JPH0662858A - 動物細胞の固定化方法及び固定化用容器 - Google Patents

動物細胞の固定化方法及び固定化用容器

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JPH0662858A
JPH0662858A JP4245774A JP24577492A JPH0662858A JP H0662858 A JPH0662858 A JP H0662858A JP 4245774 A JP4245774 A JP 4245774A JP 24577492 A JP24577492 A JP 24577492A JP H0662858 A JPH0662858 A JP H0662858A
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JP
Japan
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carrier
immobilization
cell
container
animal
Prior art date
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Pending
Application number
JP4245774A
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English (en)
Inventor
Noritoshi Kimura
文紀 木村
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Publication date
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定化用容器の内側壁面上に動物細胞が付着
するのを防止して、担体への固定化を効率的に行う。 【構成】 動物細胞付着性材料からなる容器内で、動物
細胞固定化用担体を用いて動物細胞の固定化を行うにあ
たり、前記容器の内側表面の少なくとも1部分を動物細
胞非付着性ヒドロゲル層で覆う。 【効果】 動物細胞はヒドロゲルには付着しないので、
容器内側表面をヒドロゲル層で覆うと、担体への細胞付
着率が向上する。特に、細胞懸濁液を注入して細胞を担
体へ付着させた後、懸濁液を容器内で移動させ、未付着
細胞を担体と効率よく接触させ、付着率を飛躍的に向上
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物細胞の固定化方法
及び固定化用容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】動物細
胞を担体に固定化する際には、ガラスなどからなる培養
容器(例えば、シャーレ)内に動物細胞固定化用担体を
配置し、動物細胞を懸濁させた培養液を注入して、担体
に動物細胞を接触させ、伸展させる方法が一般に行われ
ている。しかし、細胞懸濁液を培養容器に注入する固定
化工程において、細胞懸濁液に含まれる動物細胞の中に
は、担体と接触せずに沈降したり、浮遊したりしてシャ
ーレの内壁面と接触して伸展し、シャーレ内壁面上に付
着するものがある。このように、シャーレ内壁面上に付
着する動物細胞の数が多くなると、結果的に、担体に固
定化される動物細胞の数が減少するので、シャーレ内壁
面上に付着する動物細胞の数をできる限り少なくするこ
とが望ましい。本発明の目的は、動物細胞が前記のよう
にシャーレ内壁面上に付着するのを防止し、固定化を効
率よく実施することのできる手段を提供することにあ
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
よる、動物細胞付着性材料からなる容器内で、動物細胞
固定化用担体を用いて、動物細胞の固定化を行うにあた
り、前記容器の内側表面の少なくとも1部分を動物細胞
非付着性ヒドロゲル層で覆い、前記容器の内側表面と動
物細胞との接触を防止することを特徴とする、動物細胞
の固定化方法によって達成することができる。また、本
発明は、動物細胞付着性材料からなる容器の内側に動物
細胞固定化用担体を有すると共に、前記容器の内側表面
の少なくとも1部分に動物細胞非付着性ヒドロゲル層を
備えることを特徴とする、動物細胞の固定化用容器にも
関する。
【0004】本発明は、動物細胞付着性材料からなる容
器及び動物細胞固定化用担体を用いて、動物細胞の固定
化工程、及び場合により引き続いて培養工程を実施する
場合に適用される。ここで動物細胞付着性材料とは、例
えば、ガラス、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエステル、ポリプロピレン,ポリエチレン、ポ
リアミド又はシリコーンであり、固定化及び/又は培養
工程に用いる容器(例えば、シャーレ、ビーカー、充填
槽)は、一般に、動物細胞付着性材料からなる。
【0005】本発明で用いる動物細胞固定化用担体は特
に限定されるものではなく、例えば、セルロース、キト
サン又はシラン等の多孔質ビーズを基材として用いるマ
イクロキャリア、或いは、各種の基材にコラーゲンをコ
ーティングして調製した固定化用担体などを挙げること
ができる。また、好ましい担体として、特願平3─20
