JPH0662769B2 - フルオロアルキル基含有シリコーンオイル - Google Patents

フルオロアルキル基含有シリコーンオイル

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JPH0662769B2
JPH0662769B2 JP17866691A JP17866691A JPH0662769B2 JP H0662769 B2 JPH0662769 B2 JP H0662769B2 JP 17866691 A JP17866691 A JP 17866691A JP 17866691 A JP17866691 A JP 17866691A JP H0662769 B2 JPH0662769 B2 JP H0662769B2
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silicone oil
oil
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fluoroalkyl group
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伸一 佐藤
健一 福田
博文 木下
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐溶剤性に優れ、高吸
湿性、高表面張力等の特性を有するフルオロアルキル基
含有シリコーンオイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコーンオイルとしては、ジメ
チルポリシロキサンからなるジメチルシリコーンオイル
が最も一般的に知られている。このジメチルシリコーン
オイルは、耐熱性、耐寒性が優れており、潤滑油、電気
絶縁油、消泡剤、防振油等の各種用途に広く使用されて
いる。
【0003】然しながら、ジメチルシリコーンオイル
は、ベンゼン、トルエン、四塩化炭素等の非極性溶剤に
完全に溶解してしまうために、このような非極性溶剤が
接触したり飛散するような箇所では使用することができ
なかった。また吸湿性が高いために、電気絶縁油として
使用した場合には、湿気(水分)の影響により絶縁性が
低下するという問題があった。さらには、潤滑性が低い
ことも指摘されている。これらのジメチルシリコーンオ
イルの欠点を改善したものとして、トリフルオロプロピ
ル基を有するフルオロシリコーンオイルが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のフルオ
ロシリコーンオイルは、潤滑性及び非極性溶剤に対する
耐溶解性は改善されているものの、アセトン、ジメチル
ホルムアミド(DMF)等の極性溶剤に対する溶解性が
ジメチルシリコーンオイルよりも低下するという問題が
ある。また吸湿性はほとんど改善されておらず、表面張
力はジメチルシリコーンオイルに比して高くなってお
り、さらに耐熱性がかなり劣っていることも新たな問題
点として指摘されている。 従って本発明の目的は、ジメチルシリコーンオイルやト
リフルオロプロピル基を有するフルオロシリコーンオイ
ルに比して諸物性がバランスよく改善されたシリコーン
オイルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1):
【化3】 〔式中、R1 は置換または非置換の一価炭化水素基であ
り、 Xは水素原子または下記一般式(2):
【化4】 (R2 , R3 , R4 は、それぞれ独立に置換あるいは非
置換の一価炭化水素基である)で表される基であり、 nは10〜5000の整数である、〕 で表されるフルオロアルキル基含有シリコーンオイルが
提供される。
【0006】本発明のシリコーンオイルの重要な特徴
は、分子鎖末端を除く全てのケイ素原子には、少なくと
も1個の−C 2 H 4 CF( CF3 ) 2 基が結合している点に
あり、このような基の存在により、耐溶剤性、耐油性等
に優れ且つ表面張力、吸湿性、屈折率が低い等の優れた
諸物性が発現されるものである。
【0007】本発明において、前記一般式(1) 及び(2)
におけるR1 〜R4 の一価炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチ
ルブチル基、オクチル基などのアルキル基、シクロヘキ
シル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、ヘキセニル基などのアルケニル基、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフ
ェニル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチ
ル基などのアラルキル基、及びこれらの基の水素原子の
全部または一部がハロゲン原子、シアノ基などで置換さ
