JPH0662936B2 - 過冷却性質をもつ蓄熱剤の過冷却解除方法 - Google Patents

過冷却性質をもつ蓄熱剤の過冷却解除方法

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JPH0662936B2
JPH0662936B2 JP19770689A JP19770689A JPH0662936B2 JP H0662936 B2 JPH0662936 B2 JP H0662936B2 JP 19770689 A JP19770689 A JP 19770689A JP 19770689 A JP19770689 A JP 19770689A JP H0662936 B2 JPH0662936 B2 JP H0662936B2
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鋼三郎 根岸
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ヒートバッテリー等に用いられる過冷却性質
をもつ蓄熱剤の過冷却解除方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、熱を保存し、再び取り出す蓄熱剤として相転移の
潜熱を利用するものが知られている。この種の蓄熱剤は
潜熱蓄熱量が大きく、利用温度領域が適当な通常、酢酸
ナトリウム三水和物、硫酸ナトリウム10水和物等の含
水塩と、この含水塩の担持体例えば、キサンタムガム、
グアルガム、いなご豆ガム等の親水性多糖類又は、澱
粉、ポリアクリル酸等の濃化剤よりなるものが知られて
おり、断熱容器内に収容した蓄熱剤の融点(転移温度)
以上に加熱することにより熱吸収させた後、融点以下の
温度まで冷却して、顕熱を放出させた液相状態のまま保
持することにより蓄熱する。
そして、必要な時、適度な刺激を与えると、順次、過冷
却解除の種を生成させる融点まで上昇し、固相が発生し
始め、固相生成するときの潜熱として放出させるもので
ある。
このような、融点以下に冷却された過冷却蓄熱剤を核形
成させて、吸収している熱エネルギを放出させる過冷却
解除方法としては、例えば、特開昭60−144380
号公報に開示されているように、核形成方法として塩の
種結晶あるいは先鋭物等の核形成源導入方法もしくは、
局部的溶融法、又はゲルに剪断応力を加える方法により
達成することができる。
一方、スナップアクションを利用して蓄冷物質を部分的
に圧縮することによっても種結晶を生成させることがで
きる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、容器内に外部から種結晶又は尖鋭物を投
入する方法は、密封性容器を必ず一度開封したり、蓄熱
剤に異物を接触させなければならず、このとき蓄熱剤は
外気及び接触を持つので、組成が変わったり、粉塵、細
菌、胞子等の大気中の浮游物の侵入により変質する原因
となり、蓄熱剤の寿命を縮める。
一方、剪断応力等の力学的操作により、種結晶を生成さ
せる方法は、圧縮装置が大型で高価になる欠点を有す
る。
本発明は上記欠点に鑑みてなされており、その技術課題
は、蓄熱剤入りの密封性容器を開封することなく、容易
な操作で過冷却解除できる蓄熱剤の過冷却解除方法を提
供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、容器内に封入された過冷却性質をもつ
蓄熱剤を加熱手段により融点以上に加熱して実質的に液
体状態とし、続いて融点以下に冷却して顕熱を放出させ
た後、該過冷却液体状態の蓄熱剤に活性化のための刺激
を投入して、この蓄熱剤の種結晶を晶出することによ
り、この蓄熱剤を結晶化して潜熱を放出させる過冷却性
質をもつ蓄熱剤の過冷却解除方法において、上記容器の
外に、冷却端と発熱端とを有するペルチエ素子と、この
容器内の蓄熱剤から上記冷却端に熱伝導を行う熱伝導部
材と、上記発熱端に熱媒体を収納した放熱容器とを設
け、上記蓄熱剤のうちこの熱伝導部材近辺の一部を、上
記熱伝導部材を介して上記ペルチエ素子によって、この
過冷却温度以下に冷却して上記蓄熱剤に潜熱を放出させ
るとともに、この潜熱を上記熱媒体に蓄熱させることを
特徴とする過冷却性質をもつ蓄熱剤の過冷却解除方法が
得られる。
即ち、本発明は、過冷却状態の蓄熱剤の過冷却解除の誘
発方法として、この蓄熱剤が自発的に固相を生成する温
度にて、蓄熱剤の一部に種結晶を生成せしむることによ
り、残りの蓄熱剤の固相生成を生成せしめ、しかも放出
された潜熱を放出容器内の熱媒体に蓄熱してこの潜熱利
用しやすいようにしたものである。ここで、本発明にお
いて、蓄熱剤は酢酸ナトリウム三水和物を主体とし、多
糖類を含有するものが使用できるが、これらに限定され
るものではない。
[作用] 本発明の作用について説明する。
容器内に封入された蓄熱剤を融点以上に加熱して、蓄熱
させる。
続いて、徐々に融点以下の温度まで降下されて、顕熱を
放出させる。このような状態で保持したのち、容器外壁
部に設けられたペルチエ効果を有する素子の低温側を、
熱伝導性部材を介して容器壁に接触させることにより、
接触部付近の温度を過冷却解除の温度まで局部冷却し種
結晶を生成させる。
容器内の蓄熱剤は一旦上昇して、融点(転移温度)に達
して固相を形成し、容器外の温度と等しくなるまで潜熱
を放出し続ける。
そしてこの潜熱はペルチエ素子の高温側から放出容器内
の熱媒体(例えば水、フロン等)内に蓄熱され、利用し
やすい状態となる。
以上のように、制御された蓄熱及び放熱がくり返し可能
である。