470号明細書に記載の簡易なオートクレーブ滅菌処理
が可能な動物細胞固定化用担体(親水性繊維を主体とす
る構成繊維が親水性樹脂によって結合されている不織布
であって、絹フィブロイン、骨粉、ゼラチン、コラーゲ
ン及び/又は二価陽イオン生成性塩が前記親水性樹脂と
の混合物の形で含まれている担体)、或いは、特願平4
−148507号明細書に記載の動物細胞固定化用担体
(絹フィブロイン、骨粉、ゼラチン、コラーゲン及び/
又は二価陽イオン生成性塩がキトサンとの混合物の形
で、多孔質基材の全表面上に、連続的に又は不連続的に
分散して含まれている担体)も挙げることができる。
【0006】本発明で用いる動物細胞非付着性ヒドロゲ
ルも特に限定されるものではなく、例えば、寒天、アル
ギン酸ゲル又はアクリルアミドゲルを挙げることができ
る。オートクレーブ耐性などを有する寒天を用いるのが
好ましい。本発明においては、容器の内側表面の少なく
とも1部分を動物細胞非付着性ヒドロゲル層で覆い、前
記容器の内側表面と動物細胞との接触を防止する。動物
細胞はヒドロゲルには付着しないので、ヒドロゲル層で
覆う前記容器の内側表面の割合が高くなればなるほど、
容器の内側表面に付着する動物細胞の割合は少なくな
り、結果的に、担体に固定化される動物細胞の比率が向
上する。
【0007】ヒドロゲル層で覆う前記容器の内側表面の
割合や場所は、固定化工程及び場合により引き続いて行
う培養工程における、細胞懸濁液の挙動に応じて適宜選
択する。即ち、細胞懸濁液中の細胞が付着する可能性の
高い壁面部分をヒドロゲル層で覆う。例えば、固定化用
担体を配置した容器内に細胞懸濁液を注入した後に、細
胞懸濁液を攪拌や揺動により容器内で移動させ、細胞懸
濁液中の細胞と担体との接触頻度を増加させることによ
って固定化効率の向上を図る場合には、容器の底面だけ
でなく、容器の内側側面もヒドロゲル層で覆うのが好ま
しい。また、固定化用担体を配置した容器内に細胞懸濁
液を注入した後に、細胞懸濁液を攪拌したり、揺動した
りせず、一定時間経過後に、細胞懸濁液のピペッティン
グ(液をピペットに吸い込み、再度担体上に吐き出す操
作)を行う場合には、容器の底面だけをヒドロゲル層で
覆うだけでも十分な効果を得ることができる。
【0008】容器底面にヒドロゲル層を形成するには、
ヒドロゲル水溶液を容器に流し込んで常法によって固化
させればよく、形成された固化ヒドロゲル層の上に担体
を置くことができる。また、前記の方法で容器底面に固
化ヒドロゲル層を形成した後に、その固化ヒドロゲル層
の上に離型性材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレ
ン)からなる型を置き、型と容器との間に更にヒドロゲ
ル水溶液を流し込んで固化させ、固化後に型を抜くと、
容器の底面及び内部側面に固化ヒドロゲル層を有する容
器が得られる。型を抜いた凹部に担体を置くことができ
る。ここで使用する型は、担体と同じ大きさでも、担体
より大きいものでもよい。なお、容器の内面にヒドロゲ
ルをコーティングして固化ヒドロゲル層を形成してもよ
く、更に、別の容器で固化させたヒドロゲル層を本発明
で用いる容器に移動することもできる。
【0009】本発明方法及び本発明容器は、動物細胞の
固定化工程のみを実施し、増殖工程を別の容器で実施す
る場合、更には、固定化工程及び増殖工程を同じ容器で
実施する場合のいずれにも適用することができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。担体製造例 レーヨン繊維ウェブ170g/m2 (平均繊維径=15
デニール:平均繊維長=76mm)にニードルパンチ処理
(針密度200本/cm2 )を施してニードルパンチフェ
ルトを得た。ポリウレタンエマルジョン(固形分35
%)(メルシー589:東洋ポリマー)20重量部とエ
ポキシ系架橋剤(AD−C−65:東洋ポリマー)0.
5重量部とを含み、蒸留水で全体を100重量部とした
バインダー液を用い、ステンレススチールマングルによ
り、スリット幅0.7mmで絞り、前記のニードルパンチ
フェルトに均一に含浸させた後、150℃で架橋乾燥さ
せた(バインダー量=25g/m2 )。次に、キトサン
1%溶液〔キトサン(脱アセチル化率=85〜95%;
和光純薬工業(株))1gを、蒸留水98.4g及びL
−乳酸(和光純薬工業(株))0.6gで、58℃にて
溶液化して調製〕70重量部、3%フィブロイン水溶液
20重量部及び8%ゼラチン水溶液10重量部からなる
被覆液を用い、ステンレススチールマングルにより、ス
リット幅0.8mmで絞り、前記のウレタン含浸ニードル
パンチフェルトに均一に含浸させた。150℃で乾燥さ
せた後、4%NaOH水溶液で処理してキトサンを不溶
化し、水洗してからもう一度150℃で乾燥させて担体
を得た(目付=270g/m2 ;厚み=3.0mm)。こ
の担体を直径20mmの円板状に裁断して以下の実施例及
び比較例で使用した。
【0011】実施例1 (1)ガラスシャーレ(直径22mm)に3%寒天水溶液
1mlを入れ、紫外線照射クリーンベンチ中に放置して寒
天を固化させた。前記シャーレの底面上に形成された固
化寒天層の上に、前記の担体製造例で調製した動物細胞
固定化用不織布を置いた。 (2)DMEM培地に10%牛血清を加えて培養用培地