れた置換炭化水素基、例えばクロロメチル基、トリフル
オロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロ
ピル基、−C 2 H 4 CF( CF3 ) 2 等の基を例示すること
ができる。これらの内でも好ましいものは、炭素原子数
が6以下の非置換あるいはフッ素置換アルキル基であ
り、最も好適なものは−C 2 H 4 CF( CF3 ) 2 及びメチ
ル基であり、特に製造の容易性からはメチル基であるこ
とが望ましい。 また上記一般式(1) において、整数n
が10〜5000の範囲にあることも重要であり、例えば10よ
りも低いと、揮発性の大きい低分子量化合物や、〔(CCF
3 ) 2 ( CF3 CH2 CH2)(CH3 )SiO〕4 のごとき環状シロ
キサンの生成が多くなり、5000よりも大きいと、末端閉
鎖基の導入が難しくなる等の不都合を生じる。
【0008】上述した一般式(1) で表される本発明のシ
リコーンオイルは、例えば下記一般式(3):
【化5】 (式中、R1 は前記の通り) で表される環状トリシロキサンと末端停止剤との混合物
を触媒の存在下で開環重合せしめることによって製造す
ることができる。 ここで末端停止剤としては、水(この場合、前記Xは水
素原子となる)、あるいは下記一般式(4) もしくは(5):
【化6】
【化7】 (上記式中、R2 〜R4 はそれぞれ前記の通り) で表されるシロキサン化合物が使用される。
【0009】また触媒としては、塩基性触媒、強酸性触
媒の何れも使用することができる。これらの触媒は、開
環重合の後に中和され、ろ過等によって除去される。こ
の中和は、塩基性触媒を用いた場合には酸性化合物を添
加することにより、強酸性触媒を用いた場合には塩基性
化合物を添加することによって行なわれる。
【0010】また上記の方法以外にも、例えば下記一般
式(6):
【化8】 (式中、R1 は前記の通りであり、Yは水酸基または塩
素原子である) で表される化合物を重縮合することによっても製造され
る。 以上の方法で製造された本発明のシリコーンオイルは、
必要により蒸留等によって低沸点分が除去されて、分子
量分布の小さなものとされる。
【0011】本発明のフルオロアルキル基含有シリコー
ンオイルは、種々の物性に優れており、例えば低表面張
力であることを利用して、剥離剤、離型剤、複写機等の
電子写真装置におけるロール用組成物ないしはロール表
面コート剤、液晶組成物、感熱転写記録インクシートに
おけるブロッキング防止剤等の用途に、撥水撥油性、柔
軟性及び低表面張力であることを利用して、化粧品組成
物、毛髪処理剤、繊維処理剤、ワックス等の用途に、高
絶縁破壊電圧及び低吸湿性であることを利用して絶縁油
等の用途に、さらに優れた耐熱性、低吸湿性であること
を利用して、各種作動液等の用途に適用される。しか
も、本発明のシリコーンオイルは、極性溶剤及び非極性
溶剤の何れに対しても優れた耐性を示すために、溶剤の
存在により上記用途に制限を受けることがない。
【0012】
【実施例】合成例1 攪拌器、還流器、温度計を備えた 100mlの四つ口フラス
コを窒素置換した後に、下記式(7):
【化9】 で表される環状トリシロキサン 54.2g 及び、 (CH3 ) 3 SiOH 0.40g を仕込んだ。 次いでフラスコ内温度を 100℃に昇温した後、下記式
(8):
【化10】 で表されるケイ素化合物 0.92gを添加して重合を開始
した。 12時間経過後、50℃まで冷却し、 (CH3 ) 3 SiCl 0.60
gを加え、2時間かけて中和を行なった後に、得られた
重合体を水洗して中和剤である (CH3 ) 3 SiClを除去
し、次いで 150℃、6mmHgの条件で蒸留を行ない、低沸
点分を除去し、25℃における粘度が1000cPのシリコーン
オイル(以下、単に合成オイル1と呼ぶ)34.3gを得
た。
【0013】上記合成オイル1の同定を、 1H−NM
R、19F−NMR及びIRにより行なった。1 H−NMR; δ: 0.11ppm (s, −CH3 , 3H) 0.78ppm (m, −CH2 −C , 2H) 1.92ppm (m, −CH2 −Si , 2H)19 F−NMR; φ: 16.45ppm (d, −CF3 , 6F) −90.37ppm (m, >CF− , 1F) IR; νC-F :1000〜1310cm-1 νSi-O:1000〜1120cm-1 IRチャートを図1に示す。 上記の結果から、合成オイル1の分子構造は、下記式
(9):
【化11】 で表されることが確認された。
【0014】実施例1 合成オイル1、及び市販されているトリフルオロプロピ
ル基含有フルオロシリコーンオイル(FS−1265, ダウコ
ーニング社製)並びにジメチルシリコンオイル(KF−9
6, 信越化学社製)について諸物性の評価を行なった。
結果は、次の通りであった。
【0015】(イ)基本的性質
【表1】