[実施例] 本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明を実施するための装置の一例を示す図で
ある。この図において、蓄熱剤1は軟質ビニールよりな
る容器2内に、電気ヒータ3とともに封入されている。
容器2の外方にペルチエ素子4が設けられており、この
ペルチエ素子4の一端面は、吸熱する冷却端4a、他端
面は、冷却端4aで吸熱した熱を放熱する発熱端4bで
ある。冷却端4aは先端部が微小面積で、後端部が冷却
端4aと略同一面積の熱伝導性良好なアルミニウムより
なり、先端部が微小面積で、後端部が冷却端4aと略同
一面積の熱伝導部材6を介して容器2に連絡する。ま
た、発熱端4bはアルミニウムよりなり、内部に水、フ
ロン(特に気化しやすいR−113)等の熱媒体9を収
納し、放熱を促進させるとともに、内部に蓄熱をする放
熱容器5と接している。
ペルチエ素子4及び熱伝導部材6は、周囲からの吸熱を
防止する目的で断熱材10に覆われて、外気からの温度
の影響を防いでいる。蓄熱材1は、融点58℃の過冷却
する性質を有する多糖類を含む酢酸ナトリウム三水和物
よりなる。
尚、端子7、7′には直流電源、ヒータ3にはペルチエ
素子4と放熱容器5及び熱伝導部材6との接合部の接触
面は熱伝導性を有するシリコングリスが塗布されてい
る。
次に、装置の動作について説明する。
容器2内に封入された蓄熱剤をヒータ8を通電して融点
58℃以上の温度まで加熱して蓄熱剤を液体状とする。
次にヒータ電源をOFFして加熱を中止すると、蓄熱剤
は徐々に冷却し、融点以下の周囲温度まで液体状態のま
まで過冷却する。
この過冷却状態の蓄熱剤より潜熱を取り出すには、ペル
チエ素子に端子7、7′より直流を通電すると、ペルチ
エ素子4の放熱容器5側が発熱し、熱伝導部材6側が吸
熱し、熱伝導部材6の先端微小面積部分に接触部分から
容器内蓄熱剤が更に冷却されて、−10℃〜−12℃よ
り降下すると、この部分で凝結し、この部分近辺より急
激に昇温すると順次過冷却解除凝結し、58℃まで上昇
し、58℃で潜熱を放出し続ける。本実施例で使用した
蓄熱剤の冷却による過冷却解除の温度は、通常は−10
℃〜−12℃で、−15℃以下の温度とすると、100
%過冷却が解除される。
熱伝導部材6は、容器2側を微小面積として蓄熱剤をポ
イント冷却し、ペルチエ素子4側をこれと略同一面積と
して放熱面を増加させることによって、ペルチエ素子4
を効率的に動作させることができる。
熱媒体9は、例えば熱容量の大きい水を用いれば、一時
的な大放熱があったとしても放熱容器5が加熱すること
はない。また、気化しやすいフロンR−113を用いれ
ば、蓄熱剤からの潜熱の他、気化熱をも利用することが
できる。
また、蓄熱剤の加熱源として本実施例ではヒータ3を用
いたが、蓄熱剤周囲に温風を与えたり、内部に温水を流
しても構わない。
そして、本発明は深夜電力を利用し、蓄熱して必要時に
熱を供給する住宅暖房器、ヒートポンプユニットの立ち
上がり能力増加、カーヒーターの即暖房用に有効に利用
できる。
[発明の効果] 以上述べて来た通り、本発明の過冷却解除方法によれ
ば、ペルチエ素子を使用しているために、電流制御によ
る冷却端の温度設定が調整可能である。又、蓄熱剤の加
熱には電気ヒータを設ければ、蓄熱及び放熱は全て電気
により自動化等の制御対応ができる。
本発明の過冷却解除方法によれば、密封性容器内の蓄熱
剤に外気の接触を持たせないので、蓄熱剤の変質等を防
止でき、蓄熱剤が半永久的に使用できる。
また、放熱容器内の熱媒体に蓄熱剤を用いることにより
潜熱を蓄熱するので、効率的に潜熱を利用でき、熱媒体
として熱容量の大きい水を使用すれば、一時的な大放熱
があったとしても放熱容器が加熱することもないし、気
化しやすいフロンR−113を用いれば、蓄熱剤潜熱の
他に気化熱をも利用できる。
更に、本発明の過冷却性質をもつ蓄熱剤の過冷却解除方
法によれば、確実に過冷却解除ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための装置の構成を示す図で
ある。 1…蓄熱剤、2…容器、3…ヒータ 4…ペルチエ素子、5…放熱容器 6…熱伝導部材、7、7′…電源端子 8…電源、9…熱媒体、10…断熱材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内に封入された過冷却性質をもつ蓄熱
    剤を、加熱手段により融点以上に加熱して実質的に液体
    状態とし、続いて融点以下に冷却して顕熱を放出させた
    後、該過冷却液体状態の蓄熱剤に活性化のための刺激を
    投入して、該蓄熱剤の種結晶を晶出することにより該蓄
    熱剤を結晶化させて潜熱を放出させる過冷却性質をもつ
    蓄熱剤の過冷却解除方法において、上記容器の外に、冷
    却端と発熱端とを有するペルチエ素子と、該容器内の蓄
    熱剤から上記冷却端に熱伝導を行う熱伝導部材とを設け
    るとともに、上記発熱端に熱媒体を収納した放熱容器を
    設け、上記蓄熱剤のうち上記ペルチエ素子により上記蓄
    熱剤の上記熱伝導部材近辺の一部を過冷却温度以下に冷
    却して、上記蓄熱剤からの潜熱を放出させるとともに上
    記熱媒体に蓄熱させることを特徴とする過冷却性質をも
    つ蓄熱剤の過冷却解除方法。
JP19770689A 1989-07-28 1989-07-28 過冷却性質をもつ蓄熱剤の過冷却解除方法 Expired - Lifetime JPH0662936B2 (ja)

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