温域での十分な鋼材強度を確保する上で必要な成
分であり、該強度上昇に係わるクロム炭化物を“鋼管の
使用温度である300〜350℃”にて強度上昇に一番効果の
ある析出形態で析出させるためにはCr含有量:0.10%以
上を確保する必要があるが、0.30%を超えて含有させて
もも強度上昇効果が飽和するのみならず、経済的にも好
ましくないことから、Cr含有量は0.10〜0.30%と定め
た。
V Vは、Crと同様に中温域での十分な鋼材強度を確保する
上で必要な成分であるが、その含有量が0.01%未満では
強度上昇効果が十分ではなく、一方0.10%を超えて含有
させると靭性に悪影響を及ぼすようになることから、V
含有量は0.01〜0.10%と定めた。
Ti Tiは析出強化作用を有していて鋼材の強度上昇に寄与す
る元素であるが、本発明においては該強度上昇効果より
もむしろ「中カブレや外カブレ等の管材不良原因となる
Nを固定して鋼材組織を細粒化する」と言うTiの別の作
用に注目して添加した。しかし、その含有量が0.01%未
満であると上記作用による所望の効果が十分なく、一方
0.05%を超えて含有させると靭性面で好ましくないこと
から、Ti含有量は0.01〜0.05%と定めた。
sol.Al sol.Alは鋼の脱酸上必要不可欠な元素であり、またNを
固定し鋼材組織を細粒化する作用もあるために添加した
が、その含有量が0.01%未満では添加効果が十分でな
く、一方0.10%を超えて含有させるとAl系介在物
が多くなって鋼の清浄度を損なうようになることに加
え、靭性上も好ましくないことから、sol.Al含有量は0.
01〜0.10%と定めた。
なお、その他の不純物元素量は特に限定されるものでは
なく、例えばNやOについては通常の範囲、つまりOの
場合には0.0100%以下、Nの場合には0.0150%以下で良
い。
B) 製造条件 素材鋼の溶製には通常の転炉溶製を適用すれば良く、本
発明の1つの特徴である「低硫化」については溶銑予備
処理やAOD等の手段を用いた精錬を適用しても良い。そ
して、溶製された鋼は連続鋳造機にて丸ビレットに鋳込
んでも良いし、角ビレットを分塊圧延して丸ビレットと
しても差し支えない。
このようにして準備された丸ビレットは、必要に応じて
手入れを施し、マスネスマン式製管方法で継目無鋼管と
される。
さて、製管後の継目無鋼管は焼入れ・焼戻し処理される
が、焼入れ時の加熱は850〜1000℃とされる。なぜな
ら、該加熱温度が850℃未満であるとフェライト相が残
る可能性があり、一方、1000℃を超える温度に加熱する
と結晶粒が粗大化して好ましくないためである。
また、焼入れは薄肉材については外面のみの焼入れで良
いが、肉厚が25mmを超えるような厚肉材については内外
面とも焼入れした方が好ましい。
焼戻しについては、焼戻し温度が500℃未満では強度が
高くなりすぎて靭性が著しく低下し、一方、焼戻し温度
が700℃を超えるとオーステナイト相が析出して強度が
不安定となるので、焼戻し温度は500〜700℃と限定し
た。
続いて、本発明を実施例によって具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、第1表に示される各成分組成の鋼を転炉にて溶製
し、連続鋳造して丸ビレットとした後、次の工程で継目
無鋼管(15.9〜23.8mm厚)を製造した。
加熱炉→第1ピアサー→第2ビアサー →マンドレルミル→サイザー。
続いて、得られた継目無鋼管を920℃で焼入れし、500〜
700℃で焼戻した。なお、焼入れは外面焼入れのみを施
した。
このようにして製造された鋼管から試験片を切り出し、
種々温度での降伏強度及び引張強さを調査した結果を第
1乃至4図に示すと共に、製管状 況の調査結果を第2表に示した。
第2図に示される結果からも明らかなように、本発明に
係る鋼管は室温の引張強さと同等の引張強さが350℃で
も得られており、効果なMoを添加した比較材に比べ安価
にして同等の性能が得られることが分かる。
また、第3図に示されるように、本発明の方法を適用す
ると、特にスティームインジェクション用鋼管としての
使用温度:300〜350℃で極めて高い引張強さを示す鋼管
を得られることも明らかである。更に、第4図からは50
0〜700℃で焼戻したとしても「引張強さ≧56.2kgf/mm
」,「降伏強度≧45.7kgf/mm」の結果を得られる
ことが分かる。
そして、第2表に示す結果からは、本発明に係る方法に
よると管材不良がなく、中カブレや外カブレの発生も少
ない十分実用に耐えられるスティームインジェクション
用鋼管を安定製造し得ることが明らかである。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、十分な耐高温
・高圧性能を備えた安価なスティームインジェクション
用鋼管を作業性良く量産することが可能となるなど、産
業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る鋼管と比較鋼管に関し、室温で
の降伏強度と350℃での降伏強度の調査結果を示すグラ
フである。 第2図は、本発明に係る鋼管と比較鋼管に関し、室温で
の引張強さと350℃での引張強さの調査結果を示すグラ
フである。 第3図は、本発明に係る鋼管に関し、各種引張試験温度
に対する引張強さ及び降伏強度の関係を示すグラフであ
る。 第4図は、本発明に係る鋼管に関し、各種焼戻し温度に
対する引張強さ及び降伏強度の関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合にて C:0.05〜0.15%,Si0.01〜0.50%,Mn:0.50〜1.50%, P:0.025%以下,S:0.008%以下,Cr:0.10〜0.30%, V:0.01〜0.10%,sol.Al:0.01〜0.10%,Ti:0.01〜0.05% を含み、残部が実質的にFeから成る鋼の丸ビレットをマ
    ンネスマン式製管方法で継目無鋼管とした後、850〜100
    0℃に加熱してから焼入れし、続いて500〜700℃で焼戻
    すことを特徴とする、スティームインジェクション用鋼
    管の製造方法。
JP63199508A 1988-08-10 1988-08-10 スティ−ムインジェクション用鋼管の製造法 Expired - Lifetime JPH0663041B2 (ja)

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