【0016】(ロ)耐熱性( 200℃におけるゲル化時間
により評価)
【表2】 この結果より、合成オイル1は、ジメチルシリコーンオ
イル以上の耐熱性を有していることが理解される。
【0017】(ニ)耐溶剤性(各種の溶剤に浸漬して、
溶解するか否かで評価)
【表3】 上記表中、○は溶解しなかったことを示し、×は溶解し
たことを示す。 以上の結果から合成オイル1は非極性溶剤及び極性溶剤
の何れにも溶解せず、耐溶剤性に優れていることが理解
される。尚、この合成オイル1は、フロン113のような
フッ素系溶剤にのみ溶解した。
【0018】(ホ)表面張力,吸湿性,電気的性質 吸湿性は、25℃、70%RHにおける平衡含水量 (ppm)で
示した。
【表4】
【0019】合成例2 合成例1において、 (CH3 ) 3 SiOHを使用せず、且つ中
和剤として、 (CH3 ) 3 SiClのかわりにテトラクロルエタン 0.23g
を使用した以外は合成例1と同様の操作を行なって、25
℃における粘度が70万cPのシリコーンオイル(以下、単
に合成オイル2と呼ぶ)42.3gを得た。 合成オイル2について、合成例1と同様にして同定を行
なったところ、以下の通りであった。1 H−NMR; δ: 0.11ppm (s, −CH3 , 3H) 0.78ppm (m, −CH2 −C , 2H) 1.92ppm (m, −CH2 −Si , 2H)19 F−NMR; φ: 16.45ppm (d, −CF3 , 6F) −90.37ppm (m, >CF− , 1F) IR; νC-F : 990〜1330cm-1 νSi-O: 990〜1120cm-1 IRチャートを図1に示す。 上記の結果から、合成オイル2の分子構造は、下記式(1
0):
【化12】 で表されることが確認された。
【0020】実施例2 合成オイル2の各種物性について、実施例1と同様に評
価を行なった。結果は次の通りであった。
【0021】(イ)基本的性質
【表5】
【0022】(ロ)耐熱性
【表6】
【0023】(ニ)耐溶剤性
【表7】
【0024】(ホ)表面張力,吸湿性,電気的性質
【表8】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、従来のジメチルシリコ
ーンオイルあるいはトリフルオロプロピル基含有のフル
オロシリコーンオイルについて問題となっていた耐溶剤
性、吸湿性、表面張力、耐熱性、潤滑性等の特性が有効
に改善された。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1において合成された本発明のシリコー
ンオイルのIRチャートを示す図。
【図2】合成例2において合成された本発明のシリコー
ンオイルのIRチャートを示す図。
フロントページの続き (72)発明者 木下 博文 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電子材 料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−306428(JP,A) 特開 昭63−297429(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は置換または非置換の一価炭化水素基であ
    り、 Xは水素原子または下記一般式(2): 【化2】 (R2 , R3 , R4 は、それぞれ独立に置換あるいは非
    置換の一価炭化水素基である)で表される基であり、 nは10〜5000の整数である、〕 で表されるフルオロアルキル基含有シリコーンオイル。
JP17866691A 1991-06-24 1991-06-24 フルオロアルキル基含有シリコーンオイル Expired - Lifetime JPH0662769B2 (ja)

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US5514828A (en) * 1995-04-21 1996-05-07 General Electric Company Process for polymerizing polyfluoroalkylsiloxane cyclic trimer
DE19930141A1 (de) * 1999-07-01 2001-01-18 Degussa Verfahren zur Bestimmung von Silicongehalten
US6436715B1 (en) 1999-07-01 2002-08-20 Degussa Huls Ag Method for determining silicone concentrations
JP5603837B2 (ja) * 2011-06-30 2014-10-08 信越化学工業株式会社 付加硬化型シリコーン組成物及び光学素子

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