を調製し、L929細胞を5×105 /mlの濃度になる
ように分散させて細胞懸濁液を得た。この細胞懸濁液1
mlを前記シャーレ内の担体上に静かに滴下し、5%CO
2 雰囲気下のインキュベーター中で37℃にて4時間静
置した後、1回ピペッティングを行った。更に同じ条件
で4時間静置した後、前記担体中及び担体の周囲の培養
液を回収し、その培養液に含まれる未固定化細胞を遠心
分離によって集めた。更に、前記担体を取り出した後で
シャーレにトリプシン水溶液を加え、10分後にピペッ
ティングを行ってトリプシン水溶液を回収し、未固定化
細胞を遠心分離によって集めた。前記の回収培養液及び
トリプシン水溶液中の未固定化細胞数を計数し、接種細
胞数を100%として付着率を算出したところ70%で
あった。
【0012】実施例2 アルギン酸ナトリウム(熱水)5%水溶液をガラスシャ
ーレ(直径22mm)に入れ、CaCl2 5%水溶液を上
から加えて放置し、アルギン酸ナトリウムからなるゲル
層を前記シャーレの底面上に形成させた。続いて、前記
実施例1(2)と同様の固定化及び培養実験を行ったと
ころ、前記実施例1(2)とほぼ同様の付着率が得られ
た。
【0013】実施例3 水100mlに、アクリルアミド(10g)、N,N’−
メチレンビスアクリルアミド(0.27g)、過硫酸ア
ンモニウム(40mg)及びN,N’,N,N’−テトラ
メチルエチレンジアミン(240μl)を溶かし、得ら
れた水溶液をガラスシャーレ(直径22mm)入れて放置
し、アクリルアミドゲル層を前記シャーレの底面上に形
成させた。前記実施例1(2)と同様の固定化及び培養
実験を行ったところ、前記実施例1(2)とほぼ同様の
付着率が得られた。
【0014】実施例4 ガラスシャーレ(直径35mm)に3%寒天水溶液3mlを
入れ、紫外線照射クリーンベンチ中に放置して寒天を固
化させた。前記シャーレの底面上に形成された固化寒天
層の中央に、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)
製の円柱型(直径20mm;高さ5mm)を置き、その円柱
型の周囲に3%寒天水溶液3mlを注ぎ、紫外線照射クリ
ーンベンチ中に放置して周囲の寒天を固化させた。寒天
が固まった後で円柱型を取り除き、形成されたくぼみの
中に前記の担体製造例で調製した動物細胞固定化用不織
布を置いた。続いて、前記実施例1(2)と同様の固定
化及び培養実験を行ったところ、付着率は80%であっ
た。
【0015】比較例1 ガラスシャーレ(直径22mm)に、前記の担体製造例で
調製した動物細胞固定化用不織布を置き、前記実施例1
(2)と同様の固定化及び培養実験を行ったところ、付
着率は40%であった。
【0016】
【発明の効果】動物細胞はヒドロゲルには付着しないの
で、固定化用容器の内側表面をヒドロゲル層で覆うと、
容器壁面に接触して付着する細胞が無くなり、動物細胞
は担体以外には接触しなくなるので、担体への細胞付着
率が向上する。特に、本発明においては、担体を備えた
容器中に細胞懸濁液を注入して動物細胞を担体へ付着さ
せた後に、細胞懸濁液を容器内で移動させ、懸濁液中の
未付着動物細胞を担体と効率よく接触させ、細胞付着率
を飛躍的に向上させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物細胞付着性材料からなる容器内で、
    動物細胞固定化用担体を用いて、動物細胞の固定化を行
    うにあたり、前記容器の内側表面の少なくとも1部分を
    動物細胞非付着性ヒドロゲル層で覆い、前記容器の内側
    表面と動物細胞との接触を防止することを特徴とする、
    動物細胞の固定化方法。
  2. 【請求項2】 動物細胞付着性材料からなる容器の内側
    に動物細胞固定化用担体を有すると共に、前記容器の内
    側表面の少なくとも1部分に動物細胞非付着性ヒドロゲ
    ル層を備えることを特徴とする、動物細胞の固定化用容
    器。
JP4245774A 1992-08-20 1992-08-20 動物細胞の固定化方法及び固定化用容器 Pending JPH0662858A (ja)

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JPH0662858A true JPH0662858A (ja) 1994-03-08

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010537633A (ja) * 2007-08-30 2010-12-09 プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ コンプライアント表面のマルチウェル培養プレート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010537633A (ja) * 2007-08-30 2010-12-09 プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ コンプライアント表面のマルチウェル培養プレート